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公開番号2024159620
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2024069612
出願日2024-04-23
発明の名称ウレタンフォームのリサイクル方法、再生軟質ウレタンフォームの製造方法、及び再生アミン系ポリオールの製造方法
出願人三洋化成工業株式会社
代理人
主分類C08J 11/28 20060101AFI20241031BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、ウレタンフォームを分解することが出来、得られる上層液の水酸基価や全アミン価が低く、それを用いた場合のウレタン樹脂製造時の成形性が良好で、所望の硬度を有するウレタンフォームを再形成できる、ウレタンフォームのリサイクル方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ウレタンフォームとジエタノールアミンを含むウレタンフォーム分解剤とを、重量比(ウレタンフォーム:分解剤)が1:1~1:5の比率で混合する混合工程、混合工程で得られた混合物を100~200℃に加熱するウレタンフォーム分解工程と、ウレタンフォーム分解工程で得られた液状分解物を60~120℃で遠心分離し上層液と下層液に分離する分離工程とを含み、前記ウレタンフォーム分解剤に含まれるジエタノールアミンの重量が、ウレタンフォーム分解剤の重量に基づいて、20~100重量%であるウレタンフォームのリサイクル方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ウレタンフォームとジエタノールアミンを含むウレタンフォーム分解剤とを、重量比(ウレタンフォーム:分解剤)が1:1~1:5の比率で混合する混合工程、混合工程で得られた混合物を100~200℃に加熱するウレタンフォーム分解工程、及びウレタンフォーム分解工程で得られた液状分解物を60~120℃で遠心分離し上層液と下層液に分離する分離工程を含み、
前記ウレタンフォーム分解剤に含まれるジエタノールアミンの重量が、ウレタンフォーム分解剤の重量に基づいて、20~100重量%であるウレタンフォームのリサイクル方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記ウレタンフォームが、軟質ウレタンフォームである請求項1に記載のウレタンフォームのリサイクル方法。
【請求項3】
前記分離工程において、ディスク型遠心分離機を使用する請求項1に記載のウレタンフォームのリサイクル方法。
【請求項4】
ウレタンフォームとジエタノールアミンを含むウレタンフォーム分解剤とを、重量比(ウレタンフォーム:分解剤)が1:1~1:5の比率で混合する混合工程、混合工程で得られた混合物を100~200℃に加熱するウレタンフォーム分解工程、及びウレタンフォーム分解工程で得られた液状分解物を60~120℃で遠心分離し上層液と下層液に分離する分離工程を含み、ウレタンフォーム分解剤が請求項1に記載の分離工程で分離した下層液を含むウレタンフォームのリサイクル方法。
【請求項5】
請求項1に記載の分離工程で分離した上層液とポリイソシアネートとを必須単量体として用いる再生軟質ウレタンフォームの製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の分離工程で分離した下層液と炭素数2~4のアルキレンオキサイドとを用いる再生アミン系ポリオールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタンフォームのリサイクル方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ウレタン樹脂は一般に自動車のシート、家具、マットレスなどのクッション材、断熱材、構造材、舗装材として広く用いられている。そして、この使用されるポリウレタンフォームは、スラブ生産、現場注入工法、スプレー工法、パネル・モールド成型工法等の工法により生産加工され、その生産加工時に、多量のフォームくず(フォーム廃棄物)が発生する。また製品使用後においても、フォーム廃棄物(いわゆる産業廃棄物)とされる場合がある。
これらのフォーム廃棄物は、3次元の網目構造を有する熱硬化性樹脂であるためにリサイクルが困難であり、現状では埋め立てや焼却などの処分がされているため、有効的な再利用方法の開発が求められている。
