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公開番号2024165363
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081507
出願日2023-05-17
発明の名称フォールトツリー簡素化方法、フォールトツリー簡素化装置およびプログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G21C 17/00 20060101AFI20241121BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】フォールトツリーを簡素化する方法を提供する。
【解決手段】フォールトツリー簡素化方法は、フォールトツリーに含まれるトップゲートと、基事象と、中間ゲートと、の対応関係を抽出ステップと、前記対応関係における前記基事象ごとに、その基事象から出発して、前記フォールトツリーを前記トップゲートに向かって辿ったときに到着する最上位のORゲートを特定するステップと、特定した前記ORゲートの配下の基事象を集約するステップと、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
フォールトツリーを構成するトップゲートと基事象とそれらの間に存在する要素の対応関係を抽出するステップと、
抽出された前記対応関係における前記基事象ごとに、その基事象から出発して、前記フォールトツリーを前記トップゲートに向かって辿ったときにORゲート以外を経由せずに到達できる最上位のORゲートを特定するステップと、
特定した前記ORゲートの配下の基事象を集約するステップと、
を有するフォールトツリー簡素化方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記集約するステップでは、前記基事象のそれぞれについて、特定した前記ORゲートが1つのみ存在するときには、当該基事象を集約対象とする、
請求項1に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項3】
前記集約するステップでは、前記基事象のそれぞれについて、特定した前記ORゲートが複数存在するときには、当該基事象の重要度が閾値以下であれば、それぞれの前記ORゲートについて当該基事象を集約対象とする、
請求項1に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項4】
前記集約するステップでは、前記基事象のそれぞれについて、特定した前記ORゲートが複数存在するときには、当該基事象の重要度が閾値より大きければ、当該基事象を集約対象としない、
請求項1又は請求項3に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項5】
前記集約するステップでは、集約する前記基事象の発生確率を合計し、前記フォールトツリーにおける集約前の前記基事象を集約後の前記基事象で置き換える、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項6】
集約対象外の基事象が登録されたリストを取得するステップ、をさらに有し、
前記特定するステップでは、抽出された前記対応関係における前記基事象の中から前記リストに登録されていない前記基事象について、前記最上位の前記ORゲートを特定する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項7】
前記抽出するステップでは、基事象の数に前記トップゲートの数を乗じた値分の前記対応関係を示すデータを抽出する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のフォールトツリー簡素化方法。
【請求項8】
フォールトツリーを構成するトップゲートと基事象とそれらの間に存在する要素の対応関係を抽出する手段と、
抽出された前記対応関係における前記基事象ごとに、その基事象から出発して、前記フォールトツリーを前記トップゲートに向かって辿ったときにORゲート以外を経由せずに到達できる最上位のORゲートを特定する手段と、
特定した前記ORゲートの配下の基事象を集約する手段と、
を有するフォールトツリー簡素化装置。
【請求項9】
コンピュータに、
フォールトツリーを構成するトップゲートと基事象とそれらの間に存在する要素の対応関係を抽出するステップと、
抽出された前記対応関係における前記基事象ごとに、その基事象から出発して、前記フォールトツリーを前記トップゲートに向かって辿ったときにORゲート以外を経由せずに到達できる最上位のORゲートを特定するステップと、
特定した前記ORゲートの配下の基事象を集約するステップと、
を実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、フォールトツリー簡素化方法、フォールトツリー簡素化装置およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
原子力プラントのリスク評価に確率論的リスク評価(Probabilistic Risk Assessment:PRA)が用いられる(例えば、特許文献1)。PRAでは、プラントの系統図から機器等を網羅的に抽出し、抽出した機器等の故障モードの検討を行って、フォールトツリーやイベントツリーを作成する。
