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公開番号2024157615
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072054
出願日2023-04-26
発明の名称ホームドア診断システム
出願人西日本旅客鉄道株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類B61B 1/02 20060101AFI20241031BHJP(鉄道)
要約【課題】ホームドアの状態の診断を適切に行えるホームドア診断システムを提供する。
【解決手段】プラットホーム2に設置されたホームドア3の状態を診断するホームドア診断システム1は、いつの時点の診断を行うかを示す診断時点を設定する診断時点設定部11と、診断時点以前におけるホームドア3の状態を示すパラメータに基づいて、診断時点以降におけるホームドア3を開閉動作させるモータMに流れるモータ電流の電流値を電流予測値として予測する予測部12と、予め設定された条件下においてホームドア3を開閉動作した際の診断時点のモータ電流の電流値の測定結果を実測値として取得する実測値取得部14と、電流予測値と実測値とに基づいて、診断時点における実測値の異常度を算定する異常度算定部15と、異常度が予め設定された閾値を超えている場合に、診断時点におけるホームドア3の状態が異常であると判定する状態判定部16と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
プラットホームに設置されたホームドアの状態を診断するホームドア診断システムであって、
いつの時点の診断を行うかを示す診断時点を設定する診断時点設定部と、
前記診断時点以前における前記ホームドアの状態を示すパラメータに基づいて、前記診断時点以降における前記ホームドアを開閉動作させるモータに流れるモータ電流の電流値を電流予測値として予測する予測部と、
予め設定された条件下において前記ホームドアを開閉動作した際の前記診断時点の前記モータ電流の電流値の測定結果を実測値として取得する実測値取得部と、
前記電流予測値と前記実測値とに基づいて、前記診断時点における前記実測値の異常度を算定する異常度算定部と、
前記異常度が予め設定された閾値を超えている場合に、前記診断時点における前記ホームドアの状態が異常であると判定する状態判定部と、
を備えるホームドア診断システム。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記予測部は、前記パラメータとして、前記ホームドアが設置された地域における前記ホームドアが設置されてから前記診断時点までの間の所定の時刻の気温を示す気温情報、及び前記ホームドアが設置されてから前記診断時点までの間に前記予め設定された条件下で実施された前記ホームドアの開閉動作の確認を行う動作確認試験において前記ホームドアを開閉駆動させた際の前記実測値を含む電流値情報を使用する請求項1に記載のホームドア診断システム。
【請求項3】
前記予め設定された条件は、前記プラットホームに乗客がいない条件である請求項1又は2に記載のホームドア診断システム。
【請求項4】
前記予測部は、前記ホームドアの状態が異常でない場合における前記モータ電流の電流値に基づいて学習したモデルを作成し、当該モデルを用いて前記電流予測値を予測する請求項1又は2に記載のホームドア診断システム。
【請求項5】
前記予測部は、前記パラメータとして、前記ホームドアが設置されてから開閉駆動された回数も使用する請求項2に記載のホームドア診断システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラットホームに設置されたホームドアの状態を診断するホームドア診断システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ホームドアが設置されたプラットホームが増えている。このようなホームドアは、決められた周期で作業員が赴いてメンテナンスが行われるケースが多い。しかしながら、このような方法では、ホームドアの状態にかかわらず作業員がホームドアまで足を運ぶ必要があり、ホームドアが、メンテナンスが不要な状態であれば無駄となってしまう。また、メンテナンスを行ってから次のメンテナンスを行うまでの間に、ホームドアの状態を把握することができないといった問題がある。そこで、ホームドアのメンテナンスに利用可能な技術が検討されてきた。
【0003】
特許文献1にはホームドアの保守支援システムについて記載されている。このホームドアの保守支援システムは、ホームドアを開閉動作させるモータに流れる電流値を取得し、別のホームドアを別のモータによって開閉動作させたときに、当該別のモータに流れる電流値を参照して保守の要否を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-104609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、上記のように別のホームドアを別のモータによって開閉動作させたときに、当該別のモータに流れる電流値を参照して保守の要否を判定している。しかしながら、プラットホームには、設置場所によってホームドアを開閉する際のモータ電流が増減し、また、時期によってもモータ電流が増減することが知られている。更には、1つの駅においてもプラットホーム毎にホームドアのタイプが異なる場合もある。特許文献1に記載の技術は、このような設置場所や時期やホームドアのタイプによるモータ電流の増減まで考慮されておらず、ホームドアの状態の判定を適切に行うことができない可能性がある。
【0006】
そこで、ホームドアの状態の診断を適切に行うことが可能なホームドア診断システムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るホームドア診断システムの特徴構成は、
プラットホームに設置されたホームドアの状態を診断するホームドア診断システムであって、
いつの時点の診断を行うかを示す診断時点を設定する診断時点設定部と、
前記診断時点以前における前記ホームドアの状態を示すパラメータに基づいて、前記診断時点以降における前記ホームドアを開閉動作させるモータに流れるモータ電流の電流値を電流予測値として予測する予測部と、
予め設定された条件下において前記ホームドアを開閉動作した際の前記診断時点の前記モータ電流の電流値の測定結果を実測値として取得する実測値取得部と、
前記電流予測値と前記実測値とに基づいて、前記診断時点における前記実測値の異常度を算定する異常度算定部と、
前記異常度が予め設定された閾値を超えている場合に、前記診断時点における前記ホームドアの状態が異常であると判定する状態判定部と、
を備えている点にある。
【0008】
例えばホームドアを開閉動作させる際にホームドアを支持するガイドベアリングのグリース(グリス)が枯渇している場合には、ホームドアを開閉動作させるモータに流れるモータ電流が、グリースが枯渇していない場合に比べて大きくなる。また、ホームドアを開閉動作させるモータとホームドアとに亘って設けられるベルトに弛みが発生した場合にも、ホームドアを開閉動作させるモータに流れるモータ電流が、弛みが発生してない場合に比べて大きくなる。そこで、上述した構成とすれば、モータ電流の電流値に基づいてホームドアの状態が異常であるか否かを適切に診断することが可能となる。また、モータ電流の電流値に基づいてホームドアの状態を診断することで、例えば上述したグリースの枯渇やベルトの弛みを予想することができ、グリースの枯渇やベルトの弛みが発生する前にメンテナンスを行うことが可能となる。特に、本構成では、診断時点以前におけるパラメータから予測された診断時点以降における電流予測値と、診断時点の実測値とを比較して異常度を算定しているため、設置場所や設置時期に依存しないホームドア固有の診断を行うことができる。このため、従来のように別のホームドアから得られる実測値を用いる場合に比べて、予測精度を高めることができる。
【0009】
また、前記予測部は、前記パラメータとして、前記ホームドアが設置された地域における前記ホームドアが設置されてから前記診断時点までの間の所定の時刻の気温を示す気温情報、及び前記ホームドアが設置されてから前記診断時点までの間に前記予め設定された条件下で実施された前記ホームドアの開閉動作の確認を行う動作確認試験において前記ホームドアを開閉駆動させた際の前記実測値を含む電流値情報を使用すると好適である。
【0010】
ホームドアを開閉駆動するモータに流れるモータ電流は、気温が高い場合よりも気温が低い場合の方が大きくなる傾向がある。そこで、本構成のように予測部が、気温情報や電流値情報を用いてモータに流れるモータ電流の電流値を電流予測値として予測することで、診断時点の気温に応じた電流値を正確に予測することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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