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公開番号2024165367
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081512
出願日2023-05-17
発明の名称イベントツリー簡素化方法、イベントツリー簡素化装置およびプログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G06Q 10/00 20230101AFI20241121BHJP(計算;計数)
要約【課題】イベントツリーを簡素化する方法を提供する。
【解決手段】イベントツリー簡素化方法は、イベントツリーから、コンシーケンスが同一で最後の分岐が同じシーケンス上にあり、2つの前記分岐の間に他の分岐が存在しない2つのシーケンスを抽出するステップと、抽出された2つの前記シーケンスが集約可能かどうか判定するステップと、集約可能と判定された場合、2つの前記シーケンスを集約するステップと、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
イベントツリーから、コンシーケンスが同一で最後の分岐が同じシーケンス上にあり、2つの前記分岐の間に他の分岐が存在しない2つのシーケンスを抽出するステップと、
抽出された2つの前記シーケンスが集約可能かどうかを判定するステップと、
集約可能と判定された場合、2つの前記シーケンスを集約するステップと、
を有するイベントツリー簡素化方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記集約可能かどうかを判定するステップでは、抽出された2つの前記シーケンスの前記分岐のフォールトツリー及び境界条件を統合した場合の統合後の前記フォールトツリー及び前記境界条件に基づく成功と失敗とを評価するための評価条件が、統合前の2つの前記分岐における前記フォールトツリー及び前記境界条件に基づく前記評価条件と同一かどうかを判定する、
請求項1に記載のイベントツリー簡素化方法。
【請求項3】
前記集約可能かどうかを判定するステップでは、2つの前記シーケンスの前記分岐に両立できない境界条件が設定されている場合、2つの前記シーケンスは集約不可能と判定する、
請求項2に記載のイベントツリー簡素化方法。
【請求項4】
前記集約可能かどうかを判定するステップでは、2つの前記シーケンスの前記分岐に係るヘディングのうち、前段の前記ヘディングの成功をもって成立する前記境界条件が、後段の前記ヘディングに設定されている場合、2つの前記シーケンスは集約不可能と判定する、
請求項2に記載のイベントツリー簡素化方法。
【請求項5】
前記集約可能かどうかを判定するステップでは、2つの前記シーケンスの前記分岐に前記境界条件が設定されていない場合、2つの前記シーケンスは集約可能と判定する、
請求項2に記載のイベントツリー簡素化方法。
【請求項6】
前記集約するステップでは、
2つの前記シーケンスを単一のシーケンスに集約し、
2つの前記シーケンスの前記分岐に設定された境界条件を統合して、集約された前記シーケンスの分岐に設定し、
2つの前記シーケンスの前記分岐に設定されているフォールトツリーをORゲートで接続することにより1つのフォールトツリーに統合して、集約された前記シーケンスの分岐に設定する、
請求項1又は請求項2に記載のイベントツリー簡素化方法。
【請求項7】
前記抽出するステップで、2つの前記シーケンスが抽出できなくなるまで、
前記集約するステップによって、前記シーケンスを集約した後のイベントツリーに対して、前記抽出するステップと、前記判定するステップと、前記集約するステップと、を繰り返し実行する、
請求項1又は請求項2に記載のイベントツリー簡素化方法。
【請求項8】
イベントツリーから、コンシーケンスが同一で最後の分岐が同じシーケンス上にあり、2つの前記分岐の間に他の分岐が存在しない2つのシーケンスを抽出する手段と、
抽出された2つの前記シーケンスが集約可能かどうかを判定する手段と、
集約可能と判定された場合、2つの前記シーケンスを集約する手段と、
を有するイベントツリー簡素化装置。
【請求項9】
コンピュータに、
イベントツリーから、コンシーケンスが同一で最後の分岐が同じシーケンス上にあり、2つの前記分岐の間に他の分岐が存在しない2つのシーケンスを抽出するステップと、
抽出された2つの前記シーケンスが集約可能かどうかを判定するステップと、
集約可能と判定された場合、2つの前記シーケンスを集約するステップと、
を実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、イベントツリー簡素化方法、イベントツリー簡素化装置およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
原子力プラントのリスク評価に確率論的リスク評価(Probabilistic Risk Assessment:PRA)が用いられる(例えば、特許文献1)。PRAでは、プラントの系統図から機器等を網羅的に抽出し、抽出した機器等の故障モードの検討を行って、イベントツリーやフォールトツリーを作成する。
【0003】
