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公開番号2024157736
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072274
出願日2023-04-26
発明の名称ケーブル式手動遠隔操作装置
出願人日本フレックス工業株式会社
代理人
主分類A01D 34/90 20060101AFI20241031BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】駆動源を有する作業用機器の作動を停止することなく、前記作業用機器を保持軸周りに回動可能とし、作業用機器の機能拡大を図る。
【解決手段】作業用機器Cの非作動部分と一体回動する作動用回動体20と、これと離間した位置でスライド兼回動可能な操作用回動体10を有し、前記操作用回動体10による操作で、前記作動用回動体20の回動角の保持解除・角度変更・再保持を連続的に遠隔操作するケーブルC1・C2・C3を備える。刈払機Kに適用した場合、草刈り用の刈刃回転体を操作棹Pの周りに速やかに回動でき、多様な草刈り場に適用可能であり、かつ、作業効率の向上と疲労軽減が可能となる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
円周軸の外周上で前記円周軸のまわりに回動自在に保持される、
手動用の操作用回動体と、
前記操作用回動体と離間し、駆動源を有する作業用機器の非作動部分が一体連結された作動用回動体と、
に対し、
前記操作用回動体の第1方向への回動操作とそれと反対の第2方向への回動操作を、前記操作用回動体と前記作動用回動体に掛け渡された第1あるいは第2のケーブルを介して前記作動用回動体に伝達し、所定の回動角を付与する回動機構とともに、
少なくとも前記作動用回動体に対し、前記回動操作により付与された作動用回動体の回動角を保持する保持機構を備える、
ケーブル式手動遠隔操作装置
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記回動機構に係るそれぞれのケーブルが、
前記操作用回動体と前記作動用回動体のいずれにおいても、その内部に形成された、前記円周軸の円周方向から軸方向に延びるケーブルガイドに沿って配索される、
請求項1のケーブル式手動遠隔操作装置
【請求項3】
前記作動用回動体と前記操作用回動体のいずれにも前記保持機構を備え、
第3のケーブルを介して、これらの保持機構を連動して作動させる連動保持機構を有する、
請求項2のケーブル式手動遠隔操作装置
【請求項4】
前記回動機構は、
前記操作用回動体においては、前記円周軸の周上で装着固定され、ケーブルガイド溝を
有する第1ケーブルガイド部材と、
前記第1ケーブルガイド部材の外周面上を回動し、かつ、前記第1ケーブルガイド部材の円周方向溝から引き出されたケーブル端の係止め部を有する第1回動部材からなり、
一方、前記作動用回動体においては、前記操作用回動体と同様の、第2ケーブルガイド部材と第2回動部材からなり、
前記連動保持機構は、
前記作動用回動体においては、前記第2ケーブルガイド部材に回動不能かつスライド可能に保持されるとともに、前記第2回動部材との嵌合歯をも備えるロック部材を、付勢バネでスライド移動して前記第2回動部材とのロック保持状態を成し、
一方、操作用回動体においては、前記第1回動部材と一体回動可能かつスライド可能に保持されたスライド兼回動操作部材を内蔵し、非スライド時には前記第3ケーブルを介した付勢力で前記スライド兼回動操作部材の有する嵌合歯が、前記第1ケーブルガイド部材に備える回動阻止突起と嵌合状態を成して回動不能となり、
前記スライド兼回動操作部材を前記付勢力に抗してスライド操作した場合には、前記第3ケーブルを介して前記ロック部材と連動してロック解除状態(回動可能)とするものである、
請求項3に記載のケーブル式手動遠隔操作装置
【請求項5】
操作棹の一端に刈刃回転体を内蔵するヘッド部を備えるとともに、前記ヘッド部から離間した位置で前記操作棹に一体保持されるハンドル部を有する刈払機であって、
前記作動用回動体を前記操作棹の一端部外周で軸芯周りに回動可能に保持し、かつ、前記ヘッド部を前記作動用回動体と一体固定するとともに、前記操作用回動体を前記ハンドル部の近傍に設けて、
回動角の保持と非保持及び回動角変更の操作を、ケーブルを介して、前記作動用回動体に伝達することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の、
刈払機用のケーブル式手動遠隔操作装置
【請求項6】
前記作動用回動体の可能回動角が±90度の範囲である、
請求項5のケーブル式手動遠隔操作装置

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源を有する作業用機器の非作動部分を円周軸上で保持しつつ、手動遠隔操作により前記円周軸上まわりに回動可能とするケーブル式手動遠隔操作装置に関するものである。
ここで、駆動源を有する作業用機器とは、エンジン駆動力・電気エネルギー等を駆動源として、切断・切削・磨き・捕縛・握り等の機械動作的作業のみでなく、スイッチング操作等による照明・撮影等の情報取得的作業も含む機器を言う。
