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公開番号2024165330
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081443
出願日2023-05-17
発明の名称ボールねじの落下防止装置
出願人THK株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 25/22 20060101AFI20241121BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】
ボールの喪失に伴ってねじ軸とナット部材の螺合状態が意図せずして解除されてしまった場合であっても、ナット部材がねじ軸の軸方向へ落下するのを確実に防止することが可能なボールねじの落下防止装置を提供する。
【解決手段】
ねじ軸の外周面に面した制動面を有すると共に、当該制動面には前記ねじ軸の転動溝に遊嵌する係合凸部が形成されたブレーキシューと、ナット部材の軸方向端面に装着されると共に前記ブレーキシューを収容するガイド溝が形成されたハウジング部材と、を備え、前記ガイド溝は前記ねじ軸と前記ナット部材の軸方向への相対的変位に応じて前記ブレーキシューを当該ガイド溝の内部で初期位置又は制動位置に設定する傾斜面を含み、前記ブレーキシユーが前記ガイド溝内で前記初期位置から前記制動位置に変位すると、当該ブレーキシューが前記ねじ軸に向けて押圧され、前記制動面が前記ねじ軸に圧接する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
ボールねじにおけるナット部材の落下防止装置であって、
前記ボールねじは、ボールの転動溝が螺旋状に形成されたねじ軸と、前記転動溝を転動する多数ボールを介して前記ねじ軸に螺合したナット部材と、を備え、
前記落下防止装置は、
前記ねじ軸の外周面に面した制動面を有すると共に、当該制動面には前記ねじ軸の転動溝に遊嵌する係合凸部が形成されたブレーキシューと、
前記ナット部材の軸方向端面に設けられると共に前記ブレーキシューを収容するガイド溝が形成されたハウジング部材と、を備え、
前記ガイド溝は前記ねじ軸と前記ナット部材の軸方向への相対的変位に応じて前記ブレーキシューを当該ガイド溝の内部で初期位置又は制動位置に設定する傾斜面を含み、
前記ブレーキシユーが前記ガイド溝内で前記初期位置から前記制動位置に変位すると、当該ブレーキシューが前記ねじ軸に向けて押圧され、前記制動面が前記ねじ軸に圧接することを特徴とする落下防止装置。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記ハウジング部材は前記ナット部材と一体に設けられて、前記ガイド溝が前記ナット部材の軸方向端部に形成されていることを特徴とする請求項1記載の落下防止装置。
【請求項3】
前記ブレーキシューは前記ねじ軸が挿通される貫通孔を有してリング状に形成されると共に、少なくとも周方向の一か所には当該リングを分断するスリットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の落下防止装置。
【請求項4】
前記ブレーキシューを初期位置に仮保持する抑え部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の落下防止装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールを介してねじ軸とナット部材が螺合したボールねじにおいて、ボール喪失時にナット部材がねじ軸に沿って落下するのを自動的に制動する落下防止装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ボールねじは回転運動と直線運動を相互に変換することが可能な機械要素であり、各種工作機械、搬送装置、産業用ロボット等において、サーボモータが発生する回転運動を直線運動に変換する目的で多用されている。前記ボールねじは多数のボールを介してねじ軸と円筒状のナット部材が互いに螺合したものであり、前記ねじ軸の外周面には前記ボールが転走する螺旋状の転動溝が所定のリードで形成されている。
【0003】
前記ナット部材には前記多数のボールが配列された無限循環路が形成されており、個々のボールは前記ねじ軸と前記ナット部材との相対的な回転に伴って前記無限循環路を転動する。この無限循環路はナット部材に対して循環パイプやデフレクタ等の循環部品を装着することによって構成されている。前記循環部品は前記ナット部材に対して強固に固定されているが、例えば外力などによって前記循環部品が破損又は脱落すると、前記多数のボールが前記無限循環路から抜け落ちて、前記ねじ軸と前記ナット部材の螺合が解かれてしまう懸念があった。その際、ねじ軸が鉛直方向に沿って配置されていると、前記ナット部材がこれに固定された機械装置と一緒に前記ねじ軸に沿って落下してしまい、予期せぬ事故に繋がる虞があった。
【0004】
このような事故の発生を未然に防ぐ手段として、特許文献1は前記ナット部材の軸方向端面に装着する制動リングを開示している。この制動リングは、先端が前記ねじ軸のねじ溝に所定の間隙を保って挿入される係止ポールと、前記ねじ軸のランドに所定の間隙を保って対向する係止面とを備えている。仮に、多数のボールの喪失によって前記ねじ軸と前記ナット部材の螺合が解かれ、当該ナット部材がねじ軸に沿って落下しそうになると、前記係止ポールの先端が雄ねじ溝に接触することで、当該ナット部材がねじ軸の半径方向へわずかに移動することになる。これにより、前記制動リングの係止面が前記ねじ軸のランドに圧接し、前記ナット部材の落下が未然に防止されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-015213
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の制動リングでは、前記ねじ軸の回転に伴って前記係止ポールが雄ねじ溝の内部を移動してしまうと、前記係止面がねじ軸のランドに圧接していても、前記ナット部材が当該ねじ軸に沿って落下してしまう懸念があった。
【0007】
また、前記ナット部材に対して前記ねじ軸との隙間を密封する接触式シール部材が装着されている場合には、前記係止ポールが雄ねじ溝に接触したとしても、前記ナット部材がねじ軸の半径方向へわずかにしか変位せず、結果として前記係止面とねじ軸のランドの接触面圧が十分に発生しないので、ナット部材の落下を防止できない懸念もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ボールの喪失に伴ってねじ軸とナット部材の螺合状態が意図せずして解除されてしまった場合であっても、ナット部材がねじ軸の軸方向へ落下するのを確実に防止することが可能なボールねじの落下防止装置を提供することにある。
【0009】
本発明が適用されるボールねじは、ボールの転動溝が螺旋状に形成されたねじ軸と、前記転動溝を転動する多数のボールを介して前記ねじ軸に螺合したナット部材と、を備えている。本発明の落下防止装置は前記ナット部材が前記ねじ軸に沿って意図せずして落下するのを防止するものであり、前記ねじ軸の外周面に面した制動面を有すると共に、当該制動面には前記ねじ軸の転動溝に遊嵌する係合凸部が形成されたブレーキシューと、前記ナット部材の軸方向端面に設けられると共に前記ブレーキシューを収容するガイド溝が形成されたハウジング部材と、を備えている。また、前記ガイド溝は前記ねじ軸と前記ナット部材の軸方向への相対的変位に応じて前記ブレーキシューを当該ガイド溝の内部で初期位置又は制動位置に設定する傾斜面を含み、前記ブレーキシユーが前記ガイド溝内で前記初期位置から前記制動位置に変位すると、当該ブレーキシューが前記ねじ軸に向けて押圧され、前記制動面が前記ねじ軸に圧接するように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
このような本発明によれば、ボールの喪失に伴って前記ナット部材が自重によって前記ねじ軸の軸方向へ落下しそうになると、前記ブレーキシューの制動面に設けられた係合凸部が前記ねじ軸の転動溝と干渉し、当該ブレーキシューが前記ハウジング部材のガイド溝の内部で初期位置から制動位置へ変位し、これに伴ってブレーキシューの制動面が前記ねじ軸に圧接する。すなわち、前記ナット部材が意図せずしてねじ軸の軸方向へ落下しそうになると、前記ブレーキシューが前記ねじ軸を締め付け、これによってナット部材の落下を自動的に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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