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公開番号2024140093
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051088
出願日2023-03-28
発明の名称時計
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G04C 3/00 20060101AFI20241003BHJP(時計)
要約【課題】発電機のコイルを用いてデータを通信して記憶装置に記憶できる時計の提供。
【解決手段】時計は、時刻を表示する指針と、指針の動作を制御する制御手段と、発電用のコイルを備える発電機と、データを記憶する記憶装置と、コイルで発生した電気エネルギーを蓄電し、制御手段に電気エネルギーを供給する第1蓄電装置と、スイッチ回路を介して第1蓄電装置に並列に接続され、電気エネルギーを蓄電可能な第2蓄電装置と、コイルを介して外部調整装置との間でデータを送信または受信を行う通信手段と、を備え、スイッチ回路は、データの送信時または受信時に接続状態とされ、通信手段は、第1蓄電装置および第2蓄電装置に蓄電された電力によって動作することを特徴する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
時刻を表示する指針と、
前記指針の動作を制御する制御手段と、
発電用のコイルを備える発電機と、
データを記憶する記憶装置と、
前記コイルで発生した電気エネルギーを蓄電し、前記制御手段に電気エネルギーを供給する第1蓄電装置と、
スイッチ回路を介して前記第1蓄電装置に並列に接続され、電気エネルギーを蓄電可能な第2蓄電装置と、
前記コイルを介して外部調整装置との間で、前記データの送信または受信を行う通信手段と、を備え、
前記スイッチ回路は、前記データの送信時または受信時に接続状態とされ、
前記通信手段は、前記第1蓄電装置および前記第2蓄電装置に蓄電された電力によって動作する
ことを特徴する時計。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の時計において、
前記第2蓄電装置の蓄電容量は、前記第1蓄電装置の蓄電容量よりも大きい
ことを特徴とする時計。
【請求項3】
請求項1に記載の時計において、
前記第2蓄電装置は、前記スイッチ回路を接続した状態で、前記コイルを介して前記外部調整装置から出力された電力を蓄電する
ことを特徴とする時計。
【請求項4】
請求項1に記載の時計において、
前記スイッチ回路を接続および切断可能な操作入力手段を備え、
前記制御手段は、前記スイッチ回路が切断状態の場合に前記指針の制御を実行する
ことを特徴とする時計。
【請求項5】
請求項1に記載の時計において、
前記発電機は、ローターを含み、
前記通信手段は、前記コイルで受信した前記データを検出するデータ検出回路を含み、
前記データ検出回路は、前記ローターの回転を検出する回転検出回路を兼用する
ことを特徴とする時計。
【請求項6】
請求項1に記載の時計において、
前記通信手段は、前記コイルの一方の端子に接続された送信用トランジスターと、前記送信用トランジスターを制御するデータ送信回路とを備え、
前記送信用トランジスターは、歩度測定用トランジスターを兼用する
ことを特徴とする時計。
【請求項7】
請求項1に記載の時計において、
ゼンマイと、前記ゼンマイの機械エネルギーを伝達する輪列とを備え、
前記指針は、前記輪列によって駆動され、
前記発電機は、前記ゼンマイの前記機械エネルギーを電気エネルギーに変換することで発電し、且つ、前記輪列の回転周期を制御する機能を備え、
前記制御手段は、前記発電機を介して、前記指針の動作を制御する
ことを特徴とする時計。
【請求項8】
請求項1に記載の時計において、
水晶振動子と、
前記水晶振動子からの発振信号に基づく基準信号を出力する出力回路と、
温度を測定する温度測定部と、を備え、
前記記憶装置は、前記水晶振動子の温度特性に関する補正データを記憶し、
前記制御手段は、前記温度測定部の出力と前記補正データとに基づいて前記基準信号の周波数を補正する温度補償機能を実行可能であり、補正された前記基準信号の周波数に基づいて、前記指針の動作を制御し、
前記通信手段は、前記外部調整装置から送信される前記補正データを受信する
ことを特徴とする時計。
【請求項9】
請求項8に記載の時計において、
前記温度測定部は、温度に応じた発振信号を出力する感温発振器であり、
前記通信手段は、前記外部調整装置に前記感温発振器の出力を送信する
ことを特徴とする時計。
【請求項10】
ゼンマイと、
前記ゼンマイの機械エネルギーを伝達する輪列と、
発電用のコイルを備え、前記機械エネルギーを電気エネルギーに変換することで発電し、且つ、前記輪列の回転周期を制御する機能を備える調速機を兼用する発電機と、
水晶振動子と、
前記水晶振動子からの発振信号に基づく基準信号を出力する出力回路と、
温度を測定する温度測定部と、
前記水晶振動子の温度特性に関する補正データを記憶する記憶装置と、
前記コイルを介して外部調整装置との間で前記補正データを受信する通信手段と、
前記温度測定部の出力と前記補正データとに基づいて前記基準信号の周波数を補正する温度補償機能を実行する制御手段と、を備える
