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公開番号2025089207
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2023214304
出願日2023-12-01
発明の名称マイホーム非電子入札システム
出願人個人
代理人
主分類G06Q 30/08 20120101AFI20250605BHJP(計算;計数)
要約【課題】 解決しようとする課題は、マイホーム取得希望者が、建築業者を競争入札で選定するというシステムが、時間と労力の節約と、品質と価格のバランスの最適化を実現する素晴らしいシステムであるにもかかわらず、現在、インターネットを利用する電子入札システムしか存在しないことが原因で、社会に普及・定着しない現状である。
【解決手段】 マイホームの入札システムから、インターネット、オンライン、リモート、電子通信、画面上での建築業者の決定というデジタル要素を全て排除して、紙に書く、箱に入れる、会場に足を運ぶ、読み上げる、発表する、という、式典としてアナログ方式を採用して、マイホーム建築業者の決定という人生の大きな節目を、機械的でなく人間的に執り行う、マイホーム非電子入札システムを提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
個人がマイホームの建築工事を発注する際に、公共機関と同じく競争入札によって工事受注業者を選定するシステムであり、住宅事業者と提携または取引関係にない独立機関がマイホーム取得希望者の一次窓口となり、希望する建物の具体的な内容、および建築する敷地の情報を聴き取り、住宅事業者が指定された形状・仕様の建物を建築するために必要かつ十分な図書を作成して応札希望者に提供し、インターネットを介さず、会場の入札箱に封印した用紙を投入して、開札日に会場で関係者が一同に集まって落札者を決定する、古典的かつ儀式的な格式を有する、紙入札で入札事務を行う機能を設けたことを特徴とするマイホーム非電子入札システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、個人がマイホームを建築する際に、公共機関と同じように競争入札によって工事請負業者を決定する、マイホーム非電子入札システムに関するものである。
続きを表示(約 6,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、マイホームを建築する顧客は、大手ハウスメーカー、地域ビルダー、工務店などの工事請負業者に直接発注していた。総合住宅展示場や個別の住宅会社の内覧会に出向いて、希望する住宅の工法、規模、間取、デザイン、品質、仕様、設備などを伝え、合わせて、建築する土地の面積、形状、条件などを伝える。土地が未定の場合は、土地に関する相談もする場合が多い。
住宅会社の営業担当者は、顧客から聴き取った情報を基に、ラフプラン(概略図面)、完成予想図、価格内訳、資金計画、見積書などで構成される提案書を提出する。
顧客はそれを受けて、提示価格と今後の家計収支を検討して、必要があればプラン変更などの打ち合わせを重ねて、最終的に契約する。この一連の流れの中で、複数の住宅会社と同時進行で相見積を取るというパターンが一般的である。
一方、公共の建物を建設する自治体などの公共機関は、昔から、大手ゼネコン、地域ビルダー、工務店などに競争入札を実施して、工事請負業者を選定している。現在(21世紀の第1四半期)は、インターネットの発達にともなって、設計図書などの大量の資料をネット上で受け渡したり、双方向通信による意思表示ができるようになった。その結果、公共入札は、従来の会場入札から電子入札に移行するようになった。
ちょうど、インターネットが企業、官公庁、家庭に普及・定着した時代に、個人のマイホーム建築も、競争入札で選定しようと試みるビジネスモデルが次々と開発されている。しかし、住宅市場にインパクトを与えることなく自然消滅している。住宅市場においてはコンシューマーの動向も、サプライヤーの集客・営業スタイルも従来どおり変わらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-316990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、以下のような欠点があった。
