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公開番号2024178726
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-25
出願番号2023097095
出願日2023-06-13
発明の名称ガス発生器
出願人日本化薬株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類B60R 21/264 20060101AFI20241218BHJP(車両一般)
要約【課題】製造コストの増大を抑制しつつ所望のガス出力を安定して得ることができるガス発生器を提供する。
【解決手段】ガス発生器1Aは、金属製のハウジング本体10と、ホルダ組立体20と、点火器40とを備える。ホルダ組立体20は、点火器40の基部41を保持する金属製の第1ホルダ20Aと、点火器40の点火部41を収容する樹脂製の第2ホルダ20Bとを有する。第1ホルダ20Aは、ハウジング本体10に設けられた第1かしめ部11および第2かしめ部12によって挟み込まれることでハウジング本体10に固定される。第1かしめ部11は、第2ホルダ20Bの第2胴部23によって覆われるとともにこれに圧接触する。第2ホルダ20Bは、ガス発生剤60を点火部42から隔てる蓋部26をさらに有し、蓋部26は、点火部42から距離をもって配置される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に含む筒状の金属製のハウジング本体と、
前記ハウジング本体の軸方向の開口端に内挿され、前記ハウジング本体の軸方向と平行な方向に沿って延びる中空部を含むホルダ組立体と、
点火薬が装填された点火部、前記点火部に接続された端子ピン、ならびに、前記端子ピンが挿通されるとともに前記点火部および前記端子ピンの双方を支持する基部を含み、前記点火部が前記燃焼室側に位置しかつ前記端子ピンが前記燃焼室側とは反対側に位置した状態で前記中空部の内部に少なくともその一部が配置された点火器とを備え、
前記ホルダ組立体は、前記基部を受け入れることで前記点火器を保持する金属製の第1ホルダと、前記第1ホルダから見て前記燃焼室側に位置するとともに前記点火部を収容する樹脂製の第2ホルダとを有し、
前記第1ホルダは、前記中空部を規定する筒状の第1胴部と、前記ハウジング本体の径方向に沿って前記第1胴部から突出する環状突部とを含み、
前記第2ホルダは、前記中空部を規定する筒状の第2胴部を含み、
前記ハウジング本体は、径方向内側に向けて縮径した第1かしめ部と、前記第1かしめ部から見て前記開口端側に位置し、径方向内側に向けて縮径した第2かしめ部とを有し、
前記第1ホルダは、前記第1かしめ部および前記第2かしめ部によって前記環状突部が前記ハウジング本体の軸方向において挟み込まれることにより、前記ハウジング本体に固定され、
前記第1かしめ部は、前記第2胴部によって覆われているとともに、前記第2胴部の外周面の少なくとも一部に圧接触し、
前記第2ホルダが、前記点火部から見て前記基部側とは反対側に位置する部分の前記中空部の少なくとも一部を閉じることにより、前記ガス発生剤を前記点火部から隔てる蓋部をさらに有し、
前記蓋部が、前記ハウジング本体の軸方向に沿って前記点火部から距離をもって配置されている、ガス発生器。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記蓋部に複数の開口部が設けられ、
前記ハウジング本体の軸方向に沿って見た場合における前記複数の開口部の各々の最大外形寸法が、前記ガス発生剤の最小外形寸法よりも小さい、請求項1に記載のガス発生器。
【請求項3】
前記蓋部が、前記第2胴部のうちの前記第1ホルダ側の軸方向端部とは反対側に位置する軸方向端部に設けられている、請求項1に記載のガス発生器。
【請求項4】
前記第1ホルダ側に位置する前記第2ホルダの軸方向端部が、前記第1ホルダに嵌め込まれることで前記第1ホルダに固定されている、請求項1に記載のガス発生器。
【請求項5】
前記ホルダ組立体が、前記第1ホルダから見て前記燃焼室側とは反対側に位置するとともに前記端子ピンに接続される接続コネクタを受け入れ可能な樹脂製の第3ホルダをさらに有し、
前記第3ホルダは、前記中空部を規定する筒状の第3胴部を含み、
前記第2かしめ部が、前記第3胴部の外周面の少なくとも一部に圧接触している、請求項1に記載のガス発生器。
