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公開番号
2024154733
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023068730
出願日
2023-04-19
発明の名称
炭酸カルシウムの製造装置、該装置に用いられるパーツおよび炭酸カルシウムの製造方法
出願人
ノリタケ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C01F
11/18 20060101AFI20241024BHJP(無機化学)
要約
【課題】二酸化炭素をほとんど外部に放出することなく連続的に炭酸カルシウムを製造することができる炭酸カルシウムの製造装置を提供すること。
【解決手段】ここに開示される炭酸カルシウムの製造装置100は、水酸化カルシウムを含むスラリーを供給するスラリー供給部110と、スラリーに対して二酸化炭素を微細気泡として供給する二酸化炭素供給部120と、生成した炭酸カルシウムを含むスラリーを回収するスラリー回収部130と、スラリー供給部110、二酸化炭素供給部120およびスラリー回収部130を接続する接続ライン140と、を備えている。かかる製造装置100は、1つの微細気泡発生装置20と1つのスタティックミキサー30との構成を1単位としたときに、該単位をスラリーの流れ方向に沿って少なくとも2単位以上有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
炭酸カルシウムの製造装置であって、
水酸化カルシウムを含むスラリーを供給するスラリー供給部と、
前記スラリーに対して二酸化炭素を微細気泡として供給する二酸化炭素供給部と、
生成した炭酸カルシウムを含むスラリーを回収するスラリー回収部と、
前記スラリー供給部、前記二酸化炭素供給部および前記スラリー回収部を接続する接続ラインと、
を備えており、
前記二酸化炭素供給部は、
前記スラリーの流れ方向に沿って、上流側に配置される微細気泡発生装置と、下流側に配置されるスタティックミキサーと、を有しており、
前記微細気泡発生装置1つと前記スタティックミキサー1つとの構成を1単位としたときに、該単位を前記スラリーの流れ方向に沿って少なくとも2単位以上有している、炭酸カルシウムの製造装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記微細気泡発生装置は、微細気孔を有する多孔質体からなる微細気泡発生管を備えている、請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
前記微細気泡発生装置は、前記微細気孔の平均細孔径が0.5μm以上10μm以下である、請求項2に記載の製造装置。
【請求項4】
前記微細気泡発生装置は、
平均粒径が100μm以下であり、少なくとも粒径が1μm未満のウルトラファインバブルを含むように微細気泡を発生させる、請求項1に記載の製造装置。
【請求項5】
前記スラリー供給部は開放系の供給タンクを有し、
前記スラリー回収部は開放系の回収タンクを有しており、
前記供給タンク、前記微細気泡発生装置、前記スタティックミキサー、および前記回収タンクが前記接続ラインによって接続されている、請求項1に記載の製造装置。
【請求項6】
前記微細気泡発生装置はそれぞれ、二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給ラインに接続されており、
前記接続ライン内を流れるスラリーの流量を流量X、前記二酸化炭素供給ラインに供給される二酸化炭素の供給量を供給量Yとしたときに、
流量Xに対する供給量Yの比(Y/X)が1未満である、請求項1に記載の製造装置。
【請求項7】
前記微細気泡発生装置1つと前記スタティックミキサー1つとの構成を1単位としたときに、該単位を前記スラリーの流れ方向に沿って2単位以上50単位以下有している、請求項1に記載の製造装置。
【請求項8】
請求項1に記載の製造装置に用いられるパーツであって、
スラリーの流れ方向に沿って上流側に配置される1つの微細気泡発生装置と、
下流側に配置される1つのスタティックミキサーと、
前記微細気泡発生装置と前記スタティックミキサーとを接続する接続ラインと、
を備えるパーツ。
【請求項9】
炭酸カルシウムの製造方法であって、
水酸化カルシウムを含むスラリーを供給する工程と、
前記スラリーに対して二酸化炭素を微細気泡として供給する工程と、
生成した炭酸カルシウムを含むスラリーを回収する工程と、
を含み、
前記二酸化炭素供給工程では、
前記スラリーの流れ方向に沿って上流側に配置される1つの微細気泡発生装置と、下流側に配置される1つのスタティックミキサーとの構成を1単位としたときに、該単位を少なくとも2回以上通過させることを特徴とする、炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項10】
前記スラリー供給工程における前記スラリーの流量を流量X、前記二酸化炭素供給工程における二酸化炭素の供給量を供給量Yとしたときに、