【0003】
フォールトツリー(以下、FTと記載する場合がある)の一例を図1Aに示す。図1AのFT100Aは、トップゲートの事象が発生する条件の組合せを木構造で表している。FT100Aのトップゲートは、「緩和策1の失敗」である。トップゲートの下部に接続されている記号をANDゲートと呼び、ANDゲートに接続される「機器A/Bの故障」と「機器Cの故障」の両方が起こると「緩和策1の失敗」が発生することを示している。緩和策1とは、原子力プラントで異常が発生したときに、重大な事故に至らないように、事象の進展を食い止めるために行われる措置や機器のことである。「機器A/Bの故障」のブロックの下部に接続されている記号をORゲートと呼び、ORゲートに接続される「機器Aの故障」と「機器Bの故障」の何れかが起こると、「機器A/Bの故障」が発生することを示している。FTの最下端部の事象(「機器Aの故障」、「機器Bの故障」、「機器Cの故障」)を基事象と呼び、トップゲートと基事象の中間に位置する「機器A/Bの故障」をトップゲート(ここでは「緩和策1の失敗」)に対する中間ゲートと呼ぶ。基事象は、それ以上細かい単位に分解できない故障や失敗の事象である。FT100Aは、「機器Aの故障」と「機器Bの故障」の何れかが生じ、且つ、機器Cの故障が生じると、緩和策1に失敗することを表している。
【0004】
イベントツリー(以下、ETと記載する場合がある)の一例を図1Bに示す。図1BのET100Bは、原子力プラントにて、ある望ましくない事象(起因事象)が発生したときに生じる事象の進展を示している。ET100Bの上部の「望ましくない事象(起因事象)発生」に続く「緩和策1」、「緩和策2」をヘディングと呼び、起因事象の後に生じる事象が発生順に示され、図の右側へ行くほど事象が進んだ状態であることを表している。ヘディングの下方には、ヘディングで示された緩和策1、2に成功するか失敗するかで分岐する樹形図が示されており、成功すれば分岐を右側へ進み、失敗すれば下方へ進むということを繰り返し、樹形図を右側へ進む。樹形図の右端には、最終的に発生する事象が示されている。ET100Bは、緩和策1に成功するか、又は、緩和策1に失敗しても緩和策2に成功すれば起因事象に対して安全に収束し、両方に失敗すると事故に至ることを示している。
【0005】
フォールトツリー解析は、システムの信頼性を評価する手法として広く利用されている。多くの適用例では、FTとETを組み合わせて解析することにより、システムのリスクを定量化するために用いられる。例えば、図1AのFT100Aから「緩和策1の失敗」が発生する確率を計算し、計算した値を図1BのET100Bの緩和策1の成功と失敗の分岐に適用する。同様に、図示しない緩和策2のFTに基づいて、緩和策2が失敗する確率を計算し、計算した値を図1Bの緩和策2の分岐に適用する。すると、図1BのET100Bに基づいて、起因事象が発生した後、緩和策1と緩和策2の両方に失敗し、事故に至る場合の発生頻度を計算することができる。
【0006】
原子力プラントは、大規模かつ複雑な制御・安全機能を有しており、起因事象のパターンも多岐に渡るため、FTの構造が巨大になり、それに伴いトップゲートの発生確率などの計算時間が長大化する傾向がある。原子力プラントは定期的に機器をメンテナンスする必要があるが、その期間中は当該機器を必要とする緩和策が利用不能となるため、FTの入力情報が変化し、それに伴い事故の発生頻度が増加する。例えば、機器Cがメンテナンス中であれば、図1AのFT100Aの入力情報において機器Cの故障確率が1となり、その結果、緩和策1の失敗確率が増加し、図1BのET100Bにおける事故の発生頻度も増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-117092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
原子力プラントの安全性の担保及びリスクが許容値を超えないことを確認するためには、機器の運転状態の変更に伴うリスク変動を都度計算する必要がある。しかし、巨大なFT構造のために計算時間が長大化すれば、リスク変動の計算結果を速やかに取得することができない可能性がある。そこで、FTに基づいて算出されるリスクの計算精度を維持しつつ、FTの構造を簡素化することにより、計算速度の向上を図る技術を提供する。
【0009】
本開示は、上記課題を解決することができるフォールトツリー簡素化方法、フォールトツリー簡素化装置およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の評価対象のフォールトツリー簡素化方法は、フォールトツリーを構成するトップゲートと基事象とそれらの間に存在する要素の対応関係を抽出するステップと、抽出された前記対応関係における前記基事象ごとに、その基事象から出発して、前記フォールトツリーを前記トップゲートに向かって辿ったときにORゲート以外を経由せずに到達できる最上位のORゲートを特定するステップと、特定した前記ORゲートの配下の基事象を集約するステップと、を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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