イベントツリー(以下、ETと記載する場合がある)はシステムの信頼性評価手法の1つである。ETは、望ましくない事象(起因事象)の発生を起点として、当該事象への対応として想定される緩和策を時系列に並べ、それらの成功と失敗を一つ一つの分岐とした樹形図である。ETの一例を図1Aに示す。ET100Aは、起因事象が発生した後に緩和策1に成功するか、又は、緩和策1に失敗しても緩和策2に成功すれば安全に終えることができ、両方に失敗すると事故に至ることを示している。ET100Aの上部の「望ましくない事象(起因事象)発生」に続く「緩和策1」、「緩和策2」をヘディングと呼ぶ。緩和策1や緩和策2は、原子力プラントで異常が発生したときに、重大な事故に至らないように、事象の進展を食い止めるために行われる措置や機器のことであり、最初に緩和策1を実行し、その結果に応じて緩和策2が実行される。ヘディングの下方には、ヘディングで示された緩和策1、2に成功するか失敗するかで分岐された樹形図が示されており、成功すれば樹形図に沿って分岐を右側へ進み、失敗すれば下方へ進むということを繰り返し、右側へ進む。樹形図の右端には、最終的なシステムの状態(コンシーケンスと称する。)が示される。コンシーケンスは、緩和策の成功と失敗の組み合わせによって様々な状態に分類される。図1Aに例示するように、最も簡素な場合、安全又は事故に分類される。各コンシーケンスに至るまでの事象進展をシーケンス又はシナリオと呼ぶ。
【0004】
ET100Aにおいて、起因事象の発生頻度と、各緩和策の成功・失敗の確率を与えることにより、各シーケンスの発生頻度を計算することが可能である。このとき、フォールトツリー(以下、FTと記載する場合がある)を用いて各緩和策の失敗確率を計算することが一般的である。FTの一例を図1Bに示す。FT100Bは、トップゲートの事象が発生する条件の組合せを木構造で表している。FT100Bのトップゲートは、「緩和策1の失敗」である。トップゲートの下部に接続されている記号をANDゲートと呼び、ANDゲートに接続される「機器A/Bの故障」と「機器Cの故障」の両方が起こると「緩和策1の失敗」が発生することを示している。「機器A/Bの故障」の下部に接続されている記号をORゲートと呼び、ORゲートに接続される「機器Aの故障」と「機器Bの故障」の何れかが起こると、「機器A/Bの故障」が発生することを示している。FT100Bの最下端部の事象(「機器Aの故障」、「機器Bの故障」、「機器Cの故障」)を基事象と呼び、トップゲートと基事象の中間に位置する「機器A/Bの故障」を中間ゲートと呼ぶ。基事象は、それ以上細かい単位に分解できない故障や失敗の事象である。FT100Bは、「機器Aの故障」と「機器Bの故障」の何れかが生じ、且つ、機器Cの故障が生じると、緩和策1に失敗することを表しており、機器A~Cの故障確率を与えると、緩和策1の失敗確率を計算することができる。同様に緩和策2のFT(不図示)から緩和策2の失敗確率を計算することができる。FTに基づいて計算した各緩和策の失敗確率をETの各分岐に適用し、起因事象の発生確率を与えることにより、対象システムのリスクを体系的に定量化することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-117092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
原子力プラントは、大規模かつ複雑な制御・安全機能を有しており、起因事象及び緩和策のパターンも多岐に渡る。よって、リスクを評価するためのETには多数の緩和策・分岐が導入され、シーケンス数が膨大になり、全シーケンスについて発生頻度を計算しようとすると、計算時間が長大化する傾向がある。計算時間の長大化は、プラントのリスク要因をタイムリーに把握し、必要な安全対策を講じていくうえで弊害となる。そこで、リスク評価(シーケンスの発生頻度)の計算精度を維持しつつ、ET構造を簡素化することにより、計算速度の向上を図る技術を提供する。
【0007】
本開示は、上記課題を解決することができるイベントツリー簡素化方法、イベントツリー簡素化装置およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の評価対象のイベントツリー簡素化方法は、イベントツリーから、コンシーケンスが同一で最後の分岐が同じシーケンス上にあり、2つの前記分岐の間に他の分岐が存在しない2つのシーケンスを抽出するステップと、抽出された2つの前記シーケンスが集約可能かどうかを判定するステップと、集約可能と判定された場合、2つの前記シーケンスを集約するステップと、を有する。
【0009】
また、本開示のイベントツリー簡素化装置は、イベントツリーから、コンシーケンスが同一で最後の分岐が同じシーケンス上にあり、2つの前記分岐の間に他の分岐が存在しない2つのシーケンスを抽出する手段と、抽出された2つの前記シーケンスが集約可能かどうかを判定する手段と、集約可能と判定された場合、2つの前記シーケンスを集約する手段と、を有する。
【0010】
また、本開示のプログラムは、コンピュータに、イベントツリーから、コンシーケンスが同一で最後の分岐が同じシーケンス上にあり、2つの前記分岐の間に他の分岐が存在しない2つのシーケンスを抽出するステップと、抽出された2つの前記シーケンスが集約可能かどうかを判定するステップと、集約可能と判定された場合、2つの前記シーケンスを集約するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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