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公開番号
2025035945
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2023153976
出願日
2023-09-01
発明の名称
エアライナー全自動パラシュート
出願人
個人
代理人
主分類
B64D
25/18 20060101AFI20250306BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約
【課題】 軍人も、要人も、市民も、命は等しく尊いものであるが、航空事故の安全対策のひとつであるパラシュートが、軍用機、VIP専用機に装備されていて、旅客機に装備されていない主な理由である、旅客機は乗客の人数があまりにも多いため、機内でのパラシュートの運搬・配布・装着という脱出準備が、秒単位では物理的に不可能なことと、ほとんどの乗客が降下訓練を受けていないことが課題である。
【解決手段】 旅客機の座席の「背もたれ」の内部に、パラシュートと自動開傘装置を収納して、緊急脱出の際に、座席の「腰掛け」と「背もたれ」の連結機構を、自動または手動で解除すると、一瞬にして、乗客はシートベルトで固定されたパラシュートを背負った状態で、座席から分離して自由になるから、空中分解した機体から放り出されても、自分で飛び降りても、墜落前に機外に脱出することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
旅客機に緊急脱出を要する重大事故が発生したとき、座席の台座を含む「腰掛け」部分と「背もたれ」部分の連結機構が、機体の空中分解を感知するセンサーの信号により、または乗務員が操作するマスター・スイッチにより、または各座席のワンタッチ・レバーにより解除され、一瞬で「背もたれ」が座席から分離され、そこだけに装着されていたシートベルトで「背もたれ」を背負う形になり、その内部に収納されている、緊急脱出専用のパラシュート、自動開傘装置、当該装置に高度情報を提供する気圧高度計、またはナビゲーション用の通信衛星から立体測位データを含む位置情報電波の受信装置、その他の付随する装置を使用することで、パラシュート使用経験のない乗客が、安全、正確、迅速に、墜落中の機体から緊急脱出できる機能を設けたことを特徴とするエアライナー全自動パラシュート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、民間航空事業者が運行する旅客機が、乗客の緊急脱出が必要な程のシビア・アクシデントに陥った際に、乗客全員を緊急脱出させるエアライナー全自動パラシュートに関するものである。
続きを表示(約 4,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、完全無欠で絶対に事故を起こさない交通機関は存在しない。どれほど事故発生率が低くとも、絶対にゼロということは有り得ない。そこで、全ての交通機関は事故を想定して安全対策を講じている。自動車においてはシートベルト、エアバック、船舶においては救命胴衣、ボート、航空機においてはパラシュートである。
万一の事故に備えてパラシュートを装備している航空機は、戦闘機、偵察機、爆撃機、哨戒機、輸送機などの軍用機全般、大統領専用機、VIP専用機、プライベートジェット機、訓練機、テスト機、競技飛行機、曲技飛行機である。パラシュートを装備していない航空機は、民間航空の旅客機である。旅客機は、海上に不時着した事故を想定して、救命胴衣、緊急脱出スライド、ゴムボートを装備しているが、パラシュートに関しては、乗員、乗客ともに装備していない。
民間航空事業者は、乗客の人命を何よりも優先するビジネス・ポリシーを持っているから、もし、旅客機に緊急脱出用のパラシュートを装備することが有効な安全対策となるのであれば、既に全ての事業者が採用しているはずである。現在、世界各国の事業者が採用していない事実は、たとえ装備したとしても、合理的な効果が期待できない科学的根拠があることを物語っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-112694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、旅客機にパラシュートが装備されていない理由(欠点)は、次のとおりである。
1 旅客機は多種多様なエマージェンシーに陥ることがあるが、その中で、乗客が飛行中の機体から緊急脱出しなければならない程の重大なエマージェンシーは極めて稀である。例えば、衝突や爆発で機体が空中分解して自由落下しているような場合や、コントロールを失って彷徨しているような場合である。これは発生率が極めて低いから無視できる。
