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公開番号2024178646
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-25
出願番号2023096945
出願日2023-06-13
発明の名称二酸化炭素回収装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類B01D 53/62 20060101AFI20241218BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】二酸化炭素吸収塔内におけるアミン水溶液の液面高さを適切に保持できる二酸化炭素回収装置を提供する。
【解決手段】二酸化炭素回収装置10aは、アミン水溶液から二酸化炭素が放散されるように構成される二酸化炭素放散塔12と、外部から送給されたガスに含まれる二酸化炭素が二酸化炭素放散塔12から送給されたアミン水溶液に吸収されるように構成される二酸化炭素吸収塔11と、二酸化炭素吸収塔11の内部に存在するアミン水溶液を二酸化炭素放散塔12へ送給するリッチポンプ17と、二酸化炭素吸収塔11の内部に存在するアミン水溶液の液面高さを計測可能な液面高さ計測器16と、アミン水溶液の液面高さの計測結果を用いて二酸化炭素吸収塔11の内部に存在するアミン水溶液の液面高さがあらかじめ規定された範囲内になるようにリッチポンプ17の出力を制御する制御装置22とを備える。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素吸収溶液に吸収されている二酸化炭素が前記二酸化炭素吸収溶液から放散されるように構成される二酸化炭素放散塔と、
外部から二酸化炭素を含有するガスが供給されるガス経路および前記二酸化炭素放散塔へ前記二酸化炭素吸収溶液を送給可能な二酸化炭素吸収溶液経路が接続され、前記ガス経路を介して送給された前記ガスに含まれる二酸化炭素が前記二酸化炭素吸収溶液に吸収されるように構成される第一の二酸化炭素吸収塔と、
動作することにより、前記第一の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記アミン水溶液を、前記二酸化炭素吸収溶液経路を介して前記二酸化炭素放散塔へ送給するように構成される第一のポンプと、
前記第一の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さを計測可能な第一の液面高さ計測器と、
前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さの計測結果を用いて、前記第一の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さがあらかじめ規定された範囲内になるように前記第一のポンプによる前記二酸化炭素吸収溶液の流量を制御する制御装置と、
を備える、二酸化炭素回収装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素回収装置であって、
前記二酸化炭素吸収溶液経路を通じて前記第一の二酸化炭素吸収塔から前記二酸化炭素放散塔へ送給される前記二酸化炭素吸収溶液の流量を計測するように構成される第一の流量計を備え、
前記制御装置は、前記第一の液面高さ計測器による前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さの計測結果と前記第一の流量計による前記二酸化炭素吸収溶液の流量の計測結果とを用いて、前記第一の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さがあらかじめ規定された範囲内になるように前記第一のポンプによる前記二酸化炭素吸収溶液の流量を制御する、
二酸化炭素回収装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の二酸化炭素回収装置であって、
1基の前記第一の二酸化炭素吸収塔および前記1基の第一の二酸化炭素吸収塔とは異なる1基以上の第二の二酸化炭素吸収塔を含み、前記二酸化炭素吸収溶液が流通可能な中間二酸化炭素吸収溶液経路および前記ガスが流通可能な中間ガス経路により互いに直列にかつ前記第一の二酸化炭素吸収塔が前記二酸化炭素吸収溶液の流れの最も下流側に位置するように接続される複数の二酸化炭素吸収塔と、
動作することにより前記第二の二酸化炭素吸収塔から当該第二の二酸化炭素吸収塔に前記中間二酸化炭素吸収溶液経路を介して接続される他の二酸化炭素吸収塔に前記二酸化炭素吸収溶液を送給するように構成される第二のポンプと、
