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公開番号
2024174042
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-13
出願番号
2024166732,2021144879
出願日
2024-09-25,2021-09-06
発明の名称
ユリの花の老化遅延法
出願人
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
5/10 20060101AFI20241206BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ユリ科植物を含む花き一般、有効な品質保持技術の開発。
【解決手段】LhHFSを抑制する因子、例えば、(I)(A)配列番号1に示す配列(LhHFSを自体)もしくは配列番号2をコードする配列;または(B)(B-1)(A)において1もしくは数個の置換、付加もしくは欠失を有する配列改変体、(B-2)(A)の配列に対して少なくとも約70%の配列同一性を有する配列改変体、もしくは(B-3)(A)の配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列改変体であって、該配列改変体は(A)の生物学的機能を有する配列を含み、他方の鎖は、(II)(I)の相補配列を含む二本鎖核酸が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
その植物が有するLhHFSまたはその相同遺伝子の少なくとも一部が抑制された植物細胞。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
その植物が有するLhHFSまたはその相同遺伝子の少なくとも一部が抑制された植物組織、あるいは請求項1に記載の細胞を含む植物組織。
【請求項3】
その植物が有するLhHFSまたはその相同遺伝子の少なくとも一部が抑制された植物器官、あるいは請求項1に記載の細胞もしくは請求項2に記載の植物組織を含む植物器官。
【請求項4】
その植物が有するLhHFSまたはその相同遺伝子の少なくとも一部が抑制された植物体またはその一部、あるいは請求項1に記載の細胞、請求項2に記載の植物組織もしくは請求項3に記載の植物器官を含む植物体またはその一部。
【請求項5】
前記LhHFSまたはその相同遺伝子の少なくとも一部の発現および/または機能が抑制されている、請求項1~4に記載の細胞、組織、器官あるいは植物体またはその一部。
【請求項6】
前記抑制は、RT-PCR法で測定した場合に、vacuolar processing enzyme遺伝子(VPE遺伝子)、またはcysteine protease遺伝子(SAG12遺伝子)の発現を約50%低減させるという基準を下回るものである、請求項5に記載の細胞、組織、器官あるいは植物体またはその一部。
【請求項7】
前記抑制は、RT-PCR法で測定した場合に、vacuolar processing enzyme遺伝子(VPE遺伝子)の発現を約50%低減させるという基準を下回るものである、請求項5に記載の細胞、組織、器官あるいは植物体またはその一部。
【請求項8】
前記LhHFSの抑制が、遺伝子発現レベルの低下、遺伝子コピ-数の低下、遺伝子増幅の低下、RNA活性レベルの低下、mRNA存在量の低下、mRNA合成速度の低下、mRNA安定性の低下、タンパク質活性レベルの低下、タンパク質合成の低下、タンパク質存在量の低下、タンパク質安定性の低下、タンパク質酵素活性の低下、またはこれらの組合せからなる群より選択される方法によって達成される、請求項5~7のいずれか一項に記載の細胞、組織、器官あるいは植物体またはその一部。
【請求項9】
前記LhHFSまたはその相同遺伝子の少なくとも一部の構造遺伝子が天然のものと比較して変異を有するか、および/またはその遺伝子発現調節因子が天然のものと比較して変異を有するか、および/またはLhHFSまたはその相同遺伝子の少なくとも一部を抑制する天然には存在しない因子を有する、請求項5~8のいずれか一項に記載の細胞、組織、器官あるいは植物体またはその一部。
【請求項10】
前記変異または因子は、LhHFS遺伝子のRNA干渉またはゲノム編集によって提供されるものである、請求項9に記載の細胞、組織、器官あるいは植物体またはその一部。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、花の老化を制御する転写因子ファミリー遺伝子(LhHFS)およびその利用法を提供する。たとえば、ゲノム編集、RNA干渉、または突然変異誘発因子の導入などといった手法によって、LhHFS遺伝子の発現または機能等を一部または完全に欠損させることにより、花の老化を遅延することが可能になる。
続きを表示(約 4,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ユリでは、有効な日持ち延長剤が開発されておらず、花の老化を制御する遺伝子も特定されていなかった。また、交配に基づく従来のユリの育種では、交配から開花まで3年ほどかかるため、非常に長い年月を必要とし効率が悪い。
【0003】
交配に基づく従来のユリの育種では、交配から開花まで3年ほどの期間がかかるため、交配と選抜を繰り返して目的形質を付与するためには非常に長い年月を必要とし効率が悪い。また、系統ごとの日持ち性が整理されておらず、日持ち性に関するDNAマーカーなども開発されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
花き一般、有効な品質保持技術の開発が求められる。そこで、本開示は、鋭意研究した結果、少なくともユリ科植物全般に保存されている、花きの花の老化を制御する遺伝子を特定し、品質保持技術を開発することを達成した。
【0005】
したがって、本開示は以下を提供する。
(項目1) (A)配列番号1に示す核酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする核酸配列;または
(B)配列改変体
を含む核酸分子であって、
該(B)配列改変体は、
(B-1)(A)の核酸配列において1以上の置換、付加および/もしくは欠失を有する配列改変体、
(B-2)(A)の核酸配列に対して少なくとも約90%の配列同一性を有する配列改変体、
(B-3)(A)の核酸配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列改変体、
(B-4)(A)の対立遺伝子変異体である配列改変体、もしくは
(B-5)(A)または(B-1)~(B-4)のフラグメントである配列改変体であり、
該配列改変体がコードするタンパク質は(A)がコードするタンパク質の生物学的機能を有するものである、核酸分子。
(項目2) 前記核酸分子は、配列番号1に示す核酸配列を含む、上記項目のいずれかに記載の核酸分子。
(項目3) 前記核酸分子は、配列番号1または配列番号3に示す核酸配列からなる、上記項目のいずれかに記載の核酸分子。
(項目4) (a)配列番号2に示すアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が変異しており、該変異が、置換、付加および/もしくは欠失を含むポリペプチドであって、かつ、(a)のポリペプチドの生物学的活性と同種の生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1に示す塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする遺伝子の相同遺伝子によってコードされる、ポリペプチド;または
