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公開番号2024151537
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023064963
出願日2023-04-12
発明の名称橋梁及びその構築方法
出願人ピーエス・コンストラクション株式会社
代理人個人
主分類E01D 1/00 20060101AFI20241018BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】橋脚等の下部構造体の負担を軽減でき、且つ、工期の短縮を図ることができる橋梁及びその構築方法の提供。
【解決手段】この橋梁1は、各下部構造体3a,3aの上部に橋軸直角方向に向けて支持された下部工横梁4と、下部工横梁4上に支承部材5を介して支持された橋軸方向に向けた一又は複数の中空直方体状のプレキャスト縦桁部材6,6からなる縦桁部LB,LBと、橋軸直角方向で間隔をおいて隣り合う縦桁部LB,LB間に架設されたプレキャスト版7とを備え、プレキャスト縦桁部材6,6及びプレキャスト版7からなる上部工8の橋軸直角方向に挿通されたPC鋼材9,9…により上部工8の橋軸直角方向全幅に亘ってポストテンション方式によりプレストレスが導入されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
橋軸方向に間隔をおいて立設された下部構造体間に上部工が架設されてなる橋梁において、
前記各下部構造体の上部に橋軸直角方向に向けて支持された下部工横梁と、
該下部工横梁上に支承部材を介して支持された橋軸方向に向けた一又は複数の中空直方体状のプレキャスト縦桁部材からなる縦桁部と、
橋軸直角方向で間隔をおいて隣り合う前記縦桁部間に架設されたプレキャスト版とを備えるとともに、
前記下部工横梁上の間隔をおいて隣り合う前記縦桁部と前記プレキャスト版に囲まれた部分がコンクリートで充填されてなる横梁部が形成され、
前記プレキャスト縦桁部材と前記プレキャスト版とからなる床版部の橋軸直角方向全幅に亘って挿通されたPC鋼材と、前記横梁部の橋軸直角方向全幅に亘って挿通されたPC鋼材とにより前記縦桁部、前記プレキャスト版及び前記横桁部からなる構造体の橋軸直角方向全幅に亘ってポストテンション方式によりプレストレスが導入されていることを特徴としてなる橋梁。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記下部工横梁は、前記下部構造体の上端より所定の高さ分だけ低い位置に支持されている請求項1に記載の橋梁。
【請求項3】
前記プレキャスト版には橋軸方向に向けたPC鋼材によりプレテンション方式によるプレストレスが導入されている請求項1又は2に記載の橋梁。
【請求項4】
橋軸方向に間隔をおいて立設された下部構造体間に上部工が架設されてなる橋梁の構築方法において、
前記各下部構造体の上部に橋軸直角方向に向けた下部工横梁を支持させ、
該下部工横梁上に支承部材を介して橋軸方向に向けた一又は複数の中空直方体状のプレキャスト縦桁部材を支持させて縦桁部を形成し、
しかる後、橋軸直角方向で間隔をおいて隣り合う前記縦桁部間にプレキャスト版を架設し、
前記下部工横梁上の間隔をおいて隣り合う前記縦桁部と前記プレキャスト版に囲まれた部分にコンクリートを打設して横梁部を形成し、
前記プレキャスト縦桁部材と前記プレキャスト版とからなる床版部の橋軸直角方向全幅に亘ってPC鋼材を挿通させるとともに、前記横梁部の橋軸直角方向全幅に亘ってPC鋼材を挿通させ、
該PC鋼材により前記縦桁部、前記プレキャスト版及び前記横桁部からなる構造体の橋軸直角方向全幅に亘ってポストテンション方式によりプレストレスを導入することを特徴としてなる橋梁の構築方法。
【請求項5】
橋軸方向に間隔をおいて立設された下部構造体間に架設された既設上部工を新たな上部工に架け替えて構築する橋梁の構築方法において、
既設上部工を支持する前記下部構造体の上端より所定の距離だけ低い位置に橋軸直角方向に向けた下部工横梁を予め構築しておき、
前記既設上部工を撤去した後、
前記下部工横梁の前記下部構造体上端部を挟んだ両側にそれぞれ支承部材を介して橋軸方向に向けた一又は複数の中空直方体状のプレキャスト縦桁部材を支持させて縦桁部を形成し、