2 旅客機は何百人という乗客が搭乗しているから、人数分のパラシュートを積み込まなければならない。パラシュートは相当な容積と重量がるから、収納するスペースも相当大きくなる。そのため乗客の座席数をかなり減少しなければならず、費用対効果の見地から適切ではない。
3 乗客をパラシュートで緊急脱出させる準備として、客室乗務員がパラシュートを保管場所に取りに行き、乗客全員に配布して、装着させなければならない。この作業は相当な時間を要する。最初の乗客から最後の乗客まで、何十分ものタイムラグが発生する。また機体が空中分解した状態では、たとえパラシュートの保管場所が破損を免れたとしても、客室乗務員が通路を歩き難いこと、座席を離れた瞬間に機外に放り出されたり、通路そのものが消失している可能性がある。こうした状況では、墜落までの時間内に、全ての乗客をパラシュートで脱出させる作業は現実的に不可能である。従って、パラシュートを装備することは非合理的で無意味であり、装備しないことが適切で正当である。
4 飛行中の航空機から飛び降りて、パラシュートを使用して着地するという一連の技術は、必要最低限の習熟を要し、一定の知識と技能の習得が不可欠である。技能訓練はインストラクターとの同行降下、単独降下が実施される。軍用機などのパラシュートを装備している航空機の乗組員は、全員訓練を受けている。未経験者に、使用方法の解らない装備をいきなり渡しても、有効活用できないから無駄である。
5 旅客機の事故のほとんどは、離陸時と着陸時に集中しているから、たとえパラシュートを装備していても、高度が低過ぎて使用できない。
6 旅客機の巡航高度は8000~12000メートル程度であるから、そのような高い高度から飛び降りると、低酸素症で意識障害を引き起こす危険がある。
7 旅客機は機体が大きく、ハッチは側面にあるから、空中に飛び出すと、飛び出す位置によってはエンジンに吸い込まれたり、胴体や翼に接触する危険がある。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
おそらく、22世紀には全ての旅客機に緊急脱出用のパラシュートが標準装備されていると予測される。安全対策の技術が進歩して、意識がソフィスティケートされると、必然的にパラダイム・シフトが起きるのが、時代の流れる方向だからである。
本発明は、民間航空事業者の旅客機が、もはや緊急脱出以外に乗客を救命するいかなる対処法も存在しないという、極めて重大なエマージェンシーに陥った際に、乗客全員が、まるで戦闘機の乗員のように、一瞬で脱出準備が完了できる画期的な装置である。
1 乗客が飛行中の機体から緊急脱出しなければならない程の重大なエマージェンシーが極めて稀であるからといって、安全対策に空白域を作る理由にはならない。
2 パラシュートの収納スペースは、各乗客の座席の「背もたれ」の内部とする。そこが唯一無二の収納スペースであり、それ以外のスペースは有り得ない。
3 乗客は、座席の「背もたれ」にシートベルトを装着する。機体が空中分解するほどの強い衝撃を受けた時、全ての座席の「腰かけ」と「背もたれ」の連結機構が自動、またはワンタッチで分離できるようにする。その結果、乗客はパラシュートが収納された「背もたれ」を、まるでランドセルのように背負った状態になる。従って、キャビン内でのパラシュートの運搬、配布、装着の手間が不要になり、保管場所の損傷リスクもなくなる。
4 スカイダイビングにおいては、経験豊富なダイバーといえども、フィジカル・コンデションによっては降下中に気絶することが珍しくない。そこで、パラシュートには、最適開傘高度で自動開傘するセーフティー・システムがある。このシステムを非常用ではなく常用するコンセプトで、未経験者でも安全に着地させられる。乗客は脱出に際して、ただ飛び出すだけで、降下中の意識の有無を問わず、何ひとつ操作する必要がない。
5 統計上、航空事故は離着中と着陸中の低高度での発生率が多く、それ以外の高度での発生率が少ないからといって、安全対策に空白域を作る理由にはならない。
6 4000メートル以下という、スカイダイビングの限界高度より遥かに高い高度から降下して、低酸素症で意識を消失したとしても、セーフティー・システムが自動的に作動するから問題はない。気絶したほうが酸素消費量が減り、初心者は降下中の恐怖から解放され、生還後のトラウマの影響も軽減される。
7 エンジンが緊急停止していない場合は、エンジン後方のハッチから脱出する。何百人という乗客が、全員、機体に接触する訳ではないし、接触した乗客が、全員、致命傷を負う訳でもない。そのようなリスクは、無事に成功した乗客のベネフィットと総合的に評価すべきである。
