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公開番号
2024165368
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023081514
出願日
2023-05-17
発明の名称
推進装置
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人開知
主分類
B64U
50/19 20230101AFI20241121BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約
【課題】ドローンやeVTOLなどの飛行体を対象として、複数のブレードおよびハブ部で構成されるファンと、モータとを備える推進装置において、ファンの構造信頼性を確保しつつ、モータの冷却を実現する推進装置を提供する。
【解決手段】モータ3と、モータ3によって駆動される回転軸17と、回転軸17に取り付けられたファン2とを備える推進装置1において、ファン2は、回転軸17に取り付けられたハブ部5と、ハブ部5の外周に等間隔に設けられた複数のブレード4とを有し、ハブ部5は、ハブ部5の周方向に等間隔に配置された複数の穴部6を有し、複数の穴部6の側面の少なくとも一部は、回転軸17の中心軸に対して傾斜している。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
モータと、前記モータによって駆動される回転軸と、前記回転軸に取り付けられたファンとを備える推進装置において、
前記ファンは、前記回転軸に取り付けられたハブ部と、前記ハブ部の外周に等間隔に設けられた複数のブレードとを有し、
前記ハブ部は、前記ハブ部の周方向に等間隔に配置された複数の穴部を有し、
前記複数の穴部の側面の少なくとも一部は、前記回転軸の中心軸に対して傾斜している
ことを特徴とする推進装置。
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【請求項2】
請求項1に記載の推進装置において、
前記複数の穴部の側面の少なくとも一部は、前記回転軸の中心軸に対して前記ファンの回転方向側に傾斜している
ことを特徴とする推進装置。
【請求項3】
請求項1に記載の推進装置において、
前記複数の穴部のうち隣接する2つの穴部に挟まれた前記ハブ部の一部である梁部に発生する応力が、前記複数のブレードに発生する応力よりも小さくなるように、前記ハブ部の周方向における前記梁部の断面積が設定されている
ことを特徴とする推進装置。
【請求項4】
請求項1に記載の推進装置において、
前記複数の穴部の数は、前記複数のブレードの枚数の整数倍である
ことを特徴とする推進装置。
【請求項5】
請求項1に記載の推進装置において、
前記複数のブレードの枚数と前記複数の穴部の数とが同数であり、
前記ファンを前記複数のブレードの枚数で等分した領域内に、前記複数のブレードのうちの1つのブレードの全体と、前記複数の穴部のうち隣接する2つの穴部に挟まれた前記ハブ部の一部である梁部の全体とが収まる
ことを特徴とする推進装置。
【請求項6】
請求項5に記載の推進装置において、
前記複数のブレードのうちの1つのブレードの任意の径方向位置における周方向断面であるブレード周方向断面の断面積をa、
前記1つのブレードの前記ブレード周方向断面よりも外周側に位置する部分であるブレード外周部の質量をm、
前記回転軸の回転中心から前記ブレード外周部の重心までの距離をr、
前記ブレード周方向断面における応力集中係数をKb、
前記複数のブレードの枚数をZ、
前記複数の穴部のうち隣接する2つの穴部に挟まれた前記ハブ部の一部である梁部の任意の径方向位置における周方向断面である梁部周方向断面の断面積をA、
前記ハブ部を前記回転中心を通る平面でZ等分した部分のうち前記梁部周方向断面よりも外周側に位置する部分であるハブ外周部の質量をM、
前記回転中心から前記1つのブレードと前記ハブ外周部との合成重心までの距離をR、
前記梁部周方向断面における応力集中係数をKhとした場合、
TIFF
2024165368000006.tif
13
150
の関係式が成立する
ことを特徴とする推進装置。
【請求項7】
請求項1に記載の推進装置において、
前記ファンを前記回転軸に垂直な平面に投影した場合に、前記複数のブレードのうち隣接する2つのブレードの投影面が重ならない
ことを特徴とする推進装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローンや垂直離着陸可能なエアモビリティであるeVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing)などと称される飛行体に用いられる推進装置のファン構造に適用して有効な技術に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、物流用途向けのドローンや、eVTOLなどの飛行体に注目が集まっている。このような飛行体は、滑走路が不要であることから、市街地での低空飛行を実現できる可能性があり、今後、その市場規模は拡大すると考えられている。
【0003】