前記第二の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さを計測可能な第二の液面高さ計測器と、
を備え、
前記制御装置は、前記第二の液面高さ計測器による前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さの計測結果を用いて、前記第二の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さがあらかじめ規定された範囲内になるように前記第二のポンプによる前記二酸化炭素吸収溶液の流量を制御する、
二酸化炭素回収装置。
【請求項4】
請求項3に記載の二酸化炭素回収装置であって、
前記第二のポンプにより送給される前記二酸化炭素吸収溶液の流量を計測可能に構成される第二の流量計を備え、
前記制御装置は、前記第二の液面高さ計測器による前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さの計測結果、および前記第二の流量計による前記二酸化炭素吸収溶液の流量の計測結果を用いて、前記第二の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さがあらかじめ規定された範囲内になるように前記第二のポンプによる前記二酸化炭素吸収溶液の流量を制御する、
二酸化炭素回収装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の二酸化炭素回収装置であって、
1基の前記第一の二酸化炭素吸収塔および前記1基の第一の二酸化炭素吸収塔とは異なる単数または複数の第二の二酸化炭素吸収塔を含み、前記二酸化炭素吸収溶液が流通可能な中間二酸化炭素吸収溶液経路および前記ガスが流通可能な中間ガス経路により互いに直列にかつ前記第一の二酸化炭素吸収塔が前記二酸化炭素吸収溶液の流れの最も下流側に位置するように接続される複数の二酸化炭素吸収塔と、
動作することにより前記第二の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する流体を当該第二の二酸化炭素吸収塔に前記中間二酸化炭素吸収溶液経路を介して繋がっている他の二酸化炭素吸収塔に送給するように構成される第二のポンプと、
動作することにより前記二酸化炭素放散塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液を前記単数の第二の二酸化炭素吸収塔または前記複数の第二の二酸化炭素吸収塔のうちの前記二酸化炭素吸収溶液の流れの最も上流側に位置する前記第二の二酸化炭素吸収塔へ送給するように構成される第三のポンプと、
前記第二のポンプにより送給される前記流体の流量を計測可能に構成される第二の流量計、および前記第三のポンプにより送給される前記二酸化炭素吸収溶液の流量を計測可能に構成される第三の流量計と、
を備え、
前記制御装置は、前記第二の二酸化炭素吸収塔から他の前記二酸化炭素吸収塔に送給される流体の流量を、当該第二の二酸化炭素吸収塔に送給される前記二酸化炭素吸収溶液の流量よりも多くなるように、前記第二の流量計による前記流体の流量の計測結果および前記第三の流量計による前記二酸化炭素吸収溶液の流量の計測結果に基づいて、前記第二のポンプによる前記二酸化炭素吸収溶液の流量および前記第三のポンプによる前記二酸化炭素吸収溶液の流量を制御する、
二酸化炭素回収装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素回収装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される二酸化炭素回収装置は、二酸化炭素吸収塔に燃焼排ガスなどといった二酸化炭素の回収の対象となるガス(対象ガス)を導入するとともに、二酸化炭素吸収塔と二酸化炭素放散塔とに二酸化炭素吸収溶液(アミン水溶液)を循環させるように構成される。そして、二酸化炭素吸収塔において対象ガスに含まれる二酸化炭素を二酸化炭素吸収溶液に吸収させ、二酸化炭素放散塔において二酸化炭素吸収溶液から二酸化炭素を放散させるとともに、二酸化炭素放散塔において放散させた二酸化炭素を回収するように構成される。
【0003】
1段式の吸収塔または多段式の吸収塔の最下段(二酸化炭素吸収溶液の流れの最も下流側に位置する吸収塔)において、二酸化炭素吸収溶液の液面高さが過剰に高くなると、外部から対象ガスの供給を受ける経路に二酸化炭素吸収溶液が流入するおそれがある。そして、この経路に二酸化炭素吸収溶液が流入すると、この経路を通じて送給される対象ガスの量が減少するほか、流入した二酸化炭素吸収溶液によって当該経路に設けられるポンプが腐食するおそれがある。
【0004】
