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公開番号2025002488
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102699
出願日2023-06-22
発明の名称車両用駆動伝達装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類F16H 57/023 20120101AFI20241226BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】駆動軸芯に沿うスラスト方向での位置を安定させたコンパクトな車両用駆動伝達装置を提供する。
【解決手段】遊星減速機構Gが、サンギヤ21と、リングギヤ22と、ピニオンギヤ23と、ピニオンギヤ23を支持する支軸24と、支軸24と共に公転するキャリア部26aと、を有する。差動歯車機構Dが、キャリア部26aと一体回転する差動ケース26を有する。ケース10の隔壁11からキャリア部26aの方向に突出する第1突出部T1と、キャリア部26aから隔壁11の方向に突出する第2突出部T2との間にラジアル軸受6を設け、サンギヤ21が形成された中間伝動軸3の外周の第1規制部R1と、キャリア部26aの第1規制部R1より差動歯車機構Dの側の第2規制部R2との間に、主スラスト軸受7を設けた。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
駆動力源と一対の車輪との間で駆動力の伝達を行う車両用駆動伝達装置であって、
前記駆動力源の側から伝達される回転を減速して一対の前記車輪の側へ伝達する遊星減速機構と、
前記遊星減速機構から伝達される駆動力を一対の前記車輪に分配する差動歯車機構と、
前記遊星減速機構及び前記差動歯車機構を収容するケースと、を備え、
前記遊星減速機構は、前記駆動力源の駆動力で駆動軸芯を中心に回転するサンギヤと、前記ケースに設けられたリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとに咬合し前記駆動軸芯を中心に公転するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを支持する支軸と、当該支軸と共に公転するキャリア部と、を有しており、
前記差動歯車機構は、前記遊星減速機構からの駆動力により前記駆動軸芯を中心に前記キャリア部と一体回転する差動ケースと、当該差動ケースの内部に収容され前記差動ケースの回転に連動して前記駆動軸芯と同軸芯の駆動軸に駆動力を伝えるギヤ部と、を有しており、
前記ケースは、前記駆動軸芯に直交する姿勢の隔壁を内部に有しており、
前記隔壁は、前記駆動軸芯を中心とする環状領域から前記キャリア部の方向に突出する第１突出部を含んでおり、
前記キャリア部は、前記駆動軸芯を中心に前記第１突出部と異なる径の環状領域から前記隔壁の方向に突出する第２突出部を含んでおり、
前記第１突出部と前記第２突出部との間にラジアル軸受が設けられており、
前記駆動力源からの駆動力が伝えられることにより前記駆動軸を中心に回転する中間伝動軸に前記サンギヤが形成され、前記中間伝動軸は、外周に前記駆動軸芯に直交する方向に延びる第１規制部を含んでおり、
前記キャリア部は、前記第１規制部より前記差動歯車機構の側で、前記駆動軸芯に沿う方向視で前記第１規制部に重複する第２規制部を含んでおり、
前記第１規制部と前記第２規制部との間に主スラスト軸受が設けられている車両用駆動伝達装置。
続きを表示（約 370 文字）【請求項２】
前記隔壁は、前記駆動軸芯に沿う方向で前記第１規制部と重複する第３規制部を含んでおり、
前記第１規制部と前記第３規制部との間に副スラスト軸受が設けられている請求項１に記載の車両用駆動伝達装置。
【請求項３】
前記主スラスト軸受に供給された潤滑油を前記ラジアル軸受に送り、当該ラジアル軸受の外周から外方に送り出す潤滑油流路が形成され、
前記キャリア部は、前記ラジアル軸受の外周から外方に送り出された潤滑油を、受け止め前記支軸と前記ピニオンギヤとの間に供給するレシーバを有している請求項１に記載の車両用駆動伝達装置。
【請求項４】
前記中間伝動軸は、前記駆動力源からの駆動力が伝えられる筒状駆動軸の外周にトルク伝動可能に嵌合している請求項１に記載の車両用駆動伝達装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両用駆動伝達装置に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
