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公開番号2024165251
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081282
出願日2023-05-17
発明の名称フォールトツリー簡素化方法、フォールトツリー簡素化装置およびプログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G06Q 50/10 20120101AFI20241121BHJP(計算;計数)
要約【課題】フォールトツリーを簡素化する方法を提供する。
【解決手段】フォールトツリー簡素化方法は、フォールトツリーの構造に基づいて、同じANDゲートに接続する2つの基事象のペアを抽出するステップと、前記ペアのうち少なくとも一つが、前記ペア以外の基事象と共通する故障原因を共有するかどうかを判定するステップと、前記ペアに関連する他の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定するステップと、前記ペアに関連する他の基事象が同じ前記ANDゲートに接続している場合、前記ペアを1つの基事象に統合するステップと、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
フォールトツリーの構造に基づいて、同じANDゲートに接続する2つの基事象のペアを抽出するステップと、
前記ペアのうち少なくとも一つが、前記ペア以外の基事象と共通する故障原因を共有するかどうかを判定するステップと、
前記ペアの両方に、前記故障原因を共有する他の前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定し、前記ペアの一方のみに前記故障原因を共有する前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と発生確率が等しい他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定するステップと、
前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じ前記ANDゲートに接続している場合、前記ペアを1つの基事象に統合するステップと、
を有するフォールトツリー簡素化方法。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記故障原因を共有するかどうかを判定するステップにおいて、前記ペアの両方に前記故障原因を共有する前記基事象が見つかった場合であって、前記ペアが前記故障原因を共有しない場合、
前記ペアの一方とx個の前記第2の基事象とが第1の前記故障原因を共有し、前記ペアの他方と前記x個の前記第3の基事象とが第2の前記故障原因を共有するとした場合に、
前記ANDゲートに接続しているかどうかを判定するステップでは、前記第2の基事象のそれぞれが、重複なく前記第3の基事象のうちの一つと同じANDゲートに接続するかどうかを判定し、
前記統合するステップでは、前記ペアに加え、前記同じANDゲートに接続する前記第2の基事象と前記第3の基事象を統合し、
yが1~xの値を取るとしたときに全ての前記yについて、前記ペアの一方と前記第2の基事象のうちの前記y個が発生する確率と、前記ペアの他方と前記第3の基事象のうちの前記y個が発生する確率と、を乗じた値が、統合後の前記基事象のうちの前記y個が発生する確率と等しくなること、が成立するように、統合後の前記基事象の発生確率を設定する、
請求項1に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項3】
前記統合するステップでは、
前記ペアの一方と前記第2の基事象のうちの前記y個が発生する確率を、第1の前記故障原因に係る所定のCCF(Common Cause Failure)ファクターに基づいて計算し、
前記ペアの他方と前記第3の基事象のうちの前記y個が発生する確率を、第2の前記故障原因に係る所定の前記CCFファクターに基づいて計算する、
請求項2に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項4】
前記ペアが前記故障原因を共有する場合、又は、前記ペアの両方に前記故障原因を共有する基事象が存在しない場合、
前記統合するステップでは、前記基事象のペアを統合し、前記ペアの一方が発生する確率と、前記ペアの他方が発生する確率と、を乗じた値を、統合後の前記基事象の発生確率に設定する、
請求項1又は2に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項5】
前記故障原因を共有するかどうかを判定するステップにおいて、前記ペアの一方のみに前記故障原因を共有する基事象が存在する場合、
前記ペアの一方とx個の前記第2の基事象とが第1の前記故障原因を共有し、前記ペアの他方と前記x個の前記第3の基事象の発生確率が全て第1発生確率である場合、
前記ANDゲートに接続しているかどうかを判定するステップでは、前記第2の基事象のそれぞれが、重複なく前記第3の基事象のうちの一つと同じANDゲートに接続するかどうかを判定し、
前記統合するステップでは、前記ペアに加え、前記同じANDゲートに接続する前記第2の基事象と前記第3の基事象を統合し、
yが1~xの値を取るとしたときに全ての前記yについて、前記ペアの一方と前記第2の基事象のうちの前記y個が発生する確率と、前記ペアの他方と前記第3の基事象のうちの前記y個が発生する確率と、を乗じた値が、統合後の前記基事象のうちの前記y個が発生する確率と等しくなること、が成立するように、統合後の前記基事象の発生確率を設定し、前記ペアの他方と前記第3の基事象のうちの前記y個が発生する確率を、第1発生確率のy乗で計算する
請求項1又は2に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項6】
前記抽出するステップで、前記ペアが抽出できなくなるまで、
前記抽出するステップと、
前記故障原因を共有するかどうかを判定するステップ、
前記ANDゲートに接続しているかどうかを判定するステップと、
前記統合するステップと、
を繰り返し実行する、請求項1又は2に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項7】
フォールトツリーの構造に基づいて、同じANDゲートに接続する2つの基事象のペアを抽出する手段と、
前記ペアのうち少なくとも一つが、前記ペア以外の基事象と共通する故障原因を共有するかどうかを判定する手段と、
前記ペアの両方に、前記故障原因を共有する他の前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定し、前記ペアの一方のみに前記故障原因を共有する前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と発生確率が等しい他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定する手段と、
