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公開番号2024178038
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023096528
出願日2023-06-12
発明の名称飛行体の落下補助装置
出願人合同会社アドエア
代理人
主分類B64U 70/83 20230101AFI20241217BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】
ドローンの緊急落下時等において、パラシュート関連部材の仮固定、パラシュート開傘稼働を安定に実行可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】
飛行体とパラシュートが接続部材にて連結され、飛行体の一部又は接続部材
の弛み部又はパラシュートの一部に磁石が装着され、接続部材の弛み部又は
パラシュートの一部を仮止めしておき、飛行体の落下時に磁石の仮止めを解
除し、パラシュートを記飛行体から離脱開傘させ、落下中の飛行体を吊り下
げる飛行体の落下補助装置を得る。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
飛行体に吊り下げ部材が装着され、前記飛行体と吊り下げ部材が接続部材に
て連結され、前記飛行体の一部又は前記接続部材の一部に、前記接続部材の
弛み部を仮止めする磁石が装着され、前記飛行体の落下時に前記吊り下げ部
材又は前記接続策体に印加される張力にて、前記磁石の仮止めを解除し、前
記吊り下げ部材および前記接続策体を前記飛行体から離脱させ、前記吊り下
げ部材にて落下中の前記飛行体を吊り下げることを特徴とする飛行体の落下
補助装置。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
第1の磁石と第2の磁石が分離して装着され、前記第1の磁石が前記
前記第2の磁石よりも前記吊り下げ部材側に位置するとともに、前記第1
の磁石の磁力を前記第2の磁石の磁力よりも小さくしてなる請求項1記載
の飛行体の落下補助装置。
【請求項3】
吊り下げ部材が飛行体に装着されたパラシュートであり、接続部材が前記
パラシュートのブライダルコードである請求項1記載の飛行体の落下補
助装置。
【請求項4】
飛行体搭載物に吊り下げ部材が装着され、前記飛行体搭載物と吊り下げ部
材が接続部材にて連結され、吊り下げ部材にこの吊り下げ部材の一部
を仮止めする磁石が装着され、前記飛行体搭載物の落下時に前記吊り下げ
部材に印加される張力にて前記磁石の仮止めを解除して前記吊り下げ部
材の一部を展開させ、前記吊り下げ部材と前記接続部材にて、落下中の
前記飛行体搭載物を吊り下げることを特徴とする飛行体の落下補助装置。
【請求項5】
吊り下げ部材が飛行体に装着されたパラシュートであり、前記パラシュート
の一部が磁石にて仮止めされてなる請求項4記載の飛行体の落下補助装置。
【請求項6】
パラシュートの一部が、折り曲げられたキャノピー部である請求項5記載の
飛行体の落下補助装置。
【請求項7】
パラシュートが紙素材よりなる請求項5記載の飛行体の落下補助装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローン等の飛行体が落下・墜落する場合に使用されるパラシュー
ト等の落下補助装置に関する。
続きを表示(約 5,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ドローンと呼ばれる複数の回転翼を備えた飛行体は、撮影、配送等の分野での利用が多くなり、今後更なる普及が見込まれている。配送用ドローンには、固定飛行翼を有するタイプも有望視され、ドローンの実用運航における飛行中の予期しない事態発生に基づく緊急落下時の対策が求められる。この対策として、本発明者は、緊急落下時の安全装置としてパラシュートの利用を考慮した技術を開発している。パラシュートシステムは、周知のごとく、本体であるキャノピー、キャノピーに繋がる多数のサスペンションライン、これに繋がるブライダルコード等から構成され、梱包を施して飛行体に装着され、使用時には空気抵抗を利用して開傘される。この開傘動作は支障なくスムーズに行われる必要がある。
【0003】
ドローンが墜落する場合に、その墜落の飛行姿勢及び挙動は不安定であり、予測が困
難で予想範囲外の不具合も想定される。まず、この墜落時におけるパラシュートの開
傘開始時における本発明者の分析に基ずく問題点を述べる。パラシュートシステム
は、ドローンの通常運航時はドローン本体に折り畳み収納された状態が維持され、ド
ローンの緊急墜落時に支障なく稼働させる必要がある。具体的には、多数のサスペン
ションライン、数種類のブライダルコードは、パラシュート開傘時に張力を得て予定
通りに延び、非稼働時においては張力を有さず弛んだ状態でドローン機体本体に固定
させておく必要がある。飛行体の異常発生時の飛行姿勢は予測が付きにくく、固定翼
