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公開番号2025043917
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-01
出願番号2023151516
出願日2023-09-19
発明の名称電解装置
出願人株式会社東芝
代理人弁理士法人サクラ国際特許事務所
主分類C25B 1/27 20210101AFI20250325BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】還元生成物を電解反応により高効率に製造すると共に、還元生成物の回収効率をほ高めること可能にした電解装置を提供する。
【解決手段】実施形態の電解装置は、還元電極が配置され、ガス状の被還元物が供給されるカソード室2と、酸化電極が配置され、液状又は液体が気化した状態の被酸化物が供給されるアノード室3と、カソード室2とアノード室3との間に設けられた隔膜4とを備える電解セル5を具備する。還元電極及び隔膜4の少なくとも一方は、少なくとも無機酸化物微粒子と無機酸化物微粒子を結着する有機高分子材料とを含む複合体を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
還元電極が配置され、ガス状の被還元物が供給されるカソード室と、酸化電極が配置され、液状又は液体が気化した状態の被酸化物が供給されるアノード室と、前記カソード室と前記アノード室との間に設けられた隔膜とを備える電解セルを具備する電解装置であって、
前記還元電極及び前記隔膜の少なくとも一方は、少なくとも無機酸化物微粒子と前記無機酸化物微粒子を結着する有機高分子材料とを含む複合体を備える、電解装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記無機酸化物微粒子は、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、及び層状ケイ酸塩鉱物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電解装置。
【請求項3】
前記有機高分子材料は、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン-クロロトリフロオロエチレンコポリマー、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリ(4-ビニルピリジン、及びイオン交換樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電解装置。
【請求項4】
前記還元電極が備える前記複合体は、さらに、前記被還元物を還元する還元触媒と、前記還元触媒を担持する多孔質炭素材料とを含み、前記還元触媒を担持する前記多孔質炭素材料は、前記無機酸化物微粒子と共に前記有機高分子材料で結着されている、請求項1に記載の電解装置。
【請求項5】
前記複合体における前記有機高分子材料の質量の比は、前記還元触媒を担持する前記多孔質炭素材料の質量と前記無機酸化物微粒子の質量の合計に対して、0.3以上4.0以下の範囲であり、前記還元触媒を担持する前記多孔質炭素材料の質量の比は、前記無機酸化物微粒子の質量に対して、1.0以上10.0以下の範囲である、請求項4に記載の電解装置。
【請求項6】
前記隔膜が備える前記複合体における前記有機高分子材料の質量の比は、前記無機酸化物微粒子の質量に対して、0.1以上0.7以下の範囲である、請求項1に記載の電解装置。
【請求項7】
前記隔膜の厚みは10μm以上500μm以下である、に記載の電解装置。
【請求項8】
前記電解装置は窒素を還元してアンモニアを製造する窒素電解装置であり、
前記還元電極は還元触媒としてモリブデン錯体を含む、請求項1に記載の電解装置。
【請求項9】
さらに、前記カソード室にガス状の窒素を導入する窒素供給部を備える窒素供給ユニットと、
前記カソード室の排出物に含まれるアンモニアを捕集するアンモニア捕集部を備えるアンモニア捕集ユニットと、
前記アノード室から排出される前記電解液からアンモニアを分離するアンモニア分離部を備えるアンモニア分離ユニットと
を具備する、請求項8に記載の電解装置。
【請求項10】
さらに、前記アノード室に収容される前記電解液を、前記第アノード室の外部で循環させるための循環配管と、前記循環配管中に配置され、前記電解液を貯留するための電解液貯留槽とを備える電解液循環ユニットを具備する、請求項9に記載の電解装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電解装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
アンモニアの生産量は、1年間のうち全世界で約1億4000万トンであり、その生産量は上昇を続けている。生産量の約80%は肥料の原料として利用され、主に尿素、硝酸、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等、他の窒素化合物に変換されている。一方、残りの20%は合成樹脂や繊維の製造に利用されている。世界的な人口増加と耕地面積の不足、新興国を中心とした食生活の高度化による食糧不足に対応するためにも、アンモニアの需要が増加している。さらに、アンモニアは、取り扱いの容易さ、高いエネルギー密度、炭素を含まずに利用した際に二酸化炭素を排出しないという特徴から、エネルギーキャリアとしての利用も注目されている。
【0003】
現在、アンモニアは100年ほど前に発明されたハーバー・ボッシュ法と呼ばれる手法により、石油、石炭、天然ガス等の化石燃料由来の水素ガスと窒素ガスから工業的に合成されている。この合成反応は、高温(400~650℃)、高圧(200~400気圧)の過酷な条件が必要となり、世界の全エネルギーの1.2%を消費することから、二酸化炭素の排出が多い。将来にわたり、持続可能な社会を形成するためにも、化石燃料への依存度の低い代替プロセスの開発が望まれている。
【0004】
このような点に対して、窒素(NH

