特許ウォッチ

公開番号2025002810
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023103170
出願日2023-06-23
発明の名称電子時計
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G04C 3/00 20060101AFI20241226BHJP(時計)
要約【課題】針位置検出機構を有し、ほぞ枠で指針軸を軸支でき、かつ、時計サイズの大型化を抑制できる電子時計を提供する。
【解決手段】電子時計は、第1および第2の素子を備える光センサーと、指針軸と、指針軸を中心に回転し、第1および第2の素子間に配置され、第1の素子または第2の素子から出力される検出光を透過可能な検出孔が設けられる検出歯車と、金属製のほぞ枠が組み込まれ、ほぞ枠を介して指針軸を軸支する輪列受と、を備える。輪列受は、ほぞ枠が組み込まれる第1の開口と、第2の開口とを備える。第2の素子は、平面視で第2の開口に対応する位置に配置され、第2の素子の中心と指針軸の軸中心との間の第2の距離は、第1の素子の中心と軸中心との間の第1の距離より大きく、第1の素子または第2の素子のうち、受光機能を備える素子は、検出歯車の検出孔および第2の開口を透過した検出光を受光可能である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
発光機能または受光機能の一方の機能を備える第１の素子と、前記発光機能または前記受光機能の他方の機能を備える第２の素子とを備える光センサーと、
指針が取り付けられる指針軸と、
前記第１の素子および前記第２の素子の間に配置され、前記指針軸を中心に回転し、前記第１の素子または前記第２の素子から出力される検出光を透過可能な検出孔が設けられる検出歯車と、
金属製のほぞ枠が組み込まれ、前記ほぞ枠を介して前記指針軸を軸支する輪列受と、
を備え、
前記輪列受は、
前記ほぞ枠が組み込まれる第１の開口と、
前記第１の開口とブリッジ部を挟んで配置される第２の開口と、を備え、
前記第２の素子は、前記指針軸の軸方向から見た平面視で前記第２の開口に対応する位置に配置され、
前記平面視で、前記第２の素子の中心と前記指針軸の軸中心との間の第２の距離は、前記第１の素子の中心と前記軸中心との間の第１の距離より大きく、
前記第１の素子または前記第２の素子のうち、前記受光機能を備える素子は、前記検出歯車の前記検出孔および前記第２の開口を透過した前記検出光を受光可能である
ことを特徴とする電子時計。
続きを表示（約 450 文字）【請求項２】
請求項１に記載の電子時計において、
前記第１の素子は前記発光機能を備える発光素子であり、
前記第２の素子は前記受光機能を備える受光素子であり、
前記発光素子は、前記平面視で、前記検出歯車の検出孔内に配置され、かつ、前記受光素子の受光エリア内に配置されている
ことを特徴とする電子時計。
【請求項３】
請求項１に記載の電子時計において、
前記第２の距離をＬ２とし、前記第１の距離をＬ１とした場合、Ｌ２－Ｌ１は０．１０ｍｍ以上、０．２０ｍｍ以下である
ことを特徴とする電子時計。
【請求項４】
請求項１に記載の電子時計において、
前記ブリッジ部の幅寸法は、０．２５ｍｍ以上である
ことを特徴とする電子時計。
【請求項５】
請求項１に記載の電子時計において、
前記指針は分針であり、
前記検出歯車は、前記分針を駆動する歯車である
ことを特徴とする電子時計。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、針位置検出機構を備える電子時計に関する。
続きを表示（約 2,500 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、時分針の位置を検出する針位置検出機構を備えた電子時計が開示されている。針位置検出機構は、発光素子および受光素子からなる光センサーを備える。発光素子は、地板の文字板側に配置された回路基板に実装され、受光素子は、輪列受の裏蓋側に配置された回路基板に実装されている。そして、分針が取り付けられる二番車、時針が取り付けられる筒車等には、時分針が基準位置に位置する場合に光センサーで検出可能な検出孔が設けられ、発光素子からの光は、地板に形成された開口から、二番車や筒車に形成された検出孔および輪列受に形成された開口を介して受光素子で受光されることで、時分針が基準位置に移動したことを検出可能に構成されている。
【０００３】
電子時計では、文字板サイズの拡大や、指針のデザイン性のために、従来に比べて、太さや長さが大きい重い針が用いられる場合がある。このような比較的重い針を指針軸に取り付ける場合、針取付部の固定力を高めるため、針を指針軸に取り付ける際の押し込み力も高める必要がある。