また、1段式の吸収塔または多段式の吸収塔の最下段において、二酸化炭素吸収溶液の液面高さが過剰に低くなると、二酸化炭素放散塔に二酸化炭素吸収溶液を送給する経路に対象ガスが流入するおそれがある。そして、対象ガスが当該経路を通じて二酸化炭素放散塔に流入すると、二酸化炭素放散塔において二酸化炭素吸収溶液から放出される二酸化炭素に対象ガスが混入するため、回収される二酸化炭素の純度が低下するおそれがある。
【0005】
また、多段式の吸収塔を備える二酸化炭素回収装置においては、最下段以外の吸収塔内の二酸化炭素吸収溶液の液面が過剰に低くなると(または、最下段以外の吸収塔内に二酸化炭素吸収溶液が溜まっていない状態になると)、上段側の吸収塔(二酸化炭素吸収溶液の流れの上流側、かつ、対象ガスの流れの下流側に隣接する吸収塔をいうものとする)から二酸化炭素吸収溶液の供給を受ける経路を介して対象ガスが流入する(還流する)ことがある。その結果、還流した対象ガスの量だけ処理する対象ガスの量が減少する(換言すると、外部から送給される対象ガスの量が減少する)ため、二酸化炭素の吸収の効率が低下する。一方で、各段の吸収塔内の二酸化炭素吸収溶液の液面が過剰に高くなると、二酸化炭素吸収溶液が下段側の吸収塔から対象ガスの供給を受ける経路を塞ぐことにより、下段側からの対象ガスの送給が妨げられるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-90120号公報
【発明の概要】
【0007】
(発明が解決しようとする課題)
上記実情に鑑み、本発明の目的の1つは、吸収塔(1段式の吸収塔、および多段式の各段の吸収塔)における二酸化炭素吸収溶液の液面高さを適切に保持できる二酸化炭素回収装置を提供することである。
【0008】
(課題を解決するための手段)
前記目的を達成するため、本発明に係る二酸化炭素回収装置は、
二酸化炭素吸収溶液に吸収されている二酸化炭素が前記二酸化炭素吸収溶液から放散されるように構成される二酸化炭素放散塔と、
外部から二酸化炭素を含有するガスが供給されるガス経路および前記二酸化炭素放散塔へ前記二酸化炭素吸収溶液を送給可能な二酸化炭素吸収溶液経路が接続され、前記ガス経路を介して送給された前記ガスに含まれる二酸化炭素が前記二酸化炭素吸収溶液に吸収されるように構成される第一の二酸化炭素吸収塔と、
動作することにより、前記第一の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液を、前記二酸化炭素吸収溶液経路を介して前記二酸化炭素放散塔へ送給するように構成される第一のポンプと、
前記第一の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さを計測可能な第一の液面高さ計測器と、
前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さの計測結果を用いて、前記第一の二酸化炭素吸収塔の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液の液面高さがあらかじめ規定された範囲内になるように前記第一のポンプによる前記二酸化炭素吸収溶液の流量を制御する制御装置と、を備える。
【0009】
本発明に係る二酸化炭素回収装置によれば、液面高の計測結果に基づいて、第一の二酸化炭素吸収塔の内部に溜まっている二酸化炭素吸収溶液の液面高さを、所定の高さ(目標液面高さ)に保持する。これにより、第一の二酸化炭素吸収塔の内部に溜まっている二酸化炭素吸収溶液が対象ガスの経路に流入することを防止または抑制できる。また、第一の二酸化炭素吸収塔の内部に溜まっている二酸化炭素吸収溶液が第一の二酸化炭素吸収塔の内部の対象ガスが二酸化炭素吸収溶液を放散塔へ送給するための経路を介して放散塔へ流入することを防止または抑制できる。すなわち、液面高さを「外部から吸収塔へのガスの送給が妨げられず、かつ、吸収塔から放散塔へ二酸化炭素吸収溶液を送給する経路にガスが流入しない」ような高さ(適切な高さ)に保持できるか、またはこのような高さに近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の第一実施形態に係る二酸化炭素回収装置の構成を示す模式図である。
図2は、本発明の第二実施形態に係る二酸化炭素回収装置の構成を示す模式図である。
図3は、本発明の第三実施形態に係る二酸化炭素回収装置の構成を示す模式図である。
図4は、本発明の第四実施形態に係る二酸化炭素回収装置の構成を示す模式図である。
図5は、本発明の第五実施形態に係る二酸化炭素回収装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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