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公開番号2024166562
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023082741
出願日2023-05-19
発明の名称姿勢制御装置、姿勢制御方法、およびプログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B66C 13/08 20060101AFI20241122BHJP(巻上装置;揚重装置;牽引装置)
要約【課題】クレーンに装置自身の重量が付加されることを抑制しつつ、吊荷の振れや回転を制御することができる姿勢制御装置を提供する。
【解決手段】クレーンの吊荷の姿勢制御装置は、前記吊荷を保持する吊荷保持部と、前記吊荷保持部に取り付けられ、鉛直方向に延びる回転軸回りに羽根を回転させて鉛直方向の下方に向かう気流を発生させる推進器と、前記推進器が発生させた前記気流を転向させる転向部と、前記転向部の向きを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記吊荷の回転の有無を検出する回転検出部と、前記気流の流れ方向が前記吊荷の回転方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する回転制御部と、前記吊荷の水平方向への揺れの有無を検出する横揺れ検出部と、前記気流の流れ方向が前記吊荷の揺れ方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する横揺れ制御部と、を有する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
クレーンの吊荷の姿勢制御装置であって、
前記吊荷を保持する吊荷保持部と、
前記吊荷保持部に取り付けられ、鉛直方向に延びる回転軸回りに羽根を回転させて鉛直方向の下方に向かう気流を発生させる推進器と、
前記推進器が発生させた前記気流を転向させる転向部と、
前記転向部の向きを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記吊荷の回転の有無を検出する回転検出部と、
前記吊荷の回転が検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の回転方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する回転制御部と、
前記吊荷の水平方向への揺れの有無を検出する横揺れ検出部と、
前記吊荷の揺れが検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の揺れ方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する横揺れ制御部と、
を有する姿勢制御装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記制御部は、ジャイロセンサと、磁気センサまたはカメラである第1補助センサとをさらに有し、
前記回転検出部は、前記ジャイロセンサの計測値に基づいて前記吊荷の目標姿勢に対する方位偏差を算出するとともに、前記第1補助センサの計測値に基づいて前記方位偏差を補正する、
請求項1に記載の姿勢制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、加速度センサと、測位センサ、測距センサ、またはカメラである第2補助センサとをさらに有し、
前記横揺れ検出部は、前記加速度センサの計測値に基づいて前記吊荷の目標姿勢に対する位置誤差を算出するとともに、前記第2補助センサの計測値に基づいて前記位置誤差を補正する、
請求項1に記載の姿勢制御装置。
【請求項4】
前記推進器の鉛直方向の下端に接続され、前記推進器を前記吊荷保持部の上部に支持するマニホールドをさらに備え、
前記吊荷保持部は、前記吊荷を吊り下げて保持する矩形の部材であって、四方の各辺に少なくとも1つずつ鉛直方向に貫通する孔が形成されており、
前記マニホールドは、前記推進器が発生させた前記気流を異なる複数の方向に分流させて、前記孔それぞれに導入し、
前記転向部は、前記吊荷保持部の前記孔の出口に設けられる、
請求項1に記載の姿勢制御装置。
【請求項5】
前記吊荷保持部は、前記吊荷を吊り下げて保持する矩形の部材、または前記吊荷を内部に収容して保持する直方体形状のコンテナであり、
前記推進器は、前記吊荷保持部の四方の外側面それぞれに少なくとも1つずつ取り付けられ、
前記転向部は、前記推進器の鉛直方向の下方に1つずつ設けられる、
請求項1に記載の姿勢制御装置。
【請求項6】
前記転向部は、水平方向に延びる回転軸回りに回動可能であり、鉛直方向の下方に向かって広がる板状に形成された板状部を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の姿勢制御装置。
【請求項7】
前記転向部は、前記気流が噴出する向きを変更可能なノズルを有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の姿勢制御装置。
【請求項8】
クレーンの吊荷の姿勢制御装置であって、
鉛直方向に延びる回転軸回りに羽根を回転させて鉛直方向の下方に向かう気流を発生させる推進器と、
前記吊荷に前記推進器を着脱可能に固定する固定治具と、
前記推進器が発生させた前記気流を転向させる転向部と、
前記転向部の向きを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記吊荷の回転の有無を検出する回転検出部と、
前記吊荷の回転が検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の回転方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する回転制御部と、
前記吊荷の水平方向への揺れの有無を検出する横揺れ検出部と、
前記吊荷の揺れが検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の揺れ方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する横揺れ制御部と、
を有する姿勢制御装置。
【請求項9】
クレーンの吊荷を保持する吊荷保持部と、前記吊荷保持部に取り付けられ、鉛直方向に延びる回転軸回りに羽根を回転させて鉛直方向の下方に向かう気流を発生させる推進器と、前記推進器が発生させた前記気流を転向させる転向部と、前記転向部の向きを制御する制御部と、を備える姿勢制御装置を用いた前記吊荷の姿勢制御方法であって、
前記姿勢制御装置が前記吊荷の回転の有無を検出するステップと、
前記吊荷の回転が検出された場合に、前記姿勢制御装置が前記気流の流れ方向が前記吊荷の回転方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更するステップと、
前記姿勢制御装置が前記吊荷の水平方向への揺れの有無を検出するステップと、
前記吊荷の揺れが検出された場合に、前記姿勢制御装置が前記気流の流れ方向が前記吊荷の揺れ方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更するステップと、
を有する姿勢制御方法。
【請求項10】
