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公開番号
2024160219
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-13
出願番号
2024106223,2021530270
出願日
2024-07-01,2019-11-29
発明の名称
てんかん治療用複素環化合物
出願人
大塚製薬株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C07D
239/10 20060101AFI20241106BHJP(有機化学)
要約
【課題】てんかん発作又はけいれん発作を伴う疾患において、発作等の治療、予防及び/又は診断に有効な新規化合物及びその塩の医薬用途を提供する。また、てんかん発作を完全に抑制する用量においても、興奮-抑制の平衡を保ち、既存の抗てんかん薬に比べて幅広い治療スペクトラムを有する医薬を提供する。
【解決手段】下記式Iで表される新規ピリミジン化合物を提供する。式中、環Bは、ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、ピラゾール、ベンゼン又はナフタレンである。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024160219000087.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">26</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">84</com:WidthMeasure> </com:Image>
具体的には、例えば下式の化合物が示される。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024160219000088.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">23</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">51</com:WidthMeasure> </com:Image>
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式I:
TIFF
2024160219000079.tif
26
85
[式中、
Dは、
TIFF
2024160219000080.tif
23
22
又はハロゲンで置換されていてもよいC
1-6
アルキルであり;
環Aは、ベンゼン、ピリジン、インドール又はインダゾールであり;
環Bは、ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、ピラゾール、ベンゼン又はナフタレンであり、ここで、
(i) 環Bがピリミジンの場合、環Cは下記の不飽和環並びにそれらのオキシド、ジオキシド(ただし、ピリミジン-2,4-ジオン及びジヒドロピリミジン-2,4-ジオンを除く)及びそれらの環中の不飽和結合の一部又は全部が水素で還元された環から選択され;
(a) 環構成ヘテロ原子として1個~4個の窒素原子のみを含有する3員~8員の単環式不飽和ヘテロ環、
(b) 環構成ヘテロ原子として1個~5個の窒素原子のみを含有する7員~15員の二環式又は三環式不飽和ヘテロ環、
(c) 環構成ヘテロ原子として1個~3個の酸素原子のみを含有する7員~12員の二環式不飽和ヘテロ環、
(d) 環構成ヘテロ原子として1個又は2個の酸素原子と1個~3個の窒素原子とを含有する3員~8員の単環式不飽和ヘテロ環、
(e) 環構成ヘテロ原子として1個又は2個の硫黄原子と1個~3個の窒素原子とを含有する7員~12員の二環式不飽和ヘテロ環、
及び
(f) 3員~8員の単環式不飽和炭化水素環;
(ii) 環Bがピリダジン、ピリジン、ピラゾール、ベンゼン又はナフタレンの場合、環Cはピリミジン-2,4-ジオン又はジヒドロピリミジン-2,4-ジオンであり;
R
1
は、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよいC
1-6
アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい-O-C
1-6
アルキル、-CN又は-SF
5
であり;
R
2
は、ハロゲン、C
1-6
アルキル、-O-C
1-6
アルキルであり;
R
3
は、ハロゲン、ハロゲン又は-O-C
1-6
アルキルで置換されていてもよいC
1-6
アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい-O-C
1-6
アルキル、-C
1-6
アルキル-OH、-OH、-CN、-CONH
2
又は-NH
2
であり;
Lは、結合、C
1-6
アルキレン、-O-又は-S-であり;
kは、0、1又は2であり、kが2の場合、R
1
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す;
mは、0、1又は2であり、mが2の場合、R
2
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す;
nは、0、1又は2であり、nが2の場合、R
3
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す;]
で表される化合物又はその塩。
続きを表示(約 3,100 文字)
【請求項2】
式I中、Dは、
TIFF
2024160219000081.tif
23
22
であり;
環Aは、ベンゼン又はピリジンであり;
環Bは、ピリミジンであり;
環Cは、下記の不飽和環並びにそれらのオキシド、ジオキシド(ただし、ピリミジン-2,4-ジオン及びジヒドロピリミジン-2,4-ジオンを除く)及びそれらの環中の不飽和結合の一部又は全部が水素で還元された環から選択され;
ピリジン、
ピリダジン、
ピリミジン、
インドール、
ピロロピリジン、
インダゾール、
ベンゾイミダゾール、
ピラゾロピリジン、
イミダゾピリジン、
イミダゾピラジン、
イミダゾピリダジン、
トリアゾロピリジン、
ピラゾロピリミジン、
イミダゾピリミジン、
トリアゾロピリミジン、
キノリン、
イソキノリン、
ナフチリジン、
キナゾリン、
キノキサリン、
ベンゾジオキソール、
オキサジン、
オキサゼピン、
ベンゾチアゾール、
ベンゼン;
R
1
