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公開番号2024164536
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080092
出願日2023-05-15
発明の名称巻上機構、時計用ムーブメントおよび時計
出願人セイコーウオッチ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G04B 5/14 20060101AFI20241120BHJP(時計)
要約【課題】ぜんまいの巻き上げ効率の向上を図ることができる巻上機構を提供する。
【解決手段】巻上機構27は、ぜんまいを巻き上げる際に一方向に回転されるラチェット歯車71と、多角形状のカム面61、および軸方向に延びる回転軸線Cを有し、回転錘と同期回転する多角形カム60と、多角形カム60が相対回転可能に挿通される窓84が形成され、窓84の壁面85の少なくとも一部がカム面61に摺接し、多角形カム60の回転によって軸方向に直交する第1方向に沿ってラチェット歯車71に接近離間する基部81と、基部81からラチェット歯車71側に延び、基部81がラチェット歯車71から離間する際にラチェット歯71aに係合する引き爪88を有する引きレバー82と、基部81からラチェット歯車71側に延び、基部81がラチェット歯車71に接近する際にラチェット歯71aに係合する押し爪89を有する押しレバー83と、を備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
ぜんまいを巻き上げる際に一方向に回転されるラチェット歯車と、
多角形状のカム面、および軸方向に延びる回転軸線を有し、回転錘と同期回転する多角形カムと、
前記多角形カムが相対回転可能に挿通される窓が形成され、前記窓の壁面の少なくとも一部が前記カム面に摺接し、前記多角形カムの回転によって前記軸方向に直交する第1方向に沿って前記ラチェット歯車に接近離間する基部と、
前記基部から前記ラチェット歯車側に延び、前記基部が前記ラチェット歯車に接近する際に前記ラチェット歯車のラチェット歯を乗り越えるとともに、前記基部が前記ラチェット歯車から離間する際に前記ラチェット歯に係合する引き爪を有する引きレバーと、
前記基部から前記ラチェット歯車側に延び、前記基部が前記ラチェット歯車に接近する際に前記ラチェット歯に係合するとともに、前記基部が前記ラチェット歯車から離間する際に前記ラチェット歯を乗り越える押し爪を有する押しレバーと、
を備える巻上機構。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記壁面は、前記軸方向から見て前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びるとともに前記多角形カムを挟むように形成され、前記カム面に摺接する一対の摺接面を有する、
請求項1に記載の巻上機構。
【請求項3】
前記カム面は、ルーローの多角形状に形成されている、
請求項2に記載の巻上機構。
【請求項4】
前記壁面は、前記第1方向に沿って延びるとともに前記多角形カムを挟むように形成され、前記カム面に摺接する一対の側面を有する、
請求項3に記載の巻上機構。
【請求項5】
前記壁面は、前記多角形カムに対して前記軸方向から見て前記第1方向に直交する第2方向の両側に設けられ、前記カム面に対して非接触とされた一対の側面を有する、
請求項1または請求項2に記載の巻上機構。
【請求項6】
前記回転錘の回転を減速または増速して前記多角形カムに伝達する伝達部をさらに備える請求項1または請求項2に記載の巻上機構。
【請求項7】
前記多角形カムの前記回転軸線は、前記軸方向から見て前記カム面をなす多角形の重心と一致する、
請求項1または請求項2に記載の巻上機構。
【請求項8】
前記多角形カムの前記回転軸線は、前記軸方向から見て前記カム面をなす多角形の重心に対し、前記多角形の一の辺寄りに偏心している、
請求項1または請求項2に記載の巻上機構。
【請求項9】
前記押しレバーは、前記基部が前記ラチェット歯車に接近する際に前記ラチェット歯車を前記ラチェット歯の1歯以上5歯以下に対応する角度回転させ、
前記引きレバーは、前記基部が前記ラチェット歯車に離間する際に前記ラチェット歯車を前記ラチェット歯の1歯以上5歯以下に対応する角度回転させる、
請求項1または請求項2に記載の巻上機構。
【請求項10】
請求項1に記載の巻上機構を備える時計用ムーブメント。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、巻上機構、時計用ムーブメントおよび時計に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