車両用駆動伝達装置として、特許文献１には、モータの駆動力を第１遊星減速ギヤと第２遊星減速ギヤとで減速し、差動装置に伝えることにより、減速された駆動力を差動装置から一対のドライブシャフトに伝える車両用駆動伝達装置（文献では動力伝達装置）が示されている。
【０００３】
特許文献１に記載される車両用駆動伝達装置は、第１遊星減速機構で減速されたキャリアからの駆動力を、第２遊星減速機構のサンギヤに伝え、第２遊星減速機構は、プラタネリギヤ（文献では段付きピニオンギヤ）で減速して差動装置のデフケースに伝える伝動構成を有している。
【０００４】
また、この特許文献１では、プラネタリギヤを支持する支軸（文献ではピニオンシャフト）をデフケースに支持することにより、デフケースの一部を第２遊星減速機構のキャリアとして機能させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
国際公開第２０２０／１６１９７７号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１では、デフケースの一端をケースにベアリングで支持し、デフケースの他端を、ケースに隣接配置した中間カバーにベアリングで支持している。デフケースを支持する２つのベアリングはラジアル型である。
【０００７】
特許文献１に示される第２遊星減速機構のプラタネリギヤが咬合するサンギヤは、ドライブシャフトに相対回転可能に外嵌する筒状部材の外周に歯部を形成したものである。また、特許文献１では、サンギヤを形成した筒状部材の軸芯方向での位置を決めるため、筒状部材の端部に当接するスラスト型のニードルベアリングが用いられている。
【０００８】
しかしながら、デフケースを２つのラジアル型のベアリングで支持するものでは、デフケースのスラスト方向の位置が決まり難いことも考えられる。
【０００９】
このような理由から、駆動軸芯に沿うスラスト方向での位置を安定させたコンパクトな車両用駆動伝達装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明に係る車両用駆動伝達装置の特徴構成は、駆動力源と一対の車輪との間で駆動力の伝達を行う車両用駆動伝達装置であって、前記駆動力源の側から伝達される回転を減速して一対の前記車輪の側へ伝達する遊星減速機構と、前記遊星減速機構から伝達される駆動力を一対の前記車輪に分配する差動歯車機構と、前記遊星減速機構及び前記差動歯車機構を収容するケースと、を備え、前記遊星減速機構は、前記駆動力源の駆動力で駆動軸芯を中心に回転するサンギヤと、前記ケースに設けられたリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとに咬合し前記駆動軸芯を中心に公転するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを支持する支軸と、当該支軸と共に公転するキャリア部と、を有しており、前記差動歯車機構は、前記遊星減速機構からの駆動力により前記駆動軸芯を中心に前記キャリア部と一体回転する差動ケースと、当該差動ケースの内部に収容され前記差動ケースの回転に連動して前記駆動軸芯と同軸芯の駆動軸に駆動力を伝えるギヤ部と、を有しており、前記ケースは、前記駆動軸芯に直交する姿勢の隔壁を内部に有しており、前記隔壁は、前記駆動軸芯を中心とする環状領域から前記キャリア部の方向に突出する第１突出部を含んでおり、前記キャリア部は、前記駆動軸芯を中心に前記第１突出部と異なる径の環状領域から前記隔壁の方向に突出する第２突出部を含んでおり、前記第１突出部と前記第２突出部との間にラジアル軸受が設けられており、前記駆動力源からの駆動力が伝えられることにより前記駆動軸を中心に回転する中間伝動軸に前記サンギヤが形成され、前記中間伝動軸は、外周に前記駆動軸芯に直交する方向に延びる第１規制部を含んでおり、前記キャリア部は、前記第１規制部より前記差動歯車機構の側で、前記駆動軸芯に沿う方向視で前記第１規制部に重複する第２規制部を含んでおり、前記第１規制部と前記第２規制部との間に主スラスト軸受が設けられている点にある。
（【００１１】以降は省略されています）

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