)を電解して還元することによりアンモニア(NH

)を製造する電解方法及び電解装置において、常温常圧で窒素からアンモニアを生成する触媒の開発が進められている。例えば、触媒として、PNP(2,6-ビス(ジ‐tert-ブチルフォスフィノメチル)ピリジン)配位子を有するモリブデンヨード錯体と、プロトン源としてのアルコール又は水と、還元剤としてのランタノイド系金属のハロゲン化物(II)、例えばヨウ化サマリウム(II)とを含む溶液を、常温の窒素ガスの存在下で撹拌することによって、触媒当たり最大4350当量のアンモニアが生成されたことが報告されている。また、触媒として、PNP配位子を有するモリブデンヨード錯体を用いると共に、プロトン源として、カソード槽に用いる溶液、又は電解質膜及びカソード槽に用いる溶液の双方を用いる方法が報告されている。
【0005】
上記した窒素(N

)の還元によりアンモニア(NH

)を製造する電解装置等においては、窒素ガスを還元してアンモニアを生成する還元電極や、還元電極と酸化電極との間に配置される隔膜(セパレータ)等の各部の構成によって、アンモニア等の電解生成物の製造効率や回収効率が低下することが問題となっている。例えば、隔膜にはイオン交換樹脂膜が適用されているが、イオン交換樹脂膜は電解液等の液体の透過性が高く、被還元ガスが供給される還元電極側でフラッディング現象が生じやすい。フラッディング現象は、還元電極側におけるアンモニア等の電解生成物の生成効率や回収効率を低下させる要因となる。そこで、隔膜等に起因するアンモニア等の電解生成物の製造効率や回収効率を高めることが求められている。このような課題は窒素の還元によりアンモニアを製造する窒素電解装置に限らず、例えば水(H

O)を電解して水素(H

)等を生成する水電解装置、二酸化炭素(CO

)を電解して一酸化炭素(CO)、ギ酸(HCOOH)、メタノール(CH

OH)、エタノール(C



OH)等の炭素化合物を生成する二酸化炭素電解装置等の電解装置においても求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2019/168093号
国際公開第2021/045206号
【非特許文献】
【0007】
Nature Communications 8:14874 doi:10.1038/ncomms 14874
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、アンモニア等の還元生成物を電解反応により高効率に製造すると共に、還元生成物の回収効率高めること可能にした電解装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の電解装置は、還元電極が配置され、ガス状の被還元物が供給されるカソード室と、酸化電極が配置され、液状又は液体が気化した状態の被酸化物が供給されるアノード室と、前記カソード室と前記アノード室との間に設けられた隔膜とを備える電解セルを具備する。実施形態の電解装置において、前記還元電極及び前記隔膜の少なくとも一方は、少なくとも無機酸化物微粒子と前記無機酸化物微粒子を結着する有機高分子材料とを含む複合体を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態のアンモニア製造装置を示す図である。
図1に示すアンモニア製造装置の電気化学反応ユニットの第1の例を示す図である。
図1に示すアンモニア製造装置の電気化学反応ユニットの第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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