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公開番号2024176042
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023094246
出願日2023-06-07
発明の名称循環ユニット、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類B41J 2/18 20060101AFI20241212BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】吐出安定性を向上させる。
【解決手段】稼働している循環ポンプが停止してから第1圧力制御機構の第1圧力制御室の圧力と第2圧力制御機構の第2圧力制御室の圧力が等しくなるまでの期間において、第1圧力制御室から循環ポンプと第1圧力制御室とに連通している第4流路に向かう方向に第1圧力制御室と第4流路との連通口を通過する流体の体積をVVとし、第4流路の体積をV2としたとき、VV<V2である。
【選択図】図19
特許請求の範囲【請求項1】
液体の圧力を調整するための第1圧力調整手段であって、第1バルブ室と、第1圧力制御室と、前記第1バルブ室と前記第1圧力制御室とを連通させる第1連通口と、前記第1連通口を開閉する第1バルブと、前記第1圧力制御室の一部の面を構成し、変位可能に構成された第1可撓性部材と、前記第1圧力制御室の他の一部の面を構成し、前記第1可撓性部材と連動して変位可能に構成された第1圧力板と、を備える第1圧力調整手段と、
液体の圧力を調整するための第2圧力調整手段であって、第2バルブ室と、第2圧力制御室と、前記第2バルブ室と前記第2圧力制御室とを連通させる第2連通口と、前記第2連通口を開閉する第2バルブと、前記第2圧力制御室の一部の面を構成し、変位可能に構成された第2可撓性部材と、前記第2圧力制御室の他の一部の面を構成し、前記第2可撓性部材と連動して変位可能に構成された第2圧力板と、を備える第2圧力調整手段と、
圧力室と前記第1圧力制御室とを連通する第1流路と、
前記圧力室と前記第2圧力制御室とを連通する第2流路と、
前記第2圧力制御室と液体を循環させるための循環ポンプとを連通する第3流路と、
前記循環ポンプと前記第1圧力制御室とを連通する第4流路と、
を備え、
稼働している前記循環ポンプが停止してから前記第1圧力制御室の圧力と前記第2圧力制御室の圧力が等しくなるまでの期間において、前記第1圧力制御室から前記第4流路に向かう方向に前記第1圧力制御室と前記第4流路との連通口を通過する流体の体積をVVとし、前記第4流路の体積をV2としたとき、
VV<V2
である、
循環ユニット。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
稼働している前記循環ポンプが停止してから前記第1圧力制御室の圧力と前記第2圧力制御室の圧力が等しくなるまでの期間において、前記第1圧力制御室から前記第2圧力制御室に流入する流体の体積をVTとしたときに、
VT<V2
である、
請求項1に記載の循環ユニット。
【請求項3】
前記循環ポンプが稼働している期間における前記第2圧力制御室の体積をVa、稼働している前記循環ポンプが停止してから前記第1圧力制御室の圧力と前記第2圧力制御室の圧力が等しくなった時の前記第2圧力制御室の体積をVcとしたときに、
Vc-Va<V2
である、
請求項1に記載の循環ユニット。
【請求項4】
前記第1圧力制御室と前記第2バルブ室とを連通するバイパス流路を更に備え、
前記第2バルブによる前記第2連通口の開閉に応じて前記バイパス流路が開閉する、
請求項1に記載の循環ユニット。
【請求項5】
稼働している前記循環ポンプが停止してから前記第1圧力制御室の圧力と前記第2圧力制御室の圧力が等しくなるまでの期間において、前記第1圧力制御室から前記第2圧力制御室に流入する流体の体積をVTとしたときに、
VT<V2
である、
請求項4に記載の循環ユニット。
【請求項6】
前記循環ポンプが稼働している期間における前記第2圧力制御室の体積をVa、稼働している前記循環ポンプが停止してから前記第1圧力制御室の圧力と前記第2圧力制御室の圧力が等しくなった時の前記第2圧力制御室の体積をVcとしたときに、
Vc-Va<V2
である、
請求項4に記載の循環ユニット。
【請求項7】
稼働している前記循環ポンプが停止してから前記バイパス流路が閉じられた時の前記第2圧力制御室の体積をVbとし、稼働している前記循環ポンプが停止してから前記第1圧力制御室の圧力と前記第2圧力制御室の圧力が等しくなった時の前記第2圧力制御室の体積をVcとしたときに、
Vc-Vb<V2
である、
請求項4に記載の循環ユニット。
【請求項8】
前記バイパス流路は、前記第1圧力制御室の最下部において前記第1圧力制御室と連通している、
請求項4に記載の循環ユニット。
【請求項9】
前記第3流路は、第2圧力制御室の下部側において前記第2圧力制御室と連通している、
請求項1に記載の循環ユニット。
【請求項10】
前記第4流路は、前記第1圧力制御室の上部側において第1圧力制御室と連通している、
請求項1に記載の循環ユニット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、循環ユニット、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