個人の価値観はそれぞれ異なるから、マイホームの取得希望者が建築業者を選定する際に、価格よりもブランド・ステータスを重視する場合や、特定の事業者や担当者との特別な関係(義理)を重視する場合は当然ある。
しかし、品質・等級が全く同じ住宅であるなら、できるだけ低価格で建築したいと望む顧客が、住宅市場のボリュームゾーンを形成していることは事実である。特に、ミドルプライス住宅、ロープライス住宅の価格帯においては、そうした傾向は顕著である。
だから、「マイホームの入札システム」が開発されれば、多数の住宅取得希望者の支持を得て急速に発展してゆき、住宅取得方法の主流になっているはずである。それなのに、いつまで経っても一向に普及・定着しない。
その原因は、公開されている「マイホームの入札システム」が、全部、公共機関が実施しているインターネットを介した電子入札を、そのままマイホームに応用しただけのシステムだからである。マイホームに関する電子入札の問題点は次のとおりである。
1 人生には、いくつかの大きな節目(ライフイベント)がある。この節目に儀式(セレモニー)を行う。そして、儀式は必ず「対面形式」で行わなければならないという原則がある。これは、何千年も前からDNAに刷り込まれて継承されていて、変えることはできない。
人間は、誕生、成長、進学、成人、就職、結婚、出産、育児、住宅取得、子供の独立、孫の誕生、定年退職、老後生活、施設入所、死去、というライフサイクルの途上にある。もちろん、これは標準モデルであるから、個別のケースは千差万別である。
セレモニーとしては、誕生日、節句、入学式、卒業式、成人式、入社式、結婚式、送別会、葬式などがある。そして、人生の節目の儀式は絶対に「オンライン」や「電子通信」で行ってはならないという鉄則がある。この鉄則を無視した制度は社会が受け入れない。このように、「住宅取得」は、それ自体が儀式だから、入札を行うにしても、電子入札は有り得ない。それは、電話やメールでプロポーズすることと同じくらい非常識である。
2 公共工事は、公費で建設する性質上、工事価格だけでなく、継続反復する発注事務に要する時間や労力も経費削減の対象になる。だから、電子入札は義務的な必要性があり、最適の方式である。
一方、マイホーム工事は、業者にとっては継続反復する業務に過ぎないが、発注者にとっては一生に一度の重要イベントであり、国民の税金ではなく自己資金で工事する最大の商談である。だから、効率よりも格式を重視して、電子通信で軽々しく商談することには心理的な抵抗を示す。
3 社会は、「アナログ文化」と「デジタル文化」が共存して成り立っている。その棲み分けには基本3原則がある。
第1は、「高額取引」はアナログ(人間)、「低額取引」はデジタル(機械)という法則である。銀行の窓口とATM、低額商品のネット通販、高額商品の対面購入、あるいは、ネットオークションと会場オークションの違い。商品価格に明確な線引きはないが、宝石自動車、クルーザー、土地、住宅、マンションは、常識的に高額商品に分類される。
第2は「ファースト」はアナログ、「セカンド」はデジタルという法則である。書籍、新聞、雑誌、漫画をペーパーで読んだ経験のある者が、次のステップとして、タブレットに進む。株式、商品先物、外国為替の取引は、初心者は担当者と会話して売買し、慣れてきたらオンラインの電子取引に移行する。住宅の入札も、慣れて来たら電子取引にすれば普及するだろうが、通常は2度と建築しないから、そうはならない。
第3は、「格式」はアナログ、「機能」はデジタルという法則である。その最も象徴的なアイテムは時計である。大学や文化施設の正面の時計は針式で、時刻で稼働している駅や空港の時計は数字式である。高級ブランドの腕時計は針式で、100円ショップの腕時計は数字式である。建物のドアは、格式ある建物は礼装のドアマン、一般の建物は自動ドアである。楽器は、クラシック音楽はオーケストラ、テクノ音楽はエレキである。
