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公開番号
2024175955
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023094088
出願日
2023-06-07
発明の名称
原子炉格納容器冷却装置
出願人
三菱重工業株式会社
代理人
SSIP弁理士法人
主分類
G21C
15/18 20060101AFI20241212BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】少ない動力で事故発生初期段階から良好な冷却性能を得ることが可能な原子炉格納容器の冷却装置を実現する。
【解決手段】原子炉格納容器の冷却装置は、原子炉格納容器を少なくとも部分的に囲む壁部と、第1流路形成部材、及び、第2流路形成部材を備える。第1流路形成部材は、原子炉格納容器の上面との間に冷却材が通過可能な第1流路を形成する。第2流路形成部材は、壁部と第1流路形成部材と間に設けられ、第1流路形成部材との間に前記冷却材が通過可能な第2流路を形成する。第1流路及び第2流路は、壁部によって囲まれた空間に開口する第1開口部及び第2開口部をそれぞれ有し、第1開口部及び第2開口部より下方側に設けられた第1連通部を介して互いに連通する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉格納容器の上部を少なくとも部分的に囲む壁部と、
前記上部に設けられた上面に沿って延び、前記上面との間に冷却材が通過可能な第1流路を形成する第1流路形成部材と
前記壁部と前記第1流路形成部材と間に設けられ、前記第1流路形成部材との間に前記冷却材が通過可能な第2流路を形成する第2流路形成部材と、
を備え、
前記第1流路及び前記第2流路は、前記壁部によって囲まれた空間に開口する第1開口部及び第2開口部をそれぞれ有し、前記第1開口部及び前記第2開口部より下方側に設けられた第1連通部を介して互いに連通する、原子炉格納容器冷却装置。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
前記第2開口部に前記冷却材が供給可能である、請求項1に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項3】
前記第2流路形成部材は、前記第1流路形成部材に沿って延びる、請求項1又は2に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項4】
前記第2流路形成部材と前記壁部との間に、前記第1流路又は前記第2流路から溢れた前記冷却材が貯留可能な貯留部が形成される、請求項1又は2に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項5】
前記第1流路形成部材は、前記第2流路形成部材より上端が高く設けられる、請求項4に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項6】
前記貯留部と前記第2流路とを連通する第2連通部と、
前記第2連通部に設けられ、前記貯留部から前記第2流路への前記冷却材の流れを許容する逆止弁と、
を備える、請求項4に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項7】
前記第2連通部は、前記第1連通部に対向するように設けられる、請求項6に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項8】
前記第1流路を少なくとも部分的に区画し、上下方向に沿って延びる第1リブを備える、請求項1又は2に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項9】
前記第1リブは、前記上面に立設される、請求項8に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項10】
前記第2流路を少なくとも部分的に区画し、上下方向に沿って延びる第2リブを備える、請求項1又は2に記載の原子炉格納容器冷却装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、原子炉格納容器冷却装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
原子炉を格納するための原子炉格納容器は、例えば事故や不具合によって高温になると、内部に存在する流体(例えば水等)が膨張して内圧が上昇し、場合によっては破裂などの損傷が発生するおそれがある。このような損傷を防止するために、従来の原子炉格納容器では、予め冷却設備を設置しておくことにより、必要に応じて原子炉格納容器を冷却し、損傷に至る事態を回避可能に対策がなされている。
【0003】
例えば特許文献1では、原子炉格納容器内で冷却に使用された流体を、原子炉格納容器の外部に設置された熱交換器で熱交換することにより冷却可能な冷却設備が開示されている。また特許文献2では、原子炉格納容器の下部に設けられた注水部から原子炉格納容器の内部に冷却水を注入することにより、原子炉格納容器を冷却可能な設備が開示されている。また特許文献3では、原子炉格納容器の上部に冷却水を貯留するスペースを確保し、当該スペースに貯留された冷却水を用いて原子炉格納容器の上部側を冷却可能な設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-77348号公報
特開2015-227830号公報
特開平2-122300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1~2に開示された冷却設備は、外部から供給される動力を用いて動作するため、例えばSBO(Station Breakout)のように、外部からの動力供給が停止してしまうと、原子炉格納容器の冷却が不能になってしまう。また特許文献1では、原子炉格納容器を貫く配管により原子炉格納容器内の流体を、原子炉格納容器外の熱交換器へ運んで崩壊熱除去を行うため、事故シナリオによっては、冷却水に含まれる放射物質が外部に流出するおそれがある。また特許文献2では、原子炉格納容器の下部に対する注水が側方から行われるため、静的作動により注水される冷却水が原子炉格納容器内の目標区画全体に好適に行き渡らないおそれがある。
【0006】
一方の特許文献3では、原子炉格納容器の上部に冷却水を貯留するスペースを確保し、当該スペースに貯留された冷却水を用いて原子炉格納容器の上部側を冷却することで、外部からの動力が必要な冷却設備が動作不能な場合においても、ある程度の冷却性能を確保できる可能性がある。しかしながら、SBOのような事態では、この冷却水の使用量も限られる場合が想定される。そのため、限られた冷却水で原子炉格納容器を効率的に冷却するための性能が求められる。
【0007】
また特許文献3では、十分な冷却性能を得るためには、原子炉格納容器の上部に十分な冷却水を貯留する必要がある。そのため、事故発生初期の段階では、原子炉格納容器の上部における冷却水の貯留量が少なく、十分な冷却性能を得ることができない。言い換えると、十分な冷却性能を得るためには、原子炉格納容器の上部に冷却水が十分に貯留されるまで待つ必要があり、事故発生初期における冷却性能が不足するおそれがある。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、少ない動力で事故発生初期段階から良好な冷却性能を得ることが可能な原子炉格納容器冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置は、上記課題を解決するために、
原子炉格納容器の上部を少なくとも部分的に囲む壁部と、
前記上部に設けられた上面に沿って延び、前記上面との間に冷却材が通過可能な第1流路を形成する第1流路形成部材と
前記壁部と前記第1流路形成部材と間に設けられ、前記第1流路形成部材との間に前記冷却材が通過可能な第2流路を形成する第2流路形成部材と、
を備え、
前記第1流路及び前記第2流路は、前記壁部によって囲まれた空間に開口する第1開口部及び第2開口部をそれぞれ有し、前記第1開口部及び前記第2開口部より下方側に設けられた第1連通部を介して互いに連通する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、少ない動力で事故発生初期段階から良好な冷却性能を得ることが可能な原子炉格納容器冷却装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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