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公開番号2024176522
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095101
出願日2023-06-08
発明の名称揚水またはサイフォン排水を行うポンプ装置
出願人個人
代理人
主分類E03B 5/00 20060101AFI20241212BHJP(上水;下水)
要約【課題】 小口径の実用的な揚水やサイフォン排水が行えるポンプ装置を提供する。
【解決手段】 揚水を行う吸水管11の下方端を吸水域水中に没入させ、該吸水管11の上方端に接続連通した送水管13を上方に延伸して揚水を行い、或いは、該吸水域水位bよりも低い水域外にサイフォン排水する送水管13の配設を行い、吸水域水中に没入させた吸水管11を上下方向に加震して、該吸水管11の管内容積の変化や、該吸水管11内水の慣性力で該吸水管11内を排気して高所への揚水、或いは、サイフォン排水を行う。
【選択図】 図1

特許請求の範囲【請求項1】
揚水やサイフォン排水を行うポンプ装置において、吸水管の下方端を吸水域水中に没入させ、該吸水管の上方端に接続して延伸する送水管を、山越え配管の様に中高の配設管とする場合には該配設管の頭頂付近に排気弁を設け、吸水域水中に没入させた吸水管を上下方向に加震して、揚水又はサイフォン排水を行うポンプ装置。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
吸水管の途中に継手を設けて該吸水管の下方端部の一定長さを交換可能にした請求項1の揚水又はサイフォン排水を行うポンプ装置。
【請求項3】
吸水管の上下方向の加震を梃子やクランク機構、エアーシリンダー等の駆動手段を用いて手動又は動力で駆動するようにした請求項1及び請求項2のいずれかの揚水又はサイフォン排水を行う装置。
【請求項4】
送水管の吐出端を他の非自級式遠心ポンプの吸水口に接続連通して、該非自吸式遠心ポンプの呼び水を行い揚水運転を可能にする請求項1、請求項2、請求項3のいずれかの揚水を行うポンプ装置。
【請求項5】
送水管の吐出端を外部の水エジェクターに接続連通して稼働させ、真空発生源を得るようにした請求項1、請求項2、請求項3のいずれかのサイフォン排水を行うポンプ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、石油ストーブの給油に使用する灯油ポンプに代表されるようなサイフォンポンプを灌漑用取水や工業用水槽の排水に使用しやすくするために、小口径サイズの低揚程ポンプやサイフォン排水するポンプを提供すると共に、大口径サイズのサイフォン排水の始動を容易にするための落差を利用した水エジェクターを駆動して抽気を行い、完全無動力での大口径サイズのサイフォン排水や取水を始動しやすくした装置を提供するものでもある。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
サイフォン排水を開始するためには中高に配設されたサイフォン配管又はサイフォンホース内を満水に近い状態に呼び水する必要があり、小径ホースの場合では、あらかじめ満水にしたホースを使用することや、人力で注水呼び水することも比較的簡単に行えるけれども、管端を手指で封止でき難い口径では、手動での呼び水操作が困難になり機械的回転ポンプや真空ポンプが必要になり、サイフォン排水は敬遠されやすい状況にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実用新案登録 第3136087号
特開 2010-048100
特開 2007-177752
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
口径サイズが15A以下程度までの簡易な手動式サイフォンポンプは、市場で容易に入手できるけれども、工場や施設における水液の移し替え等で使用される20A以上の口径では、回転機械的な手動ポンプとなるためにサイフォン排水が可能な状況においても、電動式、或いは、エンジンポンプが選ばれ連続運転で使用されてしまい、省エネよりも便利さが選ばれる結果になる。
