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公開番号2024176405
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023094910
出願日2023-06-08
発明の名称ガス発生器
出願人日本化薬株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類H01R 13/52 20060101AFI20241212BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】点火器の通電に用いられる樹脂成形体の雌型コネクタ部を備えるガス発生器において簡素な構成にてシール性の向上を図る。
【解決手段】ガス発生器1Aは、ハウジング、点火器40、雄型コネクタ130および雌型コネクタ部34を備える。雌型コネクタ部34は、雄型コネクタ130を挿入可能な凹状部35を含む。雄型コネクタ130は、雌型コネクタ部34に差し込まれた取付状態において、雌型コネクタ部34のうちの凹状部35を取り囲むように位置する軸方向端面34aに対向する環状対向面132aを有する。環状対向面132aと軸方向端面34aとの間には、取付状態にてこれらの間に生じる隙間を埋めることで凹状部35の内部空間を封止するシール部134が介装される。軸方向端面34aのうちの取付状態にてシール部134と接触する部分には、凹状部35を取り囲む環状突起37が設けられる。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に有するハウジングと、
前記ガス発生剤を燃焼させるための点火薬が装填された点火部、および、当該点火部に接続された端子ピンを有する点火器と、
前記点火器に電気的に接続される雄型コネクタと、
前記雄型コネクタが差し込み可能であるとともに、差し込まれた前記雄型コネクタを保持することが可能に構成された雌型コネクタ部とを備え、
前記ハウジングは、前記燃焼室と前記ハウジングの外部の空間とを仕切る部分であってかつ前記点火器が組付けられる部分である棚板部と、前記棚板部の外縁から前記燃焼室側とは反対側に向けて延びる筒部とを有し、
前記棚板部には、開口部が設けられ、
前記点火器は、前記端子ピンが前記開口部に挿通された状態で前記点火部が前記棚板部よりも前記燃焼室側に位置するように配置され、
前記雌型コネクタ部は、前記筒部の内部に位置しかつ前記筒部の軸方向に沿って外部に向けて露出することにより、前記雄型コネクタの一部が挿入可能に構成された凹状部を含み、
前記筒部の内周面は、樹脂製の被覆部によって覆われ、
前記凹状部の内周面は、前記被覆部によって規定され、
前記凹状部に挿入される部分の前記雄型コネクタの周面には、係止突起が設けられ、
前記凹状部の前記内周面を規定する部分の前記被覆部には、前記係止突起を係止可能な係止凹部が設けられ、
前記雄型コネクタは、当該雄型コネクタが前記雌型コネクタ部に差し込まれた取付状態において、前記雌型コネクタ部のうちの外部に向けて露出する露出表面であってかつ前記凹状部を取り囲むように位置する軸方向端面の少なくとも一部に対して対向する環状対向面を有し、
前記環状対向面と前記軸方向端面との間には、前記取付状態において、前記環状対向面と前記軸方向端面とによって挟み込まれることで圧縮され、これにより前記環状対向面と前記軸方向端面との間に生じる隙間を埋めることで前記凹状部の内部の空間を外部に対して液密に封止する弾性部材からなるシール部が介装され、
前記軸方向端面のうちの前記取付状態において前記シール部と接触する部分には、前記凹状部を取り囲むように環状突起が設けられている、ガス発生器。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記ハウジングが、天板部および底板部と、ガス噴出口が設けられた筒状の周壁部とを含み、
前記筒部が、前記底板部から前記天板部側に向けて突設されるように前記底板部に設けられ、
前記被覆部が、前記筒部の前記内周面を覆う部分を含みかつ前記筒部の前記内周面および前記棚板部の外面に固着した外側被覆部と、前記棚板部の内面および前記点火部に固着した内側被覆部とを有している、請求項1に記載のガス発生器。
【請求項3】
前記雌型コネクタ部の軸方向に沿って見た場合に、前記シール部の外縁と前記環状対向面の外縁とが、前記環状突起の外縁よりも外側に位置している、請求項1に記載のガス発生器。
【請求項4】
前記雌型コネクタ部の軸方向に沿って見た場合に、前記環状突起が、前記環状対向面の外縁よりも外側に向けて食み出した食み出し部を有している、請求項1に記載のガス発生器。
【請求項5】
前記環状突起の内縁側に環状段差部が設けられることにより、前記環状突起が、当該環状突起の内縁側に位置する第1環状面と、前記環状突起の外縁側に位置しかつ前記第1環状面よりも前記環状対向面側に位置する第2環状面と、前記第1環状面および前記第2環状面を接続する第3環状面とを含み、
前記シール部の外縁が、前記第3環状面に当接している、請求項1から4のいずれかに記載のガス発生器。
【請求項6】
前記環状突起が、前記被覆部を成形する際に形成されるパーティングラインによって構成されている、請求項1から3のいずれかに記載のガス発生器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に装備される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、エアバッグがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。