このように、マイホームを取得するということは、「高額な取引」、「初体験」、「人生の節目の儀式」という、アナログ文化の基本3原則をすべて満たしているから、「オンライン」、「リモート」、「電子通信」という、デジタル技術に依存したシステムは、マイホーム取得者の消費者マインドに反する。よって、マーケットは拒否反応を示す。
【0005】
解決しようとする課題は、マイホーム取得希望者が、建築業者を競争入札で選定しようとするとき、そのサービスを提供するシステムが、現在、インターネットを利用する電子入札システムしか存在しないことが原因で、社会に普及・定着しない現状を課題とする。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すべての住宅事業者と一定の距離を置いた中立の機関が、住宅取得希望者の一次窓口となって、希望する住宅の工法、規模、間取、デザイン、品質、仕様、設備などを聴取して施工に必要な設計図書を作成する。
入札に参加する建築業者は、設計図書を取得して、工事請負価格を決定する。受付期間内に、その金額を記載した「紙」を主催機関が指定した場所の「箱」に入れる。
開札日に「会場」で開札時刻に入札箱を開錠して「読み上げて」落札業者を発表する。
このシステムの主要な特徴は、「当事者が会場に足を運ぶ」、「紙に書く」、「箱に入れる」「読み上げる」という、儀式としてのアナログ文化を尊重するコンセプトである。
本発明は、以上の構成よりなるマイホーム非電子入札システムである。
【発明の効果】
【0007】
1 住宅取得希望者が、自分が思い描く住宅を、最も低価格で建築してくれる事業者を見つけるための、膨大な時間と労力が節約できる。たとえ苦労を惜しまず、多数の事業者を訪ね回って相見積りを取り続けて、遂に最低価格の事業者にたどり着いたとしても、その提示価格は単なる定価である。しかし、入札の競争原理が作用すると、定価よりもさらに割安に取得できる。
2 住宅事業者は、企業規模と利幅が比例している。大手ハウスメーカーは、本社、ブロック事業部、支店、営業所などの維持管理費、人件費が大きいから、利幅を縮小することは不可能である。一方、中小・零細事業者は、地代家賃、従業員の賃金が低いから、利幅の縮小は可能である。特に、長期に渡って受注ゼロが続くと、利潤の追及よりも資金繰りを優先せざるを得なくなり、「利幅が縮小してもゼロよりまし」というマインドになる。そこで、事業危機(売上不振)、経営危機(資金繰りショート)を免れることができる。
3 加速する少子化、人口減少によって縮小の一途をたどる住宅市場で、多くの事業者が淘汰されてゆく市場動向を刺激して、CS(顧客満足)が高い、即ち「良い住宅を安く」提供する事業者を生き残らせて、「悪い住宅を高く」提供する事業者を市場から追放することができる。
4 住宅取得希望者が、「良い住宅を安く」提供する事業者を探し回る過程で、大量の相見積もりを取得して、最終的に1社を除いて全てお断りするという作業は、顧客にとっても、事業者にとっても無駄な作業である。これは住宅産業全体で考えれば、マクロ経済に無視できないマイナス効果を及ぼしている。こうしたマイナスの経済効果を軽減できる。
5 物価の上昇に賃金の上昇が追いつかない経済状況で生活している、中間層以下の国民の、家計支出に占める住宅ローンの割合が減少すると、可処分所得が上昇する。それは、消費の拡大や出生率の上昇というベクトルに作用して、プラスの経済効果になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
競争入札は、建物の品質と価格のバランスを最適化する理想のシステムであり、官公庁や自治体などの公共機関が、長年に渡って実施して、素晴らしい成果を上げている。競争入札は、個人のマイホームであっても、同じく、建物の品質と価格のバランスを最適化する理想のシステムである。それなのに、一向に普及・定着しない。
その理由は、公共機関にとって建物の発注は単なるルーティーン業務だから、電子化して効率を高めるべきであるが、個人にとって住宅の発注は重要なライフイベントだから、対面形式を重んじて儀式化すべきところ、電子化したからである。
