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公開番号2024166152
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024079413
出願日2024-05-15
発明の名称熱ラジエータシャッタならびに熱ラジエータシャッタを使用して熱制御を行うためのシステムおよび方法
出願人マクドナルド・デトワイラー・アンド・アソシエイツ・インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人
主分類B64G 1/50 20060101AFI20241121BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】極端な温度を有する環境での、熱制御のための改善されたシステムを提供する。
【解決手段】熱ラジエータシャッタは、第1のベースプレートと、開位置と閉位置との間で移動可能な第2のベースプレートと、第2のベースプレートを移動させるためのアクチュエータとを含む。第2のベースプレートが閉位置にあるときに、第2のベースプレート上のラジエータは、第1のベースプレート上のラジエータに面し、ベースプレート間の放射結合および熱流を提供する。第2のベースプレートが開位置にあるときに、それぞれのラジエータは、閉位置にあるときよりも周囲環境に対して、より大きいビューファクタ、および閉位置にあるときに比べて互いに対して低減されたビューファクタを有する。それぞれのラジエータは、第2のベースプレートが開位置にあるときに第1および第2のベースプレート上の温度制御コンポーネントから熱を廃棄する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
システムのアクティブ熱制御のための熱ラジエータシャッタであって、前記熱ラジエータシャッタは、
第1のベースプレートであって、前記第1のベースプレートの底部側に装着される第1の温度制御コンポーネントと、前記第1のベースプレートの頂部側に配設された第1のラジエータとを有する第1のベースプレートと、
第2のベースプレートであって、前記第2のベースプレートの第1の側に装着された第2の温度制御コンポーネントと、前記第1の側に対向する、前記第2のベースプレートの第2の側に配設された第2のラジエータとを有し、閉位置と開位置との間で移動可能である第2のベースプレートと、
前記第2のベースプレートを前記閉位置から前記開位置へ、および前記開位置から前記閉位置へ移動させるために前記第2のベースプレートに接続されているアクチュエータと
を備え、
前記第2のベースプレートが前記閉位置にあるときに、前記第2のラジエータは、前記第1のラジエータに面して放射結合を提供し、前記第1のベースプレートと前記第2のベースプレートとの間に熱が流れる熱ループを形成し、
前記第2のベースプレートが前記開位置にあるときに、前記第1および前記第2のベースプレートは、(i)前記第1および前記第2のラジエータが、それぞれ前記第1および前記第2の温度制御コンポーネントから熱を廃棄するために前記閉位置にあるときよりも周囲環境に対して、より大きなビューファクタを有し、(ii)前記第1および前記第2のラジエータが、前記閉位置と比較して互いに対して低減されたビューファクタを有するように分離される、熱ラジエータシャッタ。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第2のベースプレートが前記閉位置にあるときに、前記第1および前記第2のラジエータの各々は、前記周囲環境に対して0%のビューファクタを有する、請求項1に記載の熱ラジエータシャッタ。
【請求項3】
前記第2のベースプレートが前記閉位置にあるときに、前記第1および前記第2のラジエータは、互いに完全な熱連通状態にある、請求項1に記載の熱ラジエータシャッタ。
【請求項4】
前記第2のベースプレートが前記閉位置にあるときに、前記第1および前記第2のラジエータは、互いに物理的に接触せず、前記システムは、前記第1のラジエータと前記第2のラジエータとが接合する縁を覆い、前記縁からの熱漏洩を低減する、断熱材をさらに備える、請求項1に記載の熱ラジエータシャッタ。
【請求項5】
前記第2のベースプレートが前記開位置または前記閉位置のいずれかにあるときに前記周囲環境に曝される前記第1および前記第2のベースプレートの各表面に塗布される断熱材をさらに含む、請求項1に記載の熱ラジエータシャッタ。
【請求項6】
前記第1および前記第2のラジエータはそれぞれ、サイズが等しい第1および第2の放射表面を有する、請求項1に記載の熱ラジエータシャッタ。
【請求項7】
前記第1および前記第2のラジエータは、前記第2のベースプレートが前記開位置にあるときにラジエータとして働き、前記第2のベースプレートが前記閉位置にあるときに他方のラジエータに対するビューブロッカーとして働くことを可能にする、それぞれのサイズおよび幾何学的形状を有し、前記第1および前記第2のラジエータは、前記第2のベースプレートが前記開位置にあるときに宇宙に対して少なくとも80%のビューファクタを有し、前記第1および前記第2のラジエータは、前記第2のベースプレートが前記閉位置にあるときに宇宙に対して高々20%のビューファクタを有する、請求項1に記載の熱ラジエータシャッタ。
【請求項8】
前記第1のラジエータおよび前記第2のラジエータのうちの少なくとも一方は、それぞれ、前記第1または前記第2のベースプレートとは別個の材料片である、請求項1に記載の熱ラジエータシャッタ。
【請求項9】
前記第1のベースプレートは、断熱材で覆われ、前記第1のラジエータは、前記断熱材で覆われていない前記第1のベースプレートの一部分であるか、または前記第2のベースプレートは、断熱材で覆われ、前記第2のラジエータは、前記断熱材で覆われていない前記第1のベースプレートの一部分である、請求項1に記載の熱ラジエータシャッタ。
【請求項10】