硬質ポリウレタンフォームのリサイクル方法は、これまでにも提案がなされている。例えば、分解剤としてポリオール及びアミノエタノールを用いてポリウレタンフォームを分解し、接着助剤として再生する方法(特許文献1)、アルカノールアミンなどのアミン化合物でポリウレタンフォームを分解し、その後分解物を分離回収する方法(特許文献2)等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-184513号公報
特許第3242723号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述するリサイクル方法を軟質ウレタン樹脂の分解に適用した場合、得られるリサイクルポリオールの水酸基価や全アミン価が高いため、それを用いた場合、ウレタン樹脂製造時の成形性が不良であり、所望の硬度を有するウレタンフォームを得ることが難しいという問題があった。
本発明は、ウレタンフォームを分解することで得られるリサイクルポリオールを用いた場合のウレタン樹脂製造時の成形性が良好であり、所望の硬度を有するウレタンフォームを再形成できる、ウレタンフォームの資源循環システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、ウレタンフォームとジエタノールアミンを含むウレタンフォーム分解剤とを、重量比(ウレタンフォーム:分解剤)が1:1~1:5の比率で混合する混合工程、混合工程で得られた混合物を100~200℃に加熱するウレタンフォーム分解工程、及びウレタンフォーム分解工程で得られた液状分解物を60~120℃で遠心分離し上層液と下層液に分離する分離工程を含み、前記ウレタンフォーム分解剤に含まれるジエタノールアミンの重量が、ウレタンフォーム分解剤の重量に基づいて、20~100重量%であるウレタンフォームのリサイクル方法;前記の分離工程で分離した下層液をウレタンフォーム分解剤として用いるウレタンフォームのリサイクル方法;前記の分離工程で分離した上層液とポリイソシアネートとを必須単量体として用いる再生軟質ウレタンフォームの製造方法;及び前記の分離工程で分離した下層液と炭素数2~4のアルキレンオキサイドとを用いる再生アミン系ポリオールの製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のリサイクル方法を使用することにより、それを用いた場合のウレタン樹脂製造時の成形性が良好であり、所望の硬度を有するウレタンフォームを再形成することが出来るリサイクルポリオールを得ることができる、ウレタンフォームの資源循環システムを構築することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明のウレタンフォームのリサイクル方法は、ウレタンフォームとジエタノールアミンを含むウレタンフォーム分解剤とを、重量比(ウレタンフォーム:分解剤)が1:1~1:5の比率で混合する混合工程を有する。
ウレタンフォーム分解剤がジエタノールアミンを含むことで、無触媒かつ温和な条件で分解反応を進行させることが出来る。さらに、ジエタノールアミンは、ウレタンフォームを分解して得られたリサイクルポリオールに溶解しにくいため、後述する分離工程での分離が容易であり、純度の高いリサイクルポリオールを得られる。
【0008】
前記ウレタンフォーム分解剤に含まれるジエタノールアミンの重量は、ウレタンフォーム分解剤の重量に基づいて20~100重量%であり、さらに好ましくは50~100重量%である。
前記分解剤に含まれるジエタノールアミンの重量が20重量%未満であると、分解反応が十分に進行しない。
【0009】
分解されるウレタンフォームは、特に限定されるものではないが、例えば、製造工程において発生するフォーム屑(トリミングで発生したフォーム、ばり、空気抜き穴などから洩れたフォーム、品質管理などのためのフリー発泡フォーム、不良品など)や、使用済みの各種産業製品(産業機器、家具、建材など)から回収された回収フォームなどが挙げられる。
【0010】
ウレタンフォームは、発泡方法により、硬質ウレタンフォーム、半硬質ウレタンフォーム及び軟質ウレタンフォームと3つに大別することが出来る。気泡が連通し柔らかくて復元性のあるものを「軟質ウレタンフォーム」と言い、独立気泡で硬くて復元性が無いものを「硬質ウレタンフォーム」と言う。また、中間的な性状のものを「半硬質ウレタンフォーム」と言う。
これらのうち本発明のウレタンフォームのリサイクル方法おいては、軟質ウレタンフォームを用いることが好ましい。軟質ウレタンフォームは後述の分離工程における上層液とジエタノールアミンとの分離性が良好であり、上層液に含まれるアミン成分を少なくすることができるため、上層液を用いて成形性が良好で、所望の高度を有するウレタンフォームを再形成することが出来る。
(【0011】以降は省略されています)

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