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公開番号2024167588
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023083768
出願日2023-05-22
発明の名称接着剤およびこれを用いた電子デバイス
出願人JNC株式会社
代理人
主分類C09J 201/00 20060101AFI20241127BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 従来の低誘電電子基板用の接着剤が有する問題点を解決するために、低誘電電子基板の原料である低誘電率樹脂シートと接着性が良好で、低粗度銅箔や低誘電率レジスト層とも接着性が良好である、耐熱性に優れた接着剤を、硬化温度以下で固体から液状に変化する重合性液晶性化合物(PLC)を用いて実現することである。
【手段】 2官能以上の重合性液晶性化合物、およびこの重合性液晶性化合物と重合可能な硬化成分を含む接着剤であり、低誘電電子基板と金属箔またはレジスト層とを貼り合わせるための接着剤。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
2官能以上の重合性液晶性化合物、およびこの重合性液晶性化合物と重合可能な硬化成分を含む接着剤であり、低誘電電子基板と金属箔またはレジスト層とを貼り合わせるための接着剤。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記2官能以上の重合性液晶性化合物が、式(1)で表される重合性液晶性化合物である、請求項1に記載の接着剤。

1a
-Z

-A

-Z

-A

-(Z

-A


m1
-Z

-R
1b
(1)
式(1)中、


、A

、およびA

は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、1,4-フェニレン、ビシクロ[2.2.2]オクト-1,4-ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキス-3,6-ジイル、またはフルオレン-2,7-ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの-CH

-は-O-で置き換えられてもよく、少なくとも1つの-CH=は-N=で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1~12のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキルにおいて、少なくとも1つの-CH

-は、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、または-C=C-で置き換えられてもよく;


、Z

、Z

、およびZ

は独立して、単結合または炭素数1~20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの-CH

-は、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-SO

-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH=N-、-N=CH-、または-N=N-で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
m1は、0、1、または2であり、
式中に、Z

またはA

が複数ある場合は、それらが同一であっても異なっていてもよく、

1a
およびR
1b
は独立して、式(PG-1)~(PG-5)で表される重合性基から選択される基であり、
TIFF
2024167588000032.tif
51
116
式(PG-1)~(PG-5)中、R

は、水素、ハロゲン、-CF

、または炭素数1~5のアルキルであり、qは0または1であり、式中に複数あるR

は、それらが同一であっても異なっていてもよく;


およびA

が1,4-フェニレンであり、Z

が単結合であり、m1が0であり、かつ、R
1a
およびR
1b
が式(PG-5)で表される重合性基の場合は、Z

およびZ

は炭素数が3~20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの-CH

-は、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-SO

-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH=N-、-N=CH-、または-N=N-で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
【請求項3】
前記2官能以上の重合性液晶性化合物のA