そこで、個人が「マイホームを取得する」という一連の流れを、人生の節目のひとつを司る儀式と捉える。住宅の取得は、神主、祝詞、清め祓いなどの神事と深い関係があり、長年の風習により、大安など日柄を選んで「契約調印」、「地鎮祭 鍬入れの儀」、「上棟式餅まきの儀」、「完成披露」という、確立された伝統文化を踏襲している。その発端である「施工業者決定の儀」は、会場で関係者一同が会して、うやうやしく箱から紙を取り出して読み上げるという、対面的な所作を尊重して実施しなければならない。
インターネットによる住宅取得は、マーケティング戦略上、消費者マインドに反する。イメージとしては、仮にプロ野球のドラフトをインターネット上で決定すれば、どんなに便利でも、関係者、ファン、国民から、決して受け入れられないことと同じである。
すべての住宅事業者と提携、取引関係にない中立の機関が、住宅取得希望者の一次窓口となる。これは特定の住宅事業者が主催すれば不正が疑われるからである。裁判所のような公正な機関が理想であるが、裁判所は差押物件の競争入札は主催するが、民間企業のビジネスには加担しない。だから、実施主体は公益性の高い非営利団体、あるいは企業であっても住宅業界と無関係な企業が望ましい。ただし、住宅建築の知識は必要だから、設計はするが施工はしない設計事務所、または設計図書の作成能力のあるスタッフを雇用する第3者機関などが適切である。
【0010】
住宅取得希望者は、機関(仮称 マイホーム入札センター)を訪問して、担当者に希望するマイホームの内容を伝える。それは、一般の住宅会社を訪問して、営業や工務の担当者と打ち合わせすることと全く同じである。
センターのスタッフは、顧客から建築を希望する住宅の工法、規模、間取、デザイン、品質、仕様、設備などを聴取して、施工に必要な設計図書を作成する。
基本項目として、構造(木造、RC…)、工法(木組、パネル…)、モジュール(尺、メーター)、外観・デザイン(洋風、和風、デザイナー系…)、建物の形状(平屋、総2階、一部2階、3階)、外壁の素材(サイディング、ガルバリウム、モルタル、タイル、ALC、レンガ…)、基礎(布基礎、ベタ基礎)、屋根の形状(切妻、片流れ、寄棟、陸屋根…)、屋根の素材(鋼板、瓦、軽量瓦…)、部屋数、各部屋の床面積、間取、開口部(窓・ドアの大きさ、形状、配置)、断熱方法(内断熱、外断熱)、断熱材(グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー…)換気方法(第1種~第3種)、地震対策(耐震、免震制震)、防湿・防音方法、防腐・防蟻方法、その他、に関して打ち合わせして決めてゆく。必要があれば、浄化槽、ガレージ・カーポート、植栽、その他、の規格も決定する。
1回で決めなくとも、時間をかけて何度でも打ち合わせして、納得するまで検討を重ねた上で、最終的に原型プランを確定する。原型プランが確定した段階で、建物の基本的な構造、工法、形状、間取、素材から、必要最低限の設計図面(平面詳細図、立面図、断面図)が完成する。これで、建物の物理的な建築は可能である。しかし、積算できないから予算が組めない。積算するためには、建築資材の品質・等級を決定しなければならない。
建築資材の品質・等級は、大きく分けて、標準品、高級品、廉価品の3種類に分類される。さらに、寸法の違いで単価が異なる。例えば、柱は「無垢材4寸」、「集成材3寸」…。サイディングは「標準品14mm」、「廉価品18mm」…。フローリングは「高級品12mm」、「標準品15mm」…というように指定するだけでよい。メーカー、色、柄、デザインは、落札業者との打ち合わせ段階で決める。
建築資材の仕入原価は、事業者によって、自社工場の有無や、取引先の商社や卸売業者との価格設定が千差万別であるから、顧客としては、品質・等級さえ満たしていれば問題ない。通常、フローリングはグレードと寸法が同一であれば、色調がチーク、オーク、ホワイトでも価格は同一である。微妙に違ったとしても誤差の範囲に収まる。これは、外壁材、屋根材に関しても同様である。さらに、キッチン、ユニットバス、トイレ、洗面化粧台などの設備機器に関しても、事業者によって仕入先が異なるから、メーカーは指定せずに、標準品、アパート用でない商品、などと指定する。住宅性能基準は、○○年基準適合を条件とすれば、C値・Q値などを細かく指定する必要はない。
(【0011】以降は省略されています)

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