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公開番号2024165811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023082322
出願日2023-05-18
発明の名称植物栽培設備
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A01G 9/18 20060101AFI20241121BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】より効率的に、かつ省エネルギーのもとで大気中のCO2を捕集・施用して植物を栽培することが可能な植物栽培設備を提供する。
【解決手段】植物栽培設備は、植物を栽培する温室と、CO2吸着剤を有する吸着装置と、吸着装置に外気を通風させる通風部と、吸着装置と温室との間で気体を循環させる循環部と、通風部と循環部を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、日中に循環部を作動させるとともに通風部を停止させる施用運転部と、夜間に循環部を停止させるとともに通風部を作動させる吸着運転部と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
植物を栽培する温室と、
CO2吸着剤を有する吸着装置と、
前記吸着装置に外気を通風させる通風部と、
前記吸着装置と前記温室との間で気体を循環させる循環部と、
前記通風部と前記循環部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
日中に前記循環部を作動させるとともに前記通風部を停止させる施用運転部と、
夜間に前記循環部を停止させるとともに前記通風部を作動させる吸着運転部と、
を有する植物栽培設備。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記通風部は、
前記吸着装置の上流側に設けられた上流ライン、及び下流側に設けられた下流ラインと、
前記下流ライン上に設けられ、前記吸着装置を通過した外気のCO2濃度を計測する外気CO2濃度計測部と、
前記上流ラインの流通状態を切り替える外気バルブと、
前記下流ラインの流通状態を切り替える排気バルブと、
前記上流ライン、及び前記下流ライン上で外気を流通させるファンと、
を有し、
前記吸着運転部は、
前記外気のCO2濃度が予め定められた濃度閾値を一定分だけ上回るまで前記外気バルブ、及び前記排気バルブを開状態とするとともに、前記ファンを駆動する請求項1に記載の植物栽培設備。
【請求項3】
前記上流ライン上に設けられ、外気の温度を計測する外気温計測部をさらに有し、前記吸着運転部は、前記外気温計測部で計測された前記外気の温度が予め定められた温度閾値を一定温度だけ下回る時に、前記外気バルブ、及び前記排気バルブを開状態とするとともに、前記ファンを駆動する請求項2に記載の植物栽培設備。
【請求項4】
前記温室内に設けられ、室内のCO2濃度を計測する室内CO2濃度計測部と、
をさらに備え、
前記循環部は、
前記下流ラインから分岐して、前記吸着装置を通過した外気を前記温室内に供給する外気供給ラインと、
前記上流ラインに接続されて、前記温室から排出される気体を前記吸着装置に還流させる還流ラインと、
前記外気供給ラインの流通状態を切り替える供給用バルブと、
前記還流ラインの流通状態を切り替える還流用バルブと、
を有し、
前記施用運転部は、
予め定められた施用時間帯内において、前記室内CO2濃度計測部で計測された前記室内のCO2濃度が予め定められた濃度閾値を下回った時に、前記供給用バルブ、及び前記還流用バルブを開状態とし、前記ファンを運転することで施用運転を行う請求項2又は3に記載の植物栽培設備。
【請求項5】
前記温室内に設けられ、室温を計測する室温計測部をさらに有し、
前記施用運転部は、予め定められた施用時間帯内において、前記室温計測部で計測された前記室温が前記温度閾値を一定温度だけ上回り、かつ前記室内CO2濃度計測部で計測された前記室内のCO2濃度が予め定められた濃度閾値を下回った時に、前記供給用バルブ、及び前記還流用バルブを開状態とし、前記ファンを運転することで施用運転を行う請求項2又は3に記載の植物栽培設備。
【請求項6】
前記施用運転部は、前記室温計測部で計測された前記室温が前記温度閾値を一定温度だけ上回らなくなった時に、前記供給用バルブ、及び前記還流用バルブを閉状態とし、前記ファンを停止する請求項5に記載の植物栽培設備。
【請求項7】
前記施用運転部は、前記室内CO2濃度計測部で計測された前記室内のCO2濃度が予め定められた前記濃度閾値を上回った時に、前記供給用バルブ、及び前記還流用バルブを閉状態とし、前記ファンを停止する請求項3に記載の植物栽培設備。
【請求項8】
前記吸着運転部は、
前記外気温計測部で計測された前記外気の温度が、前回の前記施用運転時における前記室温から一定温度だけ下回らなくなった時に、前記外気バルブ、及び前記排気バルブを閉状態とするとともに、前記ファンを停止する請求項4に記載の植物栽培設備。