クレーンの吊荷を保持する吊荷保持部と、前記吊荷保持部に取り付けられ、鉛直方向に延びる回転軸回りに羽根を回転させて鉛直方向の下方に向かう気流を発生させる推進器と、前記推進器が発生させた前記気流を転向させる転向部と、前記転向部の向きを制御する制御部と、を備える姿勢制御装置に、
前記吊荷の回転の有無を検出するステップと、
前記吊荷の回転が検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の回転方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更するステップと、
前記吊荷の水平方向への揺れの有無を検出するステップと、
前記吊荷の揺れが検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の揺れ方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更するステップと、
を実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、姿勢制御装置、姿勢制御方法、およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
クレーンで吊り下げた吊荷を旋回させるときや、風が発生したときには吊荷の振れが発生する。作業員は、吊荷に取り付けた介錯ロープを引っ張って吊荷の振れを抑制する必要がある。しかしながら、吊荷の振れが始まると、作業員の人力により吊荷を静止させて適切な位置に移動させる手法は時間や手間がかかる。また、突風などにより吊荷が大きく振れた場合は、吊荷が作業員に接触する可能性がある。
【0003】
そこで、吊荷の振れを自動的に抑制する手法が考えられている。たとえば特許文献1には、クレーンから姿勢制御装置を介して吊荷を吊り下げ、姿勢制御装置がスラスタで水平方向に推力を発生させることによって吊荷の振れを抑制する技術が記載されている。また、特許文献2には、ジャイロ効果により吊荷の回転を抑制する姿勢制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-94983号公報
特開2019-151470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の姿勢制御装置では、装置自体の重量がクレーンに付加されるため、その分クレーンが吊り下げ可能な吊荷の重量が制約される。また、ジャイロ効果を利用した姿勢制御装置は、フライホイール等を搭載することで装置自体の重量が重くなり、また、吊荷の回転に対する制動力が小さい。
【0006】
本開示の目的は、クレーンに装置自身の重量が付加されることを抑制しつつ、吊荷の振れや回転を制御することができる姿勢制御装置、姿勢制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、姿勢制御装置は、クレーンの吊荷の姿勢制御装置であって、前記吊荷を保持する吊荷保持部と、前記吊荷保持部に取り付けられ、鉛直方向に延びる回転軸回りに羽根を回転させて鉛直方向の下方に向かう気流を発生させる推進器と、前記推進器が発生させた前記気流を転向させる転向部と、前記転向部の向きを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記吊荷の回転の有無を検出する回転検出部と、前記吊荷の回転が検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の回転方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する回転制御部と、前記吊荷の水平方向への揺れの有無を検出する横揺れ検出部と、前記吊荷の揺れが検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の揺れ方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する横揺れ制御部と、を有する。
【0008】
本開示の一態様によれば、姿勢制御装置は、クレーンの吊荷の姿勢制御装置であって、鉛直方向に延びる回転軸回りに羽根を回転させて鉛直方向の下方に向かう気流を発生させる推進器と、前記吊荷に前記推進器を着脱可能に固定する固定治具と、前記推進器が発生させた前記気流を転向させる転向部と、前記転向部の向きを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記吊荷の回転の有無を検出する回転検出部と、前記吊荷の回転が検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の回転方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する回転制御部と、前記吊荷の水平方向への揺れの有無を検出する横揺れ検出部と、前記吊荷の揺れが検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の揺れ方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更する横揺れ制御部と、を有する。
【0009】
本開示の一態様によれば、姿勢制御方法は、クレーンの吊荷を保持する吊荷保持部と、前記吊荷保持部に取り付けられ、鉛直方向に延びる回転軸回りに羽根を回転させて鉛直方向の下方に向かう気流を発生させる推進器と、前記推進器が発生させた前記気流を転向させる転向部と、前記転向部の向きを制御する制御部と、を備える姿勢制御装置を用いた前記吊荷の姿勢制御方法であって、前記姿勢制御装置が前記吊荷の回転の有無を検出するステップと、前記吊荷の回転が検出された場合に、前記姿勢制御装置が前記気流の流れ方向が前記吊荷の回転方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更するステップと、前記姿勢制御装置が前記吊荷の水平方向への揺れの有無を検出するステップと、前記吊荷の揺れが検出された場合に、前記姿勢制御装置が前記気流の流れ方向が前記吊荷の揺れ方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更するステップと、を有する。
【0010】
本開示の一態様によれば、プログラムは、クレーンの吊荷を保持する吊荷保持部と、前記吊荷保持部に取り付けられ、鉛直方向に延びる回転軸回りに羽根を回転させて鉛直方向の下方に向かう気流を発生させる推進器と、前記推進器が発生させた前記気流を転向させる転向部と、前記転向部の向きを制御する制御部と、を備える姿勢制御装置に、前記吊荷の回転の有無を検出するステップと、前記吊荷の回転が検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の回転方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更するステップと、前記吊荷の水平方向への揺れの有無を検出するステップと、前記吊荷の揺れが検出された場合に、前記気流の流れ方向が前記吊荷の揺れ方向の前方側に傾くように前記転向部の向きを変更するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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