から右末端のA

までのメソゲン部分が、ビフェニル構造であり、ビフェニル構造とR
1a
およびR
1b
のエポキシ基の間に炭素数が3以上の直鎖状のZ

およびZ

が介在する、請求項2に記載の接着剤。
【請求項4】
前記2官能以上の重合性液晶性化合物のメソゲン部分が、ビシクロヘキシル構造である、請求項2に記載の接着剤。
【請求項5】
前記2官能以上の重合性液晶性化合物の重合性基が、前記式(PG-5)で表される重合性基である、請求項2に記載の接着剤。
【請求項6】
前記硬化成分が、硬化剤、重合開始剤、硬化促進剤、および架橋剤からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の接着剤。
【請求項7】
前記硬化剤が、少なくとも2つの水酸基を有するポリフェニレンエーテルオリゴマー、活性エステル硬化剤、および少なくとも2つの水酸基を有するアルキルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項6に記載の接着剤。
【請求項8】
さらに、無機充填剤を1~30体積%含む、請求項1に記載の接着剤。
【請求項9】
前記無機充填剤が、球状シリカ、粉砕シリカ、中空シリカおよびヒュームドシリカの酸化珪素化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン、炭化珪素、ならびに酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛の金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項8に記載の接着剤。
【請求項10】
前記
無機充填剤が、窒化物充填剤であり、前記接着剤を硬化した硬化物の熱伝導率が1W/m・K以上である、請求項8に記載の接着剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、5Gや6Gにむけた高周波を扱う電子基板に用いられる低誘電電子基板に金属箔や低誘電率レジスト層を、従来の生産設備およびプロセスで積層可能にするために、低誘電率樹脂シートと接着性が良好で、平滑な銅箔などの金属箔や低誘電率レジスト層などのレジスト層との接着性も良好である、接着層の誘電特性に優れた、重合性液晶性化合物を用いた低誘電電子基板の接着剤およびこの接着剤を用いた電子デバイスに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、通信機器の5G化さらにはbeyond5Gや6G化に伴い、電子基板上での電気信号の高周波化や、アンテナが送受信する電波も高周波化しており、信号処理回路基板やアンテナ基板による信号の損失が問題になっている。そのため、プリント配線基板や、2D、2.5Dでくみ上げられた半導体モジュール用基板に用いられる樹脂材料の低誘電率化、低誘電正接が求められており、従来のポリイミドやエポキシ樹脂に代わり、液晶ポリマー(LCP),ポリフェニレンエーテル(PPE)、シクロオレフィンポリマー(COP)、フッ素樹脂(PTFE)などの樹脂が基板原料として使用され始めている(非特許文献1)。
これらの基板原料の低誘電率樹脂シートやレジスト層は、誘電率を低く抑えるために、樹脂の極性を減らしているので従来のエポキシ接着剤との接着性が悪く、300℃近い高温でラミネートする熱可塑性接着剤を用いたり、低誘電率樹脂シートやレジスト層の表面に接着しやすくする処理を行ったりする必要がある。また、その高温により低誘電電子基板またはレジスト層を構成している樹脂や銅箔が熱による酸化や熱膨張率の差によるダメージを大きく受けてしまう難しさがあるので、200℃以下で強力に接着できる接着剤の開発が望まれている。
【0003】
また、電極や配線となる銅箔は、その表皮効果による特性悪化を避けるために、可能な限り平坦な物を使用する必要がある。元来、銅は接着しにくい金属であり、接着性を向上させるために接着面を粗化したり、その粗化面にさらに他の金属を表面に析出させたりしてガラスエポキシ基板やポリイミドフレキシブル基板に接着されている(非特許文献1)。この易接着処理層が非常に薄い高周波用銅箔は接着剤との接着性が低いため、低誘電電子基板用の接着剤には、この平滑な銅箔との接着性も併せて求められる(非特許文献2)。
【0004】
このように低誘電電子基板用の接着剤には、低誘電率樹脂シートと平滑な銅箔または低誘電率レジスト層との接着性が求められるだけでなく、銅箔をエッチングするなどして形成された回路パターンと直接接しているため、接着剤が硬化した接着層そのものの誘電特性も重要である。そのため、誘電特性に優れたポリオレフィン系の熱圧着式の接着シートが使用される場合が多い(非特許文献1)。ただし、リフローはんだによる電子部品の固定にも耐え得るために、圧着温度はかなり高めに設計されている。一方、エポキシ樹脂を使用した熱硬化型の接着剤も開発されているが、誘電特性、耐熱性や接着性の調整のため様々なポリマーや添加剤と混合されている(特許文献1、2、3)。
【0005】
さらに、プリント配線基板では、最表層にレジストフィルムやカバーレイフィルムを付与したり、基板となるフィルムやプリプレグを積層する場合も多いので、レジストフィルムや、基板同士の接着性が求められる場合も多い(特許文献4、5)。
【0006】
一般的には、強い接着性を実現させるために、エポキシ基を多く含む接着剤が使用されるが、原料としてマレイミド残基や(メタ)アクリル基を使用した低誘電電子基板用の接着剤で、かつ、銅が表面にあまり露出していない部分などの樹脂と樹脂との接着性が重視される部分では、誘電特性を高くすることが難しいエポキシ樹脂は使用せずに、樹脂の主成分であるマレイミド残基や(メタ)アクリル基でも接着性が確保できるので、用いられる基板に合った重合性基の選択も重要な課題となる(特許文献4、5)。
【0007】
低誘電電子基板用の接着剤にはリフロー炉耐性を付与するために、高耐熱性、特に高ガラス転移温度が求められる場合が多い。高ガラス転移温度化の方法の一つとして、LCPのように高分子鎖の中にメソゲン部分を導入し、メソゲン部分の分子間相互作用により高ガラス転移温度化する方法がある。ただし、一般的にはLCPは接着性が低く、軟化温度が高い熱可塑性樹脂であり、接着剤に用いることは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2023-32287号公報
特開2023-32286号公報
特開2022-133352号公報
特表2015-515927号公報
国際公開第2011/111471号
【非特許文献】
【0009】
「-5G/beyоnd 5Gに向けた― 高速・高周波対応部材の最新開発動向」、技術情報協会、2021、p.49、50、120、121。
「次世代通信・ミリ波技術の最新技術動向・今後の展望」、AndTech、2021、p.19、28、29。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、従来の低誘電電子基板用の接着剤が有する問題点を解決するために、低誘電電子基板の原料である低誘電率樹脂シートと接着性が良好で、低粗度銅箔や低誘電率レジスト層とも接着性が良好である、耐熱性に優れた接着剤を、硬化温度以下で固体から液状に変化する重合性液晶性化合物(PLC)を用いて実現することである。さらに、重合性液晶性化合物の硬化物は熱伝導率が高く、付加価値として高放熱性も付与できる。
本発明の接着剤を用いることで、高周波数領域における次世代通信機器およびレーダーなどの基板作製に好適な接着剤を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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