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公開番号2024140535
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051713
出願日2023-03-28
発明の名称脱進機構、機械式時計、機械式時計の製造方法
出願人シチズン時計株式会社
代理人弁理士法人はるか国際特許事務所
主分類G04B 15/14 20060101AFI20241003BHJP(時計)
要約【課題】大型化することなく、動力ゼンマイトルクが小さくなった場合に時計の動作を停止可能とする脱進機構20を提供する。
【解決手段】脱進機構20は、ガンギ車210と、固定磁性体240と、固定磁性体240に対向して設けられると共に、ガンギ車210と一体的に回転し、かつ固定磁性体240に対して相対的に回転する回転磁性体250と、固定磁性体240に対する回転磁性体250の相対角度に応じて、少なくともガンギ車210の回転に対する反力となる磁力を生じさせる永久磁石260と、を有する。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
ガンギ車と、
固定磁性体と、
前記固定磁性体に対向して設けられると共に、前記ガンギ車と一体的に回転し、かつ前記固定磁性体に対して相対的に回転する回転磁性体と、
前記固定磁性体に対する前記回転磁性体の相対角度に応じて、少なくとも前記ガンギ車の回転に対する反力となる磁力を生じさせる永久磁石と、
を有する、
機械式時計用の脱進機構。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記固定磁性体は、環状であって、径方向内側に突出すると共に周方向に複数並んで設けられる突起部を有し、
前記回転磁性体は、環状であって、径方向外側に突出すると共に周方向に複数並んで設けられる突起部を有し、
前記回転磁性体の回転に応じて前記固定磁性体の突起部に対する前記回転磁性体の突起部の相対位置が変わることにより、前記磁力による前記ガンギ車の回転に対するトルクの向きが変化する、
請求項1に記載の脱進機構。
【請求項3】
前記ガンギ車の歯に対して接触及び非接触を繰り返すと共に前記ガンギ車を間欠駆動させるアンクルを有し、
前記ガンギ車が、前記アンクルに接触することで間欠駆動の1ステップの始点及び終点に位置する状態において、前記固定磁性体の突起部と前記回転磁性体の突起部とは、周方向において互いに異なる位置にある、
請求項2に記載の脱進機構。
【請求項4】
前記固定磁性体の突起部の数は、前記回転磁性体の突起部の数の整数倍である、
請求項2に記載の脱進機構。
【請求項5】
前記回転磁性体の複数の突起部の周方向における間隔は、前記固定磁性体の複数の突起部の周方向における間隔の整数倍である、
請求項2に記載の脱進機構。
【請求項6】
前記固定磁性体は、2以上の前記突起部で構成される第1の突起部群と、2以上の前記突起部で構成される第2の突起部群とを含み、
前記第1の突起部群に対して前記回転磁性体の突起部が対向する位置にある状態において、前記第2の突起部群に対して前記回転磁性体の突起部は対向しない位置にあり、
前記第2の突起部群に対して前記回転磁性体の突起部が対向する位置にある状態において、前記第1の突起部群に対して前記回転磁性体の突起部は対向しない位置にある、
請求項2に記載の脱進機構。
【請求項7】
前記ガンギ車の歯に対して接触及び非接触を繰り返すと共に前記ガンギ車を間欠駆動させるアンクルを有し、
前記固定磁性体の複数の突起部と前記回転磁性体の複数の突起部は、前記間欠駆動の1ステップ毎に異なる傾向の前記トルクを生じさせ、かつ前記間欠駆動の2ステップ毎に同様の傾向の前記トルクを生じさせるパターンで形成される、
請求項2に記載の脱進機構。
【請求項8】
前記磁力による前記ガンギ車の回転に対するトルクの向きの変化の周期は、前記1ステップの期間に対応している、
請求項3に記載の脱進機構。
【請求項9】
前記磁力による前記ガンギ車の回転に対するトルクは、前記ガンギ車が前記1ステップの始点から前記1ステップの駆動を開始する際に、前記ガンギ車の回転方向の反対方向に働く、
請求項3に記載の脱進機構。
【請求項10】
前記磁力による前記ガンギ車の回転に対するトルクが前記ガンギ車の回転方向の反対方向に働く期間のうち少なくとも一部の期間において、前記ガンギ車の歯は前記アンクルと非接触である、
請求項3に記載の脱進機構。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脱進機構、機械式時計、及び機械式時計の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パワーリザーブがゼロに近いときにムーブメントの動作を止める技術を用いた時計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-096976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される技術においては、ムーブメントの動作を止めるための複数の輪列が必要となり、時計が大型化してしまう。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてされたものであって、その目的は、大型化することなく、動力ゼンマイトルクが小さくなった場合に時計の動作を停止可能とする脱進機構、機械式時計及び機械式時計の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)ガンギ車と、固定磁性体と、前記固定磁性体に対向して設けられると共に、前記ガンギ車と一体的に回転し、かつ前記固定磁性体に対して相対的に回転する回転磁性体と、前記固定磁性体に対する前記回転磁性体の相対角度に応じて、少なくとも前記ガンギ車の回転に対する反力となる磁力を生じさせる永久磁石と、を有する、機械式時計用の脱進機構。
【0007】
(2)(1)において、前記固定磁性体は、環状であって、径方向内側に突出すると共に周方向に複数並んで設けられる突起部を有し、前記回転磁性体は、環状であって、径方向外側に突出すると共に周方向に複数並んで設けられる突起部を有し、前記回転磁性体の回転に応じて前記固定磁性体の突起部に対する前記回転磁性体の突起部の相対位置が変わることにより、前記磁力による前記ガンギ車の回転に対するトルクの向きが変化する、脱進機構。
【0008】
(3)(2)において、前記ガンギ車の歯に対して接触及び非接触を繰り返すと共に前記ガンギ車を間欠駆動させるアンクルを有し、前記ガンギ車が、前記アンクルに接触することで間欠駆動の1ステップの始点及び終点に位置する状態において、前記固定磁性体の突起部と前記回転磁性体の突起部とは、周方向において互いに異なる位置にある、脱進機構。
【0009】
(4)(2)又は(3)において、前記固定磁性体の突起部の数は、前記回転磁性体の突起部の数の整数倍である、脱進機構。
【0010】
(5)(2)~(4)のいずれかにおいて、前記回転磁性体の複数の突起部の周方向における間隔は、前記固定磁性体の複数の突起部の周方向における間隔の整数倍である、脱進機構。
(【0011】以降は省略されています)

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