TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024177998
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023096460
出願日2023-06-12
発明の名称排水集合管および排水集合管の製造方法
出願人株式会社クボタケミックス
代理人安田岡本弁理士法人
主分類E03C 1/12 20060101AFI20241217BHJP(上水;下水)
要約【課題】複数の樹脂製の部材が互いに接着されたて製造工場から出荷される排水集合管における接着状態を確実に確認する。
【解決手段】排水集合管100は、樹脂製の射出成形品である上部管140、下部管110、上管受口部材144、横枝管受口部材146が接着部で互いに接着されている。排水集合管100は、上部管140と下部管110との接着部における接着状態、上管接続部143と上管受口部材144との接着部における接着状態および横枝管接続部142と横枝管受口部材146との接着部における接着状態について、一方の電極をいずれかの接着部に接近または接触させる金属製電極320として、他方の電極を排水集合管の内部に貯められた水に接触させる水没電極321として、両電極間に高電圧を付与してもアーク放電が発生することに起因する電圧の降下が発生しないことにより接着状態が良好であることが確認できる。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、
前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接着された下部管とを含み、
前記上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部とを含み、
前記下部管は、下階へ排水を流出させる下管を接続する下管接続部を含み、
前記上管接続部および前記横枝管接続部に、それぞれ樹脂製の受口部材が接着され、
必要に応じて前記受口部材を塞いで、前記排水集合管の内部に水を貯めて、前記上部管と前記下部管との接着部における接着状態、前記上管接続部と前記受口部材との接着部における接着状態および前記横枝管接続部と前記受口部材との接着部における接着状態について、一方の電極をいずれかの接着部に接近または接触させる金属製電極として、他方の電極を前記排水集合管の内部に貯められた水に接触させて、両電極間に高電圧をかけて両電極間の電圧の降下であってアーク放電が発生することに起因する電圧の降下が発生しないことにより前記接着状態が良好であることが確認できることを特徴とする、排水集合管。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、
前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接着された下部管とを含み、
前記上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部とを含み、
前記下部管は、下階へ排水を流出させる下管を接続する下管接続部を含み、
前記上管接続部および前記横枝管接続部に、それぞれ樹脂製の受口部材が接着され、
前記排水集合管の内部へ給水、前記内部から排水、および、前記内部での貯水が可能な支持部材であって、前記内部に貯められた水に接触が可能な電極を備える支持部材により、前記排水集合管の軸芯が略垂直な状態であって前記上部管を上方にして前記下部管を下方にした状態で、前記排水集合管が支持され、
前記横枝管接続部に接着された受口部材を塞いで、前記支持部材を介して排水集合管の内部に水を貯めて、前記上部管と前記下部管との接着部における接着状態、前記上管接続部と前記受口部材との接着部における接着状態および前記横枝管接続部と前記受口部材との接着部における接着状態について、一方の電極をいずれかの接着部に接近または接触させる金属製電極として、他方の電極を前記排水集合管の内部に貯められた水に接触させて、両電極間に高電圧をかけて両電極間の電圧の降下であってアーク放電が発生することに起因する電圧の降下が発生しないことにより前記接着状態が良好であることが確認できることを特徴とする、排水集合管。
【請求項3】
前記金属製電極の形状は、前記上部管と前記下部管との接着部、前記上管接続部と前記受口部材との接着部および前記横枝管接続部と前記受口部材の接着部のうちの最大外径に対応した半円形状であって、前記接着部に共通して用いることができることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項4】
