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公開番号2024176362
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023094848
出願日2023-06-08
発明の名称リチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法
出願人日本化学工業株式会社
代理人弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類C01G 51/00 20060101AFI20241212BHJP(無機化学)
要約【課題】非水系リチウム二次電池や全固体電池の正極活物質として用いたときに、正極材の軽量化、薄型化が可能なリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】SEM観察による平均粒子径が0.05~1.00μmである原料コバルト化合物を加熱分解して、コバルトの酸化物を得る工程であり、該原料コバルトが、水酸化コバルト又はコバルトの塩である加熱分解工程と、少なくともリチウム化合物と、前記加熱分解工程により得られたコバルトの酸化物と、を含有する混合物を調製する混合物調製工程と、前記混合物調製工程により調製された混合物を500~850℃で焼成する焼成工程と、を有することを特徴とするリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
SEM観察による平均粒子径が0.05~1.00μmである原料コバルト化合物を加熱分解して、コバルトの酸化物を得る工程であり、該原料コバルトが、水酸化コバルト又はコバルトの塩である加熱分解工程と、
少なくともリチウム化合物と、前記加熱分解工程により得られたコバルトの酸化物と、を含有する混合物を調製する混合物調製工程と、
前記混合物調製工程により調製された混合物を500~850℃で焼成する焼成工程と、
を有することを特徴とするリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記原料コバルト化合物が、水酸化コバルトであることを特徴とする請求項1記載のリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
【請求項3】
前記リチウム化合物が、リチウムの炭酸塩、水酸化物、酢酸塩及び硝酸塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
【請求項4】
前記加熱分解工程において、200~1000℃で加熱分解することを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
【請求項5】
前記コバルトの酸化物のSEM観察による平均粒子径が、0.05~4.00μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
【請求項6】
前記焼成工程の後に、前記焼成工程を行い得られるリチウムコバルト系複合酸化物粒子を粉砕処理する焼成物粉砕処理工程を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
【請求項7】
請求項1又は2のリチウムコバルト系複合酸化物の製造方法を行って得られるリチウムコバルト系複合酸化物粒子のSEM観察による平均粒子径が0.10~5.00μmであり、850℃で加熱した際の重量減少率が1.5質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
【請求項8】
請求項1又は2のリチウムコバルト系複合酸化物の製造方法を行って得られるリチウムコバルト系複合酸化物粒子の残留アルカリ量が2.0%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
【請求項9】
請求項1又は2のリチウムコバルト系複合酸化物の製造方法を行って得られるリチウムコバルト系複合酸化物粒子は、SEM観察による平均粒子径のCV値が0.60以下であり、X線回折分析した際に、リチウムコバルト系複合酸化物に由来する六方晶系結晶相(R-3m)以外の不純物相が現れないことを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。
【請求項10】
請求項1又は2のリチウムコバルト系複合酸化物の製造方法を行って得られるリチウムコバルト系複合酸化物粒子は、固相法により得られたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非水系リチウム二次電池、全固体電池等の正極材として有用なリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
携帯機器、ノート型パソコン、電気自動車、及び産業用ロボットなどの電源として非水系リチウム二次電池が利用されている。また、近年では、可燃性の有機溶媒を含む電解質を使用する非水系リチウム二次電池に代えて、安全性の高い固体電解質を使用した全固体電池の開発が盛んに進められている。
【0003】
最近では、これら非水系リチウム二次電池も全固体電池も、用途により更なる軽量化、薄型化が求められている。電池の軽量化、薄型化には、電池を構成する部材を小型化する必要があり、例えば、正極材を小型化することができれば、電池の軽量化、薄型化に繋がる一つの要因となる。
【0004】
正極材の小型化について、例えば、特許文献1では、体積基準による累積粒度分布における10%粒径(D
10
)が0.01μm~0.5μm、50%粒径(D
50
)が0.01μm~1.0μmであり、粒径が0.12μm以下の粒子の含有率が0.5体積%以上の酸化物系正極活物質からなる微粒子で形成された薄膜状の正極活物質層を備える電極部材が開示されている。特許文献1には、具体的にどのような製法で前記正極活物質を得たかの記載がないものの、ナノレベルの正極活物質を使用することで電極部材の薄膜化が可能であることが分かる。
【0005】
正極活物質としてのリチウム系複合酸化物のナノ材料化としては、特許文献2において、溶融塩を反応物および反応媒体として、乾燥工程を伴うことによりナノレベルのリチウム系複合酸化物を合成したことが記載されている。これにより、従来のより大きな材料に比較して、機能を高めたり、新しい機能を発現したりできると同時に、電子装置の小型化を目指すことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-220468号公報
特開2008-105912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献2の方法は、溶融塩中で原料の金属イオンが完全に解離した状態で存在することにより、イオンレベルで混合されて存在するため、比較的低温の熱処理であっても化学熱力学的に平衡となり安定な物質が形成し易くなることを利用したものである。
【0008】
しかしながら、通常、リチウムコバルト系複合酸化物は、固相法といわれる複数の原料粉を混合して焼成することにより得られるが、原料粉を十分に反応させるためには焼成温度を高くする必要がある。これにより結晶化が進むものの同時に粒成長が起こるため、リチウムコバルト系複合酸化物粒子の粒子径が大きくなってしまい、その結果、正極材を軽量化、薄型化することは困難であった。
【0009】
従って、本発明の目的は、固相法により得られたリチウムコバルト系複合酸化物粒子であって、非水系リチウム二次電池や全固体電池の正極活物質として用いたときに、正極材の軽量化、薄型化が可能なリチウムコバルト系複合酸化物粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ナノレベルの微粒子であるコバルトの水酸化物又はコバルトの塩から選ばれる原料コバルト化合物を加熱分解することにより得られるコバルトの酸化物は、焼成時にガス発生がほとんどなく、また、用いたコバルト化合物に起因してナノレベルの微粒子となり、更に該原料コバルト化合物を加熱分解して得られるナノレベルの微粒子であるコバルトの酸化物を使用することにより、リチウム化合物との反応が容易に進むため、低温で焼成しても結晶化が良好に進むことを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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