前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じ前記ANDゲートに接続している場合、前記ペアを1つの基事象に統合する手段と、
を有するフォールトツリー簡素化装置。
【請求項8】
コンピュータに、
フォールトツリーの構造に基づいて、同じANDゲートに接続する2つの基事象のペアを抽出するステップと、
前記ペアのうち少なくとも一つが、前記ペア以外の基事象と共通する故障原因を共有するかどうかを判定するステップと、
前記ペアの両方に、前記故障原因を共有する他の前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定し、前記ペアの一方のみに前記故障原因を共有する前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と発生確率が等しい他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定するステップと、
前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じ前記ANDゲートに接続している場合、前記ペアを1つの基事象に統合するステップと、
を実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、フォールトツリー簡素化方法、フォールトツリー簡素化装置およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
原子力プラントのリスク評価に確率論的リスク評価(Probabilistic Risk Assessment:PRA)が用いられる(例えば、特許文献1)。PRAでは、プラントの系統図から機器等を網羅的に抽出し、抽出した機器等の故障モードの検討を行って、フォールトツリーやイベントツリーを作成する。
【0003】
フォールトツリー解析は、システムの信頼性を評価する手法として広く利用されている。評価したいシステムの失敗要因となる事象(基事象と呼ぶ。)を網羅的に抽出し、主にORゲートとANDゲートに関連する基事象を設定することで、事象の発生確率の加算(ORゲートの場合)と乗算(ANDゲートの場合)により、トップゲートの失敗確率を算出する。ORゲートは直下に接続する基事象の「いずれか一つが発生した場合に発生する事象」、ANDゲートは直下に接続する基事象の「全てが発生した場合に発生する事象」を表す。
【0004】
フォールトツリー(以下、FTと記載する場合がある)の一例として、FT100を図1に示す。FT100のトップゲートは、「緩和策1の失敗」である。トップゲートの下部に接続されている記号がANDゲートで、ANDゲートに接続される「機器A/Bの故障」と「機器Cの故障」の両方が起こると「緩和策1の失敗」が発生することを示している。緩和策1とは、原子力プラントで異常が発生したときに、重大な事故に至らないように、事象の進展を食い止めるために行われる措置や機器のことである。「機器A/Bの故障」の下部に接続される記号がORゲートで、ORゲートに接続される「機器Aの故障」と「機器Bの故障」の何れかが起こると、「機器A/Bの故障」が発生することを示している。「機器Aの故障」、「機器Bの故障」、「機器Cの故障」が基事象で、基事象は、それ以上細かい単位に分解できない故障や失敗の事象を示している。トップゲートと基事象の中間に位置する「機器A/Bの故障」を中間ゲートと呼ぶ。図1のFTは、「機器Aの故障」と「機器Bの故障」の何れかが生じ、且つ、機器Cの故障が生じると、緩和策1に失敗することを表している。
【0005】
多くのFTの処理計算プログラムでは、ORゲートに接続する複数の基事象を単一の基事象として扱うモジュール化処理を行い、FT計算の負荷を軽減している。しかし、ANDゲートについては、その論理的性質のためANDゲートに接続する基事象を単一の要素として扱うことが容易では無い。よって、ANDゲートが多いほど計算対象の要素数が多くなり、FTに基づく計算(例えば、トップゲートの発生確率の計算)に要する時間が長くなる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-117092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
原子力プラントは、大規模かつ複雑な制御・安全機能を有しており、様々な事故及び緩和策のパターンが考えられるため、FTの構造が巨大になり、それに伴い計算時間が長大化する傾向がある。計算時間の長大化は、異常発生時などに適時リスクを確認し、必要な安全対策を講じていく上で弊害となる。そこで、ANDゲートに着目して、計算精度を維持しつつFTの構造の簡素化し、計算速度の向上を図る技術を提供する。
【0008】
本開示は、上記課題を解決することができるフォールトツリー簡素化方法、フォールトツリー簡素化装置およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の評価対象のフォールトツリー簡素化方法は、フォールトツリーの構造に基づいて、同じANDゲートに接続する2つの基事象のペアを抽出するステップと、前記ペアのうち少なくとも一つが、前記ペア以外の基事象と共通する故障原因を共有するかどうかを判定するステップと、前記ペアの両方に、前記故障原因を共有する他の前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定し、前記ペアの一方のみに前記故障原因を共有する前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と発生確率が等しい他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定するステップと、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じ前記ANDゲートに接続している場合、前記ペアを1つの基事象に統合するステップと、を有する。
【0010】
また、本開示のフォールトツリー簡素化装置は、フォールトツリーの構造に基づいて、同じANDゲートに接続する2つの基事象のペアを抽出する手段と、前記ペアのうち少なくとも一つが、前記ペア以外の基事象と共通する故障原因を共有するかどうかを判定する手段と、前記ペアの両方に、前記故障原因を共有する他の前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定し、前記ペアの一方のみに前記故障原因を共有する前記基事象が存在する場合、前記ペアの一方と前記故障原因を共有する他の前記基事象を第2の基事象とし、前記ペアの他方と発生確率が等しい他の前記基事象を第3の基事象として、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じANDゲートに接続しているかどうかを判定する手段と、前記第2の基事象と前記第3の基事象が同じ前記ANDゲートに接続している場合、前記ペアを1つの基事象に統合する手段と、を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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