本発明は、以上の構成よりなるエアライナー全自動パラシュートである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、民間航空事業者が運行する旅客機が、乗客の緊急脱出が必要なシビア・アクシデントに陥った際に、何も装備されていなければ、確実に「全員死亡」となっているところ、乗客全員を緊急脱出させることで、事故の救命率を飛躍的に向上させ、ほとんどの乗客を無事に生還させることができる。
【0007】
本発明は、現在(21世紀の第1四半期)においては、それほど必要性は高くないが、最大の効果を発揮する場面は、旅客機が頻繁にテロ攻撃の標的にされる未来社会である。
人間は、あらゆる産業分野で絶え間なく技術革新を続けている。軍事産業、IT産業、ロケット産業、航空・宇宙産業が、時代とともに進歩しているように、テロ業界も時代とともに進歩している。テロ組織は、最新鋭のハイテク兵器は入手困難であるが、開発から50年、100年と経過した、時代遅れのローテク兵器であれば、製造や調達ができるようになる。例えば、初期モデルが1960年代に開発された、携帯式地対空ミサイルは、ターゲット機のエンジンの熱線を自動追尾する。最新鋭の戦闘機には通用しないが、もし旅客機に向ければ、「赤子の手をひねる」ほど簡単に撃墜できる。航空路下の山岳や海上の船から狙うかドローンに搭載する。これに対して、旅客機も早期警戒アラーム、フレア(おとり熱源)を放出するシステムを搭載するだろう。さらに、空軍機が射程圏内を監視・護衛するだろう。それで安全は確保されるが、万が一の撃ち漏らしに対する最後の保障として、旅客機にパラシュートを標準装備する気運が高まると予測される。これは、人間の本質と技術の進歩から、未来社会の必然的な発達過程を洞察したものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、旅客機が空中で衝突や爆発のようなシビア・アクシデントを引き起して墜落するとき、乗客全員を戦闘機の乗員と同じ秒単位で緊急脱出させることができる、旅客機専用のパラシュート・システムである。パラシュート降下の未経験者であっても、たとえ意識を失ったとしても、自動的に着地できる機能を備えたことを特徴とする。
旅客機の乗客は、座席に座っている。座席にはシートベルトがあり、必要に応じて装着する。シートベルトを、「背もたれ」にのみ固定した上で「腰掛け」と分離すると、乗客は「背もたれ」を背負う。この内部に専用パラシュートを収納する。緊急事態に、一斉に酸素マスクが供給されるシステムと同様に、緊急脱出を要する事態に、一斉に座席の「腰掛け」と「背もたれ」の連結機構が分離されるシステムにする。事故の衝撃による故障を想定して、手動でもワンタッチで分離できるレバーを併設する。このレバーは、パニック状態でも容易に発見でき、座席調整レバーと誤認しないように、足元の床下に目立つ色彩で設置する。連結機構の分離と連動して、パラシュートの自動開傘装置のスイッチがONになり、通信衛星の信号受信を開始し、適正高度での自動開傘が予約される。
乗客は、座席に座ったまま、機外に放り出される、または吸い込まれるのを待つ。あるいは最寄りの破損口、または比較的安全なハッチまで歩いて行き、飛び降りるだけでよい。機内にいると、やがて自動開傘装置が起動する。このときが降下のタイムリミットである。
【0010】
パラシュートの収納について考えるとき、スカイダイビング用の一般的なパラシュートの1個あたりの体積、重量、形状に、満席の定員を乗じるという計算方法は、二つの点で間違っている。第1に、予備パラシュートは不要である。スカイダイビング愛好者のマニュアルは無視してよい。第2に、繰り返し使用は不要である。例えば、レインコートは、1回だけ使用するのであれば、ビニール製の使い捨てタイプでも、十分な機能を有し完璧に目的を果たす。パーマネントアイテムは常に厚く重く、使い捨てアイテムは常に薄く軽いという特徴がある。ハンカチとティッシュペーパー、陶器の食器と紙の食器、ガラスのコップとプラスチックのコップ…。パラシートに関しては、これまで使い捨てという概念は無かったが、素材の理化学的な支配法則は共通している。旅客機用のパラシュートは、一般のパラシュートと同等以上の耐久性を持ち、2回使用すると破損する欠点と引き換えに、限りなく薄い素材を選択することができる。この設計思想が小型軽量化を実現する。
(【0011】以降は省略されています)
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