前記両電極間の電圧の降下が発生しないとは、両電極間にかけた高電圧の50%を超えて降下しないことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項5】
前記高電圧が40kV以上であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項6】
前記接着部における管軸方向の接着長さが40mm以下であることを特徴とする、請求
項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項7】
前記接着部は、外径が小さい差し口が、前記差し口の外径に対応した内径を備えた受口に外嵌されて形成され、
前記接着部における管軸方向の接着長さは、前記差し口における差し込み長さであって、
前記接着長さは、前記差し口の外径に対する比率が40%以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項8】
前記受口部材は、ゴムパッキンを用いて塞がれて、前記ゴムパッキンを用いて塞がれた部位については、前記接着状態の確認対象から外されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項9】
製造日から30日以内の排水集合管について、前記接着部の接着状態が良好であることが確認されたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項10】
建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管の製造方法であって、
前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接着された下部管とを含み、
前記排水集合管においては、
前記上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部とを含み、
前記下部管は、下階へ排水を流出させる下管を接続する下管接続部を含み、
前記上管接続部および前記横枝管接続部に、それぞれ樹脂製の受口部材が接着され、
前記上部管と前記下部管との接着部、前記上管接続部と前記受口部材との接着部および前記横枝管接続部と前記受口部材との接着部を備え、
前記製造方法は、前記接着部における接着状態が良好であることを担保するための検査ステップを含む製造方法であって、
前記製造方法は、
前記排水集合管に含まれる樹脂製の複数の部品を樹脂成形して準備する、または、前記樹脂製の複数の部品を搬入して準備する樹脂準備ステップと、
前記複数の部品を、接着剤を用いて前記接着部を接合して、前記排水集合管を組み立てる組み立てステップと、
前記組み立てられた排水集合管の前記接着部における接着状態を検査する検査ステップとを含み、
前記検査ステップは、
一方の電極を前記排水集合管の外部に設ける外部金属製電極として、他方の電極を前記排水集合管の内部に設ける内部金属製電極として、両電極間に高電圧をかける電源および電極を準備する準備ステップと、
前記接着部のいずれかに、前記外部金属製電極を接近または接触させて、両電極間に高電圧をかけても、アーク放電が発生することに起因する電圧の降下である両電極間の電圧の降下が認められないことにより前記接着部における接着状態が良好であることが確認できる確認ステップと、を含むことを特徴とする、排水集合管の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、床スラブの上方に突出する上部管と上部管の下方に接着された下部管とを含み、上部管は上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部と床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部とを含み、下部管は下階へ排水を流出させる下管を接続する下管接続部を含む排水集合管に関し、特に、上部管と下部管との接着部、上管接続部および横枝管接続部と樹脂製の受口部材との接着部における接着状態(水が漏洩することのない良好な接続状態)を、迅速に、容易に、かつ、確実に、確認(検査)することのできる(製造日から所定日以内に確認された)排水集合管に関し、さらにDV継手に対して排水集合管のコンパクト化のために接着長さが短い排水集合管であっても接着部における接着状態(水が漏洩することのない良好な接続状態)を、迅速に、容易に、かつ、確実に、確認(検査)することのできる(製造日から所定日以内に確認された)排水集合管に関する。なお、本発明は、このような排水集合管(自体)に加えて、排水集合管の製造方法も含むものである。ここで、この「(自体)」との記載は、特定の製造方法により製造された排水集合管、特定の検査方法を満足する排水集合管との区別を明確にするための記載であって、(これらの方法により特定されるものではない)排水集合管そのものを意味するものである。また、排水集合管の製造工場からの出荷時における排水集合管は複数の部材が接合されているがその接合は接着剤によるもののみを本発明の対象としているために、以下においては「接着」と「接着接合」とは区別して記載していない。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