型飛行体を例にすると機首を下げて尾翼が上方になる姿勢になると、パラシュートを
打ち出す際に必ずしも飛行体の上面側に打ち出すコースを取れるとは限らない。打ち
出されたパラシュートが飛行体の下面側を通過していくと、飛行体の下面側で開傘し
ていくことになるとともに、尾翼等の突起によって、通常飛行体の上面側に配置され
るブライダルコード、ハーネス等に引っ掛かり部分が発生し、パラシュートの正常な
引き出しと開傘が行われず、パラシュートの完全形状な開傘が出来ず、墜落対策に不
残を残す。
【0004】
さらに、ブライダルコード等の弛んだ部分は、パラシュートの開傘を必要とするド
ローンの予想外の体制・挙動の発生時、予想外の方向からの空気抵抗を受けてドロー
ン突起部等に引っ掛かり、最悪の場合駆動力を失っていない状態のプロペラへ引っ掛
かることによって巻き込み、さらに予定通りに延びない状態が発生し、パラシュー
トの正常な開傘状態が得られない事態が生じる。パイロットシュートとメインパラシ
ュートをサスペンションライン、ブライダルコードで繋いでおき、先にパイロットシ
ュートを射出開傘させ、この開傘で生じるサスペンションライン、ブライダルコード
の張力にてメインパラシュートを引き出し開傘させるシステム(2段パラシュートシ
ステム)においても、上記サスペンションライン、ブライダルコードの弛んだ部分の
引っ掛かり等が生じると、パイロットシュート(メインパラシュート引き出し用の小
型パラシュート)の不十分な開傘、メインパラシュートの引き出しが不十分なために
メインパラシュートの不完全な開傘又は開傘しない事態が生じる。すなわち、パイロ
ットシュートの開傘形状が変形してしまうケース、または順次張力が掛かっていく過
程において予期しない方向へ弛んだ部分が振り回されて更なる引っ掛かりが発生する
ケースが生じると、パイロットシュートの完全形状な開傘が出来ない。このため、そ
の後稼働されるメインパラシュート開傘が出来ない不都合が発生し、この事態の発生
は避ける必要がある。また、ドローンにて貨物を配送する場合、紙製のパラシュート
にて貨物を、指定場所に落下させることが検討されているが、この時のパラシュート
装着、展開策が模索されている。
【0005】
本発明者は、上記不測の事態発生を防止すべく、輪ゴムを使用して機体本体ボディに
サスペンションライン、ブライダルコードを仮止める処置を試みたが、この輪ゴム
使用の対策では留める力が強すぎてはパラシュート開傘を必要としたときにスムース
に引き出されない、またはそこだけが強い力で留められて途中からパラシュートが引
き出されない等の不安が残ることが判明した。また逆に前記の不具合を考慮して弱す
ぎる力で留め固定すると、飛行時の風圧を受けるだけで仮固定が解除されてしまう不
都合が生じる不安も残る。更に、輪ゴムは素材の劣化が早くまた飛行体に張り付けや
すい箇所が少ないことも難点と言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-29366号公報
特許第7001243号公報
特開2022-54387号公報 本発明者は、上記課題把握に基づき、磁石による仮固定方式の利用を発案し、今回の発明に至った。一般的に、コード類を磁石で固定する技術は特許文献1、2等に開示され、特許文献3の0113~0129、12A~12Dには、人や物を運ぶ飛翔用キャビンの開閉機構のノブ操作用に磁石連結操作機構を使用する例が開示されているが、上記本発明における問題点、その解決策は何ら開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述の分析に基づき、ドローンの緊急落下時(緊急事態で操縦または飛行の継続が困難となった場合)等において、飛行体落下用の吊り下げ部材であるパラシュートの開傘稼働を安定に実行可能な技術、パラシュート又はこの開傘前に張力を持たないサスペンションライン、キャノピー等の接続策体の一部の弛み部分が風を受けて急激に張力を得て不都合な作用を生じない技術を提供することを目的とする。
また、貨物を落下配送する場合のパラシュートの仮止め、展開に適した技術を提供す
る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、飛行体にこの飛行体落下用の吊り下げ部材が装着され、前記飛行
体と吊り下げ部材が接続策体にて連結され、前記飛行体の一部又は前記接続
策体の一部に、前記接続策体の弛み部を仮止めする磁石が装着され、前記飛
行体の落下時に前記吊り下げ部材又は前記接続策体に印加される張力にて、
前記磁石の仮止めを解除し、前記吊り下げ部材および前記接続策体を前記飛
行体から離脱させ、前記吊り下げ部材にて前記飛行体を吊り下げることを特
徴とする飛行体の落下補助装置を提供する。又、この装置において、第1
の磁石と第2の磁石が分離して装着され、前記第1の磁石が前記第2の磁石
よりも前記吊り下げ部材側に位置するとともに、前記第1の磁石の磁力を前
記第2の磁石の磁力よりも小さくしてなる構成、又、吊り下げ部材が飛行体
に装着されたパラシュートであり、接続部材が前記パラシュートのブライダ
ルコードである構成を提供する。そして、本発明は、飛行体搭載物に吊り下
