特許ウォッチ

公開番号2024148992
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023062607
出願日2023-04-07
発明の名称電子制御式機械時計
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G04C 3/14 20060101AFI20241010BHJP(時計)
要約【課題】起動バネの固定の作業の難易度は高く、改善の余地がある。
【解決手段】ゼンマイと、発電機と、ゼンマイからの動力を発電機のローターに伝達する輪列と、輪列に結合された指針と、ローターの回転周期を制御する回転制御回路が形成された回路基板と、レバーと、レバーの回動を操作する竜頭と、を備え、レバーは、回路基板に接触するスイッチ部と、回動によって、輪列のうちの対象歯車に当接する当接状態、及び、対象歯車から離間する離間状態が切り替えられる当接部と、を有し、スイッチ部は、回動によって回路基板への接触位置が変化し、当接部は、当接状態から離間状態に切り替えられるとき、対象歯車に回転力を付与する、電子制御式機械時計。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項１】
機械エネルギーを蓄積可能なゼンマイと、
前記ゼンマイに蓄積された前記機械エネルギーを動力としてローターを駆動することによって電気エネルギーを発生する発電機と、
前記ゼンマイからの前記動力を前記ローターに伝達する輪列と、
前記輪列に結合された指針と、
前記電気エネルギーによって作動し、前記ローターの回転周期を制御する回転制御回路が形成された回路基板と、
回動可能に構成されるレバーと、
前記レバーの回動を操作する竜頭と、を備え、
前記レバーは、
前記回路基板に接触するスイッチ部と、
前記回動によって、前記輪列のうちの対象歯車に当接する当接状態、及び、前記対象歯車から離間する離間状態が切り替えられる当接部と、を有し、
前記スイッチ部は、前記回動によって前記回路基板への接触位置が変化し、
前記当接部は、前記当接状態から前記離間状態に切り替えられるとき、前記対象歯車に回転力を付与する、
電子制御式機械時計。
続きを表示（約 420 文字）【請求項２】
前記当接部は、弾性を有する弾性部を有し、
前記当接状態で前記弾性部がたわんだ状態で前記当接部が前記対象歯車の外周に当接し、
前記当接状態から前記離間状態に切り替わるとき、前記当接部が前記対象歯車の前記外周に摩擦力を付与することによって前記対象歯車に前記回転力を付与し、
平面視で、前記当接状態での前記対象歯車の歯先円と前記当接部との接点における前記歯先円の接線と、前記当接部のうち前記接点に重なる箇所を当接点として、前記歯先円での前記接点と前記当接状態で前記対象歯車を除去したときの前記当接点の位置とを結ぶ線分と、がなす角度が９０度以下である、
請求項１に記載の電子制御式機械時計。
【請求項３】
前記レバーは、前記弾性部の剛性よりも高い剛性を有する剛性部を有し、
前記弾性部は、前記剛性部から延伸し、且つ屈折部を含まない、
請求項２に記載の電子制御式機械時計。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子制御式機械時計に関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１は、発電機のローターを起動する起動装置を備えた電子制御式機械時計を開示する。この起動装置は、ローターに動力を伝達する六番車を回転させてローターを起動する起動バネと、起動バネを付勢することによって起動バネの先端を六番車の歯に係合させるリセットレバーと、を有する。起動バネは、板バネで構成されており、地板に圧入される固定ピンにカシメにより固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
国際公開第２０００／５４１１３号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
起動バネの固定では、リセットレバーに対する起動バネの位置を調整した上でカシメを行う必要がある。この作業の難易度は高く、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
