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公開番号
2024176661
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023095387
出願日
2023-06-09
発明の名称
車両のインストルメントパネル
出願人
トヨタ自動車株式会社
,
株式会社豊田自動織機
代理人
弁理士法人あーく事務所
主分類
B60K
37/20 20240101AFI20241212BHJP(車両一般)
要約
【課題】インストルメントパネルの内部への液体の滴下を抑制することができる車両のインストルメントパネルを提供する。
【解決手段】インストルメントパネル1に、当該インストルメントパネル1の開口12の位置に対して車幅方向の一方側に寄った位置において車幅方向に対して交差する方向に延在する溝15と、該溝15に液体が流れ込み該液体が当該溝15から溢れた場合に、当該液体の開口12に向かう流れを規制する第1段差部16および第2段差部17とを備えさせる。これにより、インストルメントパネル1の内部に液体が滴下するといったことが抑制されるため、遮液板や防滴シートを配設する必要なしに、開口12の下方に配設されている対象部品に液体が滴下してしまうといったことを抑制できる。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
車両のインストルメントパネルにおいて、
当該インストルメントパネルに設けられている開口の位置に対して少なくとも車幅方向の一方側に寄った位置において車幅方向に対して交差する方向に延在する溝と、
前記溝に液体が流れ込み該液体が当該溝から溢れた場合に、当該液体の前記開口に向かう流れを規制する規制部と、
を備えていることを特徴とする車両のインストルメントパネル。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
請求項1記載の車両のインストルメントパネルにおいて、
前記溝の下側には、当該溝から溢れた前記液体を車幅方向に対して交差する方向に案内するように傾斜した液体案内部が設けられており、
前記規制部は、前記液体案内部における前記開口寄りの位置に連続し且つ上方に延在することにより前記液体案内部を流れる前記液体の前記開口に向かう流れを規制する第1段差部を含んで構成されていることを特徴とする車両のインストルメントパネル。
【請求項3】
請求項1または2記載の車両のインストルメントパネルにおいて、
前記規制部は、前記開口の縁部から上方に延在することにより当該インストルメントパネルの上面を流れる前記液体の前記開口に向かう流れを規制する第2段差部を含んで構成されていることを特徴とする車両のインストルメントパネル。
【請求項4】
請求項1または2記載の車両のインストルメントパネルにおいて、
当該インストルメントパネルは、インストルメントパネル本体と、該インストルメントパネル本体の上側に組み付けられたインストルメントパネルカバーとを備えており、
前記開口は、前記インストルメントパネル本体に形成されており、
前記溝は、前記インストルメントパネルカバーに一体成形されており、
前記規制部は、前記インストルメントパネル本体に一体成形されていることを特徴とする車両のインストルメントパネル。
【請求項5】
請求項1または2記載の車両のインストルメントパネルにおいて、
前記開口はスピーカが嵌め込まれて取り付けられるスピーカ取付開口であることを特徴とする車両のインストルメントパネル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のインストルメントパネルに係る。特に、本発明は、インストルメントパネル上で液体を零してしまった場合に当該インストルメントパネルの内部への液体の滴下を抑制するための対策に関する。尚、一般に、狭義のインストルメントパネルは、運転席の前方の計器ユニットを意味するが、本明細書におけるインストルメントパネルは、車両のキャビンの前部にて車幅方向の一端から他端までの間に配置されている部品(ダッシュボードと呼ばれる部分も含む)を意味するもの(広義のインストルメントパネル)とする。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、車両のインストルメントパネルの内部には、車両に搭載された各種電装部品に給電を行ったり制御信号を送信したりするためのワイヤハーネスや該ワイヤハーネスが接続されるワイヤハーネスコネクタ(以下、単にコネクタと呼ぶ)が配設されている。特許文献1には、上下に2分割した上部インストルメントパネル部と下部インストルメントパネル部との間にワイヤハーネスを配設した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特公平7-90731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般にインストルメントパネルには、スピーカを取り付けるための開口等といった種々の開口が設けられている。前述した如くインストルメントパネルの内部にはワイヤハーネスやコネクタ(以下、これらを対象部品と呼ぶ場合もある)が配設されているため、前記開口の下方にも対象部品が配設される場合がある。
【0005】
このような構成において、乗員がインストルメントパネル上で液体を零してしまった場合(例えば水の入ったコップやペットボトルを倒してしまった場合)、この液体がインストルメントパネルの上面を流れることになる。この液体はインストルメントパネルの上面の傾斜に沿って流れることになり、その傾斜の途中に前記開口が存在する場合、この液体が開口に流れ込み、該開口を通って対象部品に滴下してしまう虞がある。このため、対象部品に対する被液防止対策が求められている。尚、被液防止対策が求められる対象部品としては前述したワイヤハーネスやコネクタに限定されるものではなく、被液によって不具合を生じる可能性のある各種の部品が挙げられる。
【0006】
対象部品に対する被液防止対策として、対象部品の上側に個別に遮液板を配設したり防滴シートを配設したりすることが考えられる。つまり、新たに遮液板や防滴シートを作製し、それをインストルメントパネルの内部における対象部品の上方に位置させるようにインストルメントパネル等に組み付けるようにするものである。
【0007】
しかしながら、これらの対策は、部品点数の増加、組立作業工数の増加、車体重量の大幅な増加、コストの高騰等といった種々の課題を招くことになってしまう。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前記の課題(遮液板や防滴シートを配設した場合の課題)を招くことを回避するべく、インストルメントパネルの内部への液体の滴下を抑制することができる車両のインストルメントパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、車両のインストルメントパネルを前提とする。そして、このインストルメントパネルは、開口の位置に対して少なくとも車幅方向の一方側に寄った位置において車幅方向に対して交差する方向に延在する溝と、前記溝に液体が流れ込み該液体が当該溝から溢れた場合に、当該液体の前記開口に向かう流れを規制する規制部とを備えていることを特徴とする。
【0010】
この特定事項により、仮に乗員がインストルメントパネル上で液体(例えば水)を零してしまった場合、この液体はインストルメントパネルの上面を流れることになる。そして、この液体がインストルメントパネルの溝に達すると、当該液体は溝に沿って流れる。つまり、液体は、開口の位置に対して車幅方向の一方側に寄った位置において車幅方向に対して交差する方向に流れることになる(例えば車体前後方向に沿って流れることになる)。この際、零れた液体の量が比較的多く、溝から溢れた場合には、この液体は規制部によって開口に向かう流れが規制されることになる。このため、液体が開口に流れ込むことは抑制され、開口を通ってインストルメントパネルの内部に液体が滴下するといったことが抑制される。仮に、インストルメントパネルの内部であって開口の下方に、被液を防止したい対象部品(ワイヤハーネスやコネクタ)が配設されていたとしても、この対象部品に液体が滴下してしまうといったことは抑制される。前述した如く、対象部品に対する被液防止対策として、対象部品の上側に個別に遮液板を配設したり防滴シートを配設したりする場合には、新たに遮液板や防滴シートを作製し、それをインストルメントパネルの内部における対象部品の上方に位置させるようにインストルメントパネル等に組み付ける必要がある。これに対し、本解決手段では、インストルメントパネルの内部に液体が滴下するといったことが抑制されるため、これら遮液板や防滴シートを配設する必要がない。つまり、本解決手段では、部品点数の増加や組立作業工数の増加を招くことなく、また、車体重量の大幅な増加やコストの高騰を招くことなしに、対象部品に液体が滴下してしまうといったことを抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)
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