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公開番号2024179675
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023098699
出願日2023-06-15
発明の名称石積擁壁の補強構造及び補強工法
出願人日鉄建材株式会社,学校法人国士舘,フリー工業株式会社,岡部株式会社,アキレス株式会社
代理人個人
主分類E02D 29/02 20060101AFI20241219BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】歴史的・文化的な景観や価値を損なわずに、注入圧力で擁壁が崩壊するおそれを払拭しつつ積石層の背面に形成された隙間を的確に充填して安価に補強することができる石積擁壁の補強構造及び補強工法を提供する。
【解決手段】地山層2と、地山層2に沿って割栗石が裏込めされた栗石層3と、栗石層3の表面側に積石40が積層された積石層4を備える既設の石積擁壁10を補強する石積擁壁の補強構造1において、積石層4の背面に形成された隙間Sに挿入された袋体5と、袋体5に充填された固化材6と、を備え、袋体5を固化材6の一部の液体成分が染み出す素材から構成する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
地山層と、前記地山層に沿って割栗石が裏込めされた栗石層と、前記栗石層の表面側に積石が積層された積石層を備える既設の石積擁壁を補強する石積擁壁の補強構造であって、
前記積石層の背面に形成された隙間に挿入された袋体と、前記袋体に充填された固化材と、を備え、
前記袋体は、前記固化材の一部の液体成分が染み出す素材からなること
を特徴とする石積擁壁の補強構造。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記袋体に充填された前記固化材から一部の液体成分が前記袋体を透過して抜け出すことで、前記固化材が前記隙間の形状に応じて硬化することにより前記石積擁壁が補強されていること
を特徴とする請求項1に記載の石積擁壁の補強構造。
【請求項3】
前記袋体に充填された前記固化材が硬化することで一体化された複数の積石うちの中央付近の積石が削孔されており、削孔された孔に前記地山層に達する補強材が挿通されて前記地山層に前記補強材の先端が定着され、後端が前記中央付近の積石に固定され、
一体化された前記複数の積石全体が受圧体となり前記補強材の支圧板の機能を発揮していること
を特徴とする請求項2に記載の石積擁壁の補強構造。
【請求項4】
前記補強材の後端は、前記中央付近の積石からコアドリルでくり抜かれてスライスされたコア片で塞がれていること
を特徴とする請求項3に記載の石積擁壁の補強構造。
【請求項5】
前記補強材は、中空の鋼棒からなるロックボルトと、前記ロックボルトを通じて充填される充填材で膨張するパッカーとを有するパッカー付きロックボルトであり、
前記補強材は、前記パッカーが膨張することで前記地山層に定着されていること
を特徴とする請求項3又は4に記載の石積擁壁の補強構造。
【請求項6】
前記補強材は、先端が拡張する拡張式金属補強材であり、
前記補強材は、先端が拡張することで前記地山層に定着されていること
を特徴とする請求項3又は4に記載の石積擁壁の補強構造。
【請求項7】
地山層と、前記地山層に沿って割栗石が裏込めされた栗石層と、前記栗石層の表面側に積石が積層された積石層を備える既設の石積擁壁を補強する石積擁壁の補強工法であって、
前記積石層の背面に形成された隙間に袋体を挿入する袋体挿入工程と、
前記袋体挿入工程で挿入した前記袋体に固化材を充填する固化材充填工程と、を備えること
を特徴とする石積擁壁の補強工法。
【請求項8】
前記固化材充填工程では、充填された固化材から一部の液体成分が前記袋体を透過して抜け出すことで前記固化材を前記隙間の形状に応じて硬化させること
を特徴とする請求項7に記載の石積擁壁の補強工法。
【請求項9】
前記袋体に充填された前記固化材が硬化することで一体化された複数の積石うちの中央付近の積石に所定径の孔を削孔する削孔工程と、
前記削孔工程で削孔した前記孔に前記地山層に達する補強材を挿通して前記地山層に前記補強材の先端を定着させる補強材定着工程と、を備えること
を特徴とする請求項8に記載の石積擁壁の補強工法。
【請求項10】
前記中央付近の積石からコアドリルでくり抜かれてスライスされたコア片で前記補強材の後端を塞ぐ目隠し工程をさらに備えること
を特徴とする請求項9に記載の石積擁壁の補強工法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、石積擁壁の補強構造及び補強工法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
日本には、お城の石垣など歴史的・文化的に貴重な石積擁壁が多く現存しており、従来、そのような歴史的・文化的に貴重な石積擁壁を歴史的・文化的財産として後世に残すべく、補修したり、補強したりする様々な取り組みが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、石積擁壁1の積石2の目地6から空洞5最奥部に突き当たるまで排水部材7を挿入する工程と、積石2の目地6からノズル8を挿入し、ノズル8を通して空洞5奥壁に発泡固化剤を噴射発泡させ奥壁表面全体を被覆する遮壁9を形成する工程と、遮壁9の発泡固化剤が固化した後に積石2の目地6から空洞5内部に充填材10を注入し空洞5を充填する工程とを有し、石積擁壁背後に侵食形成された空洞に充填材を充填することで石積擁壁を補強する石積擁壁の補強工法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0031]~[0039]、図面の図1等参照)。
【0004】
また、特許文献2には、石積み工の各積石の間の目地が会合する会合部に、該会合部に接する各積石の合端を貫通する注入孔を穿孔する。そして、注入孔に対し、会合目地をシールせず注入孔から会合目地に沿って可撓性のノズルチューブを挿入し、ノズルチューブ先端から目地裏にグラウトを注入し目地裏空間にグラウトを充填して石積擁壁を補強する石積み補強工法が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0034]~[0048]、図面の図1,図3~図5等参照)。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の石積擁壁の補強工法や特許文献2に記載の石積み補強工法は、図12に示すように、石積擁壁の積石と積石との隙間に発泡固化剤やセメント系固化材を充填して補強すると、積石間の隙間から発泡固化剤やセメント系固化材が露出してしまい、歴史的・文化的な景観や価値が損なわれてしまうという問題があった。
【0006】
また、特許文献1に記載の石積擁壁の補強工法や特許文献2に記載の石積み補強工法は、雨水や地下水の通り道となる目地部が固化材で充填されて塞がれてしまうため、雨水や地下水が排水できず、積石が背面から水圧を受けて擁壁が崩壊してしまう恐れがあるという問題がある。
【0007】
さらに、特許文献2に記載の石積み補強工法は、明細書中には、グラウト材と記載されているものの、空隙の大きい割栗石層からセメント系固化材が逸走しないように、実際の施工では、固練りのモルタルを使用しており、土木工事ではあまり使用しない特殊材料であるため汎用性に乏しく、用途が極めて限定されているという問題がある。
【0008】
石積擁壁を補強する他の方法としては、図13に示すように、コンリートブロックの擁壁を金属製の受圧板を用いてアースアンカーで支持して補強することが行われている。しかし、このような補強方法を石積擁壁に採用した場合、受圧板やボルトが目立ち、歴史的・文化的な景観や価値が損なわれてしまうという問題が深刻となる。
【0009】
また、特許文献3には、石積壁の表面で4個の積石材がほぼ会合する積石会合部P1付近の積石材2B等をコア抜きカッター11で除去し外部から胴込石領域に到達する挿入開
口12を形成し、前端が尖端部13bで開口後端が流入口13cとなる打込注入管13を、挿入開口12から挿入し衝打を加えて押し込み、打込注入管13の吐出孔13d1等が略上方に向くようにしてグラウト材16を注入した後に打込注入管13を引き抜いて硬化させ略球根状の固化領域を4個の積石材の背後と地盤Gとの間に形成して補強する石積壁の耐震補強方法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0026]~[0052]、図面の図1,図5等参照)。
【0010】
しかし、特許文献3に記載の石積壁の耐震補強方法は、結局、空隙の有無が分からない状態で空隙の大きい栗石層に流動体状グラウト材19を注入するものであり、空隙にグラウト材がとどまらず、所望の補強ができないという問題がある。また、逆に、空隙の小さいところに高圧力でグラウト材を注入しようとすると注入圧力で擁壁が崩壊するおそれがあるという問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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