(e)(a)~(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも約90%であるアミノ酸配列を有し、かつ、(a)のポリペプチドの生物学的活性と同種の生物学的活性を有する、ポリペプチド
を含む、ポリペプチド。
(項目5) 上記項目のいずれかに記載の核酸配列の発現および/または該核酸配列もしくは該核酸配列がコードするタンパク質もしくは上記項目のいずれかに記載のポリペプチドの量または機能を抑制する因子。
(項目6) 前記因子は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、RNAまたはDNAを含む核酸、ポリサッカリド、オリゴサッカリド、脂質、ホルモン、リガンド、情報伝達物質、合成化学物質、放射線、またはこれらの組み合わせである、上記項目のいずれかに記載の因子。
(項目7) アンチセンス分子、RNAi因子、ゲノム編集用の因子、または突然変異誘発因子からなる群より選択される、上記項目のいずれかに記載の因子。
(項目8) LhHFSまたはその相同遺伝子を抑制する因子。
(項目9) 前記相同遺伝子は、
(i)
配列番号1に示す核酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする核酸配列の配列改変体であって、該配列改変体は、
(B-1)配列番号1に示す核酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする核酸配列において1以上の置換、付加および/もしくは欠失を有する配列改変体、
(B-2)配列番号1に示す核酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする核酸配列に対して少なくとも約70%の配列同一性を有する配列改変体、
(B-3)配列番号1に示す核酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする核酸配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列改変体、
(B-4)配列番号1に示す核酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする核酸配列の対立遺伝子変異体である配列改変体、もしくは
(B-5)配列番号1に示す核酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする核酸配列、または(B-1)~(B-4)のフラグメントである配列改変体であり、
該配列改変体がコードするタンパク質は、配列番号1に示す核酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする核酸配列がコードするタンパク質の生物学的機能を有するものである、配列改変体、または
(ii)
(a)配列番号2に示すアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が変異しており、該変異が、置換、付加および/もしくは欠失を含むポリペプチドであって、かつ、(a)のポリペプチドの生物学的活性と同種の生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1に示す塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする遺伝子の相同遺伝子によってコードされる、ポリペプチド;または
(e)(a)~(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも約70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、(a)のポリペプチドの生物学的活性と同種の生物学的活性を有する、ポリペプチド
を含む、ポリペプチド
を含む、上記項目のいずれかに記載の因子。
(項目10) 前記因子は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、RNAまたはDNAを含む核酸、ポリサッカリド、オリゴサッカリド、脂質、ホルモン、リガンド、情報伝達物質、合成化学物質、またはこれらの複合分子である、上記項目のいずれかに記載の因子。
(項目11) 前記因子は、核酸形態である、上記項目のいずれかに記載の因子。
(項目12) アンチセンス分子、RNAi因子、ゲノム編集用の因子、または突然変異誘発因子からなる群より選択される、上記項目のいずれかに記載の因子。
(項目13) 前記因子は、二本鎖核酸の形態のLhHFSのRNAi因子である、上記項目のいずれかに記載の因子。
(項目14) 前記因子は二本鎖形態であり、その一方の鎖は
(I)
(A)配列番号1に示す核酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする核酸配列のうちの少なくとも約100塩基を含む核酸配列;または
(B)配列改変体
を含み、他方の鎖は、
(II)(I)の相補配列またはアニーリングする配列
【0006】
従って、本開示のこれらおよび他の利点は、以下の詳細な説明を読めば、明白である。
【発明の効果】
【0007】
本開示により、転写因子ファミリー遺伝子(LhHFS)の発現抑制を行うことにより、ユリおよびチューリップ等のユリ科植物の花き一般について、花の老化を遅延することができ、観賞期間を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、野生型(Cont)およびLhHFS発現抑制系統(LNR18-2)の開花後の花の状態の写真を示す。写真の上部に開花後の日数を示す。上の行の写真は、野生型のユリの写真を0~7日後まで示し、下の行の写真は、LhHFS発現抑制系統のユリの写真を0~9日後まで示す。野生型では開花5日後に花被の褐変が示され、LhHFS発現抑制系統では開花8日後に花被の褐変が示された。矢印は、野生型では開花4日後で日持ちが終了し、LhHFS発現抑制系統では開花7日後で日持ちが終了したことを示す。
図2は、野生型(Cont)およびLhHFS発現抑制系統(LNR18)の、開花後4日目での花被におけるLhHFS遺伝子の相対発現量を示す。グラフの縦軸は、LhHFS遺伝子の相対発現量を示し、グラフの軸は、左から順に、野生型(Cont)、LhHFS発現抑制系統(LNR18-2およびLNR18-15)に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。従って、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本開示の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0010】
(定義)
本明細書において、「約」とは、後に続く値の±10%を意味する。なお、本明細書では、明示的に「約」との記載がなくても、約との記載がない場合の数値範囲について権利放棄を意図するものではないものであることを理解されたい。
(【0011】以降は省略されています)
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