前記第1のラジエータまたは前記第2のラジエータは、0.1から0.3の範囲内の吸収率対放射率比を有する光学コーティングでコーティングされる、請求項1に記載の熱ラジエータシャッタ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
以下は、一般に、熱制御デバイスに関するものであり、より詳細には、宇宙環境、たとえば、訪れる小惑星、ならびに月および火星を含む惑星環境などの極端な温度を有する環境において使用するための熱制御デバイスに関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
熱制御システムは、電子機器などのコンポーネントが適切に機能するために必要な範囲内の温度を維持するために使用される。熱制御システムは、宇宙アプリケーションなどのいくつかのアプリケーションにおいて、システム(たとえば、宇宙船、ローバー、ランダー)が宇宙空間の性質に起因する極端な寒さに曝されるか、または宇宙空間のフィルタに通されていない直射日光に見られる激しい暑さに曝されるので、広範囲にわたって変化し得る外部環境に対処しなければならない。熱制御システムは、システムコンポーネントの動作によって発生する内部熱を抑え、管理することも行わなければならない。熱制御は、最適な性能およびミッションの成功を保証するために非常に重要であるが、それはコンポーネントが、高すぎるかまたは低すぎる温度に曝された場合に、コンポーネントが損傷する可能性があるか、またはその性能が重大な影響を受ける可能性があるからである。熱制御はまた、特定のコンポーネント(センサ、電子機器、電池、など)を指定された温度安定性要件内に保ち、可能な限り効率的に実行することを確実にするため必要である。
【0003】
月面などの宇宙空間環境は、熱制御にとって特定の問題を提起し得る。たとえば、月の環境は、最長354時間続く暑い月の昼と寒い月の夜の間の極端な温度に直面する。月の夜間存続は、極端に低い温度、たとえば40~60ケルビンの地表温度に耐え、月の夜間には、4ケルビンの深宇宙と向き合って熱交換する必要があり得る。月の昼間存続は、極端に高い温度、たとえば400ケルビンの地表温度に耐える必要があり得る。月の夜間は最長354時間続き、その時間中、月面の夜部分は暗いままである。月の昼間は最長354時間続き、その時間中、月面の昼部分は太陽に熱せられる。月面の非常に長い昼夜のサイクルは、工学分野およびその下位分野では多くの場合に遭遇しない、月面システムに対する固有の設計空間を提起する。
【0004】
夜間存続を含む、宇宙および月面の非常に厳しい環境における熱制御に対するアプローチは、放射性発熱体、またはポンプ流体ループ(たとえば、Curiosity、Mars 2020)などの高度なアクティブ熱制御システムの使用を含む。このようなアプローチは、システムのコスト、質量、および/または複雑さを増大させる可能性があり、したがって特定のミッションまたはアプリケーション(たとえば、低コスト、低質量のマイクロローバープラットフォームの)には適さないか、または望ましくない場合がある。放射性物質を使用するシステムは、発射台において故障が発生した場合、地上システムおよび乗組員に対して放射能漏れまたは被曝のさらなる危険性をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、放射性発熱体または高度な熱制御システムを使用することなく、月面などの、極端な温度変動および長い昼/夜サイクルを伴う環境下で機能することができる熱制御のためのシステム、方法、およびデバイスが望まれている。
【0006】
さらに、いくつかの場合において、ローバーなどのシステムは、異なる最低許容温度を有する同じコンパートメント(たとえば、ローバーの本体または電子機器ボックス)に収納されたコンポーネントを含み得る。コンパートメント内に複数の熱ゾーンを形成することが望ましい場合もある。
【0007】
したがって、特に、惑星および他の宇宙環境などの極端な温度を有する環境において、既存のシステム、方法、およびデバイスの欠点のうちの少なくともいくつかを克服する、熱制御のための改善されたシステム、方法、およびデバイスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
システムのアクティブ熱制御のための熱ラジエータシャッタが提供される。熱ラジエータシャッタは、第1のベースプレートであって、第1のベースプレートの底部側に装着される第1の温度制御コンポーネントと、第1のベースプレートの頂部側に配設された第1のラジエータとを有する第1のベースプレートと、第2のベースプレートであって、第2のベースプレートの第1の側に装着された第2の温度制御コンポーネントと、第1の側に対向する、第2のベースプレートの第2の側に配設された第2のラジエータとを有し、第2のベースプレートは閉位置と開位置との間で移動可能である、第2のベースプレートと、第2のベースプレートを閉位置から開位置へ、および開位置から閉位置へ移動させるために第2のベースプレートに接続されているアクチュエータとを含む。第2のベースプレートが閉位置にあるときに、第2のラジエータは、第1のラジエータに面して放射結合を提供し、第1のベースプレートと第2のベースプレートとの間に熱が流れる熱ループを形成する。第2のベースプレートが開位置にあるときに、第1および第2のベースプレートは、(i)第1および第2のラジエータが、それぞれ第1および第2の温度制御コンポーネントから熱を廃棄するために閉位置にあるときよりも周囲環境に対してより大きなビューファクタを有し、(ii)第1および第2のラジエータが、閉位置と比較して互いに対して低減されたビューファクタを有するように分離される。
【0009】
第2のベースプレートが閉位置にあるときに、第1および第2のラジエータの各々は、周囲環境に対して0%のビューファクタを有し得る。
【0010】
第2のベースプレートが閉位置にあるときに、第1および第2のラジエータは、互いに完全な熱連通状態にあり得る。
(【0011】以降は省略されています)

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