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公開番号2024165848
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023082392
出願日2023-05-18
発明の名称ステアリングシステム
出願人株式会社ジェイテクト
代理人個人
主分類B62D 6/00 20060101AFI20241121BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】操舵中点を正確に更新する。
【解決手段】転舵輪230を旋回させるリンク機構110の形態の変化により車両200を直進させるための操舵角である操舵中点にずれが生じるステアリングシステム100であって、リンク機構110に接続されるシャフト243の回転角である操舵角を取得する操舵角取得部131と、路面301に対する車両200の上下方向の動作に関する動作情報を取得する動作情報取得部132と、所定の走行条件を満たした時点の操舵角を、中点一時値とする中点演算部133と、中点一時値に基づいて操舵中点を更新する操舵中点更新部134と、動作情報に基づき、車両200に所定の振動が発生しているかどうかを判定する振動判定部135と、を備え、振動判定部135は、車両200が振動していると判定した場合、操舵中点の更新に関する処理を中断させる中断情報を出力するステアリングシステム100。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
転舵輪を旋回させるリンク機構の形態の変化により車両を直進させるための操舵角である操舵中点にずれが生じるステアリングシステムであって、
前記リンク機構に接続されるシャフトの回転角である操舵角を取得する操舵角取得部と、
路面に対する車両の上下方向の動作に関する動作情報を取得する動作情報取得部と、
所定の走行条件を満たした時点の前記操舵角を、中点一時値とする中点演算部と、
前記中点一時値に基づいて操舵中点を更新する操舵中点更新部と、
前記動作情報に基づき、前記車両に所定の振動が発生しているかどうかを判定する振動判定部と、を備え、
前記振動判定部は、
前記車両が振動していると判定した場合、操舵中点の更新に関する処理を中断させる中断情報を出力する
ステアリングシステム。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記車両が備えるサスペンションのストローク量を検出するストローク量検出器を備え、
前記動作情報取得部は、
前記ストローク量検出器から前記動作情報を取得する
請求項1に記載のステアリングシステム。
【請求項3】
車体の上下方向の加速度を検出する加速度検出器を備え、
前記動作情報取得部は、
前記加速度検出器から前記動作情報を取得する
請求項1または2に記載のステアリングシステム。
【請求項4】
前記動作情報取得部は、
前記車両の周辺の対象物の状態を示す状態情報を取得し、前記状態情報から前記動作情報を演算により取得する
請求項1または2に記載のステアリングシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転舵輪を旋回させるリンク機構の形態の変化により車両を直進させるための操舵中点にずれが生じるステアリングシステムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、車両を直進走行させる時のステアリングホイールの回転角を測定する舵角センサの基準値(車両のイグニッションオン時などに設定される)からの、操舵方向および操舵量に対応する相対角度を操舵中点(例えば0°の点)として設定している。この操舵中点と実際に車両が直進走行するための相対舵角とは、様々な要因によってずれることが知られている。このようなずれが生じていると、自動運転時において、直進走行させるための指示に対応して操舵中点になるようにステアリングホイールを回転させても直進走行から僅かにずれて走行することになる。
【0003】
このずれを解消するため操舵中点を適宜更新することによって、実際の直進走行に合致させる状態を維持する試みが行われている。例えば、特許文献1に記載の技術では、運転支援に用いられる操舵中点の更新を、車両の挙動への影響が少ないと考えられるタイミングで一律に実行させている。具体的には、車両が略直進しているときに、操舵中点の更新を許可するように制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-146863号公報
特開2013-203256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、発明者は、特許文献2に記載のようなピットマンアーム式などのリンク機構を搭載した車両では、特許文献1に記載の技術のように操舵中点を適宜更新しても、設定された操舵中点と実際に車両が直進走行するための相対舵角とのずれを修正できないおそれがあることを見出した。具体的には、路面凹凸の激しい道路、傾斜変動の大きい道路など路面状態が悪い道路などの悪路の走行時にサスペンションの伸縮によって車軸に上下の動きが発生すると、ステアリングホイールの操舵角に変化が無くても、操舵輪角(車輪の転舵角)が変わる、すなわち、操舵角と操舵輪角との関係が常に一定とならない。これは、逆についても同様で、車両が直進するための操舵角が一時的に変化する事態が起こり、そのときの相対舵角を操舵中点として設定してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記発明者の知見、および課題に鑑みなされたものであり、リンク機構の形態の変化により操舵中点と実際に車両が直進走行するための相対舵角に一時的なずれが生じても操舵中点を実際の直進走行に精度良く合致させることができるステアリングシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の1つであるステアリングシステムは、転舵輪を旋回させるリンク機構の形態の変化により車両を直進させるための操舵角である操舵中点にずれが生じるステアリングシステムであって、前記リンク機構に接続されるシャフトの回転角である操舵角を取得する操舵角取得部と、路面に対する車両の上下方向の動作に関する動作情報を取得する動作情報取得部と、所定の走行条件を満たした時点の前記操舵角を、中点一時値とする中点演算部と、前記中点一時値に基づいて操舵中点を更新する操舵中点更新部と、前記動作情報に基づき、前記車両に所定の振動が発生しているかどうかを判定する振動判定部と、を備え、前記振動判定部は、前記車両が振動していると判定した場合、操舵中点の更新に関する処理を中断させる中断情報を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一時的な操舵中点のずれが頻発する状態を車両の振動に基づき判断し、所定の振動が生じている場合は、操舵中点の更新に関する処理を中断させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ステアリングシステムを備えた車両を簡易的に示す図である。
ステアリングシステムが備える操舵中点設定装置の機能構成を示すブロック図である。
操舵中点設定装置の処理の流れを示すフローチャートである。
操舵中点設定装置の機能構成の別例を示すブロック図である。
操舵中点設定装置の処理の流れの別例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るステアリングシステムの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するために一例を挙示するものであり、本発明を限定する主旨ではない。例えば、以下の実施の形態において示される形状、構造、材料、構成要素、相対的位置関係、接続状態、数値、数式、方法における各段階の内容、各段階の順序などは、一例であり、以下に記載されていない内容を含む場合がある。また、平行、直交などの幾何学的な表現を用いる場合があるが、これらの表現は、数学的な厳密さを示すものではなく、実質的に許容される誤差、ずれなどが含まれる。また、同時、同一などの表現も、実質的に許容される範囲を含んでいる。
(【0011】以降は省略されています)

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