また、本願のケーブルとは、インナケーブルとそれを挿通するアウタケーシングを基本構成要素とする一般的なコントロールケーブルを言う。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ケーブル式の手動遠隔操作で回動操作を行うものとして、一対のプーリ間に時計回り方向と反時計回り方向のワイヤロープをそれぞれ設け、入力側プーリの回動操作で出力側プーリに伝達し、出力側プーリと一体の被駆動体を回動可能とするものが知られている。例えば、自動車の空調装置のヒートコントロールにおいて、入力プーリと一体固定の操作ダイヤルを有し、出力プーリの出力軸には通風ダクト中に配置される開閉扉の駆動軸が連結されているものがある(特許文献1)。
上記の場合、入出力プーリとも、その回動挙動はこれらと一体の軸を回動するものであり、被駆動体の回動挙動により作業用機器の本来の作動機能(扉の開閉作業)を発揮するものである。
また、古い技術として、自動二輪車のスロットル操作装置において、スロットルグリップと一体のワイヤドラムがハンドル軸周りに回動し、開弁用と閉弁用のスロットルワイヤを介してスロットル弁を遠隔操作するものがある(特許文献2)。この遠隔装置では、操作側のスロットルグリップは円周軸上まわりの回動体であるが、被駆動体の回動挙動により本来の回動機能(スロットル弁の開閉)を発揮する点は上記例と同様である。
更に、これらはいずれも被駆動体が円周軸周りに回動するものではない。
一方、本願発明は、駆動源からの駆動力で本来の作業用機器の作動機能を維持したまま、この機器の非作動部分を円周軸上で回動させ、その回動により作業用機器の機能拡大を図る点に特徴があり、上記の場合とは大きく異なる。
【0003】
例えば刈払機については、作業用機器は刈払いヘッド部であり、作業用機器の作動部分は刈刃回転体で、非作動部分は刈刃回転体を内蔵するボディとなる。このボディ部分を操作棹上で回動・保持させ、その回動により刈刃回転体の機能拡大を図るものがある。刈払機の典型的な構成では、操作棹の一端に刈刃用の回転刃を内蔵した刈払いヘッドが備えられ、エンジン等を駆動源として操作棹の円筒管内を挿通する伝達軸により駆動力が伝達される。このような刈払機で、のり面等の傾斜した場所の雑草等を刈払う場合に、作業者が刈払機を傾けて作業する必要があり、作業者の疲労が増大する。そこで、刈払いヘッドと一体の連結機構を設け、前記連結機構を操作棹の軸心周りに回動可能とし、前記連結機構を手動で直接操作して所望の回動角を設定するものが開示されている(特許文献3)。また、その他の方法として、操作棹を前後に分割し、後の操作棹部に対し前の部分を回動可能にする場合には、振動の発生により刈払いヘッドを所望の姿勢に保持できない、との言及がある(特許文献3)。
【0004】
同じく、刈払機について、草や土等の飛散防止策として、刈刃を棹軸前方上面視で右側を接地面に近づけるように傾け、飛散物を作業者から遠ざける方向に向けているものがある(特許文献4)。刈刃が上面視で反時計方向に回転することを考慮したものである。即ち、刈刃を棹軸周りに回動することで、草や土等の飛散防止策になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-187997号公報
実開昭54-039861号公報
特開2022-54476号公報
特開2016-140274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的には、作業用機器の内、機械動作的作業は回転等の動きを含むため、作業用機器の作動中にその近傍に近づくのは避けなければならない。特許文献3の刈払機の例では、刈刃回転体の回動角の設定は、刈刃回転体内の近傍にて手動で行う。この場合、刈刃回転体の作動は安全上一旦停止となる。草刈り場は、一般的には変化する傾斜面を有しており、その都度所望の回動角や傾斜角に変更する必要があるので、特にエンジンを駆動源とする場合は、何度もエンジンを停止しなければならず、作業効率が大幅に悪化する。即ち、安全上の配慮から作業効率の悪化を招くケースである。
一方、安全上の配慮は特に必要ないが、作業用機器が手の届かない遠方位置や地中・管内等にあって、その作業用機器の非作動部分の保持部を回動させて機能を有効的に利用したい場合がある。例えば、管内に挿入された撮影機器の撮影部位を変更しつつ、管内壁面を継続的に調査したいケースである。
【0007】
そこで、本願では、作業用機器の作動を停止させることなく、前記作業用機器の非作動部分を保持軸上まわりに所望の回動角に速やかに設定可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本願発明は次の構成をなすが、刈払機に関してはその適用部位を限定している。
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係るケーブル式手動遠隔操作装置は、
円周軸の外周上で前記円周軸のまわりに回動自在に保持される、手動用の操作用回動体と、前記操作用回動体と離間し、駆動源を有する作業用機器の非作動部分が一体連結された作動用回動体と、に対し、前記操作用回動体の第1方向への回動操作とそれと反対の第2方向への回動操作を、前記操作用回動体と前記作動用回動体に掛け渡された第1あるいは第2のケーブルを介して前記作動用回動体に伝達し、所定の回動角を付与する回動機構とともに、
少なくとも前記作動用回動体に対し、前記回動操作により付与された作動用回動体の回動角を保持する保持機構を備えるものである(請求項1)。
【0010】
好適な構成として、前記ケーブル式手動遠隔操作装置は、前記回動機構に係るそれぞれのケーブルが、前記操作用回動体と前記作動用回動体のいずれにおいても、その内部に形成された、前記円周軸の円周方向から軸方向に延びるケーブルガイドに沿って配索されているものである(請求項2)。
(【0011】以降は省略されています)

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