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公開番号2024151469
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023064819
出願日2023-04-12
発明の名称エネルギー消費促進による体温上昇用の食品
出願人長崎県公立大学法人,株式会社銀座セルクブラン,株式会社ウェルクリエイト
代理人個人
主分類A23L 33/13 20160101AFI20241018BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】正常マウスよりもエネルギー代謝が低下している肥満・糖尿病モデルdb/dbマウスにNMNを給餌させ、肥満、糖尿病およびそれらに伴う脂質代謝異常といった病態発症に及ぼす影響を評価してNMNの新たな機能を見出すとともに、これらの病態に有効な組成物を提供する。
【解決手段】ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する高脂血症改善用、アディポネクチン産生促進用、エネルギー消費促進用、抗肥満用の組成物。
【選択図】図2-1
特許請求の範囲【請求項1】
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する高脂血症改善用の組成物。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するアディポネクチン産生促進用の組成物。
【請求項3】
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するエネルギー消費促進用の組成物。
【請求項4】
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する抗肥満用の組成物。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の組成物を含む飲料。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の組成物を含む食品。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれかに記載の組成物を含む医薬品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチンアミドモノヌクレオチドを有効成分として含有する組成物と、この組成物を含有する飲料、食品、医薬品に関するものである。
続きを表示(約 5,400 文字)【背景技術】
【0002】
ニコチンアミドモノヌクレオチド(Nicotinamide mononucleotide:以降NMNと略記)は補酵素ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の中間代謝産物であり、水溶性ビタミンであるナイアシンから生成される。近年の研究成果から、環境や栄養状態によってNAD量が変動し、エネルギーセンシングとして機能することで、代謝、炎症、分化、老化などの多種多様な生命現象において重要な役割を果たすことが明らかにされつつある[1]。また、体内のNAD量を増加させることで、肥満や糖尿病、虚血再灌流障害、心不全、アルツハイマー病、網膜変性症、急性腎障害など様々な疾患が改善されることも報告されている[2]。しかし、NAD生合成経路は加齢とともに低下し、NADを消費する酵素群(ポリADPリボースポリメラーゼ、CD38ファミリー、サーチュイン)が加齢に伴って活性化されるため、加齢とともにNAD量が低下すること分かっている[2]。そして、このNADを補充するため、NADの前駆体であるNMN(図1)に注目が集まり、現在はサプリメントとして流通している。実際に、NMN摂取による生理機能としては、体重増加の減少や耐糖能およびミトコンドリア機能の改善[3]、炎症からの保護[4]、認知機能の改善[5, 6]などが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
[1]吉野純, 今井眞一郎. 哺乳類代謝制御におけるNAD
+
の生理学的重要性と治療標的としての可能性. 化学と生物. 2013; 51(3):147-153.
[2]Hong W, et al. Nicotinamide mononucleotide: A promising molecule for therapy of diverse diseases by targeting NAD
+
metabolism. Frontiers in Cell and Developmental Biology. 2020; 8:246.
[3]Uddin GM, et al. Nicotinamide mononucleotide (NMN) supplementation ameliorates the impact of maternal obesity in mice: comparison with exercise. Scientific Reports. 2017; 7:15063.
[4]Caton PW, et al. Nicotinamide mononucleotide protects against pro-inflammatory cytokine-mediated impairment of mouse islet function. Diabetologia. 2011; 54:3083-3092.
[5]Tarantini S, et al. Nicotinamide mononucleotide (NMN) supplementation rescues cerebromicrovascular endothelial function and neurovascular coupling responses and improves cognitive function in aged mice. Redox Biology. 2019; 24:101192.
[6]Wang X, et al. Nicotinamide mononucleotide protects against β-amyloid oligomer-induced cognitive impairment and neuronal death. Brain Research. 2016; 1643:1-9.
[7]Bligh EG, and Dyer WJ. A rapid method of total lipid extraction and purification. Canadian Journal of Biochemistry and Physiology. 1959; 37:911-917.
[8]Carr TP, et al. Enzymatic determination of triglyceride, free cholesterol, and total cholesterol in tissue lipid extracts. Clinical Biochemistry. 1993; 26:39-42.
[9]Rouser G, et al. Quantitative analysis of phospholipids by thin-layer chromatography and phosphorus analysis of spots. Lipids. 1966; 1:85-86.