液体吐出ヘッドと液体収容部との間で液体を循環させることで、流路中の気泡の排出、及び、吐出口近傍のインクの増粘を抑制する循環型の液体吐出装置が知られている。循環型の液体吐出装置の中には、液体吐出ヘッド外部の本体側ポンプを用いて液体吐出ヘッドと本体の間で液体を循環させるものもあれば、液体吐出ヘッド内のポンプを用いて液体吐出ヘッド内で液体を循環させるものもある。特許文献1には、本体側に搭載されている循環ポンプによって、ヘッド内のインクを循環させる液体吐出装置が開示されている。特許文献1の構成では、循環ポンプから第1のタンクへ供給されたインクは、一次側の循環路を介して液体吐出ヘッドに供給され、吐出されなかったインクは、二次側の循環路および第2のタンクを介して循環ポンプへ回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-59046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、上流側のタンクや下流側のタンクのインク量をフロート方式の2つの液位センサで読み取り、2つのセンサが検出したインク液面の高さに基づいて補給ポンプでインクを補給している。しかし、フロート式の2つの液位センサは、構成によっては、インクの泡立ちなどでフロート部が誤作動する場合があるため、少なくとも下流側のタンク内のインク液面が低下してしまう可能性がある。インク液面が低下してしまうと、循環ポンプに連通している流路の出入口が空気に露出し、循環ポンプ内に空気が侵入する可能性がある。特許文献1のような、循環ポンプとしての小型の圧電ポンプはポンプ室に空気が流入してしまうと、構成によっては、流入した空気がダンパーとなって所望の圧力を発生できずに流量が低下してしまい吐出安定性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、吐出安定性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、液体の圧力を調整するための第1圧力調整手段であって、第1バルブ室と、第1圧力制御室と、前記第1バルブ室と前記第1圧力制御室とを連通させる第1連通口と、前記第1連通口を開閉する第1バルブと、前記第1圧力制御室の一部の面を構成し、変位可能に構成された第1可撓性部材と、前記第1圧力制御室の他の一部の面を構成し、前記第1可撓性部材と連動して変位可能に構成された第1圧力板と、を備える第1圧力調整手段と、液体の圧力を調整するための第2圧力調整手段であって、第2バルブ室と、第2圧力制御室と、前記第2バルブ室と前記第2圧力制御室とを連通させる第2連通口と、前記第2連通口を開閉する第2バルブと、前記第2圧力制御室の一部の面を構成し、変位可能に構成された第2可撓性部材と、前記第2圧力制御室の他の一部の面を構成し、前記第2可撓性部材と連動して変位可能に構成された第2圧力板と、を備える第2圧力調整手段と、圧力室と前記第1圧力制御室とを連通する第1流路と、前記圧力室と前記第2圧力制御室とを連通する第2流路と、前記第2圧力制御室と液体を循環させるための循環ポンプとを連通する第3流路と、前記循環ポンプと前記第1圧力制御室とを連通する第4流路と、を備え、稼働している前記循環ポンプが停止してから前記第1圧力制御室の圧力と前記第2圧力制御室の圧力が等しくなるまでの期間において、前記第1圧力制御室から前記第4流路に向かう方向に前記第1圧力制御室と前記第4流路との連通口を通過する流体の体積をVVとし、前記第4流路の体積をV2としたとき、VV<V2である、循環ユニットである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、吐出安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
液体吐出装置の斜視図及び機能ブロック図である。
液体吐出ヘッドの分解斜視図である
液体吐出ヘッドの縦断面及び吐出モジュールの拡大断面図である。
循環ユニットの外観概略を示す斜視図である
循環経路を示す縦断面図である。
循環経路を模式的に示すブロック図である。
圧力調整手段の例を示す断面図である。
循環ポンプの外観斜視図である。
図8(a)に示した循環ポンプのIX-IX線断面図である。
液体吐出ヘッド内のインクの流れを説明する図である。
吐出ユニットにおける循環経路を示した模式図である。
開口プレートを示した図である。
吐出素子基板を示した図である。
吐出ユニットのインク流れを示した断面図である。
吐出口の近傍を示した断面図である。
吐出口の近傍の比較例を示す断面図である。
吐出素子基板の比較例を示した図である。
液体吐出ヘッドの流路構成を示した図である。
液体吐出装置のインク循環を停止した後の流路を示した図である。
第2圧力制御機構の状態変化を示している。
第2圧力制御機構の圧力と体積の関係を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本開示の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は本開示事項を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせすべてが本開示の解決手段に必須のものとは限らない。尚、同一の構成要素には同一の参照番号を付す。本実施形態では、液体を吐出する吐出素子として、電熱変換素子により気泡を発生させて液体を吐出するサーマル方式を採用した例を用いて説明するが、これに限られない。圧電素子(ピエゾ)を用いて液体を吐出する吐出方式、または、他の吐出方式が採用された液体吐出ヘッドにも適用することができる。さらに、以下に説明するポンプ及び圧力調整手段等も、実施形態及び図面に記載されている構成自体に限定されるものではない。以下の説明では、まず、本開示の基本的構成を述べ、その後、本開示の特徴部について説明を行う。
【0010】
<液体吐出装置>
図1は、液体吐出装置を説明するための図であり、液体吐出装置の液体吐出ヘッド及びその周辺の拡大図である。まず、本実施形態における液体吐出装置50の概略構成を、図1を参照しつつ説明する。図1(a)は、液体吐出ヘッド1を用いる液体吐出装置を模式的に示す斜視図である。本実施形態の液体吐出装置50は、液体吐出ヘッド1を走査しつつ液体としてのインクを吐出して記録媒体Pへの記録を行うシリアル型のインクジェット記録装置を構成している。
(【0011】以降は省略されています)

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