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公開番号2024151093
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-24
出願番号2023064226
出願日2023-04-11
発明の名称栓蓋
出願人丸一株式会社
代理人
主分類E03C 1/22 20060101AFI20241017BHJP(上水;下水)
要約【課題】 蓋体の溝部に環状パッキンを取り付ける構成の栓蓋において、溝部に、環状パッキンの厚みに比べて上下方向の幅に余裕(遊び)を設けた場合でも、環状パッキンの取り付け位置を安定させることで、栓蓋の機能に不具合が生じることを防止できる栓蓋を提供する。
【解決手段】排水口を覆うことで閉口する栓蓋1を、全周に溝部22を備えた蓋体2と、前記溝部22に取り付けられ、前記排水口の周縁に当接することで前記排水口を閉口する、弾性を有する環状パッキン3とを備えて構成すると共に、前記溝部22は、前記溝部22に前記環状パッキン3を取り付けられた状態で、前記環状パッキン3が上下方向に位置ずれを生じうる上下幅を有すると共に、前記環状パッキン3の取り付け時に前記環状パッキン3を前記溝部22の所定の位置に案内するためのテーパーを、前記溝部22の奥側側面22aに備えて構成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
排水口を覆うことで閉口する栓蓋であって、
前記栓蓋は、
全周に溝部を備えた蓋体と、
前記溝部に取り付けられ、前記排水口の周縁に当接することで前記排水口を閉口する、弾性を有する環状パッキンとを備え、
前記溝部は、前記溝部に前記環状パッキンを取り付けられた状態で、前記環状パッキンが上下方向に位置ずれを生じうる上下幅を有すると共に、
前記環状パッキンの取り付け時に前記環状パッキンを前記溝部の所定の位置に案内するためのテーパーを、前記溝部の奥側側面に備えたことを特徴とする栓蓋。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記環状パッキンの内側面の形状は、前記溝部の前記所定の位置の奥側側面での形状に合致することを特徴とする、請求項1に記載の栓蓋。
【請求項3】
前記環状パッキンの内側面の内径は、前記溝部の前記所定の位置の奥側側面の外径に対し、弾性変形していない状態では小径であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の栓蓋。
【請求項4】
前記溝部の奥側側面に備えたテーパーは、上方ほど小径となるテーパーであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の栓蓋。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、槽体等に備えられた排水口を閉口する栓蓋に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
洗面台や浴槽、流し台などの排水機器には、使用した湯水を排水として下水側に処理するため、洗面ボウルや浴槽など、排水機器の水受けである槽体の底面に排水口を設け、この排水口に配管を接続して排水を下水側に排出するように構成している。
また、排水機器の槽体は、使用時に槽体内に湯水を溜める場合もあり、その際には排水口を蓋体で覆い、閉口することで槽体内に湯水を溜めることを可能としている。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、浴槽の排水口に用いられる栓蓋の、特に環状パッキンに関する発明であって、以下に記載する栓蓋と排水口とが記載されている。
【0004】
栓蓋は、以下に記載する蓋体と環状パッキンとから構成される。
蓋体は、略円盤形状にしてその中央下方に、後述する支持軸に挿入される軸部を備えると共に、略円盤形状の部分の下面に円筒部分を設け、この円筒部分の側面の全周に、外側面方向に開口した溝部を設けてなる。
環状パッキンは、ゴム等の弾性素材からなるリング状の部材で、溝部に取り付けられる断面長方形形状を成す基部と、基部の外側面の全周に亘って設けられた鍔状のリップ部とから構成される。
栓蓋が用いられる排水口は、槽体である浴槽の底面に設けられた開口であって、中央部分に遠隔操作により上下動する支持軸を備えてなる。支持軸の上端には、蓋体の軸部が取り付けられる凹部を備えてなる。
【0005】
特許文献1に記載の発明では、蓋体の溝部に環状パッキンの基部を取り付けることで、蓋体の下方側にリップ部が設けられた栓蓋として構成される。
また、特許文献1に記載の栓蓋では、蓋体の下面と環状パッキンのリップ部の上面との間には若干の隙間があり、リップ部が上向きに弾性変形可能な構成となっている。
上記のように構成した栓蓋の軸部を、支持軸の凹部に挿入することで、特許文献1に記載された、栓蓋と排水口との組み立てと施工が完了する。
【0006】
特許文献1に記載の栓蓋と排水口では、排水口の支持軸が上昇した状態では、栓蓋が排水口から離間して開口した状態となる。この状態では、槽体内の湯水が排水として排水口を通過し、排水口に接続された排水配管を介して下水側に排出される。
支持軸が降下すると、支持軸の降下に伴って栓蓋も降下し、蓋体が排水口を覆うと共に、排水口の周縁に環状パッキンのリップ部が当接する。
排水口の周縁にリップ部が当接する際には、当接箇所に多少の凹凸等が有っても、リップ部が弾性変形することで凹凸を吸収し、排水口の周縁の全周に亘って水密的な当接を行うことができる。このようにして栓蓋が排水口を完全に覆うことで、槽体の内部から排水口内に湯水が流入することが不可能となり、栓蓋により排水口が閉口される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2005-188699号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
蓋体の溝部に環状パッキンを取り付ける作業を行う場合に、特許文献1に記載の栓蓋のように、溝部の縦方向の幅と、環状パッキンの基部の厚みがほぼ同一で、取り付けた時に上下方向に隙間が無いように各部材を設計すると、溝部に基部を挿入する際に、全く誤差の無い作業を行う必要があり、取り付け作業は極めて困難なものとなる。
そこで、環状パッキンの基部の厚みに比べて溝部の縦方向を若干幅広とし、上下方向に幅の余裕、いわゆる「遊び」を持たせることで、溝部に基部を挿入する際に、作業に多少の誤差が有っても溝部に基部を挿入可能とし、取り付け作業を容易に行うことができる方法が検討されている。
しかしながら、このように環状パッキンの取り付けのために、環状パッキンの基部の厚みより溝部の縦方向の幅を幅広とすると、新たに次のような問題が生じる。
【0009】
栓蓋に用いられる環状パッキンの基部の厚みは約3ミリメートル程度である。これに対して、取り付け作業を容易にするための遊びは約0.5ミリメートル程度必要なため、溝部の縦方向の幅は約3.5ミリメートル程度となる。
すると、環状パッキンはこの0.5ミリメートルの遊びの範囲で、縦方向に取り付け位置が変化する。そして、環状パッキンのような、水密のための部材の取り付け位置が、0.5ミリメートルの範囲で変化すると、水密的な部材の当接が困難となり、漏水などの不具合が生じる可能性がある。
【0010】
例えば、環状パッキンが溝部の下面に接する位置に取り付けられることで、当接が適正に行われるように設計されていた場合、環状パッキンが溝部の上面に接する位置に取り付けられると、排水口を閉口する際に、環状パッキンのリップ部と排水口の周縁との間に0.5ミリメートル程度の隙間が生じるなどして水密的な当接ができず、漏水を生じる恐れがある。
また、環状パッキンが溝部の上端に接する位置に取り付けられることで、当接が適正に行われるように設計されていた場合、環状パッキンが溝部の下面に接する位置に取り付けられると、栓蓋を支持する支持軸は、閉口時に設計より0.5ミリメートル高い位置で停止することになる。栓蓋の昇降機構は、支持軸が完全に降下しないと支持軸の動作が完了せず、次の動作に移行できなくなり、栓蓋の昇降が正しく動作しなくなる、等の不具合が生じる恐れがある。
(【0011】以降は省略されています)

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