【0003】
ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時にコントロールユニットからの通電によって点火器を着火し、点火器において生じる火炎によりガス発生剤を燃焼させて多量のガスを瞬時に発生させ、これによりエアバッグを膨張および展開させる機器である。点火器としては、ガス発生器が有する樹脂成形体としての保持部によって保持されるものがある。
【0004】
コントロールユニットからの点火器への通電は、たとえば、点火器とコントロールユニットとを結線するためのハーネスの雄型コネクタが、保持部に設けられた有底略円筒状の雌型コネクタ部に差し込まれることで点火器の端子ピンに接続されることによって実現される。このような通電方法が採用された文献としては、たとえば特開2018-190713号公報(特許文献1)や特表2015-519245号公報(特許文献2)等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-190713号公報
特表2015-519245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上述の通電方法を採用する場合には、雌型コネクタ部と雄型コネクタとの間の界面においてシール性を確保することが必要になる場合がある。この点につき何らの手当ても行なわない場合には、界面から水分等が雌型コネクタ部の内部に侵入し、これにより点火器とコントロールユニットとの間の電気的な接続に不具合が生じるおそれがある。
【0007】
また、ガス発生器においては、雄型コネクタの周面に設けられた係止突起を、雌型コネクタ部の内周面に設けられた係止凹部に係止させるいわゆるスナップフィットにより、差し込まれた雄型コネクタを雌型コネクタ部にて保持する組付構造が採用される場合がある。
【0008】
このように係止凹部が設けられた雌型コネクタ部を射出成形によって製造する場合には、雌型コネクタ部がアンダーカットとなる。そのため、射出成形された雌型コネクタ部を型から取り出すために当該雌型コネクタ部から型を抜く際に、型に設けられた可動部をアンダーカットから移動させることが必要になる。その際、型の可動部とそれ以外の部分との分割線に対応する部分の雌型コネクタ部には、微少な突条部としてのパーティングラインが形成される。そのため、場合によってはこれがリークルートとなることで上述したシール性を低下させてしまうおそれがある。
【0009】
したがって、本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、点火器の通電に用いられる樹脂成形体からなる雌型コネクタ部を備えてなるガス発生器において、簡素な構成にてシール性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に基づくガス発生器は、ハウジングと、点火器と、雄型コネクタと、雌型コネクタ部とを備えている。上記ハウジングは、ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に有している。上記点火器は、上記ガス発生剤を燃焼させるための点火薬が装填された点火部、および、当該点火部に接続された端子ピンを有している。上記雄型コネクタは、上記点火器に電気的に接続される。上記雌型コネクタ部は、上記雄型コネクタが差し込み可能であるとともに、差し込まれた上記雄型コネクタを保持することが可能に構成されている。上記ハウジングは、上記燃焼室と上記ハウジングの外部の空間とを仕切る部分であってかつ上記点火器が組付けられる部分である棚板部と、上記棚板部の外縁から上記燃焼室側とは反対側に向けて延びる筒部とを有している。上記棚板部には、開口部が設けられている。上記点火器は、上記端子ピンが上記開口部に挿通された状態で上記点火部が上記棚板部よりも上記燃焼室側に位置するように配置されている。上記雌型コネクタ部は、上記筒部の内部に位置しかつ上記筒部の軸方向に沿って外部に向けて露出することにより、上記雄型コネクタの一部が挿入可能に構成された凹状部を含んでいる。上記筒部の内周面は、樹脂製の被覆部によって覆われている。上記凹状部の内周面は、上記被覆部によって規定されている。上記凹状部に挿入される部分の上記雄型コネクタの周面には、係止突起が設けられている。上記凹状部の上記内周面を規定する部分の上記被覆部には、上記係止突起を係止可能な係止凹部が設けられている。上記雄型コネクタは、当該雄型コネクタが上記雌型コネクタ部に差し込まれた取付状態において、上記雌型コネクタ部のうちの外部に向けて露出する露出表面であってかつ上記凹状部を取り囲むように位置する軸方向端面の少なくとも一部に対して対向する環状対向面を有している。上記環状対向面と上記軸方向端面との間には、上記取付状態において、上記環状対向面と上記軸方向端面とによって挟み込まれることで圧縮され、これにより上記環状対向面と上記軸方向端面との間に生じる隙間を埋めることで上記凹状部の内部の空間を外部に対して液密に封止する弾性部材からなるシール部が介装されている。上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記軸方向端面のうちの上記取付状態において上記シール部と接触する部分に、上記凹状部を取り囲むように環状突起が設けられている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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