しかる後、前記下部構造体上端部を挟んで間隔をおいて隣り合う前記縦桁部間にプレキャスト版を架設し、
前記下部工横梁上の間隔をおいて隣り合う前記縦桁部と前記プレキャスト版に囲まれた部分にコンクリートを打設して横梁部を形成し、
前記プレキャスト縦桁部材と前記プレキャスト版とからなる床版部の橋軸直角方向全幅に亘ってPC鋼材を挿通させるとともに、前記横梁部の橋軸直角方向全幅に亘ってPC鋼材を挿通させ、
該PC鋼材により前記縦桁部、前記プレキャスト版及び前記横桁部からなる構造体の橋軸直角方向全幅に亘ってポストテンション方式によりプレストレスを導入することを特徴としてなる橋梁の構築方法。
【請求項6】
前記支承部材上に設置された桁受板材の橋軸直角方向両端部を、仮支承部材を介して前記下部工横梁に支持させた状態で、前記桁受板材上に複数の前記プレキャスト縦桁部材を橋軸直角方向に並べて設置し、
前記PC鋼材により前記縦桁部、前記プレキャスト版及び前記横桁部からなる構造体の橋軸直角方向全幅に亘ってポストテンション方式によりプレストレスを導入した後、前記仮支承部材を撤去する請求項4又は5に記載の橋梁の構築方法。
【請求項7】
前記プレキャスト版には橋軸方向に向けたPC鋼材によりプレテンション方式によるプレストレスが導入されている請求項4又は5に記載の橋梁の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高架道路等を含む橋梁を架け替え又は新たに構築する橋梁及びその構築方法に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、コンクリート製の橋梁は、経年劣化に加え、車両の大型化による使用環境の悪化や凍結防止剤散布の影響等による老朽化が問題となっており、橋梁の架け替え工事による大規模更新工事が進められている。
【0003】
特に、RC中空床版橋は、死荷重の軽減等を目的として、橋脚等の下部構造体に支持された床版の内部に空隙部を設けているため、凍結防止剤による塩害や凍害に加え、空隙部を設けたことでかぶりが十分に確保し難いこともあり、重交通や浸透水の影響で上面部に変状が生じやすくなっており、上面部に変状を来した場合、床版全体を更新する必要がある。
【0004】
また、RC中空床版橋は、高架橋の標準構造として数多く採用されており、今後、多くの更新工事が必要になると思われる。
【0005】
従来、このようなRC中空床版橋等の橋梁の架け替え方法としては、支保工又はガーダーを用いて既設の上部工を撤去した後、撤去した部分に新たに中空床版や鋼鈑桁橋を構築する工法が一般に用いられている。
【0006】
また、その他の工法としては、既設上部工を撤去した後、橋脚または橋台等の下部構造体上に橋軸直角方向に向けたプレキャスト横梁を設置し、そのプレキャスト横梁上に中空直方体状の複数のプレキャスト縦桁部材を橋軸直角方向に並べて敷設して中空床版を構築する方法も開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0007】
また、この種の橋梁の架け替えにおいては、床版等の既設上部工の撤去に伴い通行規制が行われることから、通行規制による社会的損失を最小限に抑えるため、短期間で取替えを行うことが可能な工法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2009-256873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の特許文献1に示す如き従来技術では、橋脚または橋台等の下部構造体上に設置したプレキャスト横梁上に複数のプレキャスト縦桁部材を橋軸直角方向に並べて敷設することから、上部工全体の重量が増加し、それを支持する下部構造体の耐力不足が懸念される。
【0010】
また、従来の技術では、既設上部工を撤去した後でなければプレキャスト横梁を設置することができず、既設上部工の撤去からプレキャスト横桁の設置を経て新たな床版部が形成されるまでのすべての期間において通行規制を行わなくてはならず、通行規制による社会的損失が大きくなるという問題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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