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公開番号2024158595
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073924
出願日2023-04-28
発明の名称板材プレス曲げ成形品のスプリングバック後の形状変化予測方法
出願人JFEスチール株式会社,国立大学法人広島大学
代理人個人
主分類B21D 22/00 20060101AFI20241031BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】金属板を曲げ成形した板材プレス曲げ成形品のスプリングバック直後からの時間経過に伴う形状変化を予測する板材プレス曲げ成形品のスプリングバック後の形状変化予測方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る板材プレス曲げ成形品のスプリングバック後の形状変化予測方法は、材料構成式に基づいて、板材プレス曲げ成形品21の曲げ曲面部23におけるひずみ及び応力と、曲げ曲面部23の曲げモーメント及び曲率と、を、金属板11を板材プレス曲げ成形品21に曲げ成形する過程(S20)と、曲げ成形した板材プレス曲げ成形品21を金型1内で保持する過程(S30)と、金型1から離型して除荷した板材プレス曲げ成形品21がスプリングバックする過程(S40)と、除荷してスプリングバックした後の板材プレス曲げ成形品21を放置する過程(S60)と、の各過程について計算するものである。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属板を曲げ成形した板材プレス曲げ成形品の離型後に瞬間的に発生するスプリングバック直後から時間経過に伴って前記板材プレス曲げ成形品の曲げ曲面部に生じる形状変化を予測する板材プレス曲げ成形品のスプリングバック後の形状変化予測方法であって、
金型を用いて前記金属板を前記板材プレス曲げ成形品に曲げ成形する過程と、曲げ成形した前記板材プレス曲げ成形品を前記金型内の成形下死点位置で保持する過程と、保持した前記板材プレス曲げ成形品を前記金型から離型して除荷し該板材プレス曲げ成形品がスプリングバックする過程と、除荷してスプリングバックした後の前記板材プレス曲げ成形品を放置する過程との各過程について、前記曲げ曲面部の板断面の板厚方向に板曲げ中心線上を含む位置に3点以上の評価点が設定された曲げ曲面部簡易モデルを用い、前記各過程について離散化された時間刻みごとに、以下の式(1)~式(6)の材料構成式に基づいて、前記各評価点におけるひずみ及び応力と、前記曲げ曲面部の曲げモーメント及び曲率とを求めるものであり、
前記材料構成式の材料定数と、前記各過程の時間刻みと、前記曲げ成形する過程における前記曲げ曲面部の加工速度に対応する曲率速度と、前記曲げ曲面部の目標曲率と、を含む計算諸元を設定する計算諸元設定ステップと、
前記曲げ成形する過程について、前記曲げ曲面部簡易モデルが前記曲率速度で曲げ成形されて前記目標曲率に至るまで、前記曲げ成形する過程の時間刻みごとに、前記材料構成式に基づいて前記曲げ曲面部簡易モデルの前記各評価点におけるひずみ及び応力と、前記曲げ曲面部簡易モデルの曲率を計算する曲げ成形過程計算ステップと、
前記金型内で保持する過程について、所定の保持時間が経過するまで、前記金型内で保持する過程の時間刻みごとに、前記材料構成式に基づいて前記曲げ曲面部簡易モデルの前記各評価点におけるひずみ及び応力を計算する金型内保持過程計算ステップと、
前記板材プレス曲げ成形品を離型して除荷する過程について、前記曲げ成形過程計算ステップとは逆方向に前記曲げ曲面部簡易モデルの曲率速度を設定し、前記曲げ曲面部簡易モデルの曲げモーメントが0になるまで、前記除荷する過程の前記時間刻みごとに、前記材料構成式に基づいて前記曲げ曲面部簡易モデルの前記各評価点におけるひずみ及び応力と、前記曲げ曲面部の曲げモーメント及び曲率とを計算する除荷過程計算ステップと、
除荷してスプリングバックした後の前記板材プレス曲げ成形品を放置する過程について、前記放置する過程の時間刻みごとに、前記材料構成式に基づいて前記曲げ曲面部簡易モデルの前記各評価点におけるひずみ及び応力と、前記曲げ曲面部の曲げモーメント及び曲率とを計算する放置過程計算ステップと、を含み、
該放置過程計算ステップは、前記各時間刻みにおいて、仮の曲率速度を設定して前記曲げ曲面部簡易モデルの前記評価点におけるひずみ及び応力を計算し、該計算した応力に基づいて前記曲げ曲面部簡易モデルの曲げモーメントを計算し、該計算した曲げモーメントが十分に0に近い値となるまで、該曲げモーメントが0に近づくように前記曲げ曲面部簡易モデルの仮の前記曲率速度の修正と、前記各評価点におけるひずみ及び応力と、前記曲げモーメントの計算と、を繰り返し実行し、前記曲げモーメントが十分に0に近い値となったと判断された場合、前記曲げ曲面部簡易モデルの曲率を更新して次の時間刻みに進む、ことを特徴とする板材プレス曲げ成形品のスプリングバック後の形状変化予測方法。
TIFF
2024158595000014.tif
102
165
ただし、式(1)~式(6)中に示す各記号は以下のとおりである。
ε
x
、ε
y
、ε
z
:x方向(長手方向)、y方向(板厚方向)、z方向(板幅方向)の真ひずみ
κ:曲げ曲面部の無次元曲率
y:板厚方向座標
h:板厚