【請求項9】
前記濃度閾値は、前記濃度取得部が取得した前記室内のCO2濃度が植物の光合成に好適な濃度帯の範囲内に収まるように、前記施用運転を開始したタイミングで前記濃度帯の上限値に更新され、前記施用運転を停止したタイミングで前記濃度帯の下限値に更新される請求項5に記載の植物栽培設備。
【請求項10】
前記濃度閾値は、前記施用運転を開始した時点では、大気中のCO2濃度と同等の値に設定される請求項5に記載の植物栽培設備。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、植物栽培設備に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
温室内で植物を栽培する場合、昼間時間帯に植物が光合成を行うことで温室内の二酸化炭素(CO2)が消費されるため、室内の二酸化炭素濃度をコントロールして光合成を妨げないようにすることが重要である。この種の設備として、灯油あるいはLPガスなどの化石燃料を燃焼させて二酸化炭素を発生させ、植物に施用する設備が商用化されており広く使用されている。しかしながら、上記の装置では、二酸化炭素の施用に際し化石燃料の消費が不可欠であることから、化石燃料の利用によって発生する高濃度のCO2の希釈や植物の生育を妨げる有害物質の除害などの操作が求められるという課題がある。
【0003】
上記の背景を踏まえ、大気中の二酸化炭素を捕集して植物に施用する設備が提案されている。この種の設備として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。下記特許文献1には、アミン担持固体吸収剤を保持したハニカムロータを有し、ハニカムロータを少なくとも処理ゾーンと再生ゾーンとに分割し、再生用空気と処理対象空気の何れかまたは両方に、エンタルピー(温・湿度)調整手段を設けて、それぞれのゾーンを通過させることで二酸化炭素吸収性能及び濃縮性能を制御する吸収式二酸化炭素除去・濃縮装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-154063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の装置では、二酸化炭素を発生させるために、処理ガス・再生ガス双方のエンタルピーを調節しており、エネルギー消費量が多い上に、ハニカムロータを処理ゾーンと再生ゾーンに分割して運転することから装置容積が大きくなるという課題がある。
【0006】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、より効率的に、かつ省エネルギーのもとで大気中のCO2を捕集・施用して植物を栽培することが可能な植物栽培設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る植物栽培設備は、植物を栽培する温室と、CO2吸着剤を有する吸着装置と、前記吸着装置に外気を通風させる通風部と、前記吸着装置と前記温室との間で気体を循環させる循環部と、前記通風部と前記循環部を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、日中に前記循環部を作動させるとともに前記通風部を停止させる施用運転部と、夜間に前記循環部を停止させるとともに前記通風部を作動させる吸着運転部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、より効率的に、かつ省エネルギーのもとで大気中のCO2を捕集・施用して植物を栽培することが可能な植物栽培設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の実施形態に係る植物栽培設備の構成を示す全体図であって、CO2を施用している状態を示す図である。
本開示の実施形態に係る制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
本開示の実施形態に係る制御装置の処理フローを示すフローチャートである。
本開示の実施形態に係る植物栽培設備の構成を示す全体図であって、CO2を吸着剤に吸着させている状態を示す図である。
本開示の実施形態に係る制御装置の処理フローの変形例を示すフローチャートである。
本開示の実施形態に係る制御装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(植物栽培設備1の構成)
以下、本開示の実施形態に係る植物栽培設備1について、図1から図4を参照して説明する。図1に示すように、植物栽培設備1は、温室10と、室温計測部11と、室内CO2濃度計測部12と、吸着装置20と、通風部30と、循環部40と、制御装置50と、を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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