又、水処理や下水道施設での大口径サイズでのサイフォン排水による除泥、排泥においては回転機械的真空ポンプが使用されるが、悪水による腐食と稼働時の吸気音が経年劣化とともに問題となることが多く、これ等の問題を解消できる揚水ポンプやサイフォン排水開始手段が必要な状況にある。
【0005】
少水量小揚程での手動揚水ポンプや大水量長時間稼働のサイフォン排水の使用は、使用条件的には非常に制限されるものではあるが、省エネルギー効果、経済効果が大きく、積極的な使用が推進されるべき時代背景が有る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明ポンプの揚水作用は、一定長さの吸水管の下方端を開口状態のまま吸水域水中に没入させ、該吸水管の上方端を閉止して排気弁を備えて、該吸水管を上下に加震揺動すると、上方向への加震時に急激には追従できない管内下方水の慣性抵抗のために、該管内空隙容積の増大分以上の管内負圧を生じ、下方外部水が吸入され管内水が上昇することと、下方向加震による空隙の縮小との相乗効果により管内空気が排気弁より排出され、次の時点では、該管内は負圧を生じて下方水を吸入する揚水作用が生じることを繰り返すことにより揚水が行える。
該吸水管内が満水した後の加震では、全管内水が慣性力を受け排気弁より吐水し、加震を続行して揚水を継続することもできる。
【0007】
又、前述した吸水管の上方端を開放したままの状態で下方端にフートバルブ(又は逆止弁)を設けて、該吸水管の下方端を吸水域水中に没入させた状態で加震した場合においては、バルブ上の管内水はバルブで保持された状態で上方向に加震され慣性を得て上方に跳ね上げられる形でフートバルブ下方外部水を吸入し、下方向の加震による慣性はフートバルブに受け止められて消失する状態で揚水を行うことができ、下方端に設けたフートバルブを逆止弁に替え、吸水管のどの高さ位置に設けても同様に揚水作用を生じて揚水ができる。
【0008】
実用する本発明ポンプの一般的な揚水やサイフォン排水を行うポンプにおいては、吸水管の下方端にフートバルブを備えて、該吸水管の上方端を、上下動を可能にする可撓管等を介在させて送水管に接続連通する。
サイフォン排水を行う場合においては、該送水管の吐出端を吸水域水位よりも低い吸水域外の所定位置まで延伸したサイフォン配管にして、該サイフォン配管の頭頂付近には排気弁を設けて、吸水域水中に没入させた吸水管を上下方向に加震して揚水し、十分な揚水状態においては自然にサイフォン排水が開始され、加震を止めてサイフォン排水を続行させる。
サイフォン排水を行わずに、更に上方に揚水を行う場合においては、該送水管を高所の所定位置まで延伸して、吸水管を加震して揚水する。
吸水管上辺に、排気弁と排気弁に連接するバルブを設けたものにあっては該バルブを閉止して加震を続行して高所への揚水を行う。
【0009】
固形物混入液や汚泥水等を取り扱う場合の揚水やサイフォン排水を行うポンプにおいては、排気弁以外のフートバルブや逆止弁を吸水管及び送水管に用いることなく、前述ポンプと同様に、上下動を可能にした可撓管等を介在させて吸水管上方端を送水管に接続連通する。
サイフォン排水を行う場合においては、該送水管吐出端を吸水域水位よりも低い吸水域外の所定位置まで延伸したサイフォン配管にして、該配管の吐出端は封水を行い、吸水管を上下に加震して揚水を行うことにより自然にサイフォン排水に移行し、固形物混入水が支障なく通過できる配管サイフォン排水を続行する。
【0010】
サイフォン排水を行わずに、吸水管上方端より更に上方に揚水を行う場合においては、接続した送水管を高所の所定位置まで延伸して吐出端には逆止弁を設けて、加震を続行して揚水を行う。
この場合における吐出端に設けた逆止弁は、揚水のために吸水管を加震する振幅と配管長さ、即ち、吸水域水面から吐出端の逆止弁までの長さの比率が大きい程、排気効果が悪く揚水までの時間が長くなるために、該逆止弁は吸水管近くに設ける事が望ましいけれども、混入固形物によるトラブルを生じやすい該逆止弁は、処置の行いやすい吐出端に設ける。
排気弁に連設して設けた閉止バルブは、開放して始動時加震を行うけれども吸水管の排気が終了した後は吐水するので、該バルブを閉止して揚水加震を続行して上方への揚水を行う。
(【0011】以降は省略されています)

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