p
ij
/dt:塑性ひずみ速度
s
ij
:偏差応力
α

ij
:偏差背応力
X:超過応力
Y、D、p:材料定数
<>:マコーレーの括弧

eq
/dt:相当塑性ひずみ速度

x
/dt、dσ
z
/dt:x方向、z方向の応力速度
E、ν:材料定数

x
/dt、dε
z
/dt:x方向、z方向のひずみ速度

p
x
/dt、dε
p
z
/dt:x方向、z方向の塑性ひずみ速度


ij
/dt:偏差背応力速度
C、a:材料定数
添字
i、j:x方向、y方向、z方向

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、板材プレス曲げ成形品のスプリングバック後の形状変化予測方法及び形状変化予測プログラムに関し、特に、金型から離型した瞬間的に発生するスプリングバック直後から時間経過に伴って前記板材プレス曲げ成形品の曲げ曲面部に生じる形状変化を予測する板材プレス曲げ成形品のスプリングバック後の形状変化予測方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
プレス成形は金属部品を低コストかつ短時間に製造することができる製造方法であり、多くの自動車部品の製造に用いられている。近年では、自動車の衝突安全性と車体の軽量化を両立するため、より高強度な金属板が自動車部品に利用されるようになっている。
【0003】
高強度な金属板をプレス成形する場合の主な課題の一つにスプリングバックによる寸法精度の低下がある。プレス成形により金属板を変形させる際にプレス成形品に発生した残留応力が駆動力となり、金型から離型したプレス成形品がプレス成形前の金属板の形状にバネのように瞬間的に戻ろうとする現象をスプリングバックと呼ぶ。
【0004】
プレス成形時に発生する残留応力は高強度な金属板(例えば、高張力鋼板)ほど大きくなるため、スプリングバックによる形状変化も大きくなる。したがって高強度な金属板ほどスプリングバック後の形状を規定の寸法内におさめることが難しくなる。そこでスプリングバックによるプレス成形品の形状変化を精度良く予測する技術が重要となる。
【0005】
スプリングバックによる形状変化の予測には、有限要素法によるプレス成形シミュレーションの利用が一般的である。当該プレス成形シミュレーションにおける手順としては、まず、金属板を成形下死点までプレス成形する過程のプレス成形解析を行い、プレス成形下死点での残留応力を予測する第1段階(例えば特許文献1)と、金型から離型した(取り出した)プレス成形品がスプリングバックにより形状が変化する過程のスプリングバック解析を行い、離型したプレス成形品における力のモーメントと残留応力との釣り合いがとれる形状を予測する第2段階(例えば特許文献2)に分けられる。
【0006】
これまでに、前述した第1段階のプレス成形解析と第2段階のスプリングバック解析とを統合したプレス成形シミュレーションを行うことにより、金型から離型してスプリングバックしたプレス成形品の形状が予測されてきた。
しかしながら、プレス成形シミュレーションにより予測されたプレス成形品の形状と実際にプレス成形されたプレス成形品の形状とを比較した際、プレス成形シミュレーションによる形状予測精度が低くなるプレス成形品がある。
【0007】
一例として図10に示すように、パンチ3とダイス5と備えた金型1を用いて金属板11をプレス成形(曲げ成形)した板材プレス曲げ成形品21は、金型1から離型してスプリングバックした直後と数日経過した後とでは、板材プレス曲げ成形品21の曲げ曲面部23が変形して板材プレス曲げ成形品21の形状が異なる。
【0008】
このような板材プレス曲げ成形品21の時間単位の経過に伴う経時変化は、クリープ現象のように外部から高い荷重を受け続ける構造部材が徐々に変形する現象(例えば、特許文献3)と類似しているように思われるが、外部から荷重を受けていない板材プレス曲げプレス成形品に起こる形状変化であり、クリープ現象による形状変化を取り扱う解析手法を適用することはできない。
【0009】
これに対し、金型から離型した瞬間にスプリングバックしたプレス成形品における、その後の時間単位の経過による形状変化を予測するプレス成形品の形状変化予測方法として、プレス成形品のスプリングバック解析により、スプリングバックした直後のプレス成形品の形状及び残留応力を取得し、その残留応力よりも緩和し減少させた残留応力の値を設定したプレス成形品について、力のモーメントが釣り合う形状を求める形状解析を行う方法が開示されている(例えば特許文献4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許5795151号公報
特許5866892号公報
特開2013-113144号公報
特許6888703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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