前記流量Xに対する前記供給量Yが1未満となるように前記スラリーの流量と前記二酸化炭素の供給量とを調整する、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸カルシウムの製造装置、該装置に用いられるパーツおよび炭酸カルシウムの製造方法に関する。より詳細には、炭酸カルシウムを連続的に製造する装置、該装置に用いられるパーツ、および炭酸カルシウムを連続的に製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素(CO
2
)は、地球温暖化等への環境問題に対して大きな影響を及ぼす温室効果ガスとなることから、排出量の大幅な削減が求められている。このため、火力発電所や工場等から排出される二酸化炭素を選択的に回収し、固定化する技術の開発が進められている。
【0003】
二酸化炭素の回収、固定化に関する技術としては、例えば、二酸化炭素を化学反応により、炭酸塩(例えば炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム)として固定化する方法が知られている。特許文献1および2には、炭酸カルシウムを製造する方法が記載されている。また、炭酸カルシウムの製造方法は様々な技術が提案されており、特許文献3においては、炭酸ガスを含むウルトラファインバブルの存在下で炭酸カルシウムおよび/または炭酸マグネシウムを析出させる方法が開示されている。特許文献4では、密閉容器内で微細気孔を有する多孔質部を備えた微細気泡発生装置を用いることにより、二酸化炭素を外部に放出させることなく炭酸カルシウムとして固定化させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3995761号公報
特許第4961074号公報
特許第6742867号公報
特許第7196254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3の図6に開示されるような構成の装置では、ウルトラファインバブルを吹き込みしてからの撹拌・混合が不十分な状態で開放系の容器に供給される。このため、大気中に放出される二酸化炭素が多くなる虞がある。また、特許文献4に開示されるような密閉系の容器を用いた場合、容器内圧力を上昇させないために、新たに水酸化カルシウムを補充する量と同量の反応済みのスラリーを抜く必要があり、連続的に炭酸カルシウムを製造する観点からは未だ課題があった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素をほとんど外部に放出することなく連続的に炭酸カルシウムを製造することができる炭酸カルシウムの製造装置を提供することにある。また、他の目的は、かかる製造装置に用いるパーツ、および、炭酸カルシウムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するべく、ここに開示される炭酸カルシウムの製造装置が開示される。ここに開示される炭酸カルシウムの製造装置は、水酸化カルシウムを含むスラリーを供給するスラリー供給部と、上記スラリーに対して二酸化炭素を微細気泡として供給する二酸化炭素供給部と、生成した炭酸カルシウムを含むスラリーを回収するスラリー回収部と、上記スラリー供給部、上記二酸化炭素供給部および上記スラリー回収部を接続する接続ラインと、を備えている。上記二酸化炭素供給部は、上記スラリーの流れ方向に沿って、上流側に配置される微細気泡発生装置と、下流側に配置されるスタティックミキサーと、を有しており、上記微細気泡発生装置1つと上記スタティックミキサー1つとの構成を1単位としたときに、該単位を上記スラリーの流れ方向に沿って少なくとも2単位以上有している。
【0008】
かかる構成によれば、微細気泡発生装置により二酸化炭素を微細気泡として供給することで、水酸化カルシウムと二酸化炭素とが好適に混合する。そして、スタティックミキサーの分割作用や転換作用により、スラリーの撹拌と混合が十分に行われるため、炭酸化反応を速やかに完了させることができる。かかる微細気泡発生装置1つとスタティックミキサー1つとの構成を1単位としたときに、該単位を2単位以上有していることにより、炭酸化反応をほとんど完了させることができる。したがって、かかる構成によれば、二酸化炭素をほとんど外部に放出することなく連続的に炭酸カルシウムを製造することができる。また、かかる構成によれば、二酸化炭素を好適に炭酸カルシウムとして固定化させることができる。
【0009】
ここに開示される製造装置の好適な一態様では、上記微細気泡発生装置は、微細気孔を有する多孔質体からなる微細気泡発生管を備えている。
かかる構成によれば、二酸化炭素を含む微細気泡を好適に発生させることができる。
【0010】
ここに開示される製造装置の好適な一態様では、上記微細気泡発生装置は、上記微細気孔の平均細孔径が0.5μm以上10μm以下である。
かかる構成によれば、二酸化炭素を含む微細気泡を好適に発生させることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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