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公開番号
2024179975
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023099356
出願日
2023-06-16
発明の名称
ガス発生器およびその製造方法
出願人
日本化薬株式会社
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
B60R
21/26 20110101AFI20241219BHJP(車両一般)
要約
【課題】粒状のガス発生剤の破砕を防止しつつガス発生剤収容室にこれを高密度に充填することができるガス発生器を提供する。
【解決手段】ガス発生器1Aは、金属製のハウジング10と、複数の粒状のガス発生剤60とを備える。ハウジング10は、ガス発生剤収容室S1を規定する部分を含む筒状の周壁部11を有し、ガス発生剤60は、ガス発生剤収容室S1に収容される。ガス発生剤収容室S1を規定する部分の周壁部11の内周面とガス発生剤60との間には、ガス発生剤60と周壁部11との間の摩擦を低減する潤滑材が位置し、当該潤滑材が、周壁部11の内周面を覆う乾性被膜91にて構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ガス発生剤収容室を規定する部分を含む筒状の周壁部を有する金属製のハウジングと、
前記ガス発生剤収容室に収容された複数の粒状のガス発生剤と、
前記ガス発生剤を燃焼させるための点火器とを備え、
前記ガス発生剤と前記周壁部との間の摩擦を低減する潤滑材が、前記ガス発生剤収容室を規定する部分の前記周壁部の内周面と前記ガス発生剤との間に位置し、
前記潤滑材が、前記周壁部の内周面を覆う乾性被膜からなる、ガス発生器。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記乾性被膜が、フッ素系樹脂、二硫化モリブデンおよびボロンナイトライドのうちの少なくとも一種を成分として含んでいる、請求項1に記載のガス発生器。
【請求項3】
ガス発生剤収容室を規定する部分を含む筒状の周壁部を有する金属製のハウジングと、
前記ガス発生剤収容室に収容された複数の粒状のガス発生剤と、
前記ガス発生剤を燃焼させるための点火器とを備え、
前記ガス発生剤と前記周壁部との間の摩擦を低減する潤滑材が、前記ガス発生剤収容室を規定する部分の前記周壁部の内周面と前記ガス発生剤との間に位置し、
前記潤滑材が、前記周壁部の内周面に付着させられた微粉末からなる、ガス発生器。
【請求項4】
前記微粉末が、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびゼオライトのうちの少なくとも一種を成分として含んでいる、請求項3に記載のガス発生器。
【請求項5】
前記点火器が、点火薬が装填された点火部を含み、
前記点火部が前記ガス発生剤に面することとなるように、前記点火器が、前記ハウジングのうちの前記ガス発生剤収容室から見た場合における前記周壁部の軸方向の一端部側の位置に組付けられている、請求項1または3に記載のガス発生器。
【請求項6】
前記周壁部が、フィルタが収容されたフィルタ室を規定する部分をさらに含み、
前記ハウジングが、前記ガス発生剤収容室から見た場合における前記周壁部の軸方向の他端部側に位置するとともに、前記ハウジングの内部の空間を前記ガス発生剤収容室と前記フィルタ室とに区画する隔壁部を含み、
前記隔壁部と前記ガス発生剤との間に介装されることにより、前記ガス発生剤を前記隔壁部から離間させつつ前記ガス発生剤を前記点火器側に向けて付勢することで前記ガス発生剤を前記ガス発生剤収容室の内部において固定するコイルバネをさらに備えてなる、請求項5に記載のガス発生器。
【請求項7】
予め定められた量の複数の粒状のガス発生剤が収容されるガス発生剤収容室を規定する部分を含む筒状の周壁部を有するとともに、前記周壁部の軸方向の一端部が開放されてなる金属製のハウジングを準備する工程と、
前記ガス発生剤収容室を規定する部分の前記周壁部の内周面に、前記ガス発生剤と前記周壁部との間の摩擦を低減するための潤滑材を設ける工程と、
前記ガス発生剤収容室に、前記潤滑材が内周面に設けられた前記周壁部の軸方向の前記一端部を介して前記ガス発生剤を充填する工程とを備え、
前記潤滑材を設ける工程が、前記潤滑材としての乾性被膜によって前記周壁部の内周面を覆う工程を含んでいる、ガス発生器の製造方法。
【請求項8】
予め定められた量の複数の粒状のガス発生剤が収容されるガス発生剤収容室を規定する部分を含む筒状の周壁部を有するとともに、前記周壁部の軸方向の一端部が開放されてなる金属製のハウジングを準備する工程と、
前記ガス発生剤収容室を規定する部分の前記周壁部の内周面に、前記ガス発生剤と前記周壁部との間の摩擦を低減するための潤滑材を設ける工程と、
前記ガス発生剤収容室に、前記潤滑材が内周面に設けられた前記周壁部の軸方向の前記一端部を介して前記ガス発生剤を充填する工程とを備え、
前記潤滑材を設ける工程が、前記潤滑材としての微粉末を前記周壁部の内周面に付着させる工程を含んでいる、ガス発生器の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に装備される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器およびその製造方法に関し、特に、サイドエアバッグ装置等に好適に組み込まれる外形が長尺円柱状のいわゆるシリンダ型ガス発生器およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、エアバッグがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。
【0003】
ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時にコントロールユニットからの通電によって点火器を着火し、点火器において生じる火炎によりガス発生剤を燃焼させて多量のガスを瞬時に発生させ、これによりエアバッグを膨張および展開させる機器である。
【0004】
ガス発生器には、車両等に対する設置位置やガス出力等の仕様に基づき、種々の構成のものが存在している。その一つに、シリンダ型ガス発生器と称されるものがある。シリンダ型ガス発生器は、その外形が長尺円柱状であり、サイドエアバッグ装置やカーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に好適に組み込まれる。
【0005】
通常、シリンダ型ガス発生器においては、ハウジングの軸方向の一端部に点火器が組付けられるとともに当該一端部側に複数の粒状のガス発生剤が収容されたガス発生剤収容室が設けられ、ハウジングの軸方向の他端部側にフィルタが収容されたフィルタ室が設けられ、当該フィルタ室を規定する部分のハウジングの周壁部にガス噴出口が設けられる。
【0006】
このように構成されたシリンダ型ガス発生器においては、点火器が作動することでガス発生剤がガス発生剤収容室において燃焼し、ガス発生剤収容室にて発生したガスがハウジングの軸方向に沿ってフィルタ室に流入することでフィルタの内部を通過し、フィルタを通過した後のガスがガス噴出口を介してシリンダ型ガス発生器の外部に噴出される。
【0007】
なお、上記構成のシリンダ型ガス発生器が開示された文献としては、たとえば特開2007-314102号公報(特許文献1)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2007-314102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年においては、設置の自由度を高めるといった観点等に基づき、シリンダ型ガス発生器として、従来に比してより細長い外形のものが求められるに至っている。このようなシリンダ型ガス発生器にあっては、ハウジングが相当程度に小径でありしかも長尺であることから、必要量の粒状のガス発生剤を当該ハウジングの内部に設けられるガス発生剤収容室に高密度で充填することが困難になっている。
【0010】
ここで、ガス発生剤収容室に所定量の粒状のガス発生剤を高密度で充填するために、粒状のガス発生剤に対する押し込み荷重を増加させた場合には、ガス発生剤に破砕が生じてしまうおそれがあり、仮に必要量がガス発生剤収容室に収容することができたとしても、ガス発生剤全体としての表面積が変化することにより、意図したガス出力が得られないことになってしまう。
(【0011】以降は省略されています)
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