は、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよいC
1-6
アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい-O-C
1-6
アルキル又は-CNであり;
R
2
は、-O-C
1-6
アルキルであり;
R
3
は、ハロゲン、ハロゲン又は-O-C
1-6
アルキルで置換されていてもよいC
1-6
アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい-O-C
1-6
アルキル、-C
1-6
アルキル-OH、-OH、-CN、-CONH
2
又は-NH
2
であり;
Lは、-O-であり;
kは、0、1又は2であり、kが2の場合、R
1
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す;
mは、0又は1であり;
nは、0、1又は2であり、nが2の場合、R
【請求項3】
式I中、環Cは、下記の不飽和環並びにそれらのオキシド及びそれらの環中の不飽和結合の一部又は全部が水素で還元された環から選択され;
ピリジン、
ピリダジン、
ピロロピリジン、
インダゾール、
ピラゾロピリジン、
イミダゾピリジン、
イミダゾピラジン、
イミダゾピリダジン、
ピラゾロピリミジン、
トリアゾロピリミジン、
キノリン、
イソキノリン、
ナフチリジン、
キノキサリン、
ベンゼン;
R
1
は、ハロゲン又はハロゲンで置換されていてもよいC
1-6
アルキルであり;
R
3
は、ハロゲンで置換されていてもよいC
1-6
アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい-O-C
1-6
アルキル、-OH、-CONH
2
又は-NH
2
であり;
Lは、-O-であり;
k及びnは、0又は1であり;
mは、0である、請求項2に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
式I中、環Cは、下記の不飽和環並びにそれらのオキシド及びそれらの環中の不飽和結合の一部又は全部が水素で還元された環から選択され;
ピリジン、
ピリダジン、
ピラゾロピリジン、
イミダゾピリジン;
R
3
は、-OH、又は-NH
2
であり;
Lは、-O-であり;
k及びmは、0であり;
nは、0又は1である、請求項3に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
式I中、Dは、
TIFF
2024160219000082.tif
23
22
又はハロゲンで置換されていてもよいC
1-6
アルキルであり;
環Aは、ベンゼン又はピリジンであり;
環Bは、ピリダジン、ピリジン、ピラゾール、ベンゼン又はナフタレンであり;
環Cは、ピリミジン-2,4-ジオン又はジヒドロピリミジン-2,4-ジオンであり;
R
1
は、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよいC
1-6
アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい-O-C
1-6
アルキル、-CN又は-SF
5
であり;
R
2
は、ハロゲン、C
1-6
アルキル、-O-C
1-6
アルキルであり;
R
3
は、C
1-6
アルキルであり;
Lは、結合、C
1-6
アルキレン、-O-又は-S-であり;
kは、0、1又は2であり、kが2の場合、R
1
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す;
mは、0、1又は2であり、mが2の場合、R
2
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す;
nは、0、1又は2であり、nが2の場合、R
3
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
式I中、環Aは、ベンゼンであり;
環Bは、ベンゼン、ピリジン、又はピリダジンであり;
環Cは、ジヒドロピリミジン-2,4-ジオンであり;
R
1
は、ハロゲンであり;
Lは、-O-であり;
kは、0又は1であり;
m及びnは、0である、請求項5に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
以下の化合物からなる群から選ばれた化合物又はその塩。
TIFF
2024160219000083.tif
140
151
TIFF
2024160219000084.tif
135
147
TIFF
2024160219000085.tif
154
148
【請求項8】
以下の化合物からなる群から選ばれた、請求項7に記載の化合物又はその塩。
TIFF
2024160219000086.tif
113
145
【請求項9】
有効成分としての請求項1~8のいずれかに記載の化合物又はその塩と、薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載の化合物又はその塩を含む、てんかん発作又はけいれん発作(多剤耐性発作、難治性発作、急性症候性発作、熱性発作及びてんかん重積発作を含む)を伴う疾患における、発作の治療、予防及び/又は診断用剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複素環化合物及びその塩に関する。本発明はまた、複素環化合物又はその塩を有効成分とする、てんかん発作又はけいれん発作を伴う疾患において、発作等の治療、予防及び/又は診断に有用な医薬にも関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
てんかん有病率は人口の約1%で、日本では約100万人の患者が存在する一般的な神経疾患であり生涯罹患率は3~4%とされ、年間数万人がてんかんを発症していると推測される。当該患者の約7割は、既存の抗てんかん薬の服用で発作を抑制することができ、問題なく日常生活を送ることができるが、残りの3割のてんかん患者では発作を十分にコントロールすることができず、いつ起こるかわからない発作に不安を抱いている。既存の抗てんかん薬の多くは、神経細胞の過剰興奮や過剰同期を抑制することで、神経細胞の興奮-抑制の不均衡を正すことを目的としているが、至適用量以上の用量では平衡が妨害され、運動障害やてんかん発作が誘導されうる。
【0003】
