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公開番号
2024162302
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2023077676
出願日
2023-05-10
発明の名称
易裂性フィルム、多層フィルム、包装材料、容器、および、易裂性フィルム形成用樹脂組成物
出願人
三菱瓦斯化学株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C08L
67/00 20060101AFI20241114BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】 直線カット性に優れ、かつ、成膜安定性に優れた易裂性フィルム、多層フィルム、包装材料、容器、および、易裂性フィルム形成用樹脂組成物の提供。
【解決手段】 ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリアミド樹脂を含み、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリアミド樹脂の合計量を100質量部としたとき、ポリブチレンテレフタレート樹脂を95~75質量部含む、樹脂組成物から形成された易裂性フィルムであって、ポリアミド樹脂が、キシリレンジアミン構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有するポリアミド樹脂を含み、ポリブチレンテレフタレート樹脂の250℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームレート(MVR)が5~15cm
3
/10minである、易裂性フィルム。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリアミド樹脂を含み、
ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリアミド樹脂の合計量を100質量部としたとき、ポリブチレンテレフタレート樹脂を95~75質量部含む、樹脂組成物から形成された易裂性フィルムであって、
ポリアミド樹脂が、キシリレンジアミン構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有するポリアミド樹脂を含み、
ポリブチレンテレフタレート樹脂の250℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームレート(MVR)が5~15cm
3
/10minであり、
ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリアミド樹脂の合計量100質量部に対する、1分子中に3個以上のカルボキシル基が芳香環に結合している多価カルボン酸化合物および/または前記化合物に結合しているカルボキシル基の内の2個以上が無水環を形成している多価カルボン酸化合物の合計含有量が0質量部以上0.01質量部未満である、
易裂性フィルム。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記ジカルボン酸構成単位の70モル%以上がアジピン酸構成単位である、請求項1に記載の易裂性フィルム。
【請求項3】
ポリブチレンテレフタレート樹脂の250℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームレート(MVR)が8~15cm
3
/10minである、請求項1または2に記載の易裂性フィルム。
【請求項4】
ポリアミド樹脂のJIS K 6920-2に従って25℃で測定した96%硫酸溶液の相対粘度が1.9~2.3である、請求項1~3のいずれか1項に記載の易裂性フィルム。
【請求項5】
前記ジカルボン酸構成単位の70モル%以上がアジピン酸に由来し、
前記ポリブチレンテレフタレート樹脂の250℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームレート(MVR)が8~15cm
3
/10minであり、
前記ポリアミド樹脂のJIS K 6920-2に従って25℃で測定した96%硫酸溶液の相対粘度が1.9~2.3である、請求項1~4のいずれか1項に記載の易裂性フィルム。
【請求項6】
前記易裂性フィルムは延伸フィルムである、請求項1~5のいずれか1項に記載の易裂性フィルム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の易裂性フィルムを有する多層フィルム。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の易裂性フィルムを有する包装材料。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の易裂性フィルムを有する容器。
【請求項10】
ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリアミド樹脂を含み、
ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリアミド樹脂の合計量を100質量部としたとき、ポリブチレンテレフタレート樹脂を95~75質量部含む、易裂性フィルム成形用樹脂組成物であって、
ポリアミド樹脂が、キシリレンジアミン構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有するポリアミド樹脂を含み、
ポリブチレンテレフタレート樹脂の250℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームレート(MVR)が5~15cm
3
/10minであり、
ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリアミド樹脂の合計量100質量部に対する、1分子中に3個以上のカルボキシル基が芳香環に結合している多価カルボン酸化合物および/または前記化合物に結合しているカルボキシル基の内の2個以上が無水環を形成している多価カルボン酸化合物の合計含有量が0質量部以上0.01質量部未満である、
樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、易裂性フィルム、多層フィルム、包装材料、容器、および、易裂性フィルム形成用樹脂組成物に関する。特に、ポリアミド樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂を含む易裂性フィルムに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、ポリブチレンテレフタレート樹脂は、機械的性能、溶融安定性等に優れるという特長を有し、フィルム、シート、中空容器等の包装材料に広く利用されている。しかしながら、酸素、炭酸ガス等のガスバリア性は必ずしも良好ではないため、高いガスバリア性を要求される用途への利用には制限があった。
一方、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重合して得られるポリアミド樹脂(以下「ポリアミドMXD6」ということがある)は高いガスバリア性を有し、溶融時の熱安定性にも優れている。そのため、芳香族ポリエステル樹脂との溶融混合が容易であるという利点がある。
【0003】