集合住宅やオフィスビルなどには、給水設備および排水設備が設けられる。このうちの排水設備は、建物の各階層を上下に貫く縦管(立て管、上立て管、下立て管、上管、下管)と、各階層内に設置される横管(横枝管、枝管)と、これらを接続する排水集合管(排水配管継手、排水管継手、排水集合継手とも称される)とを備えた排水配管構造が代表的なものとして広く知られている。
【0003】
そして、このような排水集合管は、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される上部管(本体部、管本体)とその上部管の下方に接着される下部管とを備え、上部管は、上流側(上層側)の上管(上立て管)に接続可能な上管接続部を上端に、横枝管に接続可能な横枝管接続部を側面に備えるとともに、下部管は(最下階用ではない場合には)旋回羽根を備えるとともに下階へ排水を流出させる下管(下立て管)を接続する下管接続部を備えたり、(最下階用である場合には)縮径部を備えるとともに横主管へ排水を流出させる脚部ベント管を(直接または別体の配管を介して)接続する下管接続部を備えたりされる。また、このような排水集合管として、ひとつまたは複数の樹脂製(典型的には硬質塩化ビニル(塩ビ)製)の射出成型品で形成されたものが広く知られている。
【0004】
このような樹脂製の排水集合管は、排水集合管の製造工場において、別々に射出成型された上部管と下部管とが接着剤により接着接合されて、さらに上部管の上管接続部および横枝管接続部には樹脂製の受口部材が接着剤により接着接合されて、出荷される。そして、施工現場において、ゴム輪(ゴムパッキン)等を備えた受口部材を介して横枝管または上流側(上層側)の上管(上立て管)が接続される。このようにして製造工場において製造されて現場で施工される排水集合管は、製造工場内において出荷前に接着接合部の品質検査(確実に接着接合されていて水漏れがないこと)が実施される。
【0005】
通常、樹脂管における接着接合部の検査は、水圧または空気圧を用いて行われる。たとえば(排水集合管ではないが)特許第4312032号公報(特許文献1)は、合成樹脂
管すなわち軟質管からなる管路の施工完了時などに行って管路の漏水の有無を検査する軟質管の水圧検査方法を開示する。この検査方法は、軟質管からなるかつバルブを含んで構成される管路の水圧検査方法であって、
(a)前記管路を密閉して前記管路内に水を供給し、前記管路に前記バルブの使用圧力以下の第1水圧まで負荷してから、第1時間放置し、
(b)前記管路に前記第1水圧まで再び負荷し、
(c)その後直ちに第2水圧まで抜圧し、
(d)前記第2水圧になってから第2時間後の前記管路の水圧である第1測定水圧を測定し、
(e)前記第1測定水圧が第1基準水圧未満であるとき、前記管路は漏水有りであると判定し、前記第1測定水圧が第2基準水圧以上であるとき、前記管路は漏水無しであると判定し、
(f)前記第1測定水圧が第1基準水圧以上かつ第2基準水圧未満であるとき、さらに第3時間後の前記管路の水圧である第2測定水圧を測定し、
(g)前記第2測定水圧が第3基準水圧未満であるとき、前記管路は漏水有りであると判定し、前記第2測定水圧が第3基準水圧以上であるとき、前記管路は漏水無しであると判定する、
ことを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4312032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献1に開示された検査方法によると、バルブの使用圧力規格以下で検査を行えるので、管路の種類を選ばず漏洩検査を行うことができ、検査水圧より大きな水圧を管路に予め負荷しておくことにより、誤判定を防ぎ、高精度な漏洩検査を行うことができ、さらに、一定時間放置することにより微量な漏洩も検出できるので、漏洩検査の精度を向上できる点で高い評価を得ている。ところで、この特許文献1に開示された検査方法は、一定時間放置することにより微量な漏洩も検出するために、加圧、放置、再加圧、抜圧を繰り返す途中で水圧を検出するために、漏洩検査のサイクルタイムが長くなってしまう。
【0008】