【請求項6】
前記第1ホルダ側に位置する前記第3ホルダの軸方向端部が、前記第1ホルダに嵌め込まれることで前記第1ホルダに固定されている、請求項5に記載のガス発生器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に装備される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関し、特に、サイドエアバッグ装置等に好適に組み込まれる外形が長尺円柱状のいわゆるシリンダ型ガス発生器に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、エアバッグがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。
【0003】
ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時にコントロールユニットからの通電によって点火器を着火し、点火器において生じる火炎によりガス発生剤を燃焼させて多量のガスを瞬時に発生させ、これによりエアバッグを膨張および展開させる機器である。
【0004】
ガス発生器には、車両等に対する設置位置や出力等の仕様に基づき、種々の構成のものが存在している。その一つに、シリンダ型ガス発生器と称されるものがある。シリンダ型ガス発生器は、その外形が長尺円柱状であり、サイドエアバッグ装置やカーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に好適に組み込まれる。
【0005】
通常、シリンダ型ガス発生器においては、ハウジングの軸方向の一端部に点火器が組付けられるとともに当該一端部側にガス発生剤が収容された燃焼室が設けられ、ハウジングの軸方向の他端部側にフィルタが収容されたフィルタ室が設けられ、当該フィルタ室を規定する部分のハウジングの周壁部にガス噴出口が設けられる。
【0006】
このように構成されたシリンダ型ガス発生器においては、燃焼室にて発生したガスがハウジングの軸方向に沿ってフィルタ室に流入することでフィルタの内部を通過し、フィルタを通過した後のガスがガス噴出口を介して外部に噴出される。
【0007】
ここで、シリンダ型ガス発生器においては、ハウジングの軸方向に沿って点火器とガス発生剤とが配置される構成であるため、点火器のうちの点火薬が装填された部分である点火部に接触または近接してガス発生剤が配置された場合には、作動時において点火部が開裂する際に、当該点火部に接触または近接して配置された部分のガス発生剤が当該点火部の開裂を阻害してしまう懸念がある。点火部の開裂が阻害された場合には、点火器にて発生する熱粒子(すなわち火炎)のガス発生剤への伝搬が遅れたり、熱粒子の進行方向に偏りが生じたりするおそれがあるため、点火器が作動した時点からガスがガス噴出口を介して外部に噴出され始める時点までの時間やガス発生剤の燃焼特性自体にばらつきが生じてしまう問題がある。
【0008】
このような問題が生じることを回避するために、たとえば特開2021-195020号公報(特許文献1)や特開2022-144932号公報(特許文献2)に開示のシリンダ型ガス発生器においては、ガス発生剤を弾性付勢するためのコイルバネを燃焼室の点火器が設けられた側の端部に配置し、当該コイルバネの一部が点火部よりもガス発生剤側に向けて飛び出るようにその長さが調整されることにより、ガス発生剤と点火器との間の距離が確保できるように構成されている。
【0009】
また、シリンダ型ガス発生器においては、作動時において点火器で発生する熱粒子を効率的にガス発生剤に導くことが重要であり、点火部にて発生する熱粒子の進行方向に指向性を与えるガイドとしての指向性付与部材が点火器の周囲に設置されることがある。通常、指向性付与部材は、点火部を取り囲む筒状の形状を有しており、ハウジングの周壁部と点火部との間の隙間を埋めるようにハウジングの内部に設置される。
【0010】
このような指向性付与部材を具備したシリンダ型ガス発生器の具体的な構成が開示された文献としては、たとえば特開2017-1588号公報(特許文献3)や特開2017-81343号公報(特許文献4)等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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