[10]Markwell MA, et al. The subcellular distribution of carnitine acyltransferases in mammalian liver and kidney. A new peroxisomal enzyme. The Journal of Biological Chemistry. 1973; 248:3426-3432.
[11]Lowry OH, et al. Protein measurement with the folin phenol reagent. The Journal of Biological Chemistry. 1951; 193:265-275.
[12]Kelley DS, et al. Effect of prior nutritional status on the activity of lipogenic enzymes in primary monolayer cultures of rat hepatocytes. The Biochemical Journal. 1986; 235:87-90.
[13]Hariri N, and Thibault L. High-fat diet-induced obesity in animal models. Nutrition Research Reviews. 2010; 23:270-299.
[14]Yamaguchi S, et al. Adipose tissue NAD
+
biosynthesis is required for regulating adaptive thermogenesis and whole-body energy homeostasis in mice. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 2019; 116:23822-23828.
[15]Palazzi X, et al. Characterizing “Adversity” of Pathology Findings in Nonclinical Toxicity Studies: Results from the 4th ESTP International Expert Workshop. First published online. Toxicologic Pathology. 2016; 44:810-824.
[16]Cros C, et al. Safety evaluation after acute and sub-chronic oral administration of high purity nicotinamide mononucleotide (NMN-C) in Sprague-Dawley rats. Food and Chemical Toxicology. 2021; 150:112060.
[17]Hard GC, and Khan KN. Invited Review: A Contemporary Overview of Chronic Progressive Nephropathy in the Laboratory Rat, and Its Significance for Human Risk Assessment. Toxicologic Pathology. 2004; 32:171-180.
[18]You Y, et al. Subacute toxicity study of nicotinamide mononucleotide via oral administration. Frontiers in Pharmacology. 2020; 11:604404.
[19]永尾晃治, メタボリックシンドロームにおける機能性脂質の活用, 生物試料分析. 2012; 35:113-118.
[20]Khoramipour K, et al. Adiponectin: Structure, Physiological Functions, Role in Diseases, and Effects of Nutrition. Nutrients. 2021; 13:1180.
[21]Chien D, et al. Malonyl-CoA content and fatty acid oxidation in rat muscle and liver in vivo. American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism. 2000; 279:E259-E265.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
NMNの研究が行われ始めてから10年ほどの時が経つが、先行研究[2]におけるNMN投与方法は腹腔内注射や飲水に限定されており、NMNを食餌として摂取させたものは見受けられず、NMNの栄養生理機能発現の詳細は明確になっていない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、正常マウスよりもエネルギー代謝が低下している肥満・糖尿病モデルdb/dbマウスにNMNを給餌させ、肥満、糖尿病およびそれらに伴う脂質代謝異常といった病態発症に及ぼす影響を評価してNMNの新たな機能を見出すとともに、これらの病態に有効な組成物と、この組成物を利用した飲料、食品、医薬品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の発明者らは、正常マウスよりもエネルギー代謝が低下している肥満・糖尿病モデルdb/dbマウスにNMNを給餌させ、肥満、糖尿病およびそれらに伴う脂質代謝異常といった病態発症に及ぼす影響を評価した結果、NMNに、エネルギー消費量の促進、肥満の抑制、アディポネクチン産生促進、高脂血症の改善作用があることを見出した。
【0007】
前述した目的は、ニコチンアミドモノヌクレオチドを有効成分として含有する組成物によって達成される。また、前述した目的は、当該組成物を含む飲料、食品、医薬品によって達成される。
【発明の効果】
【0008】
NMNを有効成分として含有する組成物を摂取することで、
・エネルギー消費量の促進
・肥満の抑制
・アディポネクチン産生促進
・高脂血症の改善
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
NMN(NADの前駆体)およびNADの化学構造. NMNAT (nicotinamide mononucleotide adenylyltransgerase): NMNからNADを合成する酵素.
肥満・糖尿病モデルdb/dbマウスのエネルギー代謝に及ぼすNMN摂取の影響. Control食あるいはNMN食を3週間摂食させたdb/dbマウスにおける呼吸商(a)及び糖質燃焼量(b)の経時変化.
肥満・糖尿病モデルdb/dbマウスのエネルギー代謝に及ぼすNMN摂取の影響. Control食あるいはNMN食を3週間摂食させたdb/dbマウスにおける脂肪燃焼量(c)及びエネルギー消費量(d)の経時変化.
【発明を実施するための形態】
【0010】
はじめに、本発明の実施形態について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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