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公開番号2024155365
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023070021
出願日2023-04-21
発明の名称通路型箱罠
出願人NPO法人野生動物被害対策研究会
代理人
主分類A01M 23/20 20060101AFI20241024BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】圃場を囲む侵入防止柵の一部に設置される通路型箱罠において、簡易な構成により、動物の大きさに関係なく対象動物を確実に捕獲できるようにする。
【解決手段】圃場8を囲む侵入防止柵9の一部に設置される通路型箱罠10であって、2つの開口部1a、1bの一方を柵外に他方を柵内にそれぞれ向けて設置される略直方体の檻本体1と、2つの開口部をそれぞれ開閉しかつ開位置に保持可能な2つの扉2a、2bと、檻本体1内の床面1c上で幅方向Wに延在する1つの端部3aから柵内に向かって登坂の傾斜姿勢で設置可能な略矩形の踏板部3と、踏板の踏み下げに応じて2つの扉を開位置から閉位置とするためのトリガー機構5と、を備え、踏板部3は、檻本体1の長手方向Lにおいて対象動物が飛び越え不可能な長さAを有すると共に、檻本体1の幅W方向において対象動物が横をすり抜け不可能な長さBを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
圃場(8)を囲む侵入防止柵(9)の一部に設置される通路型箱罠(10)であって、
2つの開口部(1a、1b)の一方を柵外に他方を柵内にそれぞれ向けて設置される略直方体の檻本体(1)と、
前記2つの開口部(1a、1b)をそれぞれ開閉しかつ開位置に保持可能な2つの扉(2a、2b)と、
前記檻本体(1)内の床面(1c)上で幅方向(W)に延在する1つの端部(3a)から柵内に向かって登坂の傾斜姿勢で設置可能な略矩形の踏板(31)を少なくとも具備する踏板部(3)と、
前記踏板部(3)の降下に応じて前記2つの扉(2a、2b)を開位置から閉位置とするためのトリガー機構(5)と、を備え、
前記踏板部(3)は、前記檻本体(1)の長手方向(L)において対象動物が飛び越え不可能な長さ(A)を有すると共に、前記檻本体(1)の幅(W)方向において対象動物が横をすり抜け不可能な長さ(B)を有する、通路型箱罠。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記踏板部(3)が、前記踏板(31)の前記端部(3a)に対向する別の端部(3b)に連結されかつ前記柵内に向かって降坂の傾斜姿勢で設置可能な略矩形の第2の踏板(32)を備える、請求項1に記載の通路型箱罠。
【請求項3】
前記踏板(31)及び/又は前記第2の踏板(32)がワイヤーメッシュである、請求項1又は2に記載の通路型箱罠。
【請求項4】
前記踏板部(3)が、前記檻本体(1)の長手方向(L)において柵内側に寄った位置に配置される、請求項1又は2に記載の通路型箱罠。
【請求項5】
前記踏板部(3)を傾斜姿勢に保持するように吊り上げるための線状連結部材(4)と、
前記線状連結部材(4)に掛かる張力が印加されかつ磁力により所定の固定物に付着することによって前記線状連結部材(4)を介して前記踏板部(3)を保持する磁石(5i)と、を備えた請求項1又は2に記載の通路型箱罠。
【請求項6】
前記踏板部(3)の降下に応じて前記磁石(5i)が前記固定物から外れることによって、前記トリガー機構(5)が作動する、請求項5に記載の通路型箱罠。
【請求項7】
前記トリガー機構(5)が、前記磁石(5i)の磁力線の消失を検知するセンサ(5k)を有し、前記センサ(5k)による磁力線の消失の検知によって前記トリガー機構(5)が作動する、請求項6に記載の通路型箱罠。
【請求項8】
前記踏板部(3)を傾斜姿勢に保持するように吊り上げるための線状連結部材(4)を備え、前記トリガー機構(5)は、
前記2つの扉(2a、2b)を開位置に保持する保持手段(6)を解除するための初動を生じるトリガー部材(5g)と、
前記線状連結部材(4)の上端と連結され、前記トリガー部材(5g)を所定の位置に保持するためのロックピン(5a)と、を有し、
前記踏板(3)の踏み下げによって前記ロックピン(5a)が前記トリガー部材(5g)から外れると、前記トリガー部材(5g)の初動を生じる、請求項1又は2に記載の通路型箱罠。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、侵入防止柵で囲まれた圃場へ侵入しようとする害獣を捕獲する通路型箱罠に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、農作物の食害を防止するために害獣を捕獲する装置として、箱罠が知られている。一般的な箱罠は、対象動物がよく通るであろうと想定される場所に設置され、扉を開位置に保持し餌を置いて中に入るように誘引する。箱罠には、入口が1つのみの片扉式と、2つの入口をもつ両扉式がある。扉を閉じるための仕掛けとして、横方向の蹴り糸、縦方向の蹴り糸、踏板などがある。特許文献1、2は、踏板を設けた両扉式箱罠を開示している。
【0003】
特許文献3は、圃場の周りを害獣侵入防止柵で囲み、その柵の一部を開放し、開放部分に両扉式の箱罠を設置する方式を開示している。この場合の箱罠は、一方の開口部が柵外に、他方の開口部が柵内に向くように設置される。これは、一方の開口部を入口とし他方の開口部を出口とする通路型箱罠である。動物の習性として、圃場を囲む柵の一部に侵入し易い開口部があると、わざわざ柵を壊したり穴を掘ったりして侵入せずにその開口部から侵入しようとする。通路型箱罠は、この習性を利用している。
【0004】
なお、特許文献3では、仕掛けとして物体センサ又はカメラセンサを用い、それにより動物の侵入を感知して扉を閉じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-37524号公報
実用新案登録第3203801号公報
特開2022-22925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2のような圃場外に設置する両扉式箱罠の場合、動物が2つの入口の一方から他方へと通過してしまって捕獲に失敗しても直ちに圃場に被害が発生するものではない。それに対し、特許文献3のような通路型箱罠の場合、一度でも通過されてしまうと必ず圃場に被害が発生してしまうため、確実に通過を阻止しなければならない。そのため、通路型箱罠では、より確実に動物の通過を阻止する仕掛けが求められる。横方向に張る蹴り糸は、その高さ位置が決まっているため飛び越えやくぐり抜けの可能性があり、大小様々な動物を確実に捕獲することができない。縦方向の蹴り糸もその間を通り抜ける可能性があるため同様である。
【0007】
特許文献1、2の両扉式箱罠では踏板を仕掛けとしているが、両方の扉がいずれも入口として機能することを想定しているため、箱の中央部に踏板が設けられている。したがって、特許文献1、2の両扉式箱罠を、特許文献3の侵入防止柵の一部に設置した場合、中央部の踏板を飛び越える動物もいるため、やはり大小様々な動物を確実に捕獲することができない。
【0008】
また、特許文献3に記載されるようなセンサによる動物の感知システムはコスト高となる問題がある。
【0009】
以上の現状に鑑み、本発明の目的は、圃場を囲む侵入防止柵の一部に設置される通路型箱罠において、簡易な構成により、対象動物を確実に捕獲できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するべく本発明は、以下の構成を提供する。括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付している。
(【0011】以降は省略されています)

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