特許文献1には、てんかんを含む、Kv3.1及び/又はKv3.2チャネルの調節物質が要求される疾病又は疾患の治療等に用いられる化合物として、ピリミジンを構造に含む化合物が開示されている。
特許文献2、3には、てんかんを含む神経変性病態を処置するための、キヌレニン-3-モノオキシゲナーゼインヒビターとして、ピリミジン骨格を含む化合物が開示されている。
特許文献4には、てんかんを含む、カンナビノイド-1 受容体の拮抗薬及び/又は逆作動薬として、フェノキシピリミジン、ピリジルオキシピリミジンを構造に含む化合物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2011/069951号公報
国際公開第2013/016488号公報
国際公開第2011/091153号公報
国際公開第2004/029204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、てんかん発作又はけいれん発作を伴う疾患において、発作等の治療、予防及び/又は診断に有効な新規化合物及びその塩の医薬用途を提供することである。
本発明の別の目的としては、てんかん発作を完全に抑制する用量においても、興奮-抑制の平衡を保ち、既存の抗てんかん薬に比べて幅広い治療スペクトラムを有する医薬を提供することである。
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、既存の抗てんかん薬に比べて幅広い治療スペクトラムを有する新規ピリミジン化合物の合成に成功した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1] 式I:
TIFF
2024160219000001.tif
26
85
[式中、
Dは、
TIFF
2024160219000002.tif
23
22
又はハロゲンで置換されていてもよいC
1-6
アルキルであり;
環Aは、ベンゼン、ピリジン、インドール又はインダゾールであり;
環Bは、ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、ピラゾール、ベンゼン又はナフタレンであり、ここで、
(i) 環Bがピリミジンの場合、環Cは下記の不飽和環並びにそれらのオキシド、ジオキシド(ただし、ピリミジン-2,4-ジオン及びジヒドロピリミジン-2,4-ジオンを除く)及びそれらの環中の不飽和結合の一部又は全部が水素で還元された環から選択され;
(a) 環構成ヘテロ原子として1個~4個の窒素原子のみを含有する3員~8員の単環式不飽和ヘテロ環、
(b) 環構成ヘテロ原子として1個~5個の窒素原子のみを含有する7員~15員の二環式又は三環式不飽和ヘテロ環、
(c) 環構成ヘテロ原子として1個~3個の酸素原子のみを含有する7員~12員の二環式不飽和ヘテロ環、
(d) 環構成ヘテロ原子として1個又は2個の酸素原子と1個~3個の窒素原子とを含有する3員~8員の単環式不飽和ヘテロ環、
(e) 環構成ヘテロ原子として1個又は2個の硫黄原子と1個~3個の窒素原子とを含有する7員~12員の二環式不飽和ヘテロ環、
及び
(f) 3員~8員の単環式不飽和炭化水素環;
(ii) 環Bがピリダジン、ピリジン、ピラゾール、ベンゼン又はナフタレンの場合、環Cはピリミジン-2,4-ジオン又はジヒドロピリミジン-2,4-ジオンであり;
R
1
は、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよいC
1-6
アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい-O-C
1-6
アルキル、-CN又は-SF
5
であり;
R
2
は、ハロゲン、C
1-6
アルキル、-O-C
1-6
アルキルであり;
R
3
は、ハロゲン、ハロゲン又は-O-C
1-6
アルキルで置換されていてもよいC
1-6
アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい-O-C
1-6
アルキル、-C
1-6
アルキル-OH、-OH、-CN、-CONH
2
又は-NH
2
であり;
Lは、結合、C
1-6
アルキレン、-O-又は-S-であり;
kは、0、1又は2であり、kが2の場合、R
1
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す;
mは、0、1又は2であり、mが2の場合、R
2
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す;
nは、0、1又は2であり、nが2の場合、R
3
は各々独立して、同一又は異なった置換基を示す;]
で表される化合物又はその塩。
[2] 式I中、Dは、
TIFF
2024160219000003.tif
23
22
であり;
環Aは、ベンゼン又はピリジンであり;
環Bは、ピリミジンであり;
環Cは、下記の不飽和環並びにそれらのオキシド、ジオキシド(ただし、ピリミジン-2,4-ジオン及びジヒドロピリミジン-2,4-ジオンを除く)及びそれらの環中の不飽和結合の一部又は全部が水素で還元された環から選択され;
ピリジン、
【0008】
本発明の化合物及びその塩は、てんかん発作又はけいれん発作等を伴う疾患等の治療、予防及び/又は診断において優れた効果を有する。また、本発明の化合物及びその塩は、医薬品の有効成分として使用するのに優れた特徴を有しており、例えば、副作用が少なく、忍容性、安定性(保存安定性、代謝安定性など)などの点において優れた特徴も有している。更に、本発明の化合物及びその塩は、既存の抗てんかん薬に比べて幅広い治療スペクトラムを有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書中で用いる語句及び用語について、以下に詳述する。
「C
1-6
アルキル」は、C
1-6
の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であり、その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル等が挙げられる。
また、1~3個の水素原子が重水素原子に置換されたC
1-6
アルキルも包含される。
【0010】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。好ましくはフッ素、塩素又は臭素であり、より好ましくはフッ素又は塩素である。
(【0011】以降は省略されています)
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