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公開番号2025035573
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2023142700
出願日2023-09-04
発明の名称パラシュート射出装置
出願人合同会社アドエア
代理人
主分類B64U 70/83 20230101AFI20250307BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】ドローンの緊急落下時に射出し、開傘させるパラシュートを射出する射出機とし
て、射出動作の開始時間が短く、かつ小型軽量で確実な射出動作が可能な駆動機構を
提供することを目的とする。

【解決手段】パラシュートの射出部に一端が接続され、他端が第1の梃子部材の一部
に接続された引っ張りバネと、前記第1の梃子部材に係合され、ソレノイドで駆動
される第2の梃子部材とを備え、前記ソレノイドの駆動にて前記第1の梃子部材と
第2の梃子部材との係合を解除し、前記引っ張りバネの引っ張り力を開放して、前
記パラシュートの射出部を起動させることを特徴とするパラシュート射出装置を
提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
パラシュートの射出部に一端が接続され、他端が第1の梃子部材の一部に接続された
引っ張りバネと、前記第1の梃子部材に係合され、ソレノイドで駆動される
第2の梃子部材とを備え、前記ソレノイドの駆動にて前記第1の梃子部材と第2の梃
子部材との係合を解除し、前記引っ張りバネの引っ張り力を開放して、前記パラシュ
ートの射出部を起動させることを特徴とするパラシュート射出装置。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
第1の梃子部材の先端部と第2の梃子部材の一部に凹凸部が形成され、前記凹凸部
にて係合及び解除が行われてなる請求項1記載のパラシュート射出装置。
【請求項3】
第2の梃子部材の支点と前記第2の梃子部材のソレノイドで駆動される部分の間に、
前記第1の梃子部材と第2の梃子部材との係合部を設けてなる請求項1記載のパラシ
ュート射出装置。
【請求項4】
パラシュートの射出部が圧縮バネで構成され、前記圧縮バネの圧縮保持及び開放制御する施錠部材が第1の梃子部材に係合され、引っ張りバネの引っ張り力の開放にて、前記施錠部材の第1の梃子部材の係合が解除され、前記圧縮バネの圧縮を開放させてなる請求項1記載のパラシュート射出装置。
【請求項5】
飛行体に設置された気圧検知センサーの感知電気信号にて、ソレノイドの駆動機構動作が開始されてなる請求項1記載のパラシュート射出装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローン等の飛行体が着陸、落下・墜落する場合等に使用されるパラシ
ュート射出装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ドローンと呼ばれる複数の回転翼を備えた飛行体は、撮影、配送等の分野での利用が多くなり、今後更なる普及が見込まれている。配送用ドローンには、固定飛行翼を有するタイプも有望視され、ドローンの実用運航における飛行中の予期しない事態発生に基づく緊急落下時の対策が求められる。この対策として、本出願人は、緊急落下時の安全装置としてパラシュートの利用を考慮した技術(特許文献1:特開2023-46184号)を開発している。パラシュートシステムは、周知のごとく、本体であるキャノピー、キャノピーに繋がる多数のサスペンションライン、これに繋がるブライダルコード等から構成され、梱包を施して飛行体に装着され、使用時には空気抵抗を利用して開傘される。この開傘動作は支障なくスムーズに行われる必要がある。
【0003】
ドローンが墜落する場合に、地上への衝突よりも早くパラシュートを開傘することが
理想である。たとえば、上記本出願人が開発しているパラシュートシステム(圧縮バ
ネの圧縮を解除・開放してパラシュートの射出・開傘を行う)において、本出願人が
検証したところ、パラシュート射出用圧縮バネの圧縮解除操作をする機構としてサー
ボ機構(モーターで駆動され、いくつかの回転伝達機構を有する)を使用し、ドロー
ンの落下検出信号にてサーボ機構の稼働を開始させる場合、ドローンの落下検出信号
発生で動作するサーボ機構稼働開始スイッチ入力からサーボ機構稼働までに約1秒を
要することが判明した。すなわち、サーボ機構を用いた場合、ドローンの緊急落下信
号検出から上記圧縮バネの圧縮解除(パラシュート射出駆動開始)に約1秒の時間差
が発生するころになり、ドローンの墜落時の初期降下速度は約9.7m/秒であるため、 この間、約10mの空走距離(降下)が生じることとなる。これは、地上への衝突の危険性が増すことになる。
【0004】