機械式時計では、動力源であるぜんまいを巻き上げる機構として、ぜんまいを巻き上げるべく一方向に回転されるラチェット歯車と、ラチェット歯車のラチェット歯に係合する引き爪および押し爪を備えた引きレバーおよび押しレバーを二又状に持つ爪レバーとを有する機構が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この種のラチェット歯車を有する巻上機構は、爪レバーの基部が偏心軸に嵌合されて偏心回転される際の偏心運動を引き爪および押し爪によるラチェット歯車の一方向回転に変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実公昭46-037024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の巻上機構では、偏心軸の1回転で爪レバーが1往復するだけなので、ラチェット歯車の回転効率が低く、ぜんまいの巻き上げ効率に改善の余地がある。
【0005】
そこで本発明は、ぜんまいの巻き上げ効率の向上を図ることができる巻上機構、並びにその巻上機構を備えた時計用ムーブメントおよび時計を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る巻上機構は、ぜんまいを巻き上げる際に一方向に回転されるラチェット歯車と、多角形状のカム面、および軸方向に延びる回転軸線を有し、回転錘と同期回転する多角形カムと、前記多角形カムが相対回転可能に挿通される窓が形成され、前記窓の壁面の少なくとも一部が前記カム面に摺接し、前記多角形カムの回転によって前記軸方向に直交する第1方向に沿って前記ラチェット歯車に接近離間する基部と、前記基部から前記ラチェット歯車側に延び、前記基部が前記ラチェット歯車に接近する際に前記ラチェット歯車のラチェット歯を乗り越えるとともに、前記基部が前記ラチェット歯車から離間する際に前記ラチェット歯に係合する引き爪を有する引きレバーと、前記基部から前記ラチェット歯車側に延び、前記基部が前記ラチェット歯車に接近する際に前記ラチェット歯に係合するとともに、前記基部が前記ラチェット歯車から離間する際に前記ラチェット歯を乗り越える押し爪を有する押しレバーと、を備える。
【0007】
第1の態様によれば、基部がラチェット歯車に接近離間するように1往復する毎に、ラチェット歯に係合する引きレバーおよび押しレバーそれぞれが1往復し、ラチェット歯車を一方向に回転させてぜんまいを巻き上げる。ここで基部は、多角形カムが相対回転可能に挿通されて摺接する窓を有しているので、多角形カムが1回転する毎にカム面をなす多角形の頂点の数だけラチェット歯車に接近離間する。このため、従来の偏心軸の1回転で爪レバーが1往復だけする構成と比較して、ラチェット歯車の回転効率を向上させて、ぜんまいを効率よく巻き上げることができる。したがって、ぜんまいの巻き上げ効率の向上を図ることが可能な巻上機構を提供できる。
【0008】
ところで、巻上機構は、基部がラチェット歯車側に最も接近する状態、およびラチェット歯車から最も離間する状態に、回転錘の回転に応じて基部がラチェット歯車に接近離間しない死点を持つ。引きレバーおよび押しレバーは、死点を含む所定の動作範囲でラチェット歯車を一方向に回転させることができない。第1の態様によれば、従来の偏心軸の1回転で爪レバーが1往復だけする構成と比較して、回転錘の所定角度の回転に対して引きレバーおよび押しレバーを長距離動作させるので、死点周辺でラチェット歯車が回転しない回転錘の回転角度範囲を小さくすることができる。したがって、回転錘の微小な揺動でもぜんまいを巻き上げることが可能となる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る巻上機構は、上記第1の態様に係る巻上機構において、前記壁面は、前記軸方向から見て前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びるとともに前記多角形カムを挟むように形成され、前記カム面に摺接する一対の摺接面を有していてもよい。
【0010】
第2の態様によれば、一対の摺接面のうちラチェット歯車寄りの一方の摺接面にカム面の頂点が摺接して多角形カムの回転軸線から一方の摺接面を遠ざける際に基部をラチェット歯車に接近させ、他方の摺接面にカム面の頂点が摺接して多角形カムの回転軸線から他方の摺接面を遠ざける際に基部をラチェット歯車から離間させることができる。したがって、多角形カムを1回転させる毎に、カム面をなす多角形の頂点の数だけ基部をラチェット歯車に接近離間させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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