ことを特徴とする時計。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、時計に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発電機から供給された電気エネルギーを電源回路の電源コンデンサーに充電し、電源コンデンサーから供給される電力で回転制御装置を駆動する電子制御式機械時計において、個体差補正データに基づいて水晶振動子の温度補償を行うことが開示されている。また、水晶振動子の個体差補正データを、電子制御式機械時計の量産工程の中でICに書き込むことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-192060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電子制御式機械時計において、個体差補正データをICに書き込む場合、回路基板やムーブメントの状態でデータ書き込み装置のプローブ等を端子に接触させて書き込むことができる。
しかしながら、ムーブメントを時計の外装ケースに組み込むと、浮遊容量や水晶振動子に加わる応力等が変化することで、ムーブメントの組み込みによる歩度シフトが発生する場合があった。この場合、外装ケースからムーブメントを取り外して個体差補正データを再度書き込む必要があり、電子制御式機械時計の組立工程が増えて生産性が低下する。このため、個体差補正データ等のデータを、ムーブメントを外装ケースに組み込んだ状態で書き込むことが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の時計は、時刻を表示する指針と、前記指針の動作を制御する制御手段と、発電用のコイルを備える発電機と、データを記憶する記憶装置と、前記コイルで発生した電気エネルギーを蓄電し、前記制御手段に電気エネルギーを供給する第1蓄電装置と、スイッチ回路を介して前記第1蓄電装置に並列に接続され、電気エネルギーを蓄電可能な第2蓄電装置と、前記コイルを介して外部調整装置との間で、前記データの送信または受信を行う通信手段と、を備え、前記スイッチ回路は、前記データの送信時または受信時に接続状態とされ、前記通信手段は、前記第1蓄電装置および前記第2蓄電装置に蓄電された電力によって動作することを特徴する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
実施形態の時計を示す正面図である。
前記実施形態の時計を示すブロック図である。
前記実施形態の時計の要部を示す回路図である。
前記実施形態のデータ検出回路を示す回路図である。
前記実施形態の外部調整装置の構成を示すブロック図である。
前記実施形態での充電時の波形および第2蓄電装置の電圧変化を示す図である。
前記実施形態の外部調整装置から時計への送信時の通信フォーマットを示す図である。
前記実施形態の時計から外部調整装置へのデータ送信タイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態の時計1を図面に基づいて説明する。
図1は、時計1を示す正面図である。本実施形態では、時計1は電子制御式機械時計として構成される。
図1に示すように、時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、円筒状の外装ケース2を備え、外装ケース2の内周側に、文字板3が配置されている。外装ケース2の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラスで塞がれており、裏面側の開口は裏蓋で塞がれている。
【0008】
時計1は、外装ケース2内に収容された図示略のムーブメントと、時刻情報を表示する指針である時針4A、分針4B、秒針4Cとを備えている。文字板3には、カレンダー小窓3Aが設けられており、カレンダー小窓3Aから、日車6が視認可能となっている。また、文字板3には、時刻を指示するためのアワーマーク3Bや、パワーリザーブ針5で持続時間を指示する扇形のサブダイヤル3Cが設けられている。
【0009】
外装ケース2の側面には、りゅうず7が設けられている。りゅうず7は、時計1の中心に向かって押し込まれた0段位置から1段位置および2段位置に引き出すことができる。
りゅうず7を1段位置に引いて回転すると、日車6を移動して日付を合わせることができる。りゅうず7を2段位置に引くと時針4A、分針4B、秒針4Cが停止し、2段位置でりゅうず7を回転すると、時針4A、分針4Bが移動して時刻を合わせることができる。りゅうず7による日車6や時針4A、分針4Bの修正方法は、従来の時計と同様であるため説明を省略する。
【0010】
また、りゅうず7を0段位置で回転すると、後述するゼンマイ40を巻き上げることができる。そして、ゼンマイ40の巻き上げに連動して、パワーリザーブ針5が移動する。本実施形態の時計1は、ゼンマイ40をフルに巻き上げた場合に、約72時間の持続時間を確保できる。
(【0011】以降は省略されています)

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