ここで、ポリブチレンテレフタレート樹脂とMXD6を含むフィルムについて、特許文献1に記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-302952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のフィルムはガスバリア性には優れたフィルムであるが、易裂性フィルムとして用いることについては何ら検討されていない。さらに、本発明者が検討を行ったところ、引用文献1に記載のフィルム、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂とMXD6と無水ピロメリット酸(PMDA)を配合したフィルムは直線カット性が悪いことが分かった。
さらに本発明者が検討を行ったところ、ポリエチレンテレフタレート樹脂にポリアミド樹脂を配合した場合と異なり、ポリブチレンテレフタレート樹脂にポリアミド樹脂を配合しようとすると、成膜安定性が劣る場合があることが分かった。
本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであって、直線カット性に優れ、かつ、成膜安定性に優れた易裂性フィルム、ならびに、前記易裂性フィルムを用いた多層フィルム、包装材料、および、容器を提供することを目的とする。また、前記易裂性フィルムを形成するための易裂性フィルム形成用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、ポリブチレンテレフタレート樹脂のメルトボリュームレートを調整し、かつ、所定の多価カルボン酸化合物を実質的に含まない構成とすることにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリアミド樹脂を含み、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリアミド樹脂の合計量を100質量部としたとき、ポリブチレンテレフタレート樹脂を95~75質量部含む、樹脂組成物から形成された易裂性フィルムであって、ポリアミド樹脂が、キシリレンジアミン構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有するポリアミド樹脂を含み、ポリブチレンテレフタレート樹脂の250℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームレート(MVR)が5~15cm
3
/10minであり、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリアミド樹脂の合計量100質量部に対する、1分子中に3個以上のカルボキシル基が芳香環に結合している多価カルボン酸化合物および/または前記化合物に結合しているカルボキシル基の内の2個以上が無水環を形成している多価カルボン酸化合物の合計含有量が0質量部以上0.01質量部未満である、易裂性フィルム。
<2>前記ジカルボン酸構成単位の70モル%以上がアジピン酸構成単位である、<1>に記載の易裂性フィルム。
<3>ポリブチレンテレフタレート樹脂の250℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームレート(MVR)が8~15cm
3
/10minである、<1>または<2>に記載の易裂性フィルム。
<4>ポリアミド樹脂のJIS K 6920-2に従って25℃で測定した96%硫酸溶液の相対粘度が1.9~2.3である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の易裂性フィルム。
<5>前記ジカルボン酸構成単位の70モル%以上がアジピン酸に由来し、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂の250℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームレート(MVR)が8~15cm
3
/10minであり、前記ポリアミド樹脂のJIS K 6920-2に従って25℃で測定した96%硫酸溶液の相対粘度が1.9~2.3である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の易裂性フィルム。
<6>前記易裂性フィルムは延伸フィルムである、<1>~<5>のいずれか1つに記載の易裂性フィルム。
<7><1>~<6>のいずれか1つに記載の易裂性フィルムを有する多層フィルム。
<8><1>~<6>のいずれか1つに記載の易裂性フィルムを有する包装材料。
<9><1>~<6>のいずれか1つに記載の易裂性フィルムを有する容器。
<10>ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリアミド樹脂を含み、
ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリアミド樹脂の合計量を100質量部としたとき、ポリブチレンテレフタレート樹脂を95~75質量部含む、易裂性フィルム成形用樹脂組成物であって、
ポリアミド樹脂が、キシリレンジアミン構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有するポリアミド樹脂を含み、ポリブチレンテレフタレート樹脂の250℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームレート(MVR)が5~15cm
3
/10minであり、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリアミド樹脂の合計量100質量部に対する、1分子中に3個以上のカルボキシル基が芳香環に結合している多価カルボン酸化合物および/または前記化合物に結合しているカルボキシル基の内の2個以上が無水環を形成している多価カルボン酸化合物の合計含有量が0質量部以上0.01質量部未満である、
樹脂組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、直線カット性に優れ、かつ、成膜安定性に優れた易裂性フィルム、ならびに、前記易裂性フィルムを用いた多層フィルム、包装材料、および、容器を提供可能となった。また、前記易裂性フィルムを形成するための易裂性フィルム形成用樹脂組成物を提供可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例の直線カット性の評価方法を説明するイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
【0010】
本明細書において、数平均分子量は、特に述べない限り、以下の方法で測定した値とする。
数平均分子量(Mn)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリメチルメタクリレート(PMMA)換算値より求める。カラムとしては、充填剤として、スチレン系ポリマーを充填したものを2本用い、溶媒にはトリフルオロ酢酸ナトリウム濃度2mmol/Lのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、樹脂濃度0.02質量%、カラム温度は40℃、流速0.3mL/分、屈折率検出器(RI)にて測定する。また、検量線は6水準のPMMAをHFIPに溶解させて測定する。
(【0011】以降は省略されています)
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