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公開番号2024148757
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023062155
出願日2023-04-06
発明の名称水耕栽培装置
出願人個人
代理人個人
主分類A01G 31/00 20180101AFI20241010BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】培養液を貯留する外部タンクを設置せずとも、常に新鮮な培養液を供給できる水耕栽培装置を提供する。
【解決手段】水耕栽培装置10は、栽培容器11と内部循環装置12とを備える。栽培容器11は、両端が閉鎖された筒状の外周壁13を有し、内側に培養液を貯留する空間Kが形成されるとともに外周壁13に苗を保持する複数の苗保持部15を有する。内部循環装置12は、栽培容器11より小径の筒状で内側に培養液が流動する流路21を有する筒状部材19及び流路21に培養液を送出するポンプ装置20を有する。少なくとも筒状部材19が空間Kの内側で、軸方向に延在する向きでかつ空間Kに貯留した培養液中に配置され、培養液が、ポンプ装置20によって空間Kの軸方向の一方で吸入され、流路21を通って空間Kの軸方向の他方で吐出されることにより、苗保持部に保持された苗の根の近傍で流動する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
肥料を混合した培養液中に植物の苗の根を浸して栽培する水耕栽培装置であって、
両端が閉鎖された筒状の外周壁を有し内側に前記培養液を貯留する空間が形成されるとともに前記外周壁に前記苗を保持する複数の苗保持部を有する栽培容器と、
前記栽培容器より小径の筒状で内側に前記培養液が流動する流路を有する筒状部材及び前記流路に前記培養液を送出するポンプ装置を有する内部循環装置と、
を備え、
前記外周壁の中心軸の方向を軸方向として、
少なくとも前記筒状部材が、前記空間において前記軸方向に延在する向きでかつ前記培養液中に配置され、
前記ポンプ装置が、前記培養液を前記空間の前記軸方向の一方で吸入し、前記流路を通って前記空間の前記軸方向の他方で吐出することによって、前記苗保持部に保持された前記苗の根の近傍で前記培養液が流動することを特徴とする水耕栽培装置。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記筒状部材の前記軸方向の他方の端部は、前記複数の苗保持部より前記軸方向の他方に位置することを特徴とする請求項1に記載する水耕栽培装置。
【請求項3】
前記栽培容器は、前記複数の苗保持部より前記軸方向の一方に設置されて前記空間を前記軸方向に仕切るフィルター部材を備えており、
前記ポンプ装置は、前記培養液を、前記フィルター部材より前記軸方向の一方から吸入することを特徴とする請求項1に記載する水耕栽培装置。
【請求項4】
前記ポンプ装置が、前記フィルター部材より前記軸方向の一方の前記空間内に配置されることを特徴とする請求項3に記載する水耕栽培装置。
【請求項5】
前記空間の前記軸方向の一方で前記ポンプ装置の近傍において、電気伝導度を測定するECセンサを設置し測定した前記電気伝導度に応じて前記培養液に液肥を補給するとともに前記培養液に空気を供給することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載する水耕栽培装置。
【請求項6】
前記栽培容器が遮光性の材料で製造されていることを特徴とする請求項5に記載する水耕栽培装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜などの植物を水耕栽培するための水耕栽培装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
水耕栽培は、固形の培地を必要としない植物の栽培方法であり、水耕栽培装置を用いて、培養液から直接養分を吸収して植物を生育させる栽培方法である。
図6は、従来の水耕栽培装置(第1水耕栽培装置80)の軸方向断面図である(特許文献1参照)。
第1水耕栽培装置80は、3台の栽培容器81と各栽培容器81に培養液Gを送るポンプ装置82を備えている。各栽培容器81は、培養液Gを貯留して、根Qが培養液G中に浸された状態で苗Pを保持している。各栽培容器81は、それぞれ培養液Gが流入する給水管83と、所定の貯水量を越えて供給された培養液Gを排出する排水管84とを備えている。各栽培容器81は、鉛直方向に並べて配置されており、多くの苗Pを同時に栽培するようになっている。