このような水圧検知による漏洩検査方法に代えて、他の検査方法の一例として、管継手(検査対象のワークの一例)を水没させてポンプ等により加圧する方法、大気中で管継手に漏れ検知液を塗布した状態でポンプ等により加圧する方法がある。このような場合には、作業者(検査員)が水滴または気泡を目視することにより漏れの有無が判断される。しかしながら、作業者によっては管継手からの気泡であるのか、治具または設備に付着した気泡であるのか否かの判断が付かず見逃す可能性を完全に排除することができないし、作業者の経験の差からも画一的な検査結果が得られない可能性もある。さらに、特許文献1と同じく、水または空気を管継手に溜める必要があるので、サイクルタイムが長いという問題点は依然として残る。
【0009】
さらに、排水集合管に限定すれば、接着接合部分は排水集合管の製品寸法がコンパクトになるように(一般的な塩ビ継手等に比べて)浅く(管軸方向の長さが短く)設計されている。このように管軸方向の接着接合部が浅いと、接着接合部の信頼性が相対的に低くなるために、排水集合管においては接着接合部の漏洩検査の重要性が特に増加する傾向がある。より具体的には、従来の一般的なDV継手においては、呼び径40(図4に示す差し口外径φ48)、呼び径50(同φ60)、呼び径65(同φ76)、呼び径75(同φ89)、呼び径100(同φ114)、呼び径125(同φ140)、呼び径150(同φ165)と大きくなるに従って、(図4に示す)管軸方向の接着長さは22mm、25mm、35mm、40mm、50mm、65mm、80mmと長く(深く)なる。このようにDV継手においては、差し口外径に対する接着長さの割合は42%以上である。一方で、排水集合管の接合部分(接着部分)の長さ(=管軸方向の接着長さ)は、排水集合管の製品寸法がコンパクトになるように、たとえば外径φ104、φ114、φ150であってもそれぞれ管軸方向の接着長さ(深さ)が20mm、20mm、30mmと短く(浅く)設計されている。排水集合管においては、差し口外径に対する接着長さの割合は40%以下である。このため、一般的なDV継手との比較において、排水集合管の製造工場における製品出荷前の漏洩検査(接着接合部からの漏洩検査)の重要性が高まっている。
【0010】
本発明は、上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、別々に射出成型された上部管と下部管との接着部、上管接続部および横枝管接続部と樹脂製の受口部材との接着部における接着状態を、迅速に、容易に、かつ、確実に、確認(検査)することのできる(製造日から所定日以内に確認された)排水集合管であって、特にDV継手に対して接着長さが短い排水集合管にあっても接着部における接着状態を、迅速に、容易に、かつ、確実に、確認(検査)することのできる(製造日から所定日以内に確認された)排水集合管および排水集合管の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

丸一株式会社
栓蓋
2か月前
個人
水洗トイレ装置
29日前
丸一株式会社
排水装置
2か月前
個人
貯水槽
2か月前
株式会社KVK
水栓
14日前
株式会社KVK
水栓
15日前
株式会社セラスト
止水プラグ
21日前
TOTO株式会社
トイレ装置
2か月前
安全器材株式会社
溝蓋
1か月前
株式会社日本アルファ
排水装置
2か月前
川崎ファクトリー株式会社
箱形給水車
2か月前
株式会社KVK
水栓用ハンドル
1か月前
エース消毒株式会社
受水槽の耐震構造
21日前
エース消毒株式会社
受水槽の耐震構造
28日前
株式会社KVK
センサーユニット
1か月前
カゴメディア株式会社
温水洗浄便座装置
27日前
株式会社サンレック
閉塞具
3か月前
フソー化成株式会社
水封トラップ
1か月前
株式会社タイコー
段差解消ライニング方法
2か月前
個人
揚水またはサイフォン排水を行うポンプ装置
14日前
株式会社カワトT.P.C.
横引き排水管
1か月前
株式会社 林物産発明研究所
脚付台及び土木構造体
21日前
個人
トイレ用防臭栓
9日前
株式会社オンダ製作所
給水用コンセント
28日前
株式会社栗本鐵工所
自動排水装置
2か月前
OGグループ株式会社
グレーチングの固定保持具
1か月前
株式会社オカグレート
グレーチングの固定保持具
24日前
株式会社カクダイ
トラップ管
1か月前
SANEI株式会社
水栓
2か月前
TOTO株式会社
小便器
2か月前
TOTO株式会社
小便器
2か月前
TOTO株式会社
小便器
2か月前
SANEI株式会社
水栓
1か月前
島田建設工業株式会社
仮設トイレシステム
27日前
SANEI株式会社
水栓柱
1か月前
株式会社LIXIL
自動水栓及び流し台
3か月前
続きを見る