このような飛行体の推進装置に搭載されるファン構造に関する背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1の図3および要約には、課題として、「電気部品ユニットの温度上昇を適切に抑制し、飛行体の長寿命化が図れる飛行体を提供する」ことが記載されており、解決手段として、「飛行体(ドローン)は、本体部11と、本体部11から伸びる複数のフレーム部12と、フレーム部12の先端部に設けられた回転翼(プロペラ)22および回転翼22を回転させるモータ21を有する推進駆動部20と、推進駆動部20を駆動するための電気部品ユニットと、回転翼22の下方においてモータ21の回転軸に連結され、モータ21により回転する送風ファン24と、を備える。フレーム部12は、内側に空間を有する中空部材であり、当該空間と外部とを連通する複数の給排気口を有し、電気部品ユニットは、フレーム部12の空間内であって、少なくとも2つの給排気口の間に配置されている。また、送風ファン24は、外部の空気を、少なくとも1つの給排気口から空間内に取り込む。」ことが記載されている。
【0004】
また、飛行体向けではないが、車両向けのファン構造に関する背景技術として、特許文献2のような技術がある。特許文献2の図2および要約には、課題として、「中央部にボス部を有する送風ファンに対し、ボス部の内部における塵埃の堆積を抑制することができる構成を提供する」ことが記載されており、解決手段として、「送風ファン7のボス部8に、電動モータ6の回転軸62の延在方向に沿って貫通する通風孔85を設けると共に、ボス部8において、電動モータ6の回転軸62に取り付けられる取付部81と、該取付部81の外周側に設けられ且つ内部に電動モータ6が配設される筒部82とをインナ送風ブレード83で成る結合部によって結合する。」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-131781号公報
特開2019-108872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
飛行体を市街地で飛ばす場合、推進装置に搭載されるファンの低騒音化が重要となる。ファン騒音の主要因の一つは、翼通過周波数BPF(Blade Passing Frequency)と呼ばれるピーク騒音fBPFである。このピーク騒音fBPFを抑制するには、fBPFを、聴力感度が低下する高周波側にシフトさせる案が考えられる。fBPFは、ファンのブレード枚数Zと回転数Nを用いて、fBPF=Z・N/60で表されるため、fBPFを高周波側へシフトさせるには、ZまたはNを大きくすればよい。一方で、ブレード端部周速の高速化による衝撃波を抑制するためには、ファン径を小型化する必要がある。以上より、ファン騒音を低減するためには、小径・高速・複数ブレードのファン構造を開発する必要がある。飛行体には、このようなファンを多数並列させた構造を用いる。
【0007】
次に、課題について説明する。このような小型で複数ブレード型のファン構造の場合、ブレードの根元領域(つまり、ブレードが接続されるハブ部の近傍領域)において、ブレードとブレードが重なることが発生しうる。この場合、ファン回転時に、ブレードの根元領域において、ブレードの上面側から下面側に風が流れず、ファンと同じ回転軸に設置されるモータへの冷却性能が低下することが課題となる。また、上記のようにブレードとブレードの重なりが発生しない場合でも、ファン上面から平面視した場合、ブレードとブレードの投影面が重なることが発生しうる。この場合、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)などの樹脂材を用いた型成形での製造を想定すると、型を抜くことが困難となるため、量産性に優れた型成形を適用できない点が課題となる。
【0008】
なお、特許文献1の飛行体は、回転翼と送風ファンとが別体で構成されているため、組立性に難がある。一方、特許文献2に記載の送風ファンは、内周側送風ブレードによる送風でモータを冷却することが可能であるが、外周側送風ブレードと回転軸との間を内周側送風ブレードで支持する(ハブ部を有さない)構造であるため、高速回転時の応力負荷に耐えられない(構造信頼性が低い)。
【0009】
そこで、本発明の目的は、ドローンやeVTOLなどの飛行体を対象として、複数のブレードおよびハブ部で構成されるファンと、モータとを備える推進装置において、ファンの構造信頼性を確保しつつ、モータの冷却を実現する推進装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、モータと、前記モータによって駆動される回転軸と、前記回転軸に取り付けられたファンとを備える推進装置において、前記ファンは、前記回転軸に取り付けられたハブ部と、前記ハブ部の外周に設けられた複数のブレードとを有し、前記ハブ部は、前記ハブ部の周方向に等間隔に配置された複数の穴部を有し、前記複数の穴部の側面の少なくとも一部は、前記回転軸に対して傾斜しているものとする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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