げ部材が装着され、前記飛行体搭載物と吊り下げ部材が接続部材にて連結さ
れ、吊り下げ部材にこの吊り下げ部材の一部を仮止めする磁石が装着され前
記飛行体搭載物の落下時に前記吊り下げ部材に印加される張力にて前記磁
石の仮止めを解除して前記吊り下げ部材の一部を展開させ、前記吊り下げ部
材と前記接続部材にて、落下中の前記飛行体搭載物を吊り下げる飛行体の落
下補助装置提供する。また、この装置において、吊り下げ部材が飛行体に装
着されたパラシュートであり、前記パラシュートの一部が磁石にて仮止めさ
れてなる構成、パラシュートが紙素材よりなる構成、パラシュートの一部が、
折り曲げられたキャノピー部である構成を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パラシュート固定用のハーネス又はコード等の接続策体あるいは飛行体の一部側に接続策体の弛み部を仮止めするマグネット(磁石)を取り付け、磁石の引付けを利用して仮固定することができるため、接続策体の弛み部は、パラシュート開傘前には張力を持たず、マグネットによる磁力の引付けで理想的な位置、形状で仮固定が可能であり、開傘を必要とする場合には磁力を振り切って飛行体から確実に離脱、延伸させ、的確な張力を発生させることが可能となる。したがって、この接続策体の張力による引っ張り作用により、パラシュートの梱包からの引き出し、開傘に至る過程で、接続策体およびパラシュートの一部が干渉せず、異常状態にあるドローン等の飛行体の機体部分に引っ掛かることなく放出されることで、計画通りのスムーズなパラシュート開傘・展開動作が行われ、確実に飛行体の落下補助機能が発揮される。また、本発明では、固定用の留め具となるマグネットは、飛行体の取り付け箇所の制限が少なく、さらに、マグネットは、その長さ、パラシュートの大きさから得る揚力、飛行体の通常飛行速度など諸々の使用条件に鑑みて適正な磁力強さのものを選定又は作成が容易であり、設計通りの仮止め、固定解除が可能となる。また、パラシュートの一部を磁石で仮止めしておくと、半開き状態からの開傘展開動作が開始できるため、開傘の確実性は向上し、開傘に要する時間も短縮できる。さらに、このパラシュート体は、完全に折り畳まれていない半開き状態から展開が開始されるため展開動作時の衝撃が小さく開傘もスムーズである。このような半開き状態の活用により、これまでパラシュート素材として使われなかった紙素材を用いたパラシュートの使用も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係るドローン機体本体へのコード仮止め前の状態図。
同コード仮止め状態の例を示す図。
同コード仮止め状態の解除開始状況を示す図。
同コード仮止め状態の更に他の例を示す図。
仮止めに使用するベルトと磁石の構成例の斜視図。
仮止めに使用するベルトと磁石の構成例の展開図。
同コード仮止めに使用する磁石の他の使用例を示す図。
同コード仮止めに使用する磁石の更に他の使用例を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
本発明によるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開状況を示す図。
図9~図18におけるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の詳細状況を示す図。
図9~図18におけるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の詳細状況を示す図。
図9~図18におけるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の詳細状況を示す図。
図9~図18におけるコード仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の詳細状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の別の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の別の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の別の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の別の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の別の他例の状況を示す図。
本発明によるパラシュート仮止め機構を用いたパラシュート開傘・展開の別の他例の状況を示す図。
紙製パラシューの組み立て状況を示す図。
紙製パラシューの組み立て状況を示す図。
紙製パラシューの組み立て状況を示す図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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