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公開番号2024155213
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069701
出願日2023-04-21
発明の名称熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制剤、熱空気架橋用ゴム組成物、物品、及び熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制方法
出願人日油株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C08L 21/00 20060101AFI20241024BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】熱空気存在下における有機過酸化物による架橋で得られる架橋ゴムが優れた機械特性を有しながらも、架橋ゴムの表面のべたつきを抑制できる、熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制剤を提供すること。
【解決手段】ゴムと有機過酸化物を含有するゴム組成物に含まれ、かつ炭素数が8~30の脂肪酸と、2価又は3価の金属との脂肪酸金属塩を有効成分とする、熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ゴムと有機過酸化物を含有するゴム組成物に含まれ、かつ炭素数が8~30の脂肪酸と、2価又は3価の金属との脂肪酸金属塩を有効成分とする、熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制剤。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
ゴムを100質量部に対し、有機過酸化物を0.1~15質量部、及び請求項1記載の熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制剤を0.001~10質量部を含有する、熱空気架橋用ゴム組成物。
【請求項3】
請求項2記載の熱空気架橋用ゴム組成物から形成される物品。
【請求項4】
請求項1記載の熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制剤と有機過酸化物とを、ゴムに混練し、空気の存在下において120~250℃で架橋する、熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制剤、熱空気架橋用ゴム組成物、物品、及び熱空気架橋用ゴムのべたつき抑制方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
有機過酸化物は、ゴムや熱可塑性エラストマー、樹脂の架橋剤として広く利用されている。有機過酸化物による架橋は硫黄での架橋と比較して、架橋ゴムの機械的物性や耐熱性等が高い特徴がある。これは、有機過酸化物架橋で形成される炭素-炭素結合が、硫黄架橋により形成される炭素-硫黄結合よりも化学的に安定であるためと考えられている。
【0003】
有機過酸化物によるゴムの架橋反応は有機過酸化物の-O-O-結合の分解により生じる酸素ラジカルが、ゴム中の水素原子を引き抜くことでポリマーラジカルが生成し、このポリマーラジカル同士がカップリングすることで起こるとされている。
【0004】
有機過酸化物によりゴムの架橋を行う場合、ゴム表面では空気中の酸素分子により架橋反応が阻害される。その結果、ゴム表面では架橋反応の進行が不十分となり、べたついたゴム表面生じる。このため、有機過酸化物によるゴムの架橋は酸素が除かれたスチームチューブ、溶融塩浴、スチームオートクレーブ、及び排気密閉金型内等で加熱して行うのが一般的である。
【0005】
酸素が除かれた環境下で加熱して架橋反応を行うためには、硫黄架橋を行う場合に比べて製造設備が高価になる。また架橋反応を行うまでの準備やメンテナンスが必要となり、硫黄架橋に比べ生産性が低下する。
【0006】
これらの課題により、硫黄架橋と同様に空気存在下でもゴム表面にべたつきが生じない有機過酸化物による架橋ゴムを製造する方法が求められていた。
【0007】
この課題を解決する方法として、硫黄系化合物を用いる方法(特許文献1)、アスコルビン酸を用いる方法(特許文献2)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2020-105532号公報
国際公開第2022/13114号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1では、有機過酸化物と、ポリ(アルキルフェノール)ポリスルフィド及びベンゾチアジルスルフィドを併用することで、架橋ゴム表面のべたつきが改善されることが開示されている。しかし、架橋ゴムの機械特性は十分ではない。またポリ(アルキルフェノール)ポリスルフィド、ベンゾチアジルスルフィドは飛散性が高い粉体であり、これらを取り扱う際には作業安全性を確保するための措置が必要となる。
【0010】
特許文献2は有機過酸化物とアスコルビン酸誘導体を併用することで機械特性や耐熱性が優れる架橋ゴムが得られることが開示されている。しかしアスコルビン酸誘導体は経時的な分解が起こりやすい性質を有する。そのため、ゴム組成物の保管温度等によりゴム組成物中のアスコルビン酸誘導体の量に差が生じ、架橋ゴムの品質にばらつきが生じる原因となる懸念がある。
(【0011】以降は省略されています)

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