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公開番号2024155079
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069486
出願日2023-04-20
発明の名称ダイヤモンドビット
出願人株式会社ホリ・コン
代理人弁理士法人真菱国際特許事務所
主分類B28D 1/14 20060101AFI20241024BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約【課題】本発明は、コア片を含む研削屑を冷却剤に乗せて円滑に排出することができるダイヤモンドビットを提供する。
【解決手段】切欠き開放部35が形成されたダイヤモンド切刃31、およびこれを保持するホルダシャフト32を有するビット部11と、ビット部11に冷却剤を供給するシャンク部12と、を備え、ホルダシャフト32の端面には、偏心位置に冷却剤吐出口45が形成されると共に、流出する冷却剤を孔周壁Haとホルダシャフト32との間隙に導く冷却剤ガイド溝46が形成され、冷却剤ガイド溝46は、孔開口Hbに向かって間隙内を流れる冷却剤が、穿孔の回転方向に倣う螺旋状に流れるように径方向および周方向において傾いている。
【選択図】 図3





特許請求の範囲【請求項1】
軸心部を含んで径方向外方に延びるスリット状の切欠き開放部が形成されたダイヤモンド切刃、および前記ダイヤモンド切刃を保持すると共に前記ダイヤモンド切刃よりも細径に形成されたホルダシャフトを有するビット部と、
前記ホルダシャフトに連なると共に、前記ビット部に供給する冷却剤の供給流路を有するシャンク部と、を備え、
前記切欠き開放部に臨む前記ホルダシャフトの端面には、偏心した位置に前記供給流路に連通する冷却剤吐出口が形成されると共に、前記冷却剤吐出口から前記切欠き開放部を経て流出する冷却剤を孔周壁と前記ホルダシャフトとの間隙に導く冷却剤ガイド部が形成され、
前記冷却剤ガイド部は、前記間隙に導かれた冷却剤が孔外部に向かって螺旋状に流れるように、径方向に下り傾斜で且つ回転と同方向に湾曲していることを特徴とするダイヤモンドビット。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記冷却剤ガイド部は、前記ホルダシャフトの端面に形成されガイド溝を有し、前記ガイド溝は、平面視において前記切欠き開放部よりも広幅に形成されると共に、溝底が径方向に下り傾斜で且つ回転と同方向に湾曲していることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドビット。
【請求項3】
前記溝底は、略58°の下り傾斜を為していることを特徴とする請求項2に記載のダイヤモンドビット。
【請求項4】
前記冷却剤吐出口は、径方向において前記切欠き開放部の開放方向とは逆側に偏心しており、
前記切欠き開放部は、開放部本体と、前記冷却剤吐出口から吐出された冷却剤を受け前記開放部本体に導く冷却剤受容部と、を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のダイヤモンドビット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートや石材等に比較的小径の孔明けを行うダイヤモンドビットに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種のダイヤモンドビットとして、ダイヤモンドビット部シャンクとシャンク部本体と、を分離可能に連結して成るノンコアー型のダイヤモンドビット用特殊シャンクが知られている(特許文献1参照)。
このダイヤモンドビット用特殊シャンクでは、ダイヤモンドビット部シャンクに雌状嵌合部(雌ネジ)が形成され、シャンク部本体に雌状嵌合部に嵌合する雄状嵌合部(雄ネジ)が形成されている。また、ダイヤモンドビット部シャンクには、雌状嵌合部の内部に連通すると共に、軸心から偏心するようにして冷却剤供給口が形成されている。
これにより、冷却剤供給口において、発生したコアによる詰まりを回避することができる。また、シャンク部本体における雌状嵌合部の摩耗が抑制され、シャンク部本体の強度低下を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3459883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、従来のダイヤモンドビット用特殊シャンク(ダイヤモンドビット)では、冷却剤供給口が偏心して設けられているため、穿孔により生ずる小さなコアは、冷却剤供給口から外れた端面の中心部に突き当たって破壊される。このため、冷却剤供給口が破壊されたコア片で詰まることがなく、穿孔作業をロスなく行うことができる。
一方、破壊されたコア片は、冷却剤供給口から噴出する冷却剤に乗って流され、穿孔された孔周壁とシャンク部本体との間隙を流れて、孔の外部に排出される。シャンク部本体は、ビット部に対しわずかに細径に形成されており、孔周壁とシャンク部本体との間隙は、狭いものとなる。このため、破壊されたコア片の粒子が大きい場合には、孔周壁とシャンク部本体との間隙において、コア片を含む研削屑の詰まりが生ずることがある。研削屑の詰まりが生ずると、ダイヤモンドビットの回転抵抗(摺動抵抗)が大きくなると共に、冷却剤の流れが悪化する問題が生ずる。
【0005】
本発明は、コア片を含む研削屑を冷却剤に乗せて円滑に排出することができるダイヤモンドビットを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のダイヤモンドビットは、軸心部を含んで径方向外方に延びるスリット状の切欠き開放部が形成されたダイヤモンド切刃、およびダイヤモンド切刃を保持すると共にダイヤモンド切刃よりも細径に形成されたホルダシャフトを有するビット部と、ホルダシャフトに連なると共に、ビット部に供給する冷却剤の供給流路を有するシャンク部と、を備え、切欠き開放部に臨むホルダシャフトの端面には、偏心した位置に供給流路に連通する冷却剤吐出口が形成されると共に、冷却剤吐出口から切欠き開放部を経て流出する冷却剤を孔周壁とホルダシャフトとの間隙に導く冷却剤ガイド部が形成され、冷却剤ガイド部は、孔外部に向かって間隙内を流れる冷却剤が、穿孔の回転方向に倣う螺旋状に流れるように径方向および周方向において傾いていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、穿孔回転するダイヤモンド切刃に、ホルダシャフトの冷却剤吐出口から冷却剤が供給される。供給された冷却剤は、切欠き開放部を介して穿孔中のダイヤモンド切刃に供給されこれを冷却する。穿孔に伴う切削粉や破壊されたコアのコア片等の切削屑は、冷却剤の流れに乗って、切欠き開放部から冷却剤ガイド部を経て、孔周壁とホルダシャフトとの間隙に導かれる。そして、間隙に導かれた切削屑は、冷却剤ガイド部により螺旋を描くように流れ、孔開口から孔外部に排出される。
このように、孔周壁とホルダシャフトとの間隙内における冷却剤の螺旋状の流れは、層流となり孔開口に向かって円滑に流れることとなる。このため、冷却剤にコア片等の粒子が混入していても、これを外部に円滑に排出することができ、孔周壁とホルダシャフトとの間隙内における切削屑の詰まりを有効に防止することができる。
【0008】
この場合、冷却剤ガイド部は、ホルダシャフトの端面に形成されガイド溝を有し、ガイド溝は、平面視において切欠き開放部と略同形に形成されると共に、溝底が径方向および周方向において傾いていることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、切削屑を含む冷却剤を上記の間隙に導く冷却剤ガイド部が、ホルダシャフトの端面に形成したガイド溝を有しているため、この端面とガイド溝との境界部分には、一対のエッジが形成される。このため、穿孔回転の際に、このエッジの一方がコアから離れたコア片を細かく砕くように作用する。このため、切削屑に含まれるコア片の粒子を小さくすることができ、切削屑を含む冷却剤を、より一層円滑に外部に排出することができる。
【0010】
この場合、溝底は、略58°の下り傾斜を為していることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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