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公開番号2024157993
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072731
出願日2023-04-26
発明の名称発電機ロータのアライメント調整量算出方法及び発電機ロータのアライメント調整量演算装置
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F01D 25/00 20060101AFI20241031BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】タービン発電システムの組立後の発電機ロータのアライメント調整のためのセンタリング計測を不要にする。
【解決手段】発電機ロータのアライメント調整量算出方法は、タービン発電システムの分解前に、カップリング間の芯差及び面開き量を計測するセンタリング計測を行うセンタリング計測工程と、タービン発電システムの分解前に、三次元計測装置により、静止点に対する発電機上の評価点の相対位置を計測する第1相対位置計測工程と、分解したタービン発電システムの組立後に、三次元計測装置により、静止点に対する評価点の相対位置を計測する第2相対位置計測工程と、センタリング計測工程での計測結果、第1相対位置計測工程での計測結果及び第2相対位置計測工程での計測結果に基づいて、発電機ロータのアライメント調整量を算出するアライメント調整量算出工程と、を備える。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
発電機の発電機ロータとタービンのタービンロータとが各々のカップリングを介して連結されて構成されるタービン発電システムにおいて、前記発電機ロータのアライメント調整量を算出する発電機ロータのアライメント調整量算出方法であって、
前記タービン発電システムの分解前に、前記カップリング間の芯差及び面開き量を計測するセンタリング計測を行うセンタリング計測工程と、
前記タービン発電システムの分解前に、三次元計測装置により、静止点に対する前記発電機上の評価点の相対位置を計測する第1相対位置計測工程と、
分解した前記タービン発電システムの組立後に、前記三次元計測装置により、前記静止点に対する前記評価点の相対位置を計測する第2相対位置計測工程と、
前記センタリング計測工程での計測結果、前記第1相対位置計測工程での計測結果及び前記第2相対位置計測工程での計測結果に基づいて、前記発電機ロータのアライメント調整量を算出するアライメント調整量算出工程と、を備える、発電機ロータのアライメント調整量算出方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記アライメント調整量算出工程において、前記第1相対位置計測工程での計測結果及び前記第2相対位置計測工程での計測結果に基づいて、前記静止点に対する前記発電機ロータの相対移動量を算出し、前記センタリング計測工程での計測結果及び前記発電機ロータの前記相対移動量に基づいて、前記発電機ロータのアライメント調整量を算出する、請求項1に記載の発電機ロータのアライメント調整量算出方法。
【請求項3】
前記第1相対位置計測工程及び前記第2相対位置計測工程において、前記発電機ロータの軸方向における同位置に2つの前記評価点が設けられ、
前記アライメント調整量算出工程において、前記軸方向における同位置に設けられた2つの前記評価点の前記相対移動量の平均値から、前記静止点に対する前記発電機ロータの前記相対移動量を算出する、請求項2に記載の発電機ロータのアライメント調整量算出方法。
【請求項4】
前記アライメント調整量算出工程において、前記センタリング計測工程での計測結果、前記第1相対位置計測工程での計測結果、前記第2相対位置計測工程での計測結果及び前記タービンロータのアライメント調整量に基づいて、前記発電機ロータのアライメント調整量を算出する、請求項1に記載の発電機ロータのアライメント調整量算出方法。
【請求項5】
前記第1相対位置計測工程及び前記第2相対位置計測工程において、前記三次元計測装置は、リフレクタにレーザー光を照射することで前記リフレクタの位置を計測するレーザートラッカであり、前記リフレクタを保持する台座と、前記台座の下部に設けられ、前記発電機に設けられたネジ穴と螺合するネジ部と、を有する計測治具を用いて、前記評価点に前記リフレクタを配置し、前記レーザートラッカにより前記リフレクタにレーザー光を照射することで、前記評価点の位置を計測する、請求項1に記載の発電機ロータのアライメント調整量算出方法。
【請求項6】
前記第1相対位置計測工程及び前記第2相対位置計測工程において、前記三次元計測装置は、リフレクタにレーザー光を照射することで前記リフレクタの位置を計測するレーザートラッカであり、前記リフレクタを保持する台座と、前記台座の下部に設けられ、前記発電機の周囲の基礎に設けられた穴に固定される固定機構と、を有する計測治具を用いて、前記静止点に前記リフレクタを配置し、前記レーザートラッカにより前記リフレクタにレーザー光を照射することで、前記静止点の位置を計測する、請求項1に記載の発電機ロータのアライメント調整量算出方法。
【請求項7】
前記第1相対位置計測工程及び前記第2相対位置計測工程において、前記三次元計測装置は、リフレクタにレーザー光を照射することで前記リフレクタの位置を計測するレーザートラッカであり、前記発電機の周囲の基礎に設けられたソールプレートにネジ穴を形成し、前記リフレクタを保持する台座と、前記台座の下部に設けられ、前記ソールプレートに形成された前記ネジ穴と螺合するネジ部と、を有する計測治具を用いて、前記静止点に前記リフレクタを配置し、前記レーザートラッカにより前記リフレクタにレーザー光を照射することで、前記静止点の位置を計測する、請求項1に記載の発電機ロータのアライメント調整量算出方法。
【請求項8】
前記第1相対位置計測工程及び前記第2相対位置計測工程において、前記三次元計測装置は、リフレクタにレーザー光を照射することで前記リフレクタの位置を計測するレーザートラッカであり、前記発電機の周囲の基礎に設けられたベンチマークにネジ穴を形成し、前記リフレクタを保持する台座と、前記台座の下部に設けられ、前記ベンチマークに形成された前記ネジ穴と螺合するネジ部と、を有する計測治具を用いて、前記静止点に前記リフレクタを配置し、前記レーザートラッカにより前記リフレクタにレーザー光を照射することで、前記静止点の位置を計測する、請求項1に記載の発電機ロータのアライメント調整量算出方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の発電機ロータのアライメント調整量算出方法を用いて、前記発電機ロータのアライメント調整量を算出し出力する発電機ロータのアライメント調整量演算装置であって、