本発明者は、パラシュート射出機として、サーボ機構ではなく、電磁石機構であるソレノイドの引き抜きまたは押し出しの力を用いて瞬間的にパラシュート開傘開始動作を行うことを試みた。この場合、たとえば、8Kg程度の大きな圧縮力が印加されている射出用圧縮バネの解除を、ソレノイド機構の稼働で直接行うには、ギア等が内蔵された大型の重量がたとえば1kg以上のソレノイド機構が必要となることが判明した。大型のソレノイド機構は複雑な動作部材を使用し容積と質量に応じて大きな引き抜きまたは押し出し力を得るものであり、この大型ソレノイドの使用により、圧縮解除を操作する前述のソレノイド稼働開始からパラシュート開傘開始動作時間は0.1秒程度と短くなるが、このような大きな磁力を要するソレノイドは重量が重たくなり、ドローン等への搭載には適さないことが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-46184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記検討を通じて、ドローンの緊急落下時に射出し、開傘させるパラシュ
ートを射出する射出機として、射出動作の開始時間が短く、かつ小型軽量で確実な射
出動作が可能な駆動機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、パラシュートの射出部に一端が接続され、他端が第1の梃子部材の一部
に接続された引っ張りバネと、前記第1の梃子部材に係合され、ソレノイドで駆動
される第2の梃子部材とを備え、前記ソレノイドの駆動にて前記第1の梃子部材と
第2の梃子部材との係合を解除し、前記引っ張りバネの引っ張り力を開放して、前
記パラシュートの射出部を起動させることを特徴とするパラシュート射出装置を提
供する。更に、本発明はこのパラシュート射出装置において、第1の梃子部材の先
端部と第2の梃子部材の一部に凹凸部が形成され、前記凹凸部にて係合及び解除が
行われてなる構成を提供する。また、本発明は、このパラシュート射出装置におい
て、第2の梃子部材の支点と前記第2の梃子部材のソレノイドで駆動される部分の
間に、前記第1の梃子部材と第2の梃子部材との係合部を設けてなる構成を提供す
る。更に、本発明は、このパラシュート射出装置において、パラシュートの射出部
が圧縮バネで構成され、前記圧縮バネの圧縮保持及び開放制御する施錠部材が第1
の梃子部材に係合され、引っ張りバネの引っ張り力の開放にて、前記施錠部材の第
1の梃子部材の係合が解除され、前記圧縮バネの圧縮を開放させてなる構成を提供
する。また、本発明は、このパラシュート射出装置において、飛行体に設置された
気圧検知センサーの感知電気信号にて、ソレノイドの駆動機構動作が開始されてな
る構成を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドローンの緊急落下時に射出し開傘させるパラシュートの射出部に一端が接続され、他端が第1の梃子部材の一部に接続された引っ張りバネと、第1の梃子部材に係合され、ソレノイドで駆動される第2の梃子部材を用い、ソレノイドの駆動にて第1の梃子部材と第2の梃子部材との係合を解除し、引っ張りバネの引っ張り力を開放して、パラシュートの射出部を射出させものであることから、梃子(テコ)の原理とバネの張力によって、ソレノイドの打ち出しの力を拡大して利用する機構を実現させており、小さな発動力の小型ソレノイドの使用が可能となる。本発明により、墜落状態の検知から射出動作開始までの時間は、約0.1秒程度の短時間動作を確保し、かつ、軽量の射出部の駆動開始機構を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
(a)~(d)は本発明の一実施態様に係るソレノイドとテコによる施錠解放機構の構成及び動作状況図。
(a)~(c)は図1の施錠開放機構によるドローンの落下補助装置の射出機の動作状況を示す図。
(a)(b)は図1、図2の施錠開放機構おける引き込み部材とテコ部品の係止・離脱の動作状況を示す図。
は図2のドローン落下補助装置の射出機を搭載したドローンの概略図。
は図4のドローン落下補助装置に使用される落下検知部の構成図。
(a)~(c)は図2の射出機を備えたドローン落下補助装置のパイロットシュート、メインパラシュートメインパラシュート開傘状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施態様に係るソレノイドと梃子による解放機構の構成及び動作状況を図1に示す。1は電磁コイルに電流を流すことにより発生する磁力により、可動軸部分2となるプランジャー(可動鉄心)が直線運動(押し出し駆動)する小型軽量のソレノイドである。 3は金属板からなるテコ(梃子)部品で、一方の端部側に設けられた中心軸6を軸に回動し、軸6の反対側端部31が稼働可動部分2の端部2Sと当接している。テコ(梃子)部品4は金属板からなり中央部に設けられた中心軸7を軸に回動し、一方の端部41の突起(凸)部がテコ部品3の凹係合部32に係合する。凹係合部32は軸6と端部31間に設けられている。5は引っ張りバネで、一端が引っ張りバネ基盤留め部分の支柱8に取り付けられ、テコ部品4の端部と接合部分9で接合されている。42はテコ部品4の一方の端部41と中心軸7間に形成された係止部で、後述する圧縮バネの施錠機構を構成する圧縮バネ引き込み部材20のループ部10が係止される。なお、部材20は引き込みコードが使用されその端部がループ加工されてループ部10が一体形成されている。ソレノイド1.テコ部品3,4.バネ5は金属支持板50(底板)の一方の主面に装着固定されている。
(【0011】以降は省略されています)

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