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公開番号2024179909
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023099238
出願日2023-06-16
発明の名称ホウ素含有遷移金属炭酸塩の製造方法、および正極活物質の製造方法
出願人プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01G 53/00 20060101AFI20241219BHJP(無機化学)
要約【課題】ホウ素導入のための高温での熱処理が不要であり、正極活物質とした際のリチウムイオン二次電池の高容量化効果および保存時のガス発生抑制効果が高く発揮される、正極活物質の前駆体の製造方法を提供する。
【解決手段】ここに開示されるホウ素含有遷移金属炭酸塩の製造方法は、反応槽内に、アンモニウムイオン供給体とホウ酸イオン供給体とを含有する初期水溶液を調製する工程、および初期水溶液に、遷移金属を含有する原料水溶液と、アンモニウム供給体とホウ酸イオン供給体とを含むホウ素源水溶液と、pH調整液とを添加して、反応液を形成して、晶析反応を行う工程を備える。初期水溶液のpH(25℃)は5.5~7.0である。反応槽内の酸素濃度は5容量%以下である。遷移金属はNiを含む。ホウ素源水溶液のpH(25℃)は7.5~9.5である。pH調整液は炭酸塩を含む。反応液のpH(25℃)は5.5~7.0である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
反応槽内に、アンモニウムイオン供給体とホウ酸イオン供給体とを含有する初期水溶液を調製する工程、および
前記初期水溶液に、遷移金属を含有する原料水溶液と、アンモニウム供給体とホウ酸イオン供給体とを含むホウ素源水溶液と、pH調整液とを添加して、反応液を形成して、晶析反応を行う工程
を備え、
前記初期水溶液の25℃におけるpHが、5.5~7.0の範囲内にあり、
前記反応槽内の酸素濃度が、5容量%以下であり、
前記遷移金属が、少なくともNiを含み、
前記ホウ素源水溶液の25℃におけるpHが、7.5~9.5の範囲内にあり、
前記pH調整液が、炭酸塩を含有し、
前記反応液の25℃におけるpHが、5.5~7.0の範囲内にある、
ホウ素含有遷移金属炭酸塩の製造方法。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記遷移金属が、少なくともNi、Co、およびMnを含有する、請求項1に記載のホウ素含有遷移金属炭酸塩の製造方法。
【請求項3】
前記ホウ素源水溶液の25℃におけるpHが、7.5~8.5の範囲内にある、請求項1に記載のホウ素含有遷移金属炭酸塩の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法により、ホウ素含有遷移金属炭酸塩を合成する工程、
前記ホウ素含有遷移金属炭酸塩と、リチウム化合物とを混合して、原料混合物を得る工程、および
前記原料混合物を、650℃~1000℃で3時間~8時間焼成する工程
を備える正極活物質の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ホウ素含有遷移金属炭酸塩の製造方法に関する。本発明はまた、当該ホウ素含有遷移金属炭酸塩を用いた、正極活物質の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
【0003】
リチウムイオン二次電池の正極活物質として、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物が知られている。リチウム遷移金属複合酸化物にホウ素(B)を導入する技術が知られている(例えば特許文献1~3参照)。特許文献1には、ホウ素の導入によって、リチウムイオン二次電池を高容量化できることが記載されている。特許文献2には、ホウ素の導入によって、リチウムイオン二次電池の保存時のガス発生を抑制できることが記載されている。特許文献1および2では、リチウム遷移金属複合酸化物とホウ素源とを混合し、高温(具体的には数百℃)で熱処理することによって、正極活物質にホウ素を導入している。特許文献3では、共沈法により作製される正極活物質の前駆体の水酸化物にホウ素を導入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-146739号公報
特開2010-40382号公報
特開2023-8932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高温での熱処理によって、リチウム遷移金属複合酸化物にホウ素を導入することは、生産性の低下を招く。また高温での熱処理は、エネルギー消費が大きいため、二酸化炭素排出量の増大を招く。一方で、共沈法によって前駆体水酸化物にホウ素を導入する場合には、ホウ素がほとんど導入されず、ホウ素によるリチウムイオン二次電池の特性向上効果を高く得ることが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、ホウ素導入のための高温での熱処理が不要であり、正極活物質とした際のリチウムイオン二次電池の高容量化効果および保存時のガス発生抑制効果が高く発揮される、正極活物質の前駆体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示されるホウ素含有遷移金属炭酸塩の製造方法は、反応槽内に、アンモニウムイオン供給体とホウ酸イオン供給体とを含有する初期水溶液を調製する工程、および前記初期水溶液に、遷移金属を含有する原料水溶液と、アンモニウム供給体とホウ酸イオン供給体とを含むホウ素源水溶液と、pH調整液とを添加して、反応液を形成して、晶析反応を行う工程を備える。前記初期水溶液の25℃におけるpHは、5.5~7.0の範囲内にある。前記反応槽内の酸素濃度は、5容量%以下である。前記遷移金属は、少なくともNiを含む。前記ホウ素源水溶液の25℃におけるpHは、7.5~9.5の範囲内にある。前記pH調整液は、炭酸塩を含有する。前記反応液の25℃におけるpHは、5.5~7.0の範囲内にある。
【0008】
このような構成によれば、ホウ素導入のための高温での熱処理が不要であり、正極活物質とした際のリチウムイオン二次電池の高容量化効果および保存時のガス発生抑制効果が高く発揮される、正極活物質の前駆体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係るホウ素含有遷移金属炭酸塩の製造方法の各工程を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態に係る製造方法によって得られる正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。
図2のリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。なお、本明細書において「A~B」として表現される数値範囲には、AおよびBが含まれる。
(【0011】以降は省略されています)

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