針の押し込み力を高める場合は、特許文献２のように、樹脂材料で形成された輪列受に形成された軸受孔に、金属製のほぞ枠を嵌合し、ほぞ枠に形成された貫通孔に、指針軸の軸部を挿通して軸支することで、樹脂製の輪列受であっても針の押し込みに耐えられるような構造を採用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１０－２１７０１５号公報
特開２０１５－８１８６６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、ほぞ枠を用いて指針軸を軸支する電子時計において、特許文献１のように、針位置検出機構を設けようとすると、輪列受に、針位置検出用の開口と、ほぞ枠用の開口とを形成する必要がある。これらの各開口が近接して配置されると、開口間の肉厚が小さくなり、輪列受にほぞ枠を打ち込む時に割れが発生したり、ほぞ枠の固定力低下に伴い耐衝撃性の確保が困難になる。
また、各開口間の肉厚を大きくするために、針位置検出機構の発光素子や受光素子を指針軸から離して配置することも考えられる。この場合、二番車や筒車などの検出孔も指針軸から離して形成する必要があり、そのため各歯車の直径も大きくする必要があり、時計が大型化するという新たな課題が発生する。
このため、針位置検出機構を有する電子時計において、ほぞ枠で指針軸を軸支でき、かつ、時計サイズの大型化を抑制できる構造が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示の電子時計は、発光機能または受光機能の一方の機能を備える第１の素子と、前記発光機能または前記受光機能の他方の機能を備える第２の素子とを備える光センサーと、指針が取り付けられる指針軸と、前記第１の素子および前記第２の素子の間に配置され、前記指針軸を中心に回転し、前記第１の素子または前記第２の素子から出力される検出光を透過可能な検出孔が設けられる検出歯車と、金属製のほぞ枠が組み込まれ、前記ほぞ枠を介して前記指針軸を軸支する輪列受と、を備え、前記輪列受は、前記ほぞ枠が組み込まれる第１の開口と、前記第１の開口とブリッジ部を挟んで配置される第２の開口と、を備え、前記第２の素子は、前記指針軸の軸方向から見た平面視で前記第２の開口に対応する位置に配置され、前記平面視で、前記第２の素子の中心と前記指針軸の軸中心との間の第２の距離は、前記第１の素子の中心と前記軸中心との間の第１の距離より大きく、前記第１の素子または前記第２の素子のうち、前記受光機能を備える素子は、前記検出歯車の前記検出孔および前記第２の開口を透過した前記検出光を受光可能であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
実施形態の電子時計を示す平面図である。
前記電子時計の針位置検出機構の要部を示す断面図である。
前記電子時計の針位置検出機構の要部を示す分解斜視図である。
前記電子時計の分針駆動機構を示す平面図である。
前記電子時計のほぞ枠の固定構造を示す分解斜視図である。
前記電子時計のほぞ枠および治具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
以下、本開示の実施形態の電子時計１を図面に基づいて説明する。
電子時計１は、図１に示すように、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、外装ケース２と、円板状の文字板３と、指針である時針４、分針５、秒針６と、日車７と、りゅうず８およびボタン９Ａ、９Ｂとを備える。
【０００９】
電子時計１の外装ケース２内には、図２に示すように、ムーブメント１０が収納されている。ムーブメント１０は、ソーラーパネル１１、アンテナ１２、回路基板１３、地板１４、輪列受１５、回路ブロック１６、耐磁板１７を備えている。
さらに、ムーブメント１０の平面中心位置には、合成樹脂製の地板１４および輪列受１５に軸支され、ソーラーパネル１１、アンテナ１２、回路基板１３に形成された開口を貫通して配置された筒車２１、二番車２２、秒車２３が同軸に設けられている。
【００１０】
筒車２１は、図２および図３に示すように、筒歯車２１１と、筒歯車２１１に固定された円筒状の筒車体２１２とを備えて構成され、筒車体２１２の文字板３側の先端には時針４が取り付けられている。
二番車２２は、二番歯車２２１と、二番歯車２２１に固定された円筒状の二番真２２２とを備えて構成され、二番真２２２の文字板３側の先端には分針５が取り付けられている。
秒車２３は、秒歯車２３１と、秒歯車２３１に固定された秒針軸２３２とを備えて構成され、秒針軸２３２の文字板３側の先端には秒針６が取り付けられている。
（【００１１】以降は省略されています）

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