前記センタリング計測工程での計測結果、前記第1相対位置計測工程での計測結果及び前記第2相対位置計測工程での計測結果が入力される入力部と、
前記入力部に入力された前記センタリング計測工程での計測結果、前記第1相対位置計測工程での計測結果及び前記第2相対位置計測工程での計測結果に基づいて、前記発電機ロータのアライメント調整量を算出する演算部と、
前記演算部により算出された前記発電機ロータのアライメント調整量を出力する出力部と、を備える、発電機ロータのアライメント調整量演算装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、発電機ロータのアライメント調整量算出方法及び発電機ロータのアライメント調整量演算装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
タービン発電システムは、発電機の発電機ロータとタービンのタービンロータとが各々のカップリングを介して連結されて構成されている。発電機ロータとタービンロータは、発電設備の定期点検時に切り離され(分解され)、定期点検完了前に再度連結される(組み立てられる)ことになるが、連結の際に各ロータの軸受の支持位置の調整を要し、これをアライメント調整と呼ぶ。
【0003】
一般的な定期点検時の発電機ロータのアライメント調整方法では、アライメント調整量を算出するために、アライメント調整の直前に各ロータのカップリング間の芯差及び面開き量を計測するセンタリング計測を行い、各ロータのアライメント状態を確認する。
【0004】
しかしながら、この方法では、定期点検での点検及び組立後にセンタリング計測を行い、アライメント調整を実施することになる。このため、タービン発電システムの組立後に実施する工程が多くなり、組立後の工程調整が難しくなる。また、定期点検中に発電機をジャッキアップしたり、分解のために発電機を移動させたりした場合、定期点検中に発電機ロータの位置が移動したことにより、発電機ロータのアライメント調整量が大きくなり、アライメント調整により多くの時間を要する。このことも、タービン発電システムの組立後の工程調整を難しくする一因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-159673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、タービン発電システムの組立後の発電機ロータのアライメント調整のためのセンタリング計測を不要にすることができる発電機ロータのアライメント調整量算出方法及び発電機ロータのアライメント調整量演算装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の形態による発電機ロータのアライメント調整量算出方法は、発電機の発電機ロータとタービンのタービンロータとが各々のカップリングを介して連結されて構成されるタービン発電システムにおいて、発電機ロータのアライメント調整量を算出する方法である。発電機ロータのアライメント調整量算出方法は、タービン発電システムの分解前に、カップリング間の芯差及び面開き量を計測するセンタリング計測を行うセンタリング計測工程と、タービン発電システムの分解前に、三次元計測装置により、静止点に対する発電機上の評価点の相対位置を計測する第1相対位置計測工程と、分解したタービン発電システムの組立後に、三次元計測装置により、静止点に対する評価点の相対位置を計測する第2相対位置計測工程と、センタリング計測工程での計測結果、第1相対位置計測工程での計測結果及び第2相対位置計測工程での計測結果に基づいて、発電機ロータのアライメント調整量を算出するアライメント調整量算出工程と、を備える。
【0008】
また、実施の形態による発電機ロータのアライメント調整量演算装置は、上述した発電機ロータのアライメント調整量算出方法を用いて、発電機ロータのアライメント調整量を算出し出力する装置である。発電機ロータのアライメント調整量演算装置は、センタリング計測工程での計測結果、第1相対位置計測工程での計測結果及び第2相対位置計測工程での計測結果が入力される入力部と、入力部に入力されたセンタリング計測工程での計測結果、第1相対位置計測工程での計測結果及び第2相対位置計測工程での計測結果に基づいて、発電機ロータのアライメント調整量を算出する演算部と、演算部により算出された発電機ロータのアライメント調整量を出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タービン発電システムの組立後の発電機ロータのアライメント調整のためのセンタリング計測を不要にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、第1の実施の形態によるタービン発電システムの概略構成を示す模式図であって、各ロータの上下方向における位置関係を示す模式図である。
図2は、第1の実施の形態によるタービン発電システムの概略構成を示す模式図であって、各ロータの左右方向における位置関係を示す模式図である。
図3は、図1のカップリングを拡大して示す模式図であって、カップリング間の上下方向における芯差及び面開き量を示す模式図である。
図4は、第1の実施の形態によるタービン発電システムの発電機ロータの上下方向におけるアライメント調整方法を説明するための模式図である。
図5は、第1の実施の形態によるタービン発電システムの発電機ロータの左右方向におけるアライメント調整方法を説明するための模式図である。
図6は、第1の実施の形態によるタービン発電システムの発電機を示す側面図である。
図7は、図6の上面図である。
図8は、図7の評価点を拡大して示す上面図である。
図9は、図8の側面図である。
図10は、図7の静止点を拡大して示す上面図である。
図11は、図10の側面図である。
図12は、第2の実施の形態によるタービン発電システムの発電機ロータの上下方向におけるアライメント調整方法を説明するための模式図である。
図13は、第2の実施の形態によるタービン発電システムの発電機ロータの左右方向におけるアライメント調整方法を説明するための模式図である。
図14は、第3の実施の形態によるタービン発電システムの一部を拡大して示す上面図である。
図15は、図14の静止点を拡大して示す側面図である。
図16は、第4の実施の形態によるタービン発電システムの発電機を示す上面図である。
図17は、図16の静止点を拡大して示す側面図である。
図18は、第5の実施の形態による発電機ロータのアライメント調整量演算装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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