電子制御式機械時計は、機械エネルギーを蓄積可能なゼンマイと、前記ゼンマイに蓄積された前記機械エネルギーを動力としてローターを駆動することによって電気エネルギーを発生する発電機と、前記ゼンマイからの前記動力を前記ローターに伝達する輪列と、前記輪列に結合された指針と、前記電気エネルギーによって作動し、前記ローターの回転周期を制御する回転制御回路が形成された回路基板と、回動可能に構成されるレバーと、前記レバーの回動を操作する竜頭と、を備え、前記レバーは、前記回路基板に接触するスイッチ部と、前記回動によって、前記輪列のうちの対象歯車に当接する当接状態、及び、前記対象歯車から離間する離間状態が切り替えられる当接部と、を有し、前記スイッチ部は、前記回動によって前記回路基板への接触位置が変化し、前記当接部は、前記当接状態から前記離間状態に切り替えられるとき、前記対象歯車に回転力を付与する。
【図面の簡単な説明】
【０００６】
時計を示す平面図。
ムーブメントの概略構成を示す底面図。
輪列の構成を説明する図。
ムーブメントの構成の一部を示す底面図。
リセットレバーを説明する底面図。
リセットレバーを説明する底面図。
リセットレバーの当接部と六番かなとを示す拡大図。
リセットレバーを説明する底面図。
リセットレバーを説明する斜視図。
リセットレバーと回路基板とを説明する底面図。
リセットレバーと回路基板とを説明する底面図。
リセットレバーと規制ピンとを説明する斜視図。
リセットレバーと規制ピンとを説明する斜視図。
回転制御回路の構成を説明するブロック図。
【発明を実施するための形態】
【０００７】
図１に示すように、時計１は、ケース２と、文字板３と、カバーガラス４と、複数の指針５と、竜頭７と、を有する。時計１は、ユーザーの手首に装着可能な腕時計であり、電子制御式機械時計の一例である。ケース２は、円筒状の部品である。ケース２には、図２に示すムーブメント６が収容される。ムーブメント６は、複数の指針５を駆動する機構ユニットである。図１に示すように、文字板３と複数の指針５は、ケース２の内部に収容される。文字板３には、時刻を表す数字などの文字や目盛りなどが設けられている。複数の指針５は、時刻を指示する。複数の指針５は、回転中心８を中心に回転する。
【０００８】
カバーガラス４は、ケース２の開口を塞ぐ。ケース２とカバーガラス４によって仕切られる空間に、文字板３と複数の指針５とが収容される。カバーガラス４を透して時計１の時刻表示を視認する方向を、時計１の視認方向とする。つまり、図１に示すように、時計１を視認方向に見たときに、カバーガラス４を透して時計１の時刻表示を視認することができる。文字板３には、カレンダー窓３Ａが形成されている。ユーザーは、カレンダー窓３Ａから日付表示９を視認することができる。
【０００９】
図１には、Ｘ軸、Ｙ軸、及びＺ軸が付されている。Ｘ軸、Ｙ軸、及びＺ軸は、相互に直交する座標軸である。これ以降に示す図についても必要に応じてＸ軸、Ｙ軸、及びＺ軸が付される。この場合、各図におけるＸ軸、Ｙ軸、及びＺ軸は、図１におけるＸ軸、Ｙ軸、及びＺ軸に対応する。Ｚ軸は、Ｘ軸とＹ軸とによって規定されるＸＹ平面に直交する軸である。図１は、Ｘ軸とＹ軸とによって規定されるＸＹ平面に直交する方向から視認した平面図である。つまり、図１は、Ｚ軸に沿って視認したときの平面図である。以下において、時計１の構成部品やユニットを示す図にＸ軸、Ｙ軸、及びＺ軸が表記される場合がある。その場合、構成部品やユニットを時計１に組み込んだ状態でのＸ軸、Ｙ軸、及びＺ軸を意味する。
【００１０】
Ｘ軸、Ｙ軸、及びＺ軸には、それぞれ、矢印が付される。Ｘ軸、Ｙ軸、及びＺ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが＋（正）の方向を示し、矢印の向きとは反対の向きが－（負）の方向を示す。Ｘ軸は、回転中心８から竜頭７に向かう方向に沿う。Ｘ軸に沿って回転中心８から竜頭７に向かう方向が＋Ｘ方向である。Ｘ軸に沿って竜頭７から回転中心８に向かう方向が－Ｘ方向である。回転中心８から竜頭７に向かう方向は、時計１の３時の時刻を示す方向に合致する。このため、＋Ｘ方向は、３時方向とも呼ばれる。竜頭７から回転中心８に向かう方向は、時計１の９時の時刻を示す方向に合致する。このため、－Ｘ方向は、９時方向とも呼ばれる。
（【００１１】以降は省略されています）

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