培養液Gは栽培容器81と別に設置した外部タンク85に貯留されており、ポンプ装置82によって最上段の栽培容器81に送液される。その後、培養液Gは、中段及び下段の栽培容器81を経由して外部タンク85に還流し、再びポンプ装置82によって最上段の栽培容器81に向けて送り出される。
【0003】
図7は、従来の他の形態の水耕栽培装置(第2水耕栽培装置90)の構成を示す模式図である(特許文献2参照)。
この第2水耕栽培装置90では、特許文献1と同様の栽培容器81を備えるとともに、培養液Gを貯留する外部タンク85を備えている。外部タンク85には、培養液GのpHを測定するpHセンサ91、電気伝導度センサ92、培養液Gの水位を測定する水位センサ93が組み込まれており、各センサ91、92、93の信号に基づいて培養液Gの濃度等が調整される。栽培容器81と外部タンク85は、栽培容器81に培養液Gを供給する給水管83と、使用した培養液Gを外部タンク85に還流する排水管84とで連結されており、濃度等が調整された培養液Gは、ポンプ装置82によって栽培容器81に送り出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-96567号公報
特開平03-292823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の水耕栽培装置は、図6、図7に例示したように、栽培容器81とは別に培養液Gを貯留する外部タンク85を設置して、ポンプ装置82によって培養液Gを栽培容器81に供給している。しかしながら、このように外部タンク85を設置すると、栽培容器81と外部タンク85の間のスペースや、外部タンク85と栽培容器81をつなぐ配管を設置するためのスペースが必要となり、栽培容器81の設置スペースが縮小されるため、同時に栽培できる苗Pの数が少なくなるという問題がある。
また、給水管83や排水管84と、栽培容器81ならびに外部タンク85との接続部から液漏れを生じ、設備や環境を汚染する、さらには、配管部から入る光により培養液G中に藻が発生して水質を悪化させる恐れがあった。
【0006】
更に、植物の生育を補助するために生育状態に応じて各栽培容器81の配置を変更することが望ましいのであるが、配置を変えようとすると、栽培容器81につながる給水管83や排水管84をすべて外す必要があり、作業が煩雑になる。このため、栽培容器81の適切な配置変更がやりにくいという問題があった。
【0007】
上記のような事情に鑑み、本発明は、培養液を貯留する外部タンクを設置せずとも、常に培養液を循環して供給できる水耕栽培装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の形態は、肥料を混合した培養液中に植物の苗の根を浸して栽培する水耕栽培装置であって、両端が閉鎖された筒状の外周壁を有し内側に前記培養液を貯留する空間が形成されるとともに前記外周壁に前記苗を保持する複数の苗保持部を有する栽培容器と、前記栽培容器より小径の筒状で内側に前記培養液が流動する流路を有する筒状部材及び前記流路に前記培養液を送出するポンプ装置を有する内部循環装置と、を備え、前記外周壁の中心軸の方向を軸方向として、少なくとも前記筒状部材が、前記空間において前記軸方向に延在する向きでかつ前記培養液中に配置され、前記ポンプ装置が、前記培養液を前記空間の前記軸方向の一方で吸入し、前記流路を通って前記空間の前記軸方向の他方で吐出することによって、前記苗保持部に保持された前記苗の根の近傍で前記培養液が流動することを特徴としている。
【0009】
本発明の第2の形態は、第1の形態の水耕栽培装置であって、前記筒状部材の前記軸方向の他方の端部は、前記複数の苗保持部より前記軸方向の他方に位置することを特徴としている。
【0010】
本発明の第3の形態は、第1の形態の水耕栽培装置であって、前記栽培容器は、前記複数の苗保持部より前記軸方向の一方に設置されて前記空間を前記軸方向に仕切るフィルター部材を備えており、前記ポンプ装置は、前記培養液を、前記フィルター部材より前記軸方向の一方から吸入することを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)

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