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公開番号2024178041
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023096534
出願日2023-06-12
発明の名称車両の姿勢制御方法及び車両の姿勢制御プログラム
出願人株式会社SOKEN,株式会社デンソー
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B60W 30/02 20120101AFI20241217BHJP(車両一般)
要約【課題】一の車輪に空気圧異常が発生した場合に車両の姿勢を安定させるための車両の姿勢制御方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示の車両の姿勢制御方法は、車体の前方及び後方の左右位置にそれぞれ配設された複数の車輪と、前記複数の車輪のそれぞれを回転駆動する駆動装置と、前記車体と前記複数の車輪との間を所定のアンチスクワット角が形成されるように連結する懸架装置と、を含む車両の姿勢制御方法であって、前記複数の車輪の空気圧異常を検出する工程と、前記複数の車輪のうちの第1の車輪に空気圧異常が検出された場合に、前記車体の前記第1の車輪が配設された部分を、前記懸架装置により作用するアンチスクワット力を利用して前記複数の車輪のうち前記第1の車輪を除く他の車輪に対して相対的に上昇させるために、前記他の車輪を回転駆動する前記駆動装置に駆動力を分配する工程と、を含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
車体(2)の前方及び後方の左右位置にそれぞれ配設された複数の車輪(11、12、13、14)と、前記複数の車輪のそれぞれを回転駆動する駆動装置(21、22、23、24)と、前記車体と前記複数の車輪との間を所定のアンチスクワット角(θf、θr)が形成されるように連結する懸架装置(41、42、43、44)と、を備える車両(1)の姿勢制御方法であって、
前記複数の車輪の空気圧異常を検出する工程(S12)と、
前記複数の車輪のうちの第1の車輪に空気圧異常が検出された場合に、前記車体の前記第1の車輪が配設された部分を、前記懸架装置により作用するアンチスクワット力を利用して前記複数の車輪のうち前記第1の車輪を除く他の車輪に対して相対的に上昇させるために、前記他の車輪を回転駆動する前記駆動装置に駆動力を分配する工程(S15)と、を備える、
車両の姿勢制御方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記駆動装置に駆動力を分配する工程は、
前記第1の車輪に空気圧異常が検出された場合に、前記第1の車輪の変形量を検出し、車体の傾き量を推定する工程(S13)と、
前記推定された傾き量に基づいて前記他の車輪を回転駆動する前記駆動装置への駆動力の分配量を調整する工程(S14)と、を備える、
請求項1に記載の車両の姿勢制御方法。
【請求項3】
前記駆動装置に駆動力を分配する工程は、
前記第1の車輪の空気圧異常によって前記車体に生じるヨーモーメントを検出する工程(S23)と、
検出された前記ヨーモーメントを補償するために必要なヨーレートを算出する工程(S24)と、
前記車体の前記第1の車輪側に位置する部分を前記他の車輪に対して相対的に上昇させるために、及び、前記必要なヨーレートを得るために、前記他の車輪を回転駆動する前記駆動装置に駆動力を分配する工程(S25)と、を備える、
請求項1又は請求項2に記載の車両の姿勢制御方法。
【請求項4】
前記車体の前記第1の車輪側に位置する部分を前記他の車輪に対して相対的に上昇させるために、及び、前記必要なヨーレートを得るために、制動装置(4)及び操舵装置(5)の少なくとも一方を動作させる工程(S35)をさらに備える、
請求項3に記載の車両の姿勢制御方法。
【請求項5】
前記制動装置は前記他の車輪を制動し、前記操舵装置は前記他の車輪を転舵する、
請求項4に記載の車両の姿勢制御方法。
【請求項6】
車体の前方及び後方の左右位置にそれぞれ配設された複数の車輪と、前記複数の車輪のそれぞれを回転駆動する駆動装置と、前記車体と前記複数の車輪との間を所定のアンチスクワット角が形成されるように連結する懸架装置と、を備える車両が備えるコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ(51)に、
前記複数の車輪の空気圧異常を検出する処理と、
前記複数の車輪のうちの第1の車輪に空気圧異常が検出された場合に、前記車体の前記第1の車輪側に位置する部分を、前記懸架装置により作用するアンチスクワット力を利用して前記複数の車輪のうち前記第1の車輪を除く他の車輪に対して相対的に上昇させるために、前記他の車輪を回転駆動する前記駆動装置に駆動力を分配する処理と、を実行させる、
車両の姿勢制御プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の姿勢制御方法及び車両の姿勢制御プログラムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
車両走行中に車輪のパンクが発生すると、正常な走行軌道を維持することが困難となり事故を引き起こす可能性が高まる。そのため、車両走行中に車輪がパンクした場合にも安全な走行を継続するための技術が開発されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、車輪のパンクによって生じるヨーモーメントを迅速に補償するために、追加すべきヨーモーメントを決定し各車輪を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許出願公開第2021/0206383号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パンクの発生等により車輪の1つの空気圧が大きく低下すると、当該車輪の接地面の径が他の車輪に比べて小さくなる。このため、車両には上述したヨーモーメントが発生するだけでなく、パンクした車輪が潰れることで車体が部分的に沈み込み、車両の主にロール方向に傾きが発生する。このようなロール方向の傾きは、乗員の転倒や荷崩れの発生の要因となる。特に、近年実用化が進んでいる自動運転車両等では、乗員が前方を向いているとは限らないため、上述した乗員の転倒が生じる可能性が高い。
【0006】
上記特許文献1のものは、パンクによって生じるヨーモーメントを補償(あるいは相殺)することは記載されているものの、パンクによって生じる車両の傾きについては特に考慮されていない。したがって、車両のパンク発生時における姿勢制御には改善の余地がある。
【0007】
本開示は、上述した課題を考慮したものであり、一の車輪に空気圧異常が発生した場合に車両の姿勢を安定させるための車両の姿勢制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1の態様に係る車両の姿勢制御方法は、車体(2)の前方及び後方の左右位置にそれぞれ配設された複数の車輪(11、12、13、14)と、前記複数の車輪のそれぞれを回転駆動する駆動装置(21、22、23、24)と、前記車体と前記複数の車輪との間を所定のアンチスクワット角(θf、θr)が形成されるように連結する懸架装置(41、42、43、44)と、を備える車両(1)の姿勢制御方法であって、前記複数の車輪の空気圧異常を検出する工程(S12)と、前記複数の車輪のうちの第1の車輪に空気圧異常が検出された場合に、前記車体の前記第1の車輪が配設された部分を、前記懸架装置により作用するアンチスクワット力を利用して前記複数の車輪のうち前記第1の車輪を除く他の車輪に対して相対的に上昇させるために、前記他の車輪を回転駆動する前記駆動装置に駆動力を分配する工程(S15)と、を含む。
【0009】
上述の車両の姿勢制御方法では、一の車輪に空気圧異常が発生した場合に、アンチスクワット力を利用して車体の傾きを低減あるいは解消するため、他の車輪の駆動力を分配するだけで車体の傾きの低減あるいは解消を実現することができる。そして、車体の傾きが低減あるいは解消されるため、車両内の乗員の転倒や荷崩れの発生を抑制することができる。
【0010】
本開示の第2の態様に係る車両の姿勢制御方法は、上記第1の態様に係る車両の姿勢制御方法において、前記駆動装置に駆動力を分配する工程は、前記第1の車輪に空気圧異常が検出された場合に、前記第1の車輪の変形量を検出し、車体の傾き量を推定する工程(S13)と、前記推定された傾き量に基づいて前記他の車輪を回転駆動する前記駆動装